コミュニティと「公式の二次創作」が切り拓くクリエイターの理想郷|AKIBA EDEN 山田様
AKIBA EDENは、NFTと連動したWeb3時代のクリエイターネットワークです。「公式の二次創作」という新しい概念を生み、その第一弾として「鉄腕アトム」の公式二次創作を発表したAKIBA EDEN。今回はプロジェクトの鍵を握る山田様に、AKIBA EDENのチャレンジと現状についてお伺いしました。
クリエイティブを核としたコミュニティ
――AKIBA EDENというプロジェクトは、Web3時代のクリエイターコミュニティ作りを目指していらっしゃいます。
――クリエイターのコミュニティが数多くある中で、どういった特徴を持っているのでしょうか?
山田「おっしゃる通り、多くのコミュニティがあります。私たちAKIBA EDENの仮説としては、そういった様々なクリエイターのコミュニティを1つに集約することができたら、今まで活動されていたコミュニティだけではできなかった、想像を超えた面白いことができるかもしれないと考えています。」
山田「具体的には、AKIBA EDENに集うクリエイターの力を合わせて、ゲームやイラスト、アニメなど、いわゆるアキバのカルチャーをキーワードにしたプロジェクトを進めていきます。」
山田「私たちは、職能や所属を超えてクリエイターが集うコミュニティを作りたいのです。」
――今まではばらばらのコミュニティにいた才能が結集することで、より優れたクリエイティブに取り組むことができるのですね。
山田「はい。そして、コミュニティに所属する方々の意向やニーズを取り入れ、動的な形でプロジェクトを推進していきたいと思っています。」
クリエイターの認知拡大が目的
山田「我々のミッションとしては、大きく分けて2つあると思っています。1つが、クリエイターの価値向上です。」
山田「クリエイターの作品はみな素晴らしいものばかりですが、認知度を高めることはひとつの課題だと思っています。」
山田「後述しますが、AKIBAEDENは第一弾として現在、手塚プロダクション公認の『鉄腕アトム』をテーマにした公式二次創作のプロジェクトを進めています。こういった企画にクリエイターさんが参加していただくことで、クリエイターさんの認知度を高めていくお手伝いをしたいと思っています」
――なるほど、有名IPの企画に参加したとなれば、そのクリエイター様はより知名度が高まりそうですね。
プロジェクトを通じてIPにも貢献
山田「もう1つが、クリエイティブによるIPとコンテンツの価値向上です。AKIBA EDENの企画において、既存のIPの価値を見直すきっかけになれたらと考えています。今回でいうと『鉄腕アトム』になります。古き良き日本のIP。この価値を再発信していきたいです。」
―――古き良き日本のIPを、若い世代に繋いでいく効果もあると感じました。
山田「将来の話になりますが、いずれは『秋葉原といえば〇〇』と言っていただけるような、我々が発信するオリジナルIPの創出を目標にしていきます。」
山田「以上、2つの軸をもとに、AKIBA EDENというコミュニティを活用した新しいクリエイターエコノミー、その実現が我々のビジョンです。」
―――まさしく、クリエイターにとっては『楽園(エデン)』ですね。
「公式の二次創作」がもたらす新たな可能性
――AKIBA EDEN様のお取組みの中で、版元さんの承諾のうえで二次創作を行う『公式の二次創作』という概念がございます。
――二次創作はずっと『非公式』のものだったと思います。『公式の二次創作』の着想の背景についてお伺いしたいです。
山田「前述の通り、私たちのプロジェクトは『クリエイターさんに経済的価値をどう還元するか』なので、そこをスタートラインとして考えました。クリエイターさんもいろいろな方がいらっしゃいます。それぞれに好きなものがあり、自発的に活動していらっしゃいます。」
山田「その中でも、他の方が作った既存のIPが好きで、その方なりに解釈して世の中に出す行為が二次創作ですが、これを『ビジネス化』するのは難しいのが現状です。」
――いくらそのIPを愛していても、IPは権利上IPホルダー様のものですからね。
山田「コミケや同人誌といった形で、二次創作をもとに収益を上げるコミュニティ自体はありますけれども、それらは非公式で、版元さんやIPホルダー様が黙認しているという形での活動です。版元さんやIP側としても、二次創作がPRの一環となり、ファンコミュニティや市場の拡大につながるからこそ黙認しているところもあると思います」
山田「クリエイターさんの二次創作によってIPの価値が上がるのであれば、その二次創作を公式のものとして発表することによって、クリエイターさん側の価値も上がると考え、既存のIPを保有する版元さんとその二次創作を行うクリエイターさんをつないだ方が本来あるべき形になるのでは、と思っています。」
山田「本当に好きなもので双方の収益が上がるのであれば、クリエイターさんにもIPホルダーさんにも悪いことはないと思います。好きなものを扱って収益化し、それを版元さんへ還元できれば、版元さんとしても気持ちよくIPを活用させていただけるのではないか、というのが私たちの仮説です。」
山田「クリエイターファーストで着想し、それを版元さんに還元する仕組み、その重要性にたどり着いたのが、今回の取り組みの基本的な考え方です。」
IPホルダーにもメリットがある
――IPの版元さんにとっては、IPの宣伝になり、IPを作った著作物から一部収益をいただくことができる。
――そして、クリエイターさんたちにとっては、自分の好きなIPの『公式』クリエイターとなり、公式の二次創作物として自分の作品を世に発表できる。
――また、ファンにとっても、上質なコンテンツが手に入り、『公式』ということで胸を張ってお金を出せるようになる。
――全体的にクリエイティブの幅も広がり、みんなが幸せになる仕組みだと思います。
山田「Web3という現在の転換点においても、その仕組みは非常にマッチしていると思います。それぞれにとっての利点をうまく組み合わせることによって、新しいクリエイティブの形を提供できたらいいなと考えています。」
鉄腕アトムNFTの企画も進行中
――『公式の二次創作』として、鉄腕アトムNFTの発行に向けて活動されていると思うのですが、どのような内容になりそうなのでしょうか?
山田「前提として、手塚プロダクションさんと一緒に取り組んでいる、ATOM Genesis(アトム ジェネシス)というNFTコンテンツについては、販売プラットフォーム・販売の流れ・販売の時期について、鋭意調整中でございます。やはり、関係者全員にとって一番いい形でリリースしたいので。」
山田「私たちは『公式の二次創作』と銘打って、版元さんの公式許諾を得たIPの二次創作NFTコンテンツを進めており、そのテーマの元、IPホルダー様とやり取りさせていただいております。」
山田「全体の構想としましては、今回の鉄腕アトム、手塚プロダクションさんとの企画を皮切りに、さまざまなIPとコラボレーションを進めていきたいと考えております。そして、AKIBA EDENが提供する日本のIPコレクションとして世界にアウトプットするべく、企画をアップデートしているところです」
――『鉄腕アトム』以外のIPともこの取り組みを進めていくのでしょうか?
山田「取り組んでいきたいと思っています。私たちは『日本IPの再活性化』をテーマにシリーズ展開を構想しています。」
――なるほど、単なる「鉄腕アトムのNFT」ではなく、もう一つ大きなくくりで企画を進めている最中だということですね。次の発表が楽しみです。
クリエイティブを愛する人を歓迎する楽園
――AKIBA EDENというコミュニティに、どういった人が加わって欲しいか、山田様のイメージはございますか?
山田「Web3に興味があるクリエイターさんはもちろんのこと、既にWeb3の世界にアンテナを張っている方にはどんどん加わっていただきたいです。」
山田「それ以外にも、デジタルの世界が苦手な方にこそ集まっていただきたいなと思っています。アナログで活躍されている方が、デジタルの世界へ活動の場を広げるにあたって、我々のプロジェクトを使っていただきたいなと考えております。」
山田「あとは、運営の想いとして、みんなでワイワイ楽しくやっていきたいという思いがあるので、1人でやるより一緒にもの作りをするのが好きな方に来ていただきたいですね」
メンバー枠|多様な人と多様な技術
――クリエイターの中には『制作は一人で行うものだ』という価値観をお持ちの方もいると思います。
――クリエイター畑出身の山田様としては、一緒にもの作りを行う利点はどちらにあると思われますか?
山田「私もそうでしたが、クリエイターという生き物は、元来なかなか営業やPRが得意でない方が多いと思います。さらに個人で、限られたコミュニティの中でもの作りを行う環境に身を置き続けることで、できるものにも制限ができてしまいますし、なかなか外向きに発信がされないこともあります。」
山田「しかし、もっと広いコミュニティや、いろいろな職業の方とつながることができれば、個人では成しえなかった面白いことが起こせる可能性が高まるかもしれません。我々はそういったクリエイティブな活動を支援していきたいと思っています。」
――なるほど、だからコミュニティを大きくして、多様な職能やスキルを持った人を集めたいとお考えなのですね。
――そう考えると、絵が描けるとか、プログラミングができるとかだけではなく、AKIBA EDENへの参加の門戸は広いと感じます。
山田「そうですね。基本的には興味を持っていただいた方にどんどん入って欲しいなと思っています。私たちの取り組みや想いを聞いて『何ができるかわからないけれども、なんか楽しそうだな』と思ったら、オタクやサブカル好きな方にも加わっていただきたいです。」
山田「オタクという表現は、海外では『特定のジャンルについて博識で不思議な知識を持っている賢者』みたいな扱いで、ポジティブな言葉に変わってきていると思います。ただ、趣味の範囲で活動している方が大多数だと思うので、ご自身のオタク活動をビジネスにするご提案もお待ちしております。」
――クリエイターだけではなく、クリエイティブを愛する人みんなで作る組織なのだと感じました。
――クリエイターさんからすれば、自分の苦手分野を補ってくれる仲間ができる訳ですね。
山田「そうですね。さらに付け加えてお伝えすると、今後は様々なクリエイターが活躍できる企画を打ち出していきたいと考えております。」
山田「我々、AKIBA EDENでは、コミュニティに属する全ての方々がそれぞれミッションを担ったクリエイターであると捉えています。コンテンツという価値を生み出すクリエイター、コンテンツを保有してクリエイターの価値を向上させるホルダー、そしてコミュニティという市場を支えて拡大させるファンの方。」
山田「エンジニアさんも、プランナーさんも、パフォーマーさんも、インフルエンサーも、本当にもの作りをするということであれば、どんな職業の方も、AKIBA EDENに入ってきていただき、一緒にもの作りを楽しんで欲しいなと思います。AKIBA EDENはたくさんの仲間を募集中ですので、ぜひよろしくお願いします。」
クリエイター枠|完全招待型の秘密結社
――一方、『公式の二次創作』に取り組む以上、クリエイターさんの基準は高いのではないかと考えています。
山田「基準が高いというより、版元さんに公式に許諾を得るとなると、クリエイターさんが生むコンテンツの品質は担保しなければいけないと思っています。」
――版元様が期待するようなクオリティが出せる方が理想ではありますよね。
山田「あとは、現在参加していただいているクリエイターさんには、紹介権というものが付与されています。その方の紹介があり、一定の条件を満たしていれば、AKIBA EDENのプロジェクトに参加することが可能です。」
山田「その参加システムを、公式サイトや既に出ているプレスリリースでは『完全招待型の秘密結社』という言い方をしています。紹介がない場合は、公式サイトからお問い合わせいただいて、こういう活動していますというポートフォリオを提出していただきます。そして、審査のうえ、参加の可否を判断させていただいております」
山田「あとは、唯一無二のクリエイティビティを出しているか、独自のジャンルで活躍しているかなどを基準に、クリエイターさんの高い品質に対して、我々運営および版元さんがOKと判断した方、というのが基本的な基準です」
――逆に言えば、その審査をクリアすれば、クリエイターさんは『〇〇公式の二次創作クリエイター』となれる訳ですね。
山田「そうですね。でも一方で、クリエイターの枠組からはじかれて参画できなかったという方にもファンとして加わり、関わっていただく形でクリエイティブに関与していただきたいです。もしかしたらファンとしてのコメントが、今後を大きく左右するきっかけになるかもしれません。」
――ファンあってのクリエイターですからね。
山田「そうですね。ぜひ、多様な意見が交じり合って、すてきな化学反応がいっぱい起きる場所になって欲しいなと思っております。」
コミュニティの三つの戒律
――AKIBA EDENにおいて、クリエイターさんたちが参加するディスコードがコミュニティの役割を担っています。コミュニティ運営について、どんな方針をお持ちですか?
山田「Web3におけるDAO、分散型自立組織を指向するコミュニティは、運営が全てを決めるのではなく、メンバーの自発的な話や思いつきなどからクリエイティブができたり、ゲームができたり、プロジェクトができたりしています。」
山田「AKIBA EDENはまだ走り出したばかりのコミュニティではあるので、DAOを形成するというには未発達な部分もありますが、今後、拡大していくコミュニティにおいて、発信の企画や重要な企画の判断基準を積極的にコミュニティに委ねていきたいと思っています」
山田「そのうえで我々の行動指針として、3つの戒律をディスコードのコミュニティにおいて掲げています。1つが、作る人を増やし、つなぎ、広げる。2つめが、誰かのために価値を提供しよう。最後がAKIBA EDENに関わる全ての人が創造者となる。この3つを行動指針として、我々もコミュニティも行動していきましょうという行動指針です。」
――クリエイティブを広げるという観点に特化した戒律ですね。AKIBA EDENの運営の核を担っておられるカヤック様の理念にも通ずる部分があると感じました。
真のクリエイターファーストを目指して
――AKIBA EDENはNFTというツールを用いたWeb3の取り組みだと考えております。
――NFTやトークンを用いることでクリエイターさんにとってどういうメリットがあるとお考えですか。
山田「Web3については、広くインターネットで活躍するクリエイターが輝ける仕組みだと思っています。」
山田「NFTやトークンを使うことで、クリエイターと多くのファンを結びつけることができます。それによってコンテンツが成長していき、個人が創作活動を行えるようになるファンコミュニティが醸成され、それをピックアップするインフルエンサーも巻き込み知名度が上がっていく、という手法がスタンダードになってきています。そういった一連の流れを拡大するのがWeb3だと思います。」
山田「その一方で、実態はなかなか難しいとも感じています。WEB3への参入に興味をお持ちでも、どうしていいかわからないという方は多くいらっしゃいます。そういった中で、私たちは『クリエイターさんがどんなことに困っているのか、どんなことをして欲しいのか、どんなことがしたいのか』といったところが最も重要なポイントだと思っています。」
山田「AKIBA EDENのコミュニティでは、入り口の部分から全体の流れを整理しています。それを踏まえて、クリエイターさんやりたいと思ったことに向けてクリエイティビティを全力で発揮してさえいただければ、いつの間にかWeb3のクリエイターになっている仕組みをご提供していきたいと考えています」
山田「私自身が元々デザイナー出身で、その後、広告やテレビゲームといったさまざまな業界での経験を経て、現在はAKIBA EDENのプロデューサーというポジションを務めています。」
山田「そして、運営メンバーも、アート事業に携わっていた人間が多く、何よりもクリエイターさんを大事にするという思いが強くあります。」
山田「我々のコミュニティの主役は、コンテンツを売ることではなく、あくまでもクリエイターさんです。我々運営メンバーのバックグラウンドを踏まえ、クリエイターさんやアーティストさんへの理解度の高さには自信があります」
山田「少しでも興味が沸いたクリエイターさんや、コンテンツのファンの方には是非参加していただいて、一緒にこの取り組みで面白いことをしていきたいと考えています。」
―――本日はありがとうございました。AKIBA EDEN様の実現する『楽園』を楽しみにしております。
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AKIBA EDENは、クリエイティブを愛するすべての人を歓迎する秘密結社です。
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参考リンク集
「AKIBA EDEN」HP:https://www.akiba-eden.com/
「AKIBA EDEN」公式Twitter:https://twitter.com/AkibaEden
「AKIBA EDEN」公式YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCMimBjMYoRkjqir5IZQZzgQ/