ときめきVRでVTuberとファンの理想を実現する DONUTSのVTuber事業が目指す未来とは
ときめきVRは、株式会社DONUTSが展開する、VTuberと一対一で会話できるVRサービスです。4月にはリリース2周年記念イベントの一環として『ときめきトラック』と称し、VTuberがジャックした大型宣伝トラックが秋葉原・新宿周辺を走行しました。
ときめきVRを通して実現したいビジョンについて、またVTuberが持つポテンシャルについて、株式会社DONUTS様にお話を伺いました。
株式会社DONUTS
ときめきVRとは?|VR上で、VTuberと二人きりで話せるサービス
ときめきVRは推しのVTuberと一対一でプライベートトークを楽しめるコミュニケーションアプリです。
様々な角度でVTuberを見ながら、好きな話題でVTuberとバーチャルルームデートを楽しめます。現在までに1,000人を超えるVTuberが登録しており、4月にはリリース2周年記念イベントを開催。その一環として『ときめきトラック』と称し、イベントで目標達成した34名のVTuberを掲載した大型宣伝トラックを都内で走行させました。
オンラインでも現実に匹敵する体験・感動を
――本日はよろしくお願いします。
――まず、ときめきVRは非常に唯一性の強いサービスだと感じました。こちらのサービスを開発するに至った経緯についてお伺いしたいと思います。
竹内「VTuberとファンの間でよりリアリティのある体験を生み出したいと考えたことが発端です。」
――アイドルの握手会のようなものでしょうか。
竹内「そうですね。VTuber業界においてもファンとVTuberが一対一で話すイベント自体は元々存在しています。」
竹内「他にもファンコミュニティへの加入特典としてDiscordなどでトークを行う方もいたり、一対一でのファンとの交流は、VTuber文化初期から実は継続されている文化なんです。」
竹内「とはいえ、これらのイベントは基本的にモニター越しでの交流に留まってしまうことが多く、アイドルの握手会のような臨場感を味わいきれない部分があります。」
竹内「そこで、VR空間を使うのはどうだろうかという発想に至りました。VR技術を活用すれば、ファンとVTuberの交流をリアリティのある体験として提供できる上に、オフラインイベントと異なり会場を準備する必要もなく頻繁に実施できます。」
竹内「同様の発想を持った企業は少なくはありませんが、私たちは早期から一対一での体験にこだわり、それに特化したサービスを展開していますので、今に至るまで安定してサービスを提供できています。」
VTuberの自己実現を支援する
――実際にときめきVRを使っているVTuberはサービスに対してどのような思いを抱いているのでしょうか?
竹内「非常に貴重な体験だったとご好評をいただくことが多いですね。ファンと直接話す機会を得られて、ファンの存在を実感することができて良かった、というような声を頂いています。」
――考えてみれば、VTuberは基本的にファンとの交流はテキスト形式がメインですよね。音声で伝えられる言葉の力はまた一段と違うものだと思うので、自信にもつながりそうです。
――いわゆる個人勢の方でも制限なく使うことは可能なのでしょうか?
竹内「可能です。VTuberとしての3DかLive2Dのモデルを持っていることが条件にはなるのですが、それさえ満たしていれば特に実績や活動歴は問わずにサービスを提供しています。」
竹内「元々ときめきVRを提供する動機として、イベントを自力で開催したり、集客したりすることが難しい成長途中のVTuberを応援し、サポートしていきたいという考えがありました。なので今後も広く門戸を開放して様々な方に、それぞれのスタンスや利用形態で使っていただきたいと思っています。」
――VTuberが自由に活動することを重要視している、ということでしょうか。
竹内「そうですね。かなりVTuberの裁量が大きいプラットフォームにしています。例えばときめきVRでは宣伝や広報も運営が行うものは必要最低限で、基本的にはVTuberが直接発信してファンに伝えていただく形を取っています。」
竹内「なので、VTuberが活動を広げ、自己実現をするためのプラットフォームに徹している形になります。一対一ファンミーティングであり、チケットが有料であるという性質上、ライトユーザーではなくそのVTuberのしっかりとしたファンを対象としたコンテンツなので、そういう意味では正しい選択なのかなと思います。」
竹内「その分、利用していただくVTuberのブランドや方向性・ファンとの関係性を棄損しない形でサービスを展開していく、そのための方略を考えることを特に大事に意識しています。」
ときめきトラック|夢を叶え、ファンの交流を生み出すイベント
――ときめきVRでは2周年記念イベントの一環で『ときめきトラック』の走行という大規模な企画を実施していました。そちらのお話をお伺いしてもよろしいでしょうか。
竹内「『ときめきトラック』は、大型宣伝トラックを使用して秋葉原・新宿周辺を周遊する企画です。リリース2周年記念イベントの期間内に一定数以上トークを行ったVTuberを対象として、計34名の方を大型トラックに掲載しました。」
ときめきVR号🚛✨都庁前を爆走中に運営スタッフが遭遇🎉
— ときめきVR @㊗️リリース2周年 (@tokimeki_vr) April 10, 2023
みなさんも見かけたら是非 #ときめきVR #ときめきトラック でツイートしてください🚛✨
#ときめきVR #ときめきトラック pic.twitter.com/aDIQX7VIm2
竹内「こちらのイベントは想像を超える反響がありました。」
竹内「秋葉原の街で自分が大きく宣伝されて夢が叶った、というような声をいただいたり、今回条件を達成できなかった方に関しても今後の活動の励みになったという声もあります。」
竹内「ファンの方も『自分の推しが大きく掲載されている』ことへの感動の声をいただいたり、イベントをきっかけとしたファン同士の交流の促進にも繋がりました。」
――ファン同士の交流はどのような形で行われたのでしょうか?
竹内「宣伝トラックの写真の交換です。」
竹内「宣伝トラックの性質上、34名同時に映し出すのではなく1分間に一人、という形で掲載しています。トラックを目撃できたとしても、自分の推しが映る確率は34分の1になります。」
――推しの方を見れる確率はかなり低いですね。
竹内「そこで、ファン同士が写真を交換し合うムーブメントが発生したんです。」
竹内「目撃した人がTwitterを通して写真を掲載し合い、互いの推しの写真を交換していました。その中でVTuberのファン同士が互いの推しやファンコミュニティに触れることに繋がり、結果として推し活の励みになった、という方が多くいらっしゃいました。」
――ファン同士で熱量を感じ合えるのは非常に嬉しいイベントですね。
竹内「こうしたファンの熱量は実際の数値にも出ています。24時間以内で専用のハッシュタグを用いたツイートは3,200個ほど見られました。リツイートなども含めて推計すると今回のイベントで合計200万程度のインプレッションをいただけたと考えられます。」
――200万インプレッションはすごいですね。それほどの数値があれば異業種にも非常に注目されそうです。
竹内「そうですね。VTuberの持つ底力と拡散力を目の当たりにした結果となりました。ビジネス的な広がりを確保できればコンテンツとしての幅も広がりますので、今回の事例の再現性に注目しつつ、VTuberの持つ拡散力を生かした異業種への提案を拡大していきたいと思います。」
VTuberの当たり前になるサービスを目指す
竹内「ときめきVRは、この2年間を通しておおよそ1,000人の方が登録してくださっており、1回のイベントで約100人程度参加いただいています。世の中のVTuberの総数が約2万人と言われているので、もっと規模を大きくしていきたいところです。」
竹内「VTuber業界は拡大傾向であり、尚且つ新陳代謝の激しい業界なので、数値以外の部分も含めた全体的なVTuber業界の盛り上がりに貢献していきたいと考えています。」
竹内「競合が多いことは、同時にコンテンツの活性化に繋がる側面もあります。特に現状のVTuber業界は様々な企業や個人が挑戦を行い競う中で全体として盛り上げていく時期だと思います。」
竹内「そのためには先行して事業を行っている我々が価値をしっかりと示す必要があると思います。いわゆる有名どころのVTuberに留まらないVTuber全体の可能性を、『ときめきトラック』の事例などを通じて伝えていきたいです。」
――プラットフォームとして今後運用していく上で意識していることはありますか?
竹内「VTuberが自由な形で利用できることです。一対一のファンミーティングとしてだけでなく収益化や自己実現・VTuberとしての活動規模拡大に繋がるような施策の提案も今後どんどん行っていきたいと思います。」
――ときめきVRというサービスの最終的な展望についてもお伺いしたいです。
竹内「最終的には、VTuberが活動をする際の目標になれたらと思います。配信ならYouTube、グッズ販売ならBOOTHのように、一対一のトークならときめきVRを当たり前に選んでいただけるように、プラットフォームとして不変の価値を感じていただけるようなサービスになれるよう、今後も精力的に取り組んでいきます。」
強みを生かして価値をアップデートしつづける
――本筋とは少しずれるかもしれませんが、ときめきVRがとても早い段階でmocopi(ソニー開発のモバイルモーションキャプチャー)に対応していたのが印象的です。
竹内「そうですね。mocopiは本当に画期的だと感じたので、発売当日に入手してエンジニアに対応してもらいました。」
――新しい技術に対するアンテナがあることはもちろん、その技術を取り入れるスピード感やバイタリティがDONUTS様の強さなのかなと感じています。
竹内「ありがとうございます。特にVR領域は発想を実現するために必要なピースがそこかしこに存在している分野だと思います。そうした分野だからこそ、軸足を複数分野に持ち、広く様々な分野に挑戦している私たちの強みが生かせているのだと思います。」
竹内「また、当社のVRチームは若いメンバーが中心になって動いているので、新しい技術やトレンドに敏感に動けているのかな、と感じています。」
竹内「今回の『ときめきトラック』の事例に関しても、実施できたのはDONUTSが宣伝トラックを所有していたという事情が強くあります。」
竹内「ジョブカン、ミクチャ、ゲーム事業などの他にも雑誌の発行やe-Sportsなど本当に幅広く事業を展開しているので、日常的にチャレンジする上での土台や、参考になる事例が身近にあることが重要なのかなと考えています。」
――DONUTS様が横断的に事業を手掛けていることが、挑戦をする上での選択肢の豊富さに繋がっているのだと感じました。
皆が「好き」に夢中になれるように
――最後に、ときめきVRというサービスの根底にある思いについてお聞きできればと思います。
竹内「ときめきVRを通して、VTuberやそのファンが周囲を気にせず自由に好きなものに没頭できるサービスを作りたいです。」
竹内「今の市場は、マーケットが細分化されていて。ある人にとっては非常に価値の大きいものだとしても、関係のない人から見たら全く価値を感じられない、というようなコンテンツがどんどん増えていると思います。」
竹内「VTuberもその例に漏れず、ファンとそれ以外の方では全く違う見え方をされてしまうコンテンツです。」
竹内「そうしたギャップの中で、ファンは好きなVTuberの成功や自己実現を願って配信を見て、応援しています。そうしたファンの方やVTuberが少しでも喜ぶようなサービスを今後もときめきVRを通じて模索していくつもりです。」
――本日はありがとうございました。
ときめきVRを楽しもう!
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株式会社DONUTSは、いついかなるときもIT企業として優れたプロダクトを作り出すことを一番に、「PRODUCT FIRST」をコーポレート・ビジョンに掲げている企業です。
企業向けのクラウドサービス事業の他、ゲーム事業、医療事業、出版メディア事業と動画・ライブ配信事業の5つの事業を展開しています。
2018年ごろからVR事業にも参入しており、現在ではVTuberプロダクション「MIKUCAN」の運営をはじめとして様々なVR事業を展開しています。