FBXファイルとは|意味や解説
3Dを扱うファイル形式は、数多く存在します。
FBXファイルはその中でも動的なコンテンツを扱うことに優れており、ゲームや映画、アニメーション制作の現場で3DCGを作成するときに利用されます。
本記事では、いくつかの3Dファイル形式について触れながら、FBXファイルに焦点を当てて解説します。
FBXファイルとは
FBXファイルは、3Dファイルを生成するファイル形式(ファイルフォーマット)の一つです。Filmboxと呼ばれることもあります。Kaydaraによって開発され、2006年よりAutodeskが所有している技術です。
アプリケーション間での3Dデータの共有をサポートするファイル形式として役立っています。
歴史の長いファイル形式ですが、メーカーを問わず幅広いハードおよびとソフトとの互換性があります。
FBXファイルには動的なデータが含まれるため、主に3DCGの生成に適しています。
具体的にはゲームや映画、アニメーションなどの、繊細なデザインかつ大きな3DCGを必要とする現場で多く用いられます。
3Dファイル形式の種類と使い分け
3Dファイル形式にはFBXやOBJ、DXFなど、たくさんの種類があります。それらの中から、使用目的や出力方式によって適切なファイル形式を選択する必要があります。
具体的な3Dファイル形式および拡張子と、使い分けの例は以下の通りです。
3DCG:OBJ(.obj), 3DS(.3ds), XSI(.xsi), FBX(.fbx), COLLADA(.dae), PLY(.ply), OSG(.osg)
3D CAD:DXF(.dxf), VDA(.vda), DWG(.dwg), SXF(.sxf), IGES(.iges/.igs)
3Dプリンター:AMF(.amf), 3MF(.3mf)
3DCG:.obj, .3ds, .xsi, .fbx, .dae, .ply, .osg
3D CAD:.dxf, .vda, .dwg, .sxf, .igs
3Dプリンター:.amf, .3mf
参考①:Template:3Dファイル形式|Wikipedia
参考②:様々な種類の3Dファイル形式|Adobe
FBXファイル
動的なコンテンツを扱う際に便利なのがFBXファイルです。
3DCGを制作する上で細かなテクスチャーや動きを忠実に再現することができるため、ゲーム業界でよく用いられます。
特筆すべき点として、リグのデータを含めることができる点が挙げられます。
リグについての詳しい解説は下記URLにわかりやすくまとめられています。
リグとは
- ゲーム内に登場するキャラクターの動きを制作する際に便利なツール。キャラクターにデザインした、人間でいう骨格のようなものを動かす時にリグが活躍します。
OBJファイル
OBJファイルは、Wavefront Technology社が開発したファイル形式です。
FBXファイルとは異なり、静的なコンテンツを扱う際に適した形式です。
コンテンツの利用範囲が静的なものに限られると不便に感じがちですが、記録できるデータの容量が少ないので、その分のファイルサイズを抑えることができます。
また、単位空間での描画に対応している点も特徴と言えます。
USD・USDZファイル
USDファイルは(Universal Scene Descriptor)は、さまざまな3Dツール間で互換性を持ち、3Dモデルの交換や共同作業によく使われる3Dシーン記述ファイル形式です。Pixar社が開発し、現在はオープンソースとなっています。
USDZファイルは、USDファイルを圧縮せずにZip形式でまとめたもので、Apple社のデバイスでのAR(拡張現実)コンテンツの作成に優れています。
3Dファイル形式の最適な選び方
3Dファイル形式は、使用用途に合わせて適切なものを選びましょう。
選び方として、動的なコンテンツか静的なコンテンツかによって大きく分類することができます。ファイルサイズをできるだけ軽くする上で重要な部分となるので、全体のバランスを考えて選択することが必要です。
さらに作成したコンテンツをどのように出力するかによっても最適なファイル形式が異なります。
基本的な3Dファイル形式への理解を深めることで、より洗練されたデザインを行うことができます。
まとめ
FBXファイルは、細かなテクスチャーを載せた動的なコンテンツを扱うことのできるファイル形式です。また、リグのデータを反映させることができるので、より滑らかで自然な物体の動きを表現することができます。
その反面ファイルサイズが大きくなるため、物体を動かす必要がない場合はOBJファイルの方が適していると言えます。
デザインする対象に合わせて適切なファイル形式を選択することが必要です。
複数のデバイス間でファイルをやり取りする際には、互換性にも考慮してファイル形式を選択することも必要になります。