【海外ゲーム業界】2月の主要ニュースまとめ！新発売の人気ゲームや新技術の導入の動きあり

2月8日、Arrowhead Game社が開発した、協力型TPSゲーム「HELLDIVERS 2」が発売されました。PlayStation 5やSteamで発売され、現在も注目されています。人気のあまりサーバーが満杯であることが多く、サーバーを新たに増設するなどの動きが出ています。
 

Arrowhead Game社はスウェーデンの独立系ゲームスタジオで、2008年に設立されています。前作「HELLDIVERS」がアメリカの「D.I.C.E. Award for Action Game of the Year」を受賞するなど、アクションゲームの製作には以前から定評がありました。

 

「HELLDIVERS 2」は銀河系を舞台にしており、プレイヤーは兵士として迫りくるエイリアンたちと死闘を繰り広げます。今作の特徴は、飽きが来ない、変化に富んだミッションを、オンラインの仲間と楽しめることにあります。

アンロックできる武器やアビリティも多彩で、ミッション中にアクシデント的な敵襲があることもあり、長い時間プレイができる作品になっています。

 

各メディアの評価も高く、アメリカのメディア「IGN」は、今作に10点満点中9点と高いスコアをつけています。「IGN」は今作を、「ほとんどすべてがうまくいっている稀有な現代のマルチプレイヤーゲームだ」として、自由度が高く、ここ数年で最も楽しいシューティングゲームの一つと評しました。
 

予想以上に人気が出たことで、サーバーが満員になってしまうという問題がありましたが、2/23には、同時接続数を70万人に引き上げる対策が発表されました。

 

新たにプレイヤーが使用できるロボットが追加されるなど、今後の展開にも期待がかかっています。開発元のArrowhead Studio社は100名程度のスタジオですが、比較的小規模なスタジオがAAAタイトルを作り、大ヒットを記録したことは、注目を集めています。
 

2月27日、農業シミュレーションゲームの「Stardew Valley」が八周年を迎えたことがX(旧twitter)上で発表されました。ドット調の世界観の中田舎での生活を楽しめるゲームで、温かみのある雰囲気と自由度で人気を博しています。ポストでは、販売本数が3,000万本を超えたことも併せて報告されています。

「Stardew Valley」は3月19日に新しいアップデート、バージョン1.6を公開するとのことです。このバージョンでは、Mod制作者に利益を与える要素や、新しいコンテンツが追加されるとのことです。

 

また、モバイル版についても修正が行われる見込みです。「Stardew Valley」にはPC版だけではなくモバイル版もありますが、不具合がPC版に比べて多いという指摘がＸにおいてありました。この声に応える形で、開発者のConcernedApe氏は、1.6の一環として、問題を解決すると発表しました。

インディーズゲームとして成功を収めた「Stardew Valley」ですが、今後の展開にも期待がかかります。

 

5日、ゲームプラットフォーム兼ゲーム作成システムのRobloxが、新たな翻訳AIを導入したことが発表されました。テキストチャットにてこのAIを使用することができます。
 

今回導入したAIは、「多言語翻訳モデル」と呼ばれています。特徴は、対応している16ヶ国語間のあらゆる組み合わせ（15ヶ国語と英語）で直接翻訳ができる点です。日本語にも対応しています。
 

従来の翻訳AIは、異なる言語間の翻訳を実現する際、英語を介して翻訳することが多かったです。一方で今回発表されたAIは、多言語での大規模言語モデルを用いることで、直接翻訳を可能にしています。これにより、より自然なコミュニケーションが可能になります。

翻訳のスピードも速く、公式ブログの発表によると、翻訳した文は約100ミリ秒以下の遅延時間でリアルタイムに表示されるとのことです。

Robloxは、「楽しい気持ちと思いやりで10億人をつなぐ」というビジョンを掲げています。今回の発表は、そのビジョンに即し、異文化間のコミュニケ―ションを促進するものです。Robloxは今後、自動音声 チャットの翻訳にも取り組むとのことです。
 

2月28日、アメリカのElectronic Arts社(以下、EA社)は、全従業員の5%にあたる、およそ670人の一時解雇、レイオフを発表しました。アメリカのゲーム業界でレイオフが続いていることや、その規模の大きさから、注目を集めています。アメリカのニュースメディア、CNBCが伝えています。

 

CEOのアンドリュー・ウィルソン氏は、社員向けの文書において、EAは「プレイヤーのニーズや動機が大きく変化する中、業界の変革が加速している」ことに対応していると述べました。また、EAは 将来性の見込めないIPについて、「将来のライセンスIPの開発から離れる」とも言いました。

日本のSonyでもプレイステーション部門で900人規模の解雇があり、Microsoft社でもゲーム部門で1,900人の解雇がありました。こういった業界の動向を踏まえ、CNBCは「テック業界全体で、大幅な人員削減の傾向が続いている」としました。

 

２月の海外ゲーム業界のニュースをまとめました。

比較的小規模なスタジオから発売されたゲームが人気を集め、新たな技術が導入されるなど、海外ゲーム企業にも新しい流れが来ています。一方で変化の大きさに対応するためにレイオフを実行するなど、業界の変化の煽りをうけている企業もあります。

変化の激しい海外ゲーム業界ですが、今後もニュースを追い、情報をお届けしてまいります。