【VRChat新機能】Paid Subscriptionの発表!クリエイターを直接的に支援できるように
「VRChat」の新機能、「Paid Subscription」は、コミュニティに大きな影響を与えるかもしれません。今後クリエイターはより簡単に収益を受け取れるようになり、プレイヤーは直接的にクリエイターを支援できるようになります。
VRChat社は「クリエイターエコノミー」を推進して、「VRChat」内の経済活動をさらに加速させていく見込みです。そのための第一歩となる、「Paid Subscription」はどのようなサービスになるのか、まとめました。
この記事のポイント
- 「Paid Subscription」の発表!どういった機能?
- 「Paid Subscription」はどのように使える?
- VRChat社が掲げる「クリエイターエコノミー」とは?
- 今後の展望は?
Paid Subscriptionsの発表
11月22日、VRChat社は新たなサービス、「Paid Subscription」のオープンベータ、試験運用の開始を発表しました。少人数のクリエイターによって充分にテストされたのち、一般のプレイヤーにも開放される予定です。
「VRChat」内には、様々なクリエイターがいます。アバターを制作している人もいれば、マップやワールドを制作している人、また3Dデザインだけではなく、ストリーマーやミュージシャンなど、「VRChat」内で配信や音楽の活動をしている人もいます。
これまでは、クリエイターが「VRChat」内で収益を得るためには、他のプラットフォームなどを利用して、複雑なプロセスでやり取りをしなくてはなりませんでした。「VRChat」内でアイテムの売買をすることが難しかったのです。
今回発表された「Paid Subscription」は、そうした煩雑なやり取りを単純化して、簡単にアイテムやサービスを売買できる仕組みです。これによって、クリエイターがより簡単にお金を稼げるだけでなく、プレイヤーに特典を付与することもできるようになります。
今回はオープンベータの発表なので、応募した一部のユーザーだけが試験的にこのサービスを使用できます。まだ一般のユーザーは使用できませんが、将来的には利用範囲が広がる見込みです。
「Paid Subscription」はどう使える?
「Paid Subscription」はグループシステムを利用した課金方法です。グループシステムは2022年末に導入されたシステムで、「Discord」などの外部サービスを使わずにグループの作成と管理ができるようになりました。
グループを作成するときは、名前やアイコン、また公開するか非公開にするかなどを設定しなければなりません。グループに参加する方法は選択でき、作成したときに「誰でも参加可」「承認制」「メンバーからの招待制」の中から参加方法を選択します。グループではメンバーに役割や権限を付与したり、お知らせを配信したりできます。
VRChat公式動画より引用 https://youtu.be/b6c_kDRJG2A
「Paid Subscription」の導入によって、クリエイターはサブスクリプションを設定し、プレイヤーに特典を付与できるようになります。クリエイターのグループページに入ると、「Store」というボタンが表示されます。このボタンを押せば、プレイヤーが購入することができるコンテンツの一覧を見ることができます。
プレイヤーは好きな期間支払いを継続することができ、1か月、3か月、1年など、サブスクリプションを継続する期間を選ぶことができます。一方、現在は他のサブスクリプションサービス、例えばNetflixやSpotifyのような、定期購読システムは実装されていません。ただ公式の説明によると、こうした定期的な課金にも将来対応する予定であるとのことです。
このシステムは、「VRChat」に使用されている専用のノードプログラミング環境、「UDON」で機能します。アバターやワールドなどの創作物へのアクセス権や使用権だけでなく、VIPルームに入る権利やイベントへのアクセス権なども販売することができ、幅広いサービスに対応できます。
クリエイターの収益率は50%
VRChat公式サイトより引用
https://hello.vrchat.com/blog/paid-subscriptions-beta
「Paid Subscription」を利用した場合の利益率について、公式サイトでは以上のような図を使って解説されていました。
公式サイトでの説明によると、「Paid Subscription」を利用した場合、クリエイターは利益のうちおよそ50%を受け取れるようになります。残りの50%のうち30%はSteamやMeta、Googleなどのプラットフォームの収益となり、20%はVRChat社やそのパートナー企業に割り当てられます。
なお、この数字はおおよその数字であることに留意してください。公式サイトでも、その旨が付記されています。
VRChat社の目指す「クリエイターエコノミー」。今後の展望は
「Paid Subscription」は、VRChat社が掲げる「クリエイターエコノミー」創出の第一弾として発表されたものです。
「クリエイターエコノミー」は、2021年に発表されたコンセプトで、クリエイターを「VRChat」内で直接的に支援できる仕組みのことを指します。2023年5月のブログにて、この理念が詳しく解説されています。
これまでは、「VRChat」内で金銭の発生するやりとりをすることが難しいという課題がありました。金銭を収受するプロセスが人によって異なったり、複雑だったりして、作り手と買い手の間で摩擦が生じるケースが多かったのです。
「クリエイターエコノミー」はこうした状況を解決するために打ち立てられたコンセプトです。「VRChat」内で金銭のやり取りを完結させることができれば、よりスムーズにモノやサービスの売買ができるようになります。クリエイターは収益を得やすくなり、プレイヤーは直接的にクリエイターを応援できます。また、簡単に金銭のやり取りができるようになれば、経済活動もより活発になっていくでしょう。
STEAMのVRchat公式動画から引用
https://store.steampowered.com/app/438100/VRChat/
VRChat」内には様々な種類のクリエイターがいるため、一つのシステムですべてのやり取りに対応するのは困難です。そのため、VRChat社は1つではなく複数の仕組みを導入することで、「クリエイターエコノミー」を創出する見込みです。
公式ブログでは、「Paid Subscription」の次のステップとして、アバターの販売をよりスムーズにするアイデアも示されました。あくまでアイデアだけで、次の具体的なステップは明かされていませんが、今後のアップデートにも期待がかかります。
また、これらの金銭に関わる機能はまずベータ版として少人数に公開され、不具合がないか、実際の使用感がよいかをテストしたうえで実装されます。これらの機能は「VRChat」のコミュニティに大きな影響を与えうるため、慎重に開発されるとのことです。
まとめ
STEAMのVRChat紹介スライドより引用
https://store.steampowered.com/app/438100/VRChat/
「VRChat」の新機能、「Paid Subscription」を紹介しました。
「VRChat」内のクリエイターを直接的に支援する仕組み、「クリエイターエコノミー」のために、VRChat社はさまざまなシステムを開発しています。
今回発表された「Paid Subscription」は、そのための第一歩の仕組みとなり、サブスクリプションを通じてクリエイターを支援できるようになります。
今後も「クリエイターエコノミー」によって、収益化の仕組みが追加されていく見込みです。次の情報は、1月18日に出る予定です。
VRChat公式動画より引用 https://youtu.be/b6c_kDRJG2A