負荷テストの属人性と煩雑さを解決する 『落ちないサービス』を作るBUUURST.DEV
株式会社ドリコムは、ゲーム、メディア、出版事業に留まらず、DX化を推進する企業のためのSREソリューション事業も展開しています。
今回は、Webサービスの負荷テストの工程を自動化し、「落ちないサービス」作りを支援するSaaS型サービス・BUUURST.DEVについてお話を伺いました。
SaaS型負荷テストサービス『BUUURST.DEV』はここが凄い!
- 最速1時間で導入可能!導入にあたっての驚きの簡単さ
- 面倒なシナリオ作成から解放!ドリコム様の知見をベースにした自動生成機能
- 『負荷テストはこの人しかできない』がなくなる!現場が喜ぶサービス仕様
BUUURST.DEV|落ちないサービス作りを支援する
――本日はよろしくお願いします。
――負荷テストの重要性が増加する中で、それを支援するサービスとして生まれたのがBUUURST.DEV。Saas型の負荷テストを行うサービスだと理解しています。
――まず、BUUURST.DEVが従来の負荷テスト作業をどのような点で変化させるのかお伺いしたいと思います。
従来の負荷テストの問題点とは?
株式会社ドリコム様(以下、ドリコム)「一言でいえば、負荷テストの導入を簡略化し、そして継続的な負荷テストの実行を可能にしている点です。」
ドリコム「負荷テストは一般的に、サービスのリリース前や大規模アップデート前など特定場面のみで行われることが多い工程となります。にも関わらず過程は非常に複雑であり、作業が属人化するケースもあります。また、運用中に入っても、プロダクトの更新により、考慮不足や負荷が原因でサービスが落ちるなどのケースが存在していました。」
ドリコム「そうした状況を対処するために私たちが自社で開発していたツールを活用する形で生み出したのがBUUURST.DEVになります。」
ドリコム「BUUURST.DEVは自動化により負荷テストにかかる工程の多くを簡略化し、またDevOpsの思想を組み込むことでいかなる時もスムーズに負荷テストを行えるように設計されたサービスとなります。」
ポイント①|導入が簡単
――BUUURST.DEV全体の強みについてはいかがでしょうか?
ドリコム「まず一点目は、導入が非常に簡単であることです。」
ドリコム「BUUURST.DEVはアカウントの作成から負荷試験のシナリオセットアップまで、最速で一時間ほどの設定で負荷テストを開始することができます。」
ドリコム「通常、負荷テストを行う際には攻撃ツールのセットアップなどの様々な事前準備が必要なのですが、環境構築も含めてBUUURST.DEV側が自動で行うため、大部分の事前準備作業をBUUURST.DEVに任せて、手早く負荷テストを実行することが可能です。」
――非常に手軽なサービスであると感じました。そうした手軽さはやはり需要があるものなのでしょうか?
ドリコム「そうですね。(開発現場の中には)ひっ迫した状況で明日にでもレポートを出す必要のあるケースもあったりするので、一定の需要があると考えています。」
――SaaS形式であるのもそうした手軽さに特化するためなのでしょうか?
ドリコム「そうですね。開発やサービスの成長に応じてまた違った形での提供も検討しますが、現状ではミニマムな部分から進める目的で、手軽に負荷テストができるサービスとして手軽に利用できるSaaS形式で提供しています。」
ポイント②|負荷テストの単純化・シナリオ自動生成
ドリコム「二点目の強みとしては、シナリオを自動的に生成できる点です。」
ドリコム「通常の負荷テストでは、シナリオを設計するためには現状のAPIの仕様確認等の調査を行う必要があります。一方BUUURST.DEVではシステムに対して我々の提供するログを組み込むことでBUUURST.DEVのサーバーにデータを送信し、そのデータを基にシナリオを自動生成することができます。」
――通常の負荷テストにかかるコストを大きく削減できる、ということですね。
ドリコム「はい。攻撃側のサーバーもSaaS側で自動でセットアップしてテストを行うので、最小限の負担で負荷テストを行うことが可能です。」
ドリコム「攻撃サーバーは試験完了後に自動でシャットダウンされ、定期実行やソースコードの変更をトリガーにテストを実行させることも可能なので一度設定が完了すれば、継続的に負荷テストを実施できる環境が簡単に整備される点が何よりの強みだと思います。」
――サーバーアプリケーション側がログを送るだけで、負荷がかかるシチュエーションを想定してテストを行ってくれる、という認識でよろしいでしょうか?
ドリコム「基本的にはその認識で間違いありません。ただし、サーバーアプリケーションを実際に操作して発生したログをベースにシナリオを生成するので、操作自体は多少行っていただく必要があります。」
――それでも、殆ど最小限の手間でテスト用のシナリオを作れるのは非常に便利そうです。
ポイント③|負荷テストの常態化に繋がる文化醸成
ドリコム「三つ目の強みは、BUUURST.DEVを通じて負荷テストを恒常的に行う文化を作ることができる点です。」
ドリコム「BUUURST.DEVではそうした負荷テストの面倒な部分を全て引き受け自動化できるので、負荷テストが機能不全に陥ることで生まれる負のサイクルから脱却することができます。」
ドリコム「何より自動生成により通常では予期していない問題にも対処できるケースもあるため、負荷テストとして前提となる役割も十分以上に果たしてくれます。」
――自動化されたからこその強みを生かして負荷テストの意義を果たしながら、同時に負荷テスト自体にかかる負担も減らすことができるのは一石二鳥といえそうです。
――先ほどお話いただいたアジャイル開発やDevOps的な思想にも合致している感覚があり、ドリコム様の意思が一貫して組み込まれたサービスであるのだと感じます。
ドリコム「そうですね。毎日決まった時間帯に負荷テストを行い、そこで指摘された問題を事前に解決してユーザーに不利益が生じることを未然に防ぐ、そういった使い方をしていただければと思います。」
Webサービス運用における負荷テストの重要性
――非常に初歩的な質問で申し訳ないのですが、そもそも負荷テストとはどのようなものなのか、という点からお伺いしてもよろしいでしょうか?
ドリコム「負荷テストとはソフトウェアやシステムに対して行うテストの一つです。システムに対する負荷を高めた際にどのような状態になるのかを計測し、正しく動作できる限界値や性能を検証します。」
ドリコム「例えばゲームのシステムを運用する際、リリース直後や大規模アップデート直後は平時に比べアクセス数が多くなってしまい、結果としてパフォーマンスが著しく重くなってしまうことがあります。」
ドリコム「特に近年は市場の変化などにより、サーバー負荷などの原因により、初期のユーザー獲得に失敗してしまうと、ユーザーは戻ってこない可能性があり、負荷テストの重要性が増加している現状があります。」
負荷テストの必要性①|市場の不確実性の高まり
――近年になり負荷テストの重要性が高まった理由としては、どのようなものがあるのでしょうか?
ドリコム「要因の一つは市場の需要の変化です。」
ドリコム「近年では新型コロナウイルスの流行やDXの機運の上昇により、顧客や市場のニーズが変化しやすくなっています。」
ドリコム「そのため通常では想定していないような状態でのサービス運用が求められる場面も増えており、サービスの可用性に問題が出やすい環境であるといえます。」
――リモートワークによりビデオ通話サービスの需要が急増したり、それに伴って変化した職場環境に適応する形で様々なサービスが一般化したことは記憶に新しいです。
――このように、想定外のアクセスが集中する可能性が高まっているということですね。
ドリコム「はい。そのような状況下で迅速な問題解決・対応を行うには、サービスの性能を常に正確に理解することが必要不可欠となります。」
――なるほど、そこで、自社サービスの負荷がどれくらいかかるのか把握するために、負荷テストが出てくるのですね。
負荷テストの必要性②|ユーザー体験の高速化
ドリコム「そして二つ目が、ユーザー体験の高速化です。」
ドリコム「通信技術や端末性能の向上・クラウド化の進展により、サービスのレスポンスが全体的に向上しています。今やレスポンスは早くて当たり前である、というような認識も生まれているくらいです。」
ドリコム「そうした状態では、アプリケーション側の問題によるレスポンスの悪化が直接ユーザーの離脱に繋がってしまう可能性があります。」
――エンドユーザーとしても、レスポンスが他のサービスより悪いと気になってしまう心理は非常に理解できます。
ドリコム「そうですよね。なのでどれだけ価値のあるサービスでも、ユーザー体験として問題が顕在化してしまう前に原因を特定し、解決することが非常に重要になります。」
――そうした問題解決に必要なものこそが負荷テストである、ということですね。
負荷テストの必要性③|アジャイルの浸透・DevOpsの進化
ドリコム「そして最後が、アジャイル開発やDevOpsという概念の浸透です。」
ドリコム「アジャイル開発とはIT領域で、柔軟に、機敏に様々な需要や問題に対処しながら開発を行う手法を指します。」
――様々な問題に対して柔軟に対応して開発を行っていくことですね。これがITの開発分野で浸透してきたということだと理解しました。
ドリコム「DevOpsとはソフトウェアやシステムの開発側と運用側が積極的に連携してスピード感と柔軟性を両立させた開発を行う手法のことです。」
ドリコム「先述した負荷テストの重要性はこれらの理念との共通しています。市場やユーザー体験の進化により、様々な問題に柔軟に対応しつつ、スピード感のある開発・運用が求められています。したがって、その問題解決に必要不可欠である負荷テストの重要性が高まっている、と考えております。」
株式会社ドリコムの強み
――ドリコム様のサービスは、ゲームだけではなく、広範囲のIT支援に繋がる内容だと感じました。
ドリコム「そうですね。現在はゲーム事業が主力ですが、我々の本質はIT企業だという意識があります。ゲーム領域での成功も、IT企業としての土台がしっかりと存在していることが大きく寄与していると考えています。」
――BUUURST.DEVやWebサービス支援事業の内容をお伺いしている中でも、確かにゲーム開発に限らずIT系全般の能力値が非常に高い企業だと感じました。
――IT領域全般において、ドリコム様が持つ強みとはどのようなものなのでしょうか。
ドリコム「サーバーサイドやバックエンド側での分析能力・課題解決能力です。」
ドリコム「Webサービス事業やゲーム事業もこれらの強みを生かす形で運用しています。DAUが数十万を越える、億単位の売上を生むアプリの運用や、ユーザーの要望を反映する形での頻繁なアップデートの実施は、そうしたアプリケーション側の強みが反映された事例だと思います。」
ドリコム「またサービスを運用する中で発揮されるエンジニアリングマネジメントも一定の水準を越えていると感じています。実際にゲーム領域の企業様から、私たちのそうした強みを生かした形での課題解決支援を依頼された事例もあります。」
ドリコム「その事例ではプロダクトのバックエンド面の問題を半年かけて正常化させ、それがプロジェクトの救済に繋がりました。ゲーム開発に留まらず我々が持つそうした強みを全て凝縮した形での支援が可能であるという点が、支援事業における唯一無二の強みだと思います。」
ドリコム「また、私たちは自分たちがソーシャルゲームの開発・運用やプラットフォームの開発を行う際に得たノウハウを基にコンサルティングや脆弱性診断などの支援も行っています。」
ドリコム「負荷テストに留まらず、幅広く様々な部分で企業のDevOps支援やサービスの質的向上をサポートさせていただいており、一貫した形でのサポートが可能となっています。」
――ドリコム様の持つ地力の高さを感じます。
「落ちないサービスを生む」BUUURST.DEVを利用する
――最後に、BUUURST.DEVが持つ強みと魅力について、改めて簡潔にお伺いできればと思います。
ドリコム「BUUURST.DEVは私たちのこれまでのノウハウを全て結集させて作ったサービスです。サービス単体では早期での負荷テストの実施が可能ですし、私たちが実施しているその他サポートサービスと併用することでより高度な形での運用支援が可能になります。結果として、どのようなお客様にも何かしらの形でお力になれると思います。」
ドリコム「無料で利用することも可能ですので、大きなトラフィックが予想されるサービスをお持ちの場合や、負荷テストを行う必要がありつつもノウハウやリソースの都合で実施するのが難しい場合など、どのようなケースでもまずはお気軽にご利用を検討いただければ幸いです。」
――本日はありがとうございました。
株式会社ドリコム
株式会社ドリコムは、「新しい体験やサービスを生み出し、人をワクワクさせる」企業です。「世の中をワクワクさせ、毎日をハッピーにする」ことをミッションとして、ゲーム事業、メディア事業、出版・映像事業を展開しています。
また、Webサービス事業者向けの運用コンサルティング事業も行っており、「落ちないサービス作りを支援する」SaaS型負荷テストサービス「BUUURST.DEV」を開発・提供しています。
ドリコム様事業資料より引用