『メタバースにおける経済圏の創出』を目指す スピードとチャレンジの会社が描く未来 (Thirdverse 大野木様 伴様 )
3DやVRの技術は、常にゲームの世界を進化させてきました。また、昨今話題の「メタバース」の具体例の中には、私たちもプレイしたことがあるゲームの名前が挙げられるようになりました。ゲーム会社は、今やメタバースの重要なプレイヤーの一つです。
株式会社Thirdverseは、VR領域で長年ゲーム開発をしており、メタバース領域のプレイヤーの一つとしても名前が挙げられます。
Thirdverseのゲームはどのような開発思想でつくられているのか、そしてどのようなメタバースを描くのか。Thirdverse 取締役COOの伴氏と取締役CBOの大野木氏にお話を伺いました。
大野木 勝さま( 取締役 CBO )
伴 哲さま( 取締役COO )
Thirdverse様
VRの可能性は深い!「ゲーム」から至るメタバース
ーーー今回はVRの事業についてインタビューさせていただきます。そもそもThirdverseがVRゲーム事業を行うに至った経緯はどういったところにあるのでしょうか?
大野木 「ThirdverseのVRゲーム事業は、弊社のファウンダーでありCEOの國光が『 テクノロジーファーストのエンターテイメントを作っていく 』という考えを持っている事から始まりました。」
ーーーお二人のThirdverseへ参画した経緯を教えてください。
大野木 「実は私自身も、今までの経歴の中で様々な『新しいテクノロジー』に触れる機会が多くあり、國光がVRに着眼する前から、VRに着目していました。その後は代表の國光が創業者である、株式会社gumiで海外拠点の立ち上げを担当し、2020年にThirdverseに参画しました。」
伴 「私は元々、新卒でソニー・インタラクティブエンタテインメントに入社しました。PlayStation VRのコンテンツ制作を担当したこともあり、当時から『 VRの可能性 』は強く感じていました。」
伴 「ただ一方で、当時のVR業界全体のハードウェアスペックや開発技術では、理想の『VRならでは』の体験ができるゲームを作るにはまだ時期が早いなとも感じていました。そう思いながら、数年が経ち、Facebook社から初代Oculus Questが発売したあたりに國光が『 VRゲームのブームの波を自分達が作り出すんだ 』と言っていた。これに新しいチャンスを感じて、参画しました。」
ーーーお二人の考える『VRの可能性』はどういった点を指しているのでしょうか?
大野木 「そもそもゲーム業界において、アウトプットをするデバイスは30年変わっていなかったんですね。一番初めは『テレビ』でした。ですが、時代が進んでいって、それが『モバイル』に変わっていきました。スマートフォンゲームの時代ですね。デバイスがテレビからスマートフォンに代わることで、場所を選ばずゲームができたり、短い空き時間でもゲームができるようになった。この変化によってゲームマーケットが拡大していくなど、良いこともありましたが、デバイスはあくまで画面。引き続き2Dのモニターには変わりはありませんでした。」
大野木 「VRデバイスの誕生により、ここに大きな革命が起きました。プレイヤーがゲームの中のキャラクターになって、「キャラクターの目線」でゲームを楽しむことができるようになったのです。」
大野木 「更に、ゲーム内の視界もリアル同様360°になり、ゲームの中にあるオブジェクトを手に取ったり、投げたり、いろんなことができる。これを我々は『インタラクティブ』って呼んでいるんですが、ここも大きな革命だと言えます。」
ーーーありがとうございます。一方で、伴さんはいかがでしょうか?
伴 「ハードウェアに関してはまだまだ発展途中ですが、技術が今以上に進化していくにつれて『現在のコンソールハードのクオリティを超えるレベルでVR空間を表現できる』というVRデバイスが、いずれ出てくると思います。誰もが一度は夢見たVRの中にひろがる「もう一つの世界」を体感できる時代がもうすぐそこまできています」
ーーー自分の想像を表現する幅が、大きく広がった点に可能性を感じてらっしゃるんですね。
ー--貴社は『メタバース』を志向するプレイヤーだと認識しております。
大野木 「弊社には『 10億人が生活する仮想世界を新世界として作る 』という、ビジョンを掲げています。」
大野木 「VRを使ったメタバースを構築して、その中でもう一つの経済圏を創出するということです。」
大野木 「我々は、コンテンツがないところには人は集まらないという考えのもと、ゲームからメタバースを創出することを前提としています。ですので、当社のゲームは複数人が参画できる、マルチプレイのゲームを開発していきたいと考えております。」
ー--マルチプレイにすることでコミュニティが仮想世界の中に生まれますね。
「あの時」あこがれた超必殺技が、VR世界で誕生する?!
ーーーThirdverse様は、2018年に『ソード・オブ・ガルガンチュア』、今年(2022年)8月に『ALTAIR BREAKER』をリリースされております。
ーーー同ゲームは、どういった「面白さ」を意識して作られたゲームなのでしょうか?
ALTAIR BREAKER (アルタイル・ブレイカー)
伴 「ALTAIR BREAKERを一言で表現すると、 VRの剣戟アクションゲーム です。」
伴 「VR世界に入り、 現実世界ではできないようなアクションや体験 をしていただきたいと思っているんです。」
伴 「皆さん子どものころに一度は、 ゲームのキャラクターになりきって必殺技を出した 経験があると思うんですよ。」
伴 「これってゲーム内のキャラクターにある種のあこがれがあって生まれる行動だと思うんですけど、『ALTAIR BREAKER』では 自分が、その憧れたようなアクションをするヒーローになれる というところを、体験することができます。」
ー--やはり「現実世界ではできないこと」をできるのがVRゲームの強みなのでしょうか?
伴 「そこについては、単純に『現実世界でできないことができる』だけだと、大きな価値は中々でないと思っています。」
伴 「ですがもちろん『〇〇シミュレーター』というような、現実世界と同じ物理法則、現実世界できることがそのまま再現できるゲームを楽しんでいるユーザーもいるのは確かです。」
ー-- 『現実世界が仮想世界で再現できる』以上の価値 を生もうとされているのですね。
ー--なるほど、剣を振るだけなら、現実世界でも仮想世界でも剣を振るだけ。
ー-ーバーチャルの世界だからできる『僕の考えた最強の必殺技』のようなものができるのは、確かに魅力ですね。
伴 「ありがとうございます。そういった考え方も、VRならではのことなのかなと思っています。」
X8 (エックスエイト)
ー--今冬リリース予定の『X8』についてもお話お伺いしたいです。
大野木 「先ほどお話した通り、当社はマルチプレイのVRゲームを作っていきたいと思っています。『ALTAIR BREAKER』もマルチプレイヤーゲームですし『X8』もマルチプレイです。」
大野木 「魅力としては、いわゆるシューティングゲームなので、純粋なFPSとして成り立っているので、それはそれで面白さはあります。」
大野木 「X8は8体のヒーローが存在するのですが、ヒーローごとに必殺技『 スペシャルアビリティ 』を発動することができるようになっているんです。」
ー--先ほどお話にも上がった『現実を超越した必殺技』ですね。
大野木 「そうですね。それに加え『VR空間上での体験』というところを必ず盛り込むことを重要視しておりますので、スペシャルスキルを発動するために、VR空間内でジェスチャーを使うという点も新しいと思います。」
ー--なるほど、確かにヒーローが変身したり必殺技を出すときは、ジェスチャーを使いますね。
リモート環境だからこそ、コミュニケーションを重視したチーム
ー--Thirdveseはメンバーが多国籍であり、リモートの環境も充実しているとお伺いしております。
伴「東京スタジオでいうと、出社とリモートのハイブリッドです。弊社は東京にオフィスがあるので、物理的に近いからこそ生まれる密なコミュニケーションというところはゲーム制作ではポジティブな効果があります。」
伴 「一方で、 リモートワークの方が集中してパフォーマンスを発揮できる方 もおります。関西地方や、オランダから業務している人もいます。」
ー--対面のメリットを生かしつつ、フルリモートにすることで場所を問わず人材が採用できるのは開発にとてもいいことですね。
伴 「そうですね。フルリモートと出社の『いいとこどり』をしている状況です。」
ー--フルリモートを行うにあたって、マネジメントで工夫されている点はありますか?
伴 「一番重要視しているのは、出社とリモートのメンバー間で情報の粒度・理解度を同じにすることです。」
伴 「やはりリモートになるとリアルで会うよりコミュニケーションの密度っていうものはどうしても物理的に下がってしまう。そのため、一人でもリモートの人がその会議に居る場合は、出社しているメンバーもオンライン会議にするなど工夫をしています。」
『誰よりも早く復活する』Thirdverseの社風
ー--お二人とも様々な経験があってThirdverseで働いていると思うのですが、Thirdverseならではの組織や働き方の特徴で、感じていることはありますか?
伴 「一番の強みは スタートアップならではのスピード感であったり意思決定の速度 かなと思っています。」
伴 「私たちはスタートアップで、新しい市場を切り開かなくてはならない。十分な準備が整う前に、実際に 手を動かしながら考える というところも時には必要だったりします。」
伴 「そういう考え方が弊社CEOの國光の考え方にあります。『First to Try, First to Fail, First to Recover』という、 誰よりも先に挑戦して、誰でも先に失敗して、誰よりも先に復活する 。」
伴 「失敗することが前提というわけではなく、 失敗を恐れて挑戦しないことが一番リスクであり、挑戦し続けることが成功につながるという考えです 。」
ー--これから新しい世界、新しい業界を作っていく貴社は、どういった人と一緒に働き、世界を作っていきたいとお考えですか?
伴「大前提として、Thirdverseのビジョンに共感 してくださる方に来ていただきたいと思っています。」
Thirdverseの目指すメタバース
ーーー最後に大野木様に、貴社の目指すメタバースの姿をお伺いしてもよろしいでしょうか?
大野木 「今あるテクノロジーやソーシャルは、リアルな世界がベースとなって、そこを拡張する形で補完されているものになっています。」
大野木 「ですが我々は、バーチャルファーストな世界を創っていきたい。ちょっと大げさな言い方をすると、 1日の大半を、メタバースで過ごしていて、1日の晩にヘッドセットを外すと、現実の世界に戻ってくる 。あとはご飯を食べて寝るだけ、のような。」
大野木 「なので、弊社の戦略としては、ゲームをベースにメタバースに向かっていく。弊社の提供するコンテンツをプレイしていたら、気づいたらそこからメタバースで生活をしている。そういう世界をつくりたいと思っております。」
大野木 「あとは、やっぱりゲームを含めたエンターテイメント全般は、人々を、驚かしたり、喜ばせたり、感動を与えるような存在であってほしいと思っていて、 VRの可能性によって新しいエンターテイメントが始まる んじゃないかと思っています。」
ーーー本日はお時間いただき、ありがとうございました。
新しい世界を創る会社 Thirdverse
Thirdverse様は、新しいエンターテイメントを共に創る仲間を募集しております。
職種や募集要項については、下記リンクからThirdverse様の採用ページにてご確認ください!
2000年ウェブマネー入社。2007年にはルピシアの米国子会社支社長。
2010年GCREST America代表取締役社長。
2012年gumi入社。
執行役員、海外子会社のCEOを歴任し、gumi America代表に就任。
2013年にリリースしたモバイルゲームは、リリース後わずか20日間で200万ダウンロードを突破し、売上ランキング9位を獲得。
2020年10月よりThirdverse取締役CBO