週刊Web3.0ニュース|VR酔いしないVR技術と日本発メタバースプラットフォーム
日々目まぐるしく動くWeb3.0の世界。本記事では、Web3.0関連のニュースの中で、筆者が面白いと感じたニュースを紹介していきます!今週は「VR酔いしない日本発のVR技術」について紹介していきます!
VR酔いしないVR技術?!日本発の「VRun System」
第一のニュースは、長野県の雪雲という会社のお話です。
同社は「VR酔いしづらいVR技術」である「VRun System」と、「VRun System」を基盤とした「新しいメタバースのプラットフォーム」である「The Connected World」を発表しました。
VRun System|伊藤CEOが説明する「革新性」
こちらの「VRun System」について、開発会社である雪雲の伊藤CEOは、記者発表会にて以下の通り説明しています。
◆1.VR内を酔わずに自由な移動―――従来のVR空間は、VR酔い対策などのために直進が基本動作だった。そこを「VRun System」は、コントローラのスティック操作による制限のない移動を実現。VR内を酔わずに自由に移動できる。
◆2.ストレスのない長時間VR体験―――一般的なVR空間の没入型コンテンツなどは、15分が限度といわれているなか、VR酔いがない「VRun System」は、長時間VR空間にいても、リアルと似た疲労感で過ごせるという。
◆3.リアルな高画質映像表現―――一般的なVR酔い対策は、90fps以上の高フレームレートでアバターの動きを人間の歩行速度内に収めていた。そこを「VRun System」は、処理落ちしてフレームレートが30fps程度まで低下してもVR酔が発生し難い。
そのぶんグラフィックス描画などの高負荷処理に費やせることから、よりリアルな質感の風景を実現できる。
◆4.同時多接続―――処理能力をグラフィックスや同時多接続にまわせるため、数千人レベルの大人数が参加することもできるという。
VRun System|そもそもなぜ「VR酔い」するのか?
VRun Systemは、先ほど紹介したように「VR酔いしづらい」VR技術です。
メタバース実現の壁の一つ「VR酔い」
そもそもVR酔いはなぜ起きるのでしょうか?
一言で言うと、VR酔いは「ベクション」と呼ばれる錯覚のせいで発生します。
VRを楽しんでいる状態では、「自分が静止している」にも関わらず「視覚は動いている」状態になります。
この認識のズレが体の器官(脳や三半規管)を混乱させるため「VR酔い」します。
補足ですが、下記のサイトでは実際にVR酔いを体験できる動画がアップロードされております。
もしご興味があったり、「VR酔いを体験してみたい!」という方がおりましたら、どうぞ。
VRun System|デモ動画
さて、こちらのVRun Systemですが、YouTubeやTwitterにデモ動画があがっておりますので、こちらをご紹介いたします。
いかがですか?先ほどリンクを張った「VR酔いする動画」よりも、はるかに酔わない、ゆったりとした空間ができあがっていると思います。
VRun System|メタバース実現のコア技術に
冒頭で説明した通り、こちらのVRun Systemは「VR酔いしづらいVR技術」です。
雪雲は、このベクションを脳に許容させる生理学的アプローチで、急激な視界の変化を排除し、脳が緊張状態に陥る頻度を減らした結果、長時間プレーしても疲れにくくなり、VR酔いが発生しなくなる
上記は雪雲さんの説明です。
こちらの説明を例のごとく、初心者にも分かるようにものすごいざっくり説明すると
「ゆっくり動かして脳へのダメージを減らす」
技術です。
そして、VR酔いしづらいVR技術についてなぜ本記事は注目したのか。
それはメタバースの実現に一歩近づく技術であると感じたためです。
完全なメタバースの実現にあたっては、長時間のメタバース空間の体験により生じる「VR酔い」の撃退は、必須です。
このVR酔いを撃退できる可能性のあるVRun Systemに、筆者は深い可能性を感じるのです。
VRun Systemを使ったメタバース技術「The Connected World」
そして雪雲は、同記者会見にて「VRun System」を使用したメタバースプラットフォームである「The Connected World」を発表しました。
こちらは、実際に「The Connected World」で動き回る丸山CTOのアバターとメタバース空間の画像です。
この「The Connected World」の仕組みをざっくり説明すると、メタバース空間の大きなくくりである「World」とそれぞれの小さなメタバースである「Land」を作る技術です。
例えば、「新宿区」という大きなWorldを作ったとしたら、その中に「歌舞伎町」とか「都庁前」とか、小さなLandがある、そんなイメージですね。
そして、そのメタバース空間内を動くアバターも含めて編集できる「MetaverseEngine」も、同社は提供しております。
筆者は何よりも、この仕組みは日本発のメタバース空間構築のプラットフォームであるという点に注目します。
メタバースを構築する時に、日本の雪雲という企業があり、その企業が提供する「The Connected World」が世界中で使われる……
そんな日が来るといいですね……!
Gamemo編集部が見た本ニュースの注目ポイント
- 日本初のメタバース構築プラットフォーム
- VR酔いしにくい新しい技術