ブロックチェーンゲーム特化の1次販売のNFTローンチパッド Zaif INO、暗号資産交換所Zaif、コミュニティを大事にするWeb3戦略とは?|CAICA DIGITAL様
Zaif INO|コミュニティドリブンなローンチパッド
――本日はよろしくお願いします。
――まず、Zaif INOとはどのようなサービスなのかお伺いしたいです。
池田「Zaif INOは、ブロックチェーンゲーム(以下「BCG」)に特化したNFTの1次販売ローンチパッドです。子会社が運営する暗号資産交換所のZaifでも購入可能な暗号資産で入手できるBCG内の「キャラクター・アイテム・装備品」(一部またはすべて)のNFTは、実際にBCGゲーム内で使ったり、有利に遊んだりすることが可能です。」
――暗号資産交換所とつながったNFTローンチパッドも市場に増えてきたイメージがありますが、Zaif INOの特徴はどのようなところにありますか?
池田「一番の特徴は、Zaif INOがコミュニティを重視したNFTローンチパッドであるという点です。Zaif INOでは独自に『ブロックチェーンゲーム愛好家』のためのコミュニティを形成しています。」
池田「それぞれのBCGタイトルごとに、コミュニティをお持ちだと思いますが、Zaif INOのコミュニティは特定のゲームに限定しない、幅広くBCGのプレイヤーが集まって情報交換を行うことができるコミュニティです。」
池田「その結果として、ユーザー同士が仲良くなり、新しいゲームの遊び方が模索されたり、インフルエンサーを巻き込んだイベントの開催が行われることに繋がっています。」
池田「既に4回ほどリアルイベントを開催しており、9月に行われるイベントでは凡そ300人規模のイベントとなる予定です。」
――ブロックチェーン領域で300人も動員できるコミュニティは国内でもまだ少ないですよね。
池田「そう思います。イベントには大小問わず色々なBCGやNFTタイトルを招待しており、プロジェクト側から見たら、ユーザー獲得や、知名度向上の場としても活用されている側面もあると思います。」
――特定のゲームに限らないBCGコミュニティがあることで、ユーザーだけでなくプロダクト側にも大きなメリットがある設計になっているのですね。
コミュニティを通じてニーズに応え、実力を高める
――Zaif INOがコミュニティに特化したNFTローンチパッドであることは大変よくわかりました。一方で、Zaif INOを開設しようとした経緯についてもお伺いしたいです。
池田「そもそも、弊社グループがWeb3ビジネスに本格的な参入をしたのは、去年の10月です。その第一弾としてBCG専門かつコミュニティに特化した、NFT1次販売ローンチパッド、Zaif INOをスタートしました」
池田「その理由としては、海外と比較して日本のWeb3ビジネスはコミュニティ文化が弱いと感じたことです。コミュニティを意識することで、ユーザーの需要の変化に迅速に対応できるようになるなど、取引所としてもメリットがあります。」
池田「ちょうど当時、X(旧Twitter)からDiscordへ移行するユーザーが増加していました。これはDiscordの持つコミュニティ性がWeb3の文脈に適しており、ユーザーの需要にマッチしたことで生じた変化です。」
池田「このように、時間と共にユーザーの需要が変化し、求められるサービスも変化します。NFTローンチパッドとして今後も顧客に支持していただくためには、顧客がNFTローンチパッドに何を求めているのか理解する必要があります。」
池田「そうした経緯から、コミュニティと対話することを目的としてオフラインイベントの開催といった活動をより重視しています。」
――確かに、プラットフォームが安定して支持を受けるためにはニーズを把握し続けることは非常に重要だと思います。
ブロックチェーンゲームに力を入れている理由
――Zaif INOはBCGに力点をおいたNFTローンチパッドですが、ブロックチェーンゲームの領域に注目した理由をお伺いしたいです。
池田「一言でいえば、ゲームにはWeb3の構成要素の大部分が含まれているからです。」
池田「ゲーム上には空間があり、トークンがあり、アイテムや顧客もいます。これらはWeb3に必要不可欠なものであり、これらの要素を十分含んでいる領域はゲーム以外にはまだありません。」
池田「ARやNFTなどの領域が今後拡大する可能性はあるものの、現状ではWeb3的な価値を提供する最適なプラットフォームがゲームだと考えております。」
池田「また、Zaif INOの立ち上げ時期はちょうどゲーム内の土地やアイテムをNFT化する考え方が浸透してきたタイミングでした。」
池田「Zaifの新しいイメージを生み出すためにも、Web3×ゲームという新たな領域に挑戦していくことが大事だと思った、という背景もあります。」
池田「ゲームは視覚的にわかりやすく、幅広いユーザーが楽しめるという点も挑戦を行う領域としてベストだったのかなと思います。」
ユーザー目線でのビジネス展開
――Web3の文脈では、いわゆるDAO的な、コミュニティが運営に参画する事例が多々あると思います。Zaif INOではコミュニティと運営の関係性はどのような形となっているのでしょうか。
池田「Zaif INOではコミュニティとの意見交換を経て意思決定をする場面を一定以上設定しています。」
池田「例えば、取り扱うゲームを決定する際は、コミュニティ上の意見交換を徹底しています。これによりユーザー目線でビジネスを見ることができるので、NFTローンチパッドとユーザーの間でイメージのブレが少ない状態で話を進めることができます。」
池田「そのためにゲームギルドさんやゲーム企業さんのような、ユーザーとの接点を作ってくれるコミュニティと積極的に関係性を構築しています。」
――コミュニティでの意見交換を通して多角的な視野を得つつ、ユーザーからの信頼にも繋がるという形だと思います。コミュニティが持つ力を最大限発揮されている印象です。
将来的に何を目指していくのか
――Zaif INO開設から今に至るまでWeb3領域は大きく変化していると思います。池田様が現在注目されているトピックについてお話をお伺いしたいです。
池田「Web3のマスアダプションにおける『フィジカル』というキーワードに注目しています。」
池田「"○○ to Earn"として、ゲームプレイ以外の特定の行動によりNFTやトークンが配布されるブロックチェーンゲームはその一例です。トークンの価値の変動が激しいという問題がありつつも、日常的な行動を価値化する需要は常に一定以上存在します。」
――ゲーム外で価値を生み出すことができるのはトークンの強みですよね。
池田「そうですね。他にも最近ではイベントなどでNFTが配布されるケースもありますが、その中でオンラインで接続されるのは全体の約20%に過ぎないんです。」
池田「それはNFTを取得するためにはウォレットを開設する必要があることであったり、全体的に手間がかかって、リテラシーを必要とするからです。こうした問題を解決するためにカード型のNFTウォレットが今後出てくる、という話もあります。これも一種の『フィジカル』ですよね。」
池田「年末からステーブルコインも本格的に導入されると予想されますし、こうした形でWeb3に触れやすい環境を整えることは急務となっています。そのためのキーワードが『フィジカル』です。」
池田「つまり、現実世界に近づく形でWeb3領域が拡張することが、Web3のマスアダプションに繋がるという考えが浸透しているのだと思います。」
――如何に今の人々の生活に合わせる形でWeb3を発展させていくか、という視点で「フィジカル」というキーワードが生まれている、というお話ですね。大変興味深いです。
Web3事業としては何をするか?
――CAICA DIFITALグループのWeb3事業は、今後どのような形で事業を展開される予定でしょうか。
池田「多くのコミュニティや組織と繋がることを目指しています。」
池田「私の予測では、暗号資産交換所は最終的にブロックチェーンの決済代行のような事業を行うようになります。とはいえ、ライセンスを持っていないと取引できないので、暗号資産交換所自体は必要とされ続けると思います。」
池田「そうした未来予想の中で、暗号資産交換所は機能を最小限に留めて外部のサービスと積極的に連携していくことが重要です。」
――現行の暗号資産交換所の在り方から打って変わって、今度はどんどん小規模化していくということですか。
池田「はい。これまでは外部サービスも暗号資産交換所自体で担っていたのですが、挑戦するジャンルが増加し、マーケティングコストが肥大化しています。結果的にマーケティングをするためだけの会社になり、本業の収益が低下してしまっているんです。」
池田「そのような状態を避けるために、機能を最小限に留めて外部のプロジェクトと連携していくことで価値を高めていく必要があります。」
――ある意味でWeb3的な考え方だと思います。企業をまとめて大きな団体となるのではなく、小規模な団体同士のつながりをどんどん作っていくイメージでしょうか。
池田「はい。そのためには他の暗号資産交換所とも積極的に繋がっていくべきだと思います。」
池田「そもそも日本のWeb3ユーザーはかなり少なく、現在の市場の状態で競争をしたとしても収益は上がりづらいのです。そもそもブロックチェーンに触れるユーザーを増やしていくために、本当に幅広い関係性を構築していかなければいけません。」
――となると、Web3以外の領域のコミュニティとも関係性を作っていくことになるのでしょうか?
池田「そうですね。企業の中にはWeb3に関する知識があまり無い中でWeb3事業に挑戦しようとして、悩まれている企業も多く存在していると思います。」
池田「とりあえずNFTを出せばよい、という段階は既に終わっており、今後はしっかりとした価値を提供できるプロダクトを提供する必要があります。そこで多くの企業が価値を提供できる体制を作っていきたいと思います。」
――コミュニティを広げて、Web3の技術を伝えることも目的の一つなのですね。Web3事業のスピード感を考えると、そうした取り組みは非常に重要だと思います。
池田「そうなんですよね。Web3領域では数か月で常識が一変することもあり、規格も次から次へと新しくなっています。単一のプラットフォームで全てを賄うことは不可能であり、ユーザーは必然的に使用するプラットフォームを選択する必要があります。」
池田「その中で、当社グループの暗号資産交換所であるZaifや、NFTローンチパッドのZaif INOの役割は、安心して使用できるサービスを見極めて使ってもらうことです。だからこそ、ユーザーとも外部のプロジェクトとも関係性を深め、信用を獲得していくことが今後のキーになると思っています。」
――一つのエコシステムを作っていくというお話なのかなと思います。そのために取引所は各サービスやユーザーを繋いでいく役割を担っていくというお話なのかなと思いました。
国内と海外との比較
――海外と比較して、日本の取引所には何が求められていると思いますか。
池田「CX(中央集権的取引所)として、顧客の資産を守ることをしっかりと意識することが重要だと思います。」
池田「海外では規制が緩く新しいサービスがどんどん生まれており、日本は大きく差をつけられている状況です。海外でできることが日本でできない理由について、明確な答えを突き詰めることもあまりされていませんでした。」
池田「昨年はルナショックやFTXの破綻等の事件が続き、CXへの信頼性が大きく揺らぎました。そこで日本の暗号資産交換所が信頼を取り戻した理由は、まさに顧客資産を守るための金融庁の取り組みがあったからだと思います。」
――FTXショックの際も、日本市場は大きく影響を受けていませんでしたよね。ダメージを抑える仕組みが日本は整っていたと考えることもできると思います。
池田「そうですよね。そこで税制対策等で海外に資産を移していた顧客も日本へ戻ってくるケースが増加しました。海外に比べて日本の暗号資産交換所は顧客資産を守る体制が整っていることを強みとして打ち出していくことで、顧客に訴求することができると考えています。」
――ユーザーが日本の暗号資産交換所に何を求めているかしっかりと把握することが重要だということですね。
ブロックチェーンのメリット
――池田様の考えるブロックチェーンの魅力について教えてください。
池田「国や銀行に縛られず、組織がトークンを通じて自由にファイナンス出来ることが魅力だと思います。」
池田「日本ではポイントシステムでファイナンスを行う取り組み自体はありましたが、ブロックチェーンでは更に高い自由度で色々なものに価値をつけることができます。」
池田「証券会社が会社に価値をつけるように、自分たちが面白いと思うものを自由に価値化できる。つまりこれまでは見落とされていたものに価値をつけていくことに繋がります。」
池田「まさにゲームが最たる例ですよね。プレイ時間や情熱がブロックチェーンを通じて価値に変換でき、譲渡することさえできます。かけた時間を別の形で回収することが権利として存在していることは、以前では考えられなかったブロックチェーンならではの魅力だと思います。」
――企業から個人まで、あらゆるものに価値がつけられるようになったことは、今後社会に大きな影響を与えそうですよね。現行の技術やトップランナーの方の話を聞いていても強く感じます。
池田「そうですね。Web3に関わっている人たちはポジティブな方が非常に多くて、そうした点で将来性を感じやすいのも魅力だと思います。」
池田「仮想通貨、暗号資産は、価値の変動自体は非常に大きいのですが、価値が0になったことはありません。少なくない人がこの技術にワクワクしており、可能性を感じている。」
池田「だからマネタイズなどの課題に直面してもその課題から目を背けないで、相談したり飲んで話し合ったりしてとにかく前に進むマインドを皆さんが持っている。そこがまさにWeb3の可能性を形作っているんです。」
池田「Web3領域は未だに混沌としていますが、我々のような暗号資産交換所がコストや人材を投資してそうした方たちを支援していくことが非常に大事だと思います。業界全体の動きが固まって停滞してしまう前に、今後も自分たちの判断で重要だと思ったことは何でも挑戦していきたいと思います。」
――本日はありがとうございました。
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