不朽のIPを用いたBCG ゲームとしての面白さと持続可能性に挑む『Eternal Crypt - Wizardry BC -』

不朽のIPを用いたBCG ゲームとしての面白さと持続可能性に挑む『Eternal Crypt - Wizardry BC -』

不朽のIPを用いたBCG ゲームとしての面白さと持続可能性に挑む『Eternal Crypt - Wizardry BC -』

RPGの原点と言われる「Wizardry(ウィザードリィ)」シリーズ。今日まで数多くの系列タイトルが発売され、発売開始から40年以上経つ今でも、世界中で根強い人気を誇る不朽の名作です。

2023年6月に株式会社ドリコム様、チューリンガム株式会社様は共同事業として「Wizardry」のIPをブロックチェーンゲームとしてアレンジした『Eternal Crypt - Wizardry BC -』の開発を発表。誰もが楽しみながら、Web3の世界に夢中になれる作品として現在開発を進めています。

今回は本開発のキーマンである「HiiiiiRooooo」様と「Queen Okeir」様に、本作の特徴と目指す先についてお伺いしました。

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  1. 1「きちんとゲームとして面白い」ことを目指す
  2. 2無料で始めても、BCGらしい要素に触れられるように
  3. 3持続可能なトークノミクス
  4. 4『Wizardry』のIPを用いた幅広い展開
  5. 5Eternal Crypt - Wizardry BC -

「きちんとゲームとして面白い」ことを目指す

――本日はよろしくおねがいいたします。

――今回発表された『Eternal Crypt - Wizardry BC -』(以下、Eternal Cryptと表記)はWizardryのIPを用いたブロックチェーンゲームだとお伺いしております。

――基本的なゲームサイクルはどのようになっているのでしょうか?


HiiiiiRooooo「Eternal Cryptのゲームサイクルは大きく三つに分かれています。第一に、ゲームのメインとなるダンジョンの進行です。自分が所持している冒険者の中から6体の冒険者を組み合わせてパーティーを編成します。6体×6パーティーの合計36体の冒険者を設定して、ダンジョンを奥深く潜っていくゲームです。」

HiiiiiRooooo「そして第二に、ダンジョンで獲得したものを使って進める部分です。ここでは、手に入れたアイテムの販売や自分の所持している冒険者の強化・育成ができます。当然、冒険者が強化されればより深くダンジョンに潜れるようになっていきます。アイテムの獲得はキャラクターの持つ運の良さであったり、ミミックからの出現などがありますが、奥深く潜ることで獲得チャンスが多くなります。」

HiiiiiRooooo「自分の所持しているキャラクターを強化して、どんどんダンジョンの奥深くまで潜っていく。そして3つ目として、手に入れたアイテムを街で売って、ほしいアイテムを手に入れてまたキャラククターを強化するというループを続けていくのが、Eternal Cryptの基本的なゲームサイクルです。」

――いわゆる「放置系」のゲームに近いシステムのように感じました。

HiiiiiRooooo「そうですね。クッキークリッカーのようなゲームシステムを採用しているので、ユーザー様からしたら、気軽に手にとっていただけるのかなと感じています。」

引用:Eternal Crypt 公式サイト(https://wiz-eternalcrypt.com/ )

――一方で、ゲームとして面白くするのであれば、プラスアルファで戦略的な要素も必要なように感じます。

HiiiiiRooooo「はい、おっしゃるとおりです。そこでWizardryの要素がキモになってきます。今回の『Eternal Crypt』というタイトルでは、戦略性、つまり、頭を使ってゲームをプレイすることでより大きな成果を得られるようなゲームシステムにしております。」

HiiiiiRooooo「例えば、ダンジョンの中で敵が毒攻撃などの状態異常を引き起こす『厄介』な攻撃をしてくることがあります。それも毒だけではなく、色々な方法でプレイヤーを苦しめます。」

HiiiiiRooooo「ここでそういった要素に対応する良い方法を考える必要が生まれ、様々なアイテムを活用するタイミングが攻略するうえで重要になってくるわけです。こういった要素は、冒険者同士の組み合わせが単純な足し算以上の効果を発揮するように、サービスインした後も深掘りしていきたい奥深さの部分になります。」

――なるほど。物理攻撃力を高めるキャラクターと強力な物理攻撃を持っているキャラクターを組み合わせたら強い、といったイメージが湧きました。

HiiiiiRooooo「また、ダンジョンの最中に宝箱を拾うことがあります。その宝箱はWizardryらしく罠を外さないと開けることができません。」

HiiiiiRooooo「職業に応じてその成功確率が違うので、パーティーの編成によって『獲得した宝箱をちゃんと開けられるか』いう点も、Wizardryならではのゲーム性を踏襲しています。」

HiiiiiRooooo「他にも色々な組み合わせ方があるので、是非戦略を練って、緻密な遊び方をしていただきたいです。」

――『手軽に始められる、難しくないゲーム性』と『細かなチューニングでより大きな成果を得られる戦略性』が両立した素敵なゲームシステムだと感じました。

無料で始めても、BCGらしい要素に触れられるように

――一方で、ブロックチェーンゲームということはNFTや各種トークンが絡んでくると思います。

――前述のゲームシステムの中で、NFTはどういった役割を果たしているのでしょうか?


HiiiiiRooooo「初めから利用できる36体の冒険者以外に、冒険者NFTが登場します。」

HiiiiiRooooo「ゲーム自体はいわゆるFree to Playで、無料で誰でも始めることができます。ブロックチェーンゲームにありがちな『初期投資でNFTを買わないとそもそもゲームがプレイできない』といったことは無いです。」

HiiiiiRooooo「ゲームを進めていく中で、プレイヤーの任意で冒険者NFTを手に入れて、プラスアルファの遊び方ができるのかなと思っております。」

――冒険者NFTには、どういった機能があるのでしょうか?

HiiiiiRooooo「まず、冒険者NFTはBlood Crystalというトークンを採掘・錬金することができます。Blood Crystalは、ゲーム内で活用するほかに、ゲーム外へ持ち出して交換することができます。」

HiiiiiRooooo「また、ゲーム内キャラクターとして強いことも特徴です。ゲームシステムがクリッカーゲームなので、強い冒険者が居るほうが奥までダンジョンに潜ることができるようになるわけです。」

――トークンを獲得できる機能だけではなく、キャラクターとしての強さもある。ゲームの性質を鑑みても非常に重要だと感じました。

――そんな、ゲームを進めていく上で重要な立ち位置の冒険者NFTですが、入手方法としてはどのような設計にされているのでしょうか?

HiiiiiRooooo「冒険者NFTを手に入れる方法は3つあります。第一に、運営からの販売です。これは運営からユーザーに、プライマリーで販売される一次販売ですね。」

HiiiiiRooooo「第二に、ユーザー間での二次販売です。いわゆるセカンダリの販売ですね。そのセカンダリの販売も、ゲームの中にマーケットプレイスを組み込もうと思っております。」

――外部のマーケットプレイスではなく、ゲームの中のマーケットプレイスで二次流通ができるのは、ユーザー様から見ても取引しやすそうですね。

HiiiiiRooooo「はい、できるだけ簡単にユーザーさん同士でやり取りする楽しみを味わっていただければと思っています。そして第三に、ゲーム内の素材を使って、冒険者NFTをMint(NFTを作成すること)することができます。」

――ゲームの中で冒険者NFTを新たに仲間に加えることができるのですか?

HiiiiiRooooo「はい。ダンジョンに潜っていく中で稀に『冒険者の灰』をゲットすることができるのですが、それを『失われた魂』と合成させると、NFTの冒険者が『蘇る』という形で手に入るイベントが発生します。灰やロストの概念をどうやって組み込むか苦心しましたが、こういった形で本家Wizardryらしい『遊び』を入れさせていただいています。」   

――一般的なブロックチェーンゲームにはあまり見られない『ゲームの中でNFTを生み出せる』というポイントは独特だと感じました。

持続可能なトークノミクス

――先ほど、冒険者NFTについての独特なエコノミクスについてお伺いしました。

――それ以外のトークノミクスの部分を設計するにあたり、どのような点を意識されましたか?


Queen Okeir「最も意識したのは、サステナビリティ(持続可能性)のあるエコノミクスにする点です。多くのブロックチェーンゲームが『持続するエコノミクス』を意識してゲームを作っていらっしゃると思いますが、今はまだ明確な成功例がない状況だと思います。」

――確かに、ブロックチェーンゲームのNFTを始めとするトークンの価格は、大きく変動することが多いですね。

――また、タイトルによっては価格が暴落して戻らない、というゲームも散見されます。


Queen Okeir「そうですね。私たちは、長く続くブロックチェーンゲームを作りたいと思っています。そのため、先ほど述べた『ゲームとして面白い』という点以外にも、長く続いていくトークンエコノミーを実現していかなくてはならないと思うのです。」

――具体的には、どのようなトークノミクスを構築しようとしているのでしょうか?

Queen Okeir「第一に、NFT・トークンの流通量を適切に保つことができるような設計にしています。」

Queen Okeir「NFTが発行されすぎてしまうと、市場での価格が下落しがちになります。先ほどお話したゲーム内での冒険者NFTのMINTであったり、通常販売等でNFTの数が市場に出過ぎてしまったりすると、よい結果を生まないのかと思います。」

Queen Okeir「なので、NFTを始めとしたトークンは適切に供給する、という方向性があります。これが第一の方向性です。」

Queen Okeir「そして第二に、NFTの冒険者に付随する『トークンを獲得できる機能』に寿命を持たせております。」

――寿命。つまり、冒険者NFTによるトークンを稼げる機能に上限を持たせているのですね。非常に画期的だと思います。

Queen Okeir「正確に言うと、UT(ユーティリティトークン)を稼げる力を本タイトルでは『錬金力』と表現しています。それが尽きてしまうと、トークンを稼ぐことができなくなってしまう設計です。」

Queen Okeir「ただ、錬金力がなくなっても、先ほど申し上げた通り、冒険者NFTは強いので、戦闘力としては引き続き使い続けることができます。」

Queen Okeir「本作品はダンジョンに潜っていくクリッカーゲームが主軸になっています。そして、ダンジョンの奥に進むにつれて、敵もだんだん強くなっていくような仕様です。なので、ダンジョンの先により進むためには、育成された強いキャラクターが必要となってきます。」

Queen Okeir「そこで、冒険者NFTの戦闘力が重要になってきます。たとえトークンを稼ぐ力が尽きてしまっても、育成された冒険者NFTはダンジョンを奥深く進むにあたってパーティーにおける重要な戦力として、活躍し続けます。」

――なるほど。そもそものゲームシステムとして、強いキャラクターが居ることが有利。

――だから、トークンを稼ぐ力がなくなってしまった冒険者NFTであっても、戦闘力としては効果を発揮するのですね。

Queen Okeir「はい。冒険者NFTの錬金力がゼロになりBlood Crystalを獲得できなくなったとしても、その冒険者NFTは使っていくうちに成長していきます。育成したキャラクターがいなくなると、そもそもの攻撃力が下がってしまいますので、戦力としての価値はあります。」

――非常に独特なNFTの設計であると感じました。

『Wizardry』のIPを用いた幅広い展開

引用:ドリコム様IR資料(https://drecom.co.jp/ir/140120230511565909.pdf )

Queen Okeir「第三に、ゲームの外の経済圏から収益を生むことにチャレンジしています。これは、サステナビリティのあるトークノミクスを作るにあたっては非常に重要だと考えています。」

――ブロックチェーンゲームがユーザーへの報酬還元の原資は、単なる『NFTの売上』や『トークンの価格の上昇』に頼っているタイトルも多いです。

――そんな中『Eternal Crypt』は、ゲームの外での収入源も作ることで、ユーザーに還元する報酬の原資を確保するお考えなのですね。


Queen Okeir「はい。ゲームの中の『閉じたトークンエコノミー』だけではなく、ゲームの外からの収益も生み出せるようにすることによって、トークンエコノミーとしてより強固な収益基盤を構築していくことを目指しています」

――具体的には、どのような形を考えているのでしょうか?

Queen Okeir「何か一つに絞るのではなく、様々な方法を今検討しています。本ゲームはF2Pゲームとしての側面もあるので、広告収益も検討を進めています。また、「Wizardry」の著作権および商標権は2020年にドリコムが取得しており、ドリコムは「Wizardry」IPの育成に取り組んでいます。このためWizardryのIPを用いたプロジェクトは、『Eternal Crypt』というブロックチェーンゲームだけのプロジェクトではなく、IPとして多方面の展開に取り組んでいるというのも重要なポイントです。」

Queen Okeir「例えば、スマートフォン向けゲームとしては『Wizardry Variants Daphne(ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ)』が現在開発中です。また「Wizardry」を用いたライトノベル『ブレイド&バスタード』はすでに2巻まで発売されており、コミカライズも進んでいます。「Wizardry」IPとして、各作品がマーケティング活動を行うことで、単体のプロジェクトよりも各媒体への露出も増えると期待されます。またEternal Crypt自体もその設定などを活用したライトノベル、コミカライズ、長期的にはアニメーションなども含めて、独自のIPとしての育成も視野に入れています」

――なるほど、単なるブロックチェーンゲームのプロジェクトではなく、WizardryというIPを活用して、多方面に展開していくのですね。

――IPを活用して様々な水平展開に取り組んでいき、そこで生まれた収益をユーザーが獲得できるトークンの原資にすることができる。非常に画期的なお考えだと感じました。


Queen Okeir「ありがとうございます。こういったIP展開も視野に入れた運用は、本プロジェクトに参画している株式会社ドリコムが得意とする部分でもあります。ドリコムは人気ゲームシリーズのタイトルやマンガ原作の人気IPタイトルなど多くのゲームタイトルを運営してきました。もちろんその中では、IPとしての水平展開や、ゲーム内イベントの企画運用も取り組んできたので、そのノウハウは活かしていきたいと考えています。」

――なるほど、創業より多くのIP展開やソーシャルゲームの運用に取り組んできたドリコム様のノウハウが背景にあるというのは『Eternal Crypt』にとってもメリットだと思います。

――ドリコム様が取り組み続けてきたことは、まさに『IPやゲームを長期運用する』ことそのものだと感じました。

Queen Okeir「私たちが『Eternal Crypt』で目指していることの一つは『きちんとゲームとして面白い』という点です。ゲーム性、戦略性、そして運用力といった点でユーザーを楽しませ続けられる、そういうゲームを提供することが大事だと考えています。」

Queen Okeir「Web3の市場は、お祭り的なイベントが好きなところがあると思っていて、そういった『お祭りっぽさ』を合わせて、ゲームを楽しんでいただきたいなと思っています。」

Queen Okeir「あとは、先ほど述べたようなIP自体として育てていく点についてもご注目いただきたいです。ゲーム自体のトークノミクスももちろんしっかり取り組んでいきますが、そういったIPとしての広がりにもご注目いただきたいと思っています。」

ーー本日はお時間頂き、ありがとうございました。

Eternal Crypt - Wizardry BC -

出典: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/80650/98/80650-98-1c0cb4de34e2228024f5f2ba64b0addb-1920x1080.png?format=jpeg&auto=webp&quality=85%2C65&width=1950&height=1350&fit=bounds

クリッカー系×戦略系を掛け合わせたゲームシステムで、プレイヤーはギルドマスターとして最大36体の冒険者とともに、謎に包まれた神秘のダンジョンである『ダドエルの穴』の深淵を目指します。ダンジョンから『街へ帰還』することにより、Blood Crystalと宝箱を獲得できます。前回の冒険よりもさらに奥深いダンジョンに到達するほど、多くの成果を得られる可能性が高く、ギルドマスターはダンジョンのより深くまで効率的に進むため、冒険者(NFT)の編成、熟練度アップ、回復を戦略的に実行する必要があります。また宝箱には罠が仕掛けられていることがあり、見破ることに失敗するとペナルティが発生するので注意が必要です。

その他に「Wizardry」らしい要素として、『冒険者の灰』といったレアアイテムが存在します。『失われた魂』を見つけることができれば、灰は冒険者として蘇り、新たな仲間としてプレイヤーのギルドに加えることができます。

誰もが簡単に遊ぶことができるゲームシステムと、「Wizardry」ならではの「知力」が試される戦略性の双方を楽しめるゲームです。


公式サイト : https://wiz-eternalcrypt.com
Twitter (日本語) : https://twitter.com/WizardryBC_JP
Twitter (英語) : https://twitter.com/WizardryBC_EN
Discord :https://discord.gg/SDUZu7bjgk
Telegram : https://t.me/WizardryBC

はがね
ライター

はがね

Web3・メタバース領域を愛しているインタビューライターです。 50社以上の企業様にインタビューし、記事を執筆してきました。 新しい分野の最前線で活躍する方のインタビューを通じて、世の中に魅力的なコンテンツを広めたいがゆえに書いています。 Twitter:@hagane_Web3 アイコンはNFTアート『MIRAI』の22番ちゃんです。

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