全身で物語に没入する、新しいゲーム体験 VRマーダーミステリーの魅力とは?|イマーシブクラウド おひげ様

イマーシブクラウド様は、VRを活用した新たなエンタメコンテンツを制作するクリエイター団体です。
2019年よりVRマーダーミステリーとして、VRChatを活用した新感覚ゲームを制作しており、2023年9月には実店舗とコラボした新作『バーガーミステリー 惨劇レシピと積層の狂気』をリリースしました。
VR×マーダーミステリーの魅力や可能性、そしてVR技術がどのような未来をもたらすのか。イマーシブクラウド代表・おひげ様にお話を伺いました。
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- 1イマーシブクラウド
- 1.1イマーシブクラウド代表 おひげ様
- 2マーダーミステリーとは?
- 3VRマダミスが、今までにない物語体験を生み出す
- 3.1素人でも気軽に、VRを通じた芝居体験を
- 3.2VRマーダーミステリー|誰でも楽しめる、芝居と同等の物語体験
- 4VRマーダーミステリーの魅力とは?
- 4.1VR×マダミス=圧倒的な没入体験
- 4.2現実を超えた多様なギミックを実装可能
- 4.3VRマダミスならではの立体的な駆け引き
- 4.4VRアバターを通した、より「リアルな」ロールプレイ
- 4.5VRだからこそできる演出を追求する
- 5「体験を共有する」VRの魅力
- 5.1「体験を共有する」デバイスとしてのVR
- 5.2何度でも再挑戦できる、新しいフロンティアの中で生きる
- 6現実世界と仮想世界を超越した、イマーシブな体験を生み出す
「体験を共有する」VRの魅力
――ここからはVRマダミスに限定せず、広くVR全般の魅力をお尋ねしたいと思います。
「体験を共有する」デバイスとしてのVR
――実際にVRエンタメの最前線に立たれている立場として、現状のVR技術についてどのように考えていますか?
おひげ「私はVR技術を『体験を伝えるコミュニケーションツール』だと考えています。」
おひげ「『没入体験』というキーワードは何年も前から注目されており、その代表例としてVRが存在していることに疑う余地はありません。私もお台場で没入型アトラクションを実際に体験して、没入体験やVRの可能性を確信しました。」
おひげ「VRというのは、一見すると映像メディアから正当に進化したデバイスだと思うかもしれません。」
おひげ「実はそれだけではなく、VRは電話から進化したデバイスでもあると私は考えています。映像と電話が進化し、融合することでVRというデバイスが生まれました。」
――映像媒体と電話の違いとはどのような点なのでしょうか?
おひげ「追体験か、体験か、という違いです。」
おひげ「映像媒体はジェスチャーや絵、そして言葉から進化した、『伝える』デバイスです。壁画や小説などから派生した映像媒体を通して、人間は自分には無い体験を追体験しています。」
おひげ「一方で電話は相手からの音声を受け取り、こちらも音声を通じて相手に働きかけることができます。リアルタイムで生まれる変化を体験できる、まさにコミュニケーションです。」
おひげ「この二つの文脈が融合することで、製作者の意図した体験そのものを、全く新しいリアリティを持った状態で伝えることができます。それこそが没入体験であり、『体験を伝える』VR最大の強みです。」
――ある意味でテレビゲームのような、受動的でありつつも能動的な体験を更にブラッシュアップしてユーザーに届けることができるということですね。非常に納得ができます。
何度でも再挑戦できる、新しいフロンティアの中で生きる
――近年ではVR内で「生きている」と表現できるような、プライベートの時間を殆どVRに費やす人が増えていると思います。
――おひげ様自身がそうした方々とコミュニケーションを取られる中で、VRやメタバースは人々にどのような新たな可能性をもたらすと感じますか?
おひげ「VRは、現代のSNSのように現実の多層性を新しい形で拡張してくれるツールだと思います。」
おひげ「私個人が感じていることは、『VRはフロンティアでありつつも、ユートピアではない』ということです。」
おひげ「昔のインターネットもそうでしたが、VRには現実で上手く生きられなかった人の『逃げ場所』としての側面が存在していると思います。」
おひげ「そうした人たちがVR上で自身の経験やスキルを活かして自己実現をするケースは非常に多いですが、実際のところそれは全て現実の自分の経験に基づいた活動です。」
おひげ「そういう意味ではVRは現実の延長線上に存在していると言えます。」
おひげ「それでも、失敗した人間が何度でもやり直せるのはVRが持つ最大の価値です。」
おひげ「現実で失敗してもVR上で失敗しても、IDを新しく作れば割と簡単にリトライできます。現実であれば、全く新しい環境でやり直すのは現実的ではないですよね。」
――「新しい自分になれる」のではなく、「今の自分の新たな可能性を模索できる」、というのが現在のVRやメタバースである、ということですね。
現実世界と仮想世界を超越した、イマーシブな体験を生み出す
――最後に、現在注目されている領域や、今後のコンテンツ展開の方向性についてもお伺いしたいです。
おひげ「最初にお話しましたが、我々は『イマーシブなものを伝える』団体です。現在はVRマダミスに焦点を当てていますが、将来的には幅広く色々な新しいコンテンツを制作していきたいと考えています。」
おひげ「現在は、現実とVRを絡めたコンテンツを作って行きたいと思っています。VRの世界で完結させずに、現実とリンクして物語や体験を生み出していけるような作品が作れたらいいなと思います。」
おひげ「最近はVTuberなどがリアルでイベントを行うケースが増えており、現実とVRの融合というトピックが非常に浸透している時代になりました。」
おひげ「だからこそ、そうした流れにエンタメの文脈を乗せることで、VRの可能性を広げつつ、より多くの人にその魅力を伝えることができるのかなと考えています。」
おひげ「いずれにせよ、今後も多くの人に今までにない体験を届けていきたいと考えています。その第一歩として、ぜひVRマーダーミステリーを楽しんでいただければ幸いです。」
――本日はありがとうございました。
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