『アーケードアーカイブス VS. グラディウス』が配信開始! でも「VS.」ってなに? - ガメモ
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ハムスターが運営する『アーケードアーカイブス』 シリーズにて、Nintendo Switchおよびプレイステーション4用ソフト『アーケードアーカイブス VS. グラディウス』を2019年8月15日に配信すると発表しました。価格は823円(税込)。
「VS.」ってなにさ!?
「コナミの『グラディウス』は知っているけど、『VS.グラディウス』って何?」という方も大勢いると思われます。それは当たり前のことで逆に知っている方がちょっとマニア過ぎる気もする知識です。
ではちょっとマニアな人になってもらうために解説をします。
ファミコン全盛期の1980年代、ゲームセンターに置いてあった赤い対戦型の筐体を覚えている方はいますでしょうか。
それが任天堂VS.システム用筐体と呼ばれていて、片側にふたり対面側にふたりの合計4人でゲームプレイできるようになっています。
このシステムはファミコンと互換性があり、ファミコンとアーケードの双方向の移殖が簡単で、ファミコンからアーケードへの逆移殖やファミコンへの移植作品などが盛んに行われました。
こちらの筐体はゲームセンターや駄菓子屋などに置いてあって、定番ソフトとしてファミコンから移植された「VS.テニス」や「VS.ベースボール」、「VS.アイスクライマー」に「VS.レッキングクルー」などがよく稼働していました。
ゲームセンターでなくても家でプレイできるにも関わらず、なぜか友達と対戦をしてしまったり、待ち合わせの時間つぶしにダラダラプレイしていたりと、不思議と稼働率は高かったように覚えています。
海外からの逆輸入もあった不思議な人気ゲーム
そしてこの筐体とゲーム基板は1986年に任天堂がアーケードゲーム事業から撤退するまで続き、海外にも輸出され、海外だけで稼働しているゲームなどもありました。
海外だけで稼働していたゲームの中でも特に人気だったのは「VS.スーパーマリオ」で、この基盤は日本にも逆輸入され、全国のゲーセンや駄菓子屋で稼働していました。
この「VS.スーパーマリオ」に限らないお話ですがファミコンからアーケードに移植されるに当たって色々と変更されています。
まずはゲームオーバー時にコンティニュー表示がされること。ファミコンですとコンティニューは裏技ですが、「VS.」版では通常の仕様です。
次にありとあらゆる永久対策がされています。最も有名なのが段差でノコノコを踏み続ける100UPの裏技ができなくなっています。その他にも1UPキノコの出る場所が減っていたり、「スーパーマリオ2」のステージが差し替えで入っていたりしています。
これを軽い気持ちでプレイした時の衝撃たるや「これニセモノじゃん!」と怒る以外ありませんでした。(逆輸入ですが正規版です)
コナミコマンドの無い世界線のファミコン版グラディウスへようこそ
今回、配信された「VS.グラディウス」もファミコン版との変更点があります。コンティニューが普通に搭載されているのは当たり前ですが、実はスタートボタンでポーズがかけられなくなっています。
「こんなの当たり前じゃん」と思う方もいるとは思いますが、「グラディウス」といえば誰でも知っている「コナミコマンド」(上上下下左右左右BA)が裏技として収録された最初の作品です。
あのコマンドを入力するにはポーズボタンを押してゲームを一時停止する必要がありますが、「VS.」版はゲームを止めることができないので、自機を失ったらそのままでプレイ再開です。
正直な話、あの裏技を知っているためにステージ途中からの立て直し方なんか学んでいるわけがありません。もうボロボロにやられて終わります。
と、そんなことを言っておりますが「VS.グラディウス」も海外輸出版しか製造されておらず、日本でプレイしたのは、2000年代に入ってからレトロ専門のゲーセンで見かけてプレイしたのが初めてでした。もうその頃にはすべてを忘れていて、単純に下手くそになっただけかもしれません。(後日、調べるとアーケード用にすごく難易度が上げられていたそうです)
こんなプレミアム基板がプレイできるなら実質無料といってもいいのでは!?
こんな「VS.グラディウス」ですが、海外では「グラディウス」はタイトルが変更されて「ネメシス」というタイトルで発売されていました。(「グラディウスIII」からは海外も「グラディウス」です)
わかりづらく例えるとタバコの「マルドセブン」が海外では「メビウス」という名前で売っていたようなものです。(その後、国内でも「メビウス」になります)
一時期は海外で唯一の「グラディウス」ということや、国内での流通が少なかったことから基板がコレクターズアイテム化してしまった「VS.グラディウス」。
噂では100万円を超えていたという基板のゲームを823円(税込)で遊べるのですから、これはもう100万円と比べたら823円(税込)と0円なんてほとんど変わらないので、実質無料配布と思ってもいいでしょう。
当時の海外のゲーセンの空気を感じながら、ぜひともこの「VS.グラディウス」をプレイしてください。