人気パズルゲーム『Q』の完全新作『Q2 HUMANITY』の魅力に迫る!

人気パズルゲーム『Q』の完全新作『Q2 HUMANITY』の魅力に迫る!

人気パズルゲーム『Q』の完全新作『Q2 HUMANITY』の魅力に迫る!

完全オリジナル新作でありながら、斬新なゲーム性と熱中度が話題を呼び、リリース開始からわずか6日間で100万ダウンロードを突破したゲームアプリ『Q』。
8月末に、その新作『Q2 HUMANITY』の早期アクセス版がSteam先行でリリースされました。この度『Q』シリーズの生みの親、株式会社リイカの栗田様に、最新作についてお話をお伺いしました。

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  1. 1『Q』シリーズとは
  2. 2完全新作『Q2 HUMANITY』 ~開発秘話①開発のきっかけ~
  3. 3完全新作『Q2 HUMANITY』~開発秘話②作品の魅力~
  4. 4早期アクセス版『Q2 HUMANITY』について
  5. 4.1公式からコメントが到着!
  6. 4.2〇『Q2 HUMANITY』のsteamストアページ〇
  7. 5ゲーム事業部ゲーム開発部部長 栗田祐介
  8. 6株式会社リイカ

『Q』シリーズとは

ーー本日はよろしくお願いいたします。

ー本日は完全オリジナル新作でありながら、リリース開始からわずか6日間で100万ダウンロードを突破したゲームアプリ『Q』シリーズ、そしてその完全新作、『Q2 HUMANITY』についてお話をお伺いさせていただきます。


ーーまず、貴社の人気パズルゲーム『Q』はどのようなコンセプトで制作されたのでしょうか?

栗田「コンセプトは『単純で難しい』です。そもそもは、当社でゲーム開発用にUnityを導入したことが発端です。当初、そのUnityのミドルウェアでどんなことができるのか検証のため、エンジニアに1週間くらい自由に触って遊んでみるように依頼しました。」

栗田「その結果見せられたのが、マウスで描いたものがポトっと下に落ちて、その描いたもの同士には当たり判定があるというものでした。『こういうお絵かきツールみたいなものが出来たが、それを何かゲームにできるか?』と言われたので、私もしばらく触らせてもらいました。」

栗田「その後、実際に私がビーカーみたいなものと中に点を一個描いて『どうにかしてこれを外に出せるか?』という、スタッフで面白がっていた“身内の遊び”が『Q』の原型です。それが面白すぎたので一本のアプリとしてリリースを決めました。」
 

ーーUnityで遊んでいく中でできた遊びが『Q』へとつながっていったのですね。

栗田「はい。ただしUnityの年額使用料が掛かるため、『如何に制作に費用をかけず一本のゲームとして成立させ、UnityにUnity自身をリクープ(費用回収)させられるか?』という主旨の元、ミドルウェアの持つ基本機能のみを使って開発しました。」

栗田「例を出すと、出題時に、『ただボールを出す』や『壁に当てる』といった、あまり他のゲームで見ないような極限までの割り切り方をしました。その結果、「単純で難しい」をコンセプトとする『Q』の形になりました。」

ーーいかに低コストで面白いゲームを作れるかを突き詰めたら、そのようなコンセプトになったのですね。

ーー『Q REMASTRED』のユーザーの反応はいかがでしたでしょうか。


栗田「2022年夏にNintendo switch版をリリースした当初は、スマホ版の当時と異なり全くの無風でした。」

栗田「ですが、2023年春に有名VTuberの方々に、配信の題材として盛んに取り扱って頂けたことをきっかけに広がり、ゴールデンウィーク頃にリリースしたSteam版もご好評いただいております。」

栗田「配信中に『配信者さんがプレイしているところを見て、実際に自分もプレイしてみると難しい』などの意見を視聴者さんがコメントして、配信者さんとリアルタイムでコミュニケーションを取っておられたんです。開発視点でも視聴者視点でも嬉しく楽しい状況を体験させていただきました。」

ーー配信者の方に取り上げていただくことで、盛り上がりを見せたのですね。

ーーたくさんの方に知っていただくだけではなく、リアルタイムでその楽しさを配信者と視聴者で共有し、さらに楽しさの輪が広がっていくことは素敵だと感じました。

 

完全新作『Q2 HUMANITY』 ~開発秘話①開発のきっかけ~

ーーここまでは、シリーズ1作目についてお伺いしてきましたが、ここからは完全新作『Q2 HUMANITY』についてお伺いします。

ーー『Q2 HUMANITY』の開発のきっかけは何だったのでしょうか?


栗田「『Q』は千何百ステージも作ったため、流石にネタ切れ感がありました。しかし、『Q』のおかげでゲームにおける「物理演算」という表現手法にかなりの可能性を感じていました。」

栗田「そこで、『Q』の延長上にあるゲーム性として「“描くこと”と“キャラクターの操作”」の併せ技を閃いたのが始まりです。」

栗田「当初はNintendo switch用として企画をスタートしました。ですが、携帯モードのswitchは中央にスマホと同じことができるタッチパネルがあり、左右にはコントローラーがあるという形状でした。」

栗田「そこで、それに最適化したゲーム性として「描画とキャラ操作」を併用する、というのがアイデアを考案したのが原点です。」

ーーコントローラーとパネルの配置も加味した結果、『Q2 HUMANITY』に繋がっていったのですね。

ーー『Q2 HUMANITY』のコンセプトを教えていただいてもよろしいでしょうか。


栗田「前作『Q』の弱点が大きく3つありました。難しすぎることが原因でプレイヤーの離脱が激しかったこと(広告モデルとしては致命的)、キャラクター性の欠如による横展開の幅の狭さ、そして、海外プレイヤーへの訴求力の低さ。」

栗田「開発陣としても、これらの弱点を痛感していたため、この3つを全面的にカバーする要素で構成したのが『Q2 HUMANITY』のコンセプトです。」

ーー前作の弱点を改善することをコンセプトにすることで、さらなる飛躍を目指されたのですね。

ーー新作では、グラフィックが3Dに一新されていますが、3Dでの開発にあたり工夫した点はございますか?


栗田「背景ですね。『Q』は背景が基本的に黒一色でしたが、『Q2 HUMANITY』で3Dになるにあたっては立体感と動きが欲しく、なりました。ただしステージによって見た目のバリエーションも欲しい、となると膨大な作業量になってしまいます。」

栗田「そこで今回の背景は荒技ですが、別の方法を使いました。Unityの基本機能の『パーティクルシステム』という、本来は火や雷などのいわゆるエフェクト然としたエフェクトを作るためのツール。これを応用して背景を作っています。」

ーーすごい発想ですね。実際に『パーティクルシステム』を背景制作に使ってみていかがでしたか?

栗田「『Q』シリーズのアートワークらしい抽象的なビジュアルをかなり短期間で存分に用意できましたし、ツールを全然違う用途に使って大きな効果を得られたのは面白すぎました。」
 

ーー『Q2 HUMANITY』の問題を考える上で気を付けているポイントをお教えください。

栗田「全体的に難易度は『Q』と比較して寸止めを心がけています。また、シングルプレイ、マルチプレイで違うプレイ感覚を味わえるステージづくりを心がけています。」

栗田「一人で遊ぶときは頭を使うパズルゲーム性が前面に出るように。マルチのときは異なる能力同士の協力で『そんな変なことができるのか!』という発見と、アクション性が前に出るバランスになっております。」

ーーシングルプレイでもマルチプレイでも楽しめるように難易度をデザインされているのですね。

栗田「はい、ステージにもよりますが、『Q』と同じ遊び方の『描くだけ」で解くことができるか?反対にマルチでは『一切描かず」に解くことができるかどうか?といった、取り組み方によってプレイ感覚が変わる自由度は意識しています。」
 

完全新作『Q2 HUMANITY』~開発秘話②作品の魅力~

ーー最新作の『Q2 HUMANITY』の一番の魅力はどこでしょうか。

栗田「今作は、前作『Q』をブラッシュアップし、新要素も追加しました。そしてそこに『Q』ならではの面白さが重なることで、今までにないゲーム体験になっている点は魅力だと思います。」

栗田「具体的にはまず、前作『Q』のような胃が捩れる極限のストレスを感じることなく先に進んでいける快適さを意識しました。」

栗田「そして、新たな能力を持つキャラクターを入手することで行動範囲や解き筋が増えていくメトロイドヴァニア的構造を採用。加えて、4人までのオンラインマルチプレイが可能にしました。」

栗田「そのおかげで、ゲームとしての体幹がかなりしっかりしました。そこに『Q』ならではの物理演算が重なることで今までにないゲーム体験ができると思います。」

ーーかなり要素が追加されましたね。「キャラクターの概念」や「マルチプレイ」を加えた背景をお教えください。

栗田「前の項目で少し触れましたが、『Q』のキャラクター性欠如から来る横展開の弱さをカバーしたいという想いが、キャラクター要素を入れた大きな理由です。」

栗田「『Q』は自分がプレイするだけでなく、人のプレイを見るのも面白いことは開発時からよく理解していました。なので、元々なにかしらマルチプレイ要素を入れたいと考えていました。」

栗田「そして、今回『Q2 HUMANITY』ではプレイヤー各々がキャラクターを操作することになります。これが物理演算と掛け合わされることで絶対面白いのは確実なので、最初からマルチプレイ前提で企画を進めていました。」

栗田「『そっち持って』『せ〜のっ』『だめだ!重い!』『一旦置こう!一旦置こう!』みたいな、物理演算でコントロールされた思い通りになるような、ならないような物体の動きを何とかこなしていくのは非常に面白く夢中になれます。」

ーーうまくいきそうでいかない問題を、力を合わせてクリアしていくのは、プレイヤーもかなり盛り上がりそうです。
 


ーー先ほどお伺いした新機能を加えるにあたり、苦労した点/工夫された点はございますか?

栗田「性能が異なるキャラクターが存在した上で丁度良いバランスを取るのは、そもそも難しいことです。それを、物理演算に支配された環境下で成立させるのはより難題でした。」

ーー物理演算というと、風や摩擦等、現実世界では当たり前に起こるけど、プログラムするとなると計算が複雑になる要素のことですね。

栗田「そうです。『複数人で同時に同じ物を持つ』はわかりやすい例ですが、そういった『感覚的には当たり前そうなこと』がプログラムとしてきちんと成立させることが実は難しいです。」

栗田「加えて物理演算という、物体が一切ゲームバランスに対して忖度してくれない振る舞い。これも相まって、人も物も含むあらゆる物体の『“重さ”と”力”』の関係を破綻なく(触っている感触として違和感なく)まとめ上げるのは、エンジニアが非常に苦戦したところです。」

栗田「『スロープを登る』とか『置いてあるものの上を歩く』。といった単純なことですら、感覚的に違和感がないようにするためには一手間も二手間も掛かっていたりします。あるいは異なるやり方で作り直したり、苦心を重ねています。」

ーー私たちが当たり前にしていることでも、ゲームにするとなるとかなり手間がかかるのですね。ゲームに対する見方が変わりました。
 

早期アクセス版『Q2 HUMANITY』について

ーー早期アクセス版は特にどのような方に体験していただきたいとお考えですか。

栗田「『Q』を面白いと思って頂けた方には是非遊んでみていただきたいです。大々的に変わりつつも遊んでみればちゃんと『Q』のプレイフィールですので楽しめると思います。」

栗田「また、『Q』をやったことがなくても、日頃からよくゲームを遊ばれるプレイヤーの方にも、今回は特に遊んでみていただきたいです。」

栗田「ゲームらしいゲーム構造の中に『描いた物体』を使ってあれこれする要素が組み込まれたゲーム性は今までにないので新しい体験になっています。」

ーー正式なリリース版では、どのような要素が追加される予定でしょうか?

栗田「早期アクセス版では193ステージが実装されていますが、正式版ではさらに192ステージが追加されます。具体的には、2倍のボリュームと4人の新しい能力を持ったキャラクターが追加されます。」

ーー早期アクセス版のステージ数も多いですが、追加の分量もかなり多いですね。これは、早期アクセス版をプレイした方も、正式なリリース版でしっかり楽しめますね。

ーー正式なリリース版は、いつ頃のリリースになる予定でしょうか?

栗田「タイミングは、早期アクセス版のフィードバックも反映して2023年内を目標にしております。」

栗田「そこで一旦、一連のストーリー部分は完結します。しかし、コラボやマルチプレイ専用、『Q』のような超高難度のステージなどアイデアは色々とあるので将来的に盛り込んでいければと考えています。」

ーー正式なリリース版だけでなく、追加要素もゆくゆくはリリースの可能性があるのですね。マルチプレイになった『Q2 HUMANITY』の高難易度ステージ、どんな難解な問題が来るのかとても楽しみです。

ーー本日はお話しを聞かせていただき、ありがとうございました。


今回のインタビューで『Q2 HUMANITY』が気になった方は、ぜひプレイしてみてくださいね。
 

公式からコメントが到着!

『Q2 HUMANITY』ではRemote Play Togetherを強く推奨しているとのこと。
Q公式からコメントが届いているので紹介します。

【Q公式からのコメント】

開発と話を聞き、『Q』、『Q2 HUMANITY』を配信頂けている配信様やご配信を見ていた
だいている購入者様と直接触れ合うことができる『Q公式』として、今回のコメントを書か
せていただいております。

今回アーリーアクセスを開始している『Q2 HUMANITY』というゲームの新しいアプロー
チのためには、どうしてもマルチ要素が必要なコンセプトでした。

同時に『Q』の特徴である『自由に描き、それらを物理演算する』というゲーム性も維持
するには、リアルタイムの物理演算をオンラインで同期させるのは非常に難しく、開発中
課題でした。

そんなときに、SteamのRemote Play Togetherの機能を知り、これならマルチ要素を使う
ことでマルチ、リアルタイム物理演算が実現可能では考えました。
ホストの画面をマルチプレイ参加者にシェアする方式のため、プレイヤー間で同期を取る
必要がなくなるためです。

Remote Play Togetherはその特性上、通常のマルチのような利便性が不足して分かりづら
さや、やりにくさというところもありますが、本来『Q2 HUMANITY』に限らずこの機能を
用いて遊ぶことで楽しさが増すゲームはあると思っています。

また、メリットのひとつとして、ホストがゲームを持っていればRemote Play Togetherの
参加者はゲームを持っていなくても遊ぶことができます。
つまり1本で最大4人で楽しめるので、お客様に気軽に触れていただくこともできるのでは
と考えております。

『Q2 HUMANITY』ではその操作方法やリモートの参加の仕方などをご案内していく事を
続けて行くことで弊社ゲームに限らずインディーズゲームの可能性が広がると考えています。

『Q2 HUMANITY』公式サイトでは、Remote Play Togetherの始め方の解説ページをご用意
(https://www.liica.co.jp/q2/remoteplay/)していたり、
『Q』公式Tiwtterでは随時Remote Play Togetherの遊び方、楽しみ方をご紹介していったり
と、Remote Play Togetherに関するご案内を適宜実施していく予定です。
無論、ゲームのご要望等を頂きブラッシュアップした形で正式版としてリリースに迎えれば
と考えております。

ぜひ皆さん、『Q2 HUMANITY』やRemote Play Togetherをお楽しみください。

〇『Q2 HUMANITY』のsteamストアページ〇

https://store.steampowered.com/login/?redir=app/2357950

『Q2 HUMANITY』 TwitterURL: https://twitter.com/QKousiki
『Q2 HUMANITY』 DiscordURL: https://discord.gg/VmBkkuPWrp
『Q2 HUMANITY』公式HP: https://www.liica.co.jp/q2/
『Qシリーズ』公式Twitter:https://twitter.com/QKousiki

 

ゲーム事業部ゲーム開発部部長 栗田祐介

栗田祐介(くりたゆうすけ)

経歴:ゲームデザイナー/ディレクター/プロデューサー/グラフィックデザイナー
1976年生まれ。千葉県出身。
2002年株式会社マトリックスにプランナーとして入社。
2008年株式会社ジーモードにて自身初のヒットタイトル「空気読み。」を制作。
2012年より株式会社リイカに在籍「Q」シリーズを手掛ける。
 

株式会社リイカ

株式会社リイカは、ゲーム事業とWebコンテンツ事業、2つの事業を柱として展開しています。

(1)Steam/Switchプラットフォーム向けタイトルの開発/販売を行っております。
代表作は大ヒット物理演算パズル『Q REMASTERED』、最新作は"Remote Play Together"でローカルマルチプレイを実現した『Q2 HUMANITY』です。

(2)ソーシャルアプリパブリッシャーとして、経験豊富なスタッフによりゲームの企画、制作、運営業務を行い数々のゲームをリリースしております。
・『三国志ロワイヤルアリーナ』、『マチガイブレイカー Re:Quest』、『ファイブキングダム ―偽りの王国―』など。その他パートナーアライアンスでの運営受託タイトル多数。

(3)Webコンテンツ事業WEBサイトの制作運用をはじめとして、Youtubeや各種SNSコンテンツの運用、プロモーションを行っています。
 

CON猫
ライター

CON猫

通信業界、広告業界を経て今の会社へ。幼少期から20年以上、ゲーム・アニメ・声優のファン。表現活動は人生のエッセンス。大好きなゲーム業界の力になりたくて鋭意執筆中。

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