「VTuber」と「Virtual Human」の両立 未開拓領域へ挑戦するVeyond社
VTuberの「たろぽっぷ+//.taroPoP」率いるVeyond社は、「VTuber」と「Virtual Human」の同時展開により、企業としての独自性とクリエイティビティを追求しています。
同社のクリエイティブ制作における考えや、革新的なコンテンツ展開の詳細を伺いました。
Veyond社|未開拓領域への挑戦を強みにする
ーー本日はよろしくお願いします。
ーー御社はVTuberだけでなく、Virtual Humanでも事業展開をされると伺っております。
VTuberは「3Dアバター」、Virtual Humanは「生成AI」が由来ですので、同時に展開をされる企業は珍しい印象です。なぜ同時展開をされるのでしょうか?
たろぽっぷ+//.taroPoP(以下、たろぽっぷと表記)「はい。Virtual Humanはまだ明確な定義がされていない領域なので、自由な事業展開を仕掛けやすいことが理由です。」
たろぽっぷ「また、VTuberとVirtual Humanのプロデュースを両立させて成功している企業は、私の知る限りまだ存在していません。そのため、あえてその2つを同時に展開させることで、弊社の強みにしたいと考えています。」
ーーありがとうございます。
各コンテンツの特性を活かし、表現の幅を広げる
ーーVTuberとVirtual Humanの運営を両立することで生まれる強みについて、詳しくお聞かせください。
たろぽっぷ「どちらか一方の展開よりも、それぞれの特徴をより際立たせられます。それにより、会社としてのクリエイティブ表現の幅が広げられると考えています。」
たろぽっぷ「VTuberは日本のカルチャーである『アニメ』を軸にしているので、ポップカルチャーとの相性がよいです。しかし、『ファッション』や『アート感の強いコンテンツ』のように『質感のリアルさを求められるもの』との相性はあまりよくありません。」
たろぽっぷ「一方、Virtual Humanはフォトリアルなものですので、その特徴を活かすことでアニメやゲームに興味がない人に対してもリーチができます。」
たろぽっぷ「例えば、リアルなファッションブランドとコラボすることも可能です。各カルチャーに対する選択と集中をしやすく、会社として表現に幅を持たせられることが、同時展開の大きな強みだと思っています。」
ーーありがとうございます。仕事を依頼する企業の視点からも、新しい形態のインフルエンサーに発注をできることは面白い取り組みであるように感じました。
たろぽっぷ「はい。コラボレーションなどの可能性は拡がると思います。」
配信以外のクリエイティブな展開
ーーVTuberやVirtual Humanの、配信活動以外で予定をされている展開について教えて下さい。
Vtuber|独立したコンテンツを計画中
たろぽっぷ「VTuberに関しては、確定事項として現時点で公にできるものはありませんが、『たろぽっぷ+//.taroPoP』の音楽、『Emera / えめら』のロリータファッション、『Rubiana* / ルビアーナ』のマーダーミステリーなどは、それぞれが独立したコンテンツとしてリリースできると思っています。」
たろぽっぷ「例えば、ロリータファッションのブランドを立ち上げることや、マーダーミステリーでオリジナルゲームを出すといった『皆さんが想像がしやすいコンテンツ』については現在準備を進めておりますので、いずれリリースのご報告ができればと考えております。」
Virtual Human|自我や個性を持つアーティストとして活動予定
たろぽっぷ「Virtual Humanに関しては、今回のリリースは『プロジェクト始動』のご報告なので、まだまだ制作途中です。」
たろぽっぷ「しかし、様々な仕込みは進めています。少し先の未来では『彼女自身』が名義を持ち、自身の個性を表現するアーティストとして、音楽やイラストなど様々なコンテンツをリリースしていきます。」
たろぽっぷ「この設計はVeyondの大きな特徴にしたいと思っています。我々自身が、クリエイティブなコンテンツを創作し、世に出していく存在であると同時に、創作活動を行うクリエイターを積極的にサポートしていく存在でありたいと思っています。」
ーーありがとうございます。御社がどういったクリエイティブなコンテンツをリリースされるのか、非常に楽しみです。
たろぽっぷ「ありがとうございます。弊社のホームページでは、Virtual Humanの概念が詳しく表現されていますので、ぜひそちらをご覧いただき、想像してもらえると嬉しいです。」
透明性を維持しつつ、生成AIを積極的に活用
ーー御社の「生成AI」に対する考えをお聞かせください。
たろぽっぷ「現在の生成AIは過渡期だと思います。世間で指摘されているようなリスクは当然あり、法的な整備や、クリエイティブな活動に対しての配慮がどこまでされるのかが大きな論点になっていると思います。」
たろぽっぷ「ただ、技術自体は非常に大きな可能性を秘めていますので、法人としてリスクや意見に対する透明性は保ちつつも、積極的に活用をしていきたいと思っています。」
想い|コンテンツ制作の世界を広げ、業界を活性化させる
たろぽっぷ「生成AIはコンテンツ制作者に、世界を大きく広げる機会を提供すると考えています。具体的には、今まで数千万円規模の予算がないと作ることができなかった作品を、個人のクリエイターでも作っていけるような世界を生成AIがもたらすと考えています。」
たろぽっぷ「我々には、自分たちでコンテンツを作ることはもちろん、それを見た人に『自分たちでもクリエイティブなコンテンツを作りたい』と思ってもらい、業界を活性化させたい想いがあります。そのためにも生成AIの活用は慎重に、かつ積極的に行うつもりです。」
ーーありがとうございます。生成AIに大きな可能性を感じているからこそ、プロジェクトにも積極的に取り入れていくお考えなのですね。
コンテンツの制作過程で使用し、投資チャンスを増やす
ーー具体的にはどのような活用方法をお考えなのでしょうか?
たろぽっぷ「IPの根幹に関わるような部分で使うのではなく、制作の過程でのみ使用しています。クリエイターとしての誇りは忘れず、人が作っていくべき部分は変えません。」
たろぽっぷ「例えばVirtual Humanの制作では、実写とCGを合成して馴染ませる作業に使用しており、あくまでコンテンツを制作する過程でのみ活用しています。そうすることで、新しいものに投資できるチャンスを増やしていきたいと考えています。」
ーーありがとうございます。生産性を上げ、業務の効率化を図る目的のみでご活用されているのですね。
グローバル展開も視野に入れて活動中
ーー今後の展望や、読者へのメッセージがあればお聞かせください。
たろぽっぷ「我々の取り組みは日本発のものですが、VTuberという日本の素晴らしい文化をグローバルに広げたいと思っているので、既にコンテンツを世界中に広げることを考えています。」
たろぽっぷ「そのために既に様々な仕込みをしておりますので、国内のみならず、グローバル展開にも注目をしていただければと思います。」
ーー今後のご活躍を楽しみにしております。
ーー本日はありがとうございました。
公式リンク
- 株式会社Veyond 公式:https://veyond.co.jp/
引用:https://veyond.co.jp/production/%e3%83%90%e3%83%bc%e3%83%81%e3%83%a3%e3%83%ab%e3%82%a2%e3%83%bc%e3%83%86%e3%82%a3%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%97%e3%83%ad%e3%83%87%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b9%e9%9b%86%e5%9b%a3veyond%e3%80%812024%e5%b9%b43/