【ゲーム業界用語集】Lumenとは|意味や解説
ゲーム業界用語の中で意味が分からない専門用語はありませんか?
Unreal Engineの「Lumen」を使いこなすことができれば、ゲーム開発においてグラフィックの質や没入感を大きく高めることが可能です。
「Lumen」とはどのようなシステムなのか?
この記事で詳しく解説します。
Lumenとは|定義
「Lumen」はゲーム開発エンジンUnreal Engineでリアルタイムのグローバルイルミネーション(GI)を行うことができるシステムで、Unreal Engine 5.2から導入されました。
グローバルイルミネーション(GI)
- ゲーム開発の分野で使用される光照射のレンダリング技術
- 照り返しなどの複雑な光の挙動まで計算し、リアルな照明効果が得られる
光と影、物体の反射や屈折までリアルに再現することが可能です。
Lumenとは|解説
Lumenはリアルタイムレイトレーシング技術と統合されており、光線追跡を使用してリアルな光描写が可能です。
ゲームの視覚的品質を向上させるのに役立つ性能や技術の詳細を解説していきます。
使い方
Unreal Engine5でLumenはデフォルトでオンになっていますが、Unreal Engine4から5に変換するプロジェクトでは自動的に有効にならない点には注意する必要があります。
GIと反射の二つの設定カテゴリ(下記)にてLumenを選択すると使えるようになります。
- Dynamic Global Illumination (ダイナミック グローバル イルミネーション)
- Reflection Method (反射メソッド)
なお、UE5に搭載されているNanite、World Partition、仮想シャドウマップなどの他のシステムとは適切に自動連携されます。
対応プラットフォーム
「Lumen」は次世代コンソール向けに設計されたシステムのため、対応プラットフォームが限られています。
現状対応しているプラットフォームは以下のとおりです。
- PC
- PlayStation5
- Xbox Series X/S
参考リンク
メリット/デメリット
Lumenは優秀なシステムですが、デメリットも存在しています。
上手く使いこなせるよう、メリットとデメリットを分けて解説します。
メリット
以下が主なLumenのメリットです。
リアルタイム照明
Lumenは光源からの放射や反射をリアルタイムで計算します。
これにより、よりリアルな視覚効果が実現できます。
間接ライティング
間接ライティングとは、光が物体間で反射し、周囲の物体に影響を与える照明効果です。
Lumenは、この間接ライティングの効果をコンピューターグラフィックスでシミュレートし、ゲームや仮想環境にリアルな視覚的品質をもたらします。
リアルタイムリフレクション
リアルタイムで光の反射を実現し、物体の表面に周囲の環境や他の物体を正確に反映します。
こちらもグラフィックのリアルさや没入感を上げることに貢献しています。
デメリット
以下が主なLumenのデメリットです。
プラットフォームが限定的
Lumenは高度な計算能力を必要とするため、UE5が提供されているプラットフォームでしか使用できません。
学習が必要
過度な設定は悪影響を与える可能性があるため、パフォーマンス調整が必要です。
最適に使用するためにはLumenについて学習する必要がありますが、比較的新しい技術のため、自主的に学習していく必要があります。
コンシューマー機には調整が必要
一部のコンシューマー向けゲームプラットフォームでは、Lumenの高度な照明効果をすべて活用できない可能性があります。
パフォーマンスと品質のバランスを調整しながら開発を行う必要があります。
まとめ
Lumenは高品質な視覚効果を提供し、リアルな描写による没入感の高いゲーム開発に役立ちます。
ですが、一部のハードウェアの制約や学習コストが必要な点には注意が必要です。
プロジェクトのニーズやターゲット、プラットフォームに合わせて適切に使用できるようになることが重要です。
引用:Lumen のグローバル イルミネーションおよび反射(Epic社公式)