『ファミコン探偵倶楽部』2作がフルリメイク! 2019年の株主総会質疑応答からの鮮やかな伏線回収劇! - ガメモ
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2019年9月5日、任天堂がWebプレゼンテーション番組“Nintendo Direct 2019.9.5”を放送。その中で、ファミリーコンピュータ ディスクシステムで発売されていた『ファミコン探偵倶楽部』シリーズが、Nintendo Switchで2020年に発売されることが発表されました。
『ファミコン探偵倶楽部』って30年前の作品です
『ファミコン探偵倶楽部』は『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』に続く任天堂のアドベンチャーゲームシリーズの第2弾、第3弾として発売されました。
少年探偵モノのアドベンチャーゲームですので、プレイヤー自身の推理によって謎解きを楽しむものではなく、物語を楽しむほうに比重が置かれたシリーズでした。
物語の内容としては、殺人事件の怖さよりも、事件の舞台になった村の伝説や学校にまつわる都市伝説のほうが怖かったという少年少女探偵たちが多かったです。
その後、第3弾は作られることなく30年が過ぎるわけですが、その間にもアドベンチャーゲームは進化を見せて、カプコンの『逆転裁判』シリーズやレベルファイブの『レイトン』シリーズなどのヒット作も誕生しています。
今回のリメイクには『STEINS;GATE』や『STEINS;GATE』などアドベンチャーゲームでヒット作を出しているMAGES.とタッグを組んでの製作ということで、演出などにも注目が集まっています。
株主総会では消極的な回答だった『ファミコン探偵倶楽部』
この『ファミコン探偵倶楽部』のフルリメイクというのは、ものすごく意外な発表でした。それというのも2019年の6月27日行なわれた任天堂の株主総会。
この総会の質疑応答で『ファミコン探偵倶楽部』に関する質問があり、取締役、専務執行役員の高橋伸也氏と代表取締役フェローの宮本茂氏からの回答が消極的なものだったのです。
第79期 定時株主総会(2019年6月27日開催)質疑応答(417KB)
『ファミコンのディスクシステム向けの『ファミコン探偵倶楽部』は発売から 30 年経つが、演出やシナリオが非常に優れていて今でも心に刺さっており、こうした長く語られるゲームソフトをコンスタントに出してほしい。』
という株主からの質問に対し、
高橋氏は「今までつくってきたIPを大事にしながら、どんどん新しいものにチャレンジしたい」と『ファミコン探偵倶楽部』シリーズというか過去の作品のリメイクに消極的な回答をしていました。
また宮本氏は「アドベンチャーゲームというジャンルに対して海外に向けてのローカライズのコスト問題」、「若い世代がアドベンチャーゲームに興味が少ない傾向がある」と具体的な問題点を挙げて、『ファミコン探偵倶楽部』シリーズの新作が作りづらい環境にあると回答しています。
この株主から質問は「『ファミコン探偵倶楽部』シリーズのような30年くらいインパクトに残るソフトを作って欲しい」という要望だったのですが、ふたりからは『ファミコン探偵倶楽部』シリーズの移植やリメイクの可能性に触れた内容となっていました。
この質疑応答の内容をみて、かつての少年少女探偵たちは肩を落としたものでしたが、宮本氏の回答の中に「メインストリームで積極的につくるのは難しい」とあり、「サイドストリームで他社開発での移殖くらいなら・・・。」とかすかな希望を抱いていました。
そこにこの発表ですから感激もひとしお。しかも任天堂とタッグを組むのはアドベンチャーゲームの人気作『STEINS;GATE』シリーズをつくったMAGES.ですから演出面だけでなく、操作性などの改良点にも注目したいです。
よく考えるとフルリメイクには気づけたかもしれない・・・
今、考えてみると、この質問があった時期には『ファミコン探偵倶楽部』シリーズのフルリメイクの話は具体化していたと思われます。なので株主からの質問に対し、回答したふたりは、「『ファミコン探偵倶楽部』のようなインパクトの残るタイトルを作って欲しい」という激励に対して、ちょっとだけズレたリメイクの話をしたのだと思われます。
伏線と言われれば伏線ですが、このヒントからの推理だけで『ファミコン探偵倶楽部』シリーズのフルリメイクに気付ける人は少ないと思います。
それでも、30年前にこのゲームを楽しんだかつての少年少女探偵たちはひょっとして気づいていたのかもしれないですね。