【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー 】学生へのメッセージ、ゲーム業界への最初の一歩、まずは素直に進むべし 木村雅人#6

【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー 】学生へのメッセージ、ゲーム業界への最初の一歩、まずは素直に進むべし 木村雅人#6

【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー 】学生へのメッセージ、ゲーム業界への最初の一歩、まずは素直に進むべし 木村雅人#6

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  1. 1木村さんからのメッセージ
  2. 2今回のインタビューをうけて

木村さんからのメッセージ

福山「学生や業界を目指す人に向けて、メッセージをいただけますか。」

木村様(以下、木村と表記)「何を目指すにしても、まずは一人前のプロフェッショナルを目指してください。何でもいいので、それで飯が食っていけるぐらいのプロフェッショナルを目指すことがまず第一段階。」

木村「スタートはどんなカタチでも良いから業界に飛び込むことが大事だと思う。そこからまずやることっていうのは一人前になること、本当に必要とされること。」

木村「そこからさらに、取り組まないといけないんですけど、やりたいこと、できること、求められていること、これらを遠慮せずに、恐れずに選んでほしい。それが全て自分の希望にかなうかどうかはわからないですけど、進む道をちゃんと選んで、決めて、もう一歩上の段階に進んでいけると良いなと思います。」

福山「その三つの要素を考えると、求められてることは他の人に聞いたり、社内にこういう問題がありますよっていうものがあれば見つけやすいもので、そして応えやすいものでもあるかなと思います。そして、自分がやりたいことを見つけるのは比較的簡単だけども、それを満たすことはすごく難しい。最後に、自分ができることは、能力を発揮することは簡単だけれど、その能力を見つけるは難しいというものだと思います。」

福山「ものを作るっていう業界を目指す人なら、やりたいことが自分の中で比重が重くなってくると思うんです。でも、全員がやりたいことを完全に叶えることは難しい。」

福山「そうなったときに一番大変なのは折り合いのつけ方になってくるかと思うので、それについてもお聞きしたいです。木村さんの経歴の中でもデザイナーから変わるとなったときにやりたいことドンピシャではなくなることに悩んだというお話もありましたので。」

木村「最初の一歩を選ぶときに、すごく素直に自分自身が、その対象、その道を好きか、面白いかどうかを考えるべきです。何をやっても、結局はなんやかんや大変だし、しかもさっきおっしゃっていただいた通り、僕が結局は自分のドンピシャをできてないのにも関わらず、初就職してからずっと、もう30年近くゲーム業界にいるのはなぜかというと、そもそもやっぱり好きで面白いからなんです。」

木村「ゲームを作るこの仕事が好きで面白いし、ユーザーと向き合って、ユーザーに面白いを届けることがものすごく好きで、面白いと感じているっていうところが絶対的な下敷きにある。だから最初の一歩の方向だけは絶対に嘘をつかずに素直に選ぶべきだと思います。」

木村「もう1個言うとその何かは変わってもいいと思っています。例えば、それがゲームだと思ってゲーム業界に入りました。でも、よーく考えてみたら違った。よく考え直してみたら、別の業界だった!ってなったら、その時にその業界に行ったら良いのだと思います。変わっても良いから、今一番素直に面白いと思えるところに行くべき。そこの一番最初の舵取りっていうのはすごく自分に素直になってください。もしかすると、これはゲームを作るときにディレクターの最初の種を大事にするっていうのとちょっと似てるところなのかもしれません。」

木村「そんな風に選んで入っていくと、どうなったとしてもやっぱりそれは好きだし、面白い仕事ですから。でも、世の中には上には上がいたりとか、何だか上手くいかなかったりとか、色々あって色々大変です。その中で自分の売りって何なんだろうっていうときには、息をするようにできてしまう自分の得意なことが、あなたの武器で売りなので、それをすごく大事にしてください。」

福山「その売りについてですが、就職活動での求人になると、こういう人が欲しいっていうところがそれぞれの会社さんや職種にあると思います。やりたいこと、できること、求められていることという、さきほどの三つがある程度重なり合う部分であることが一番好ましいと思います。」

福山「それでも、自分の売りと就きたい仕事で求められていることがかみ合わない可能性もあります。その場合はどうするべきなんでしょうか。」

木村「それで言うと、自分の売り、強みが使える職業は絶対にどこかにあるんです。ただ、最終的になりたいものが、それじゃないかもしれないので、先ほども言った通り、まずそれが面白いかな、その仕事が直感で好きかなっていうのは絶対的に素直な自分に確かめてみるべきです。その好きな仕事、面白い仕事の中で自分が向いてるのはどこだろうって選んでいくのが良いような気がします。」

福山「得意だと思っていることを見つけているけど、就きたい職とのかみ合いは微妙みたいなものがあったとして、それを捨てちゃうのはもったいないと思うので、それはどう扱えばいいんでしょうか。」

木村そういう得意なところっていうのは、直ぐに使えなかったとしても隠し持っておくべきで、まず自分がその会社において、ここで役に立ちますよっていうところで独り立ちをした後に、自分にしかできない大事なスパイスとして、実はこんな能力も持ってます!と上乗せできると素晴らしい。」

木村「とはいえ、その得意なところが求められていることと合致してくれれば良いのですけど、自分の得意なところが仕事になるかならないかって本当に運や縁によってしまうと思います。ですからまずは、行きたい業界で求められてる能力を身に付けて、飛び込んでしまってから、自分の得意なことを上乗せしてあげると良いです。僕自身はすぐ全力でいっちゃうので上手くないのですが、能ある鷹は爪を隠す方が絶対に良いです。」

福山「自分が面白いと思ってる業界や仕事を見た中から自分の売りや、それに合う職業を探すことが先で、そうでない売りはおまけで上乗せになるんですね。」

木村「僕はそういうふうに選んできました。面白いが最初じゃないと、僕は多分何でも楽しめちゃう人なんです。どんな仕事でも、何かしら楽しさを見出してしまうかもしれない性格をしているんですね。」

木村「逆に言うと、やりたいことにしがみつかないと、何でも楽しんで取り組めて、満足してしまうかもしれないっていう怖さがありました。だからこそ、そこだけは自分が面白いって思える、これをやりたいって思えるところにこだわった気がします。最初の一歩だけはこだわった方がいいと思います。」

木村「また、これまで話してきた、仕事に求められる三つのことっていうのも、一番最初に自分の興味っていうのがあった上で、生まれるというか、探していくべきものだと思います。」

木村「なぜかというと、人は主観で生きていくので。自分が面白いと思って選んだところであれば、あとは本当に何であっても面白いと思えるので、最初の一歩の方向性は大事に選ぶのが良いと思います。」

福山「最後にまだ言えていなかったことなどはあるでしょうか。」

木村ゲームクリエイターを目指す皆さんに保証できるとしたら、ゲーム創りは人生の一部を捧げるのに本当に損はない、面白い仕事だと思います。だからこそ僕は、一番最初にこだわってこの仕事を選んでおいてよかったなと思っています。」

木村「また、この業界は本当に大変なので、やっぱりピンチや、辛いようなことも多いんですけど、そんな局面で『よっしゃ!来たな逆境!乗り越えたるわ、この野郎!』って燃えられる人は向いてるかもですね。特殊な趣向ですが、そういう変な人は向いている気はします(笑)。」

今回のインタビューをうけて

本記事で今回のインタビューは以上となります。

今回は、仕事への取組み方というより、プロデューサーがどんな仕事をしているのかという実態についての質問が多くなりました。特定の領域をずっと扱っているエンジニアやデザイナーと違い、様々な業務があるプロデューサーが具体的にどんなことをしているのかを説明することは難しく、会社やプロジェクトごとに異なる場合もあります。木村さんも「実務のめんどくさいことを担当しています。」としていて、外側からうかがい知ることも難しいと感じていました。

業界を目指そうかと考える人にとって、選択するための判断材料が曖昧なことは不安にも繋がるだろうし、少なくとも良いことではないと思います。一事例だけでも紹介できればということでお伺いし、木村さんもできる限り詳細に教えてくださったと感じました。

また、人を集めるということに関連して、就職活動や転職についてなど、働くまでの過程や選択についての質問もさせていただき、業界の中で人を探す立場の人がどう考えているのかを知ることができたのは一学生としてよかったと思います。同様の立場の人にとっても、考える材料となってくれたら嬉しいです。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

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