ゲーム業界で注目の中小企業|その強みと魅力を解説
ゲーム業界に興味を持つ方へ。ゲーム開発は大手企業だけでなく、独自の魅力を持つ中小企業も多く行っており、業界を支えています。
本記事では、ゲーム業界を目指す学生や転職希望者に向けて、中小企業の現状や魅力、注目企業の特徴、会社選びのポイントを詳しく解説します。
コンテンツ [表示]
- 1ゲーム業界の現状
- 2ゲーム大手企業との違い
- 2.1中小企業の特徴
- 2.2中小企業での主なプロジェクト
- 3注目の中小ゲーム会社4選
- 3.1日本ファルコム|ロングセラーRPGでファンを魅了する老舗
- 3.2モブキャストホールディングス|スポーツゲームのプロフェッショナル
- 3.3エディア|位置情報ゲームで新たな体験を提供
- 3.4ガーラ|オンラインゲームのグローバル展開を先導
- 4中小企業の魅力
- 4.1個性的なゲーム作りができる
- 4.2開発のスピードと柔軟性
- 4.3プレイヤーとの距離が近く感じられる
- 4.4多様な経験と早期のキャリアアップが可能
- 5中小企業の選び方とおすすめポイント
- 5.1自分の目指すキャリアとの相性を確認
- 5.2企業文化や価値観を確認
- 5.3学歴や経験に自信がなくても応募できる企業を探す
- 6まとめ|ゲーム会社への就職は中小企業も選択肢に
ゲーム業界の現状
ゲーム市場は好調で、年々成長が見られています。
「ファミ通ゲーム白書2024」による国内ゲーム市場調査では、2023年にはゲーム市場全体の収益が過去最高を記録しました。
日本国内でも、スマホ向けゲームアプリをメインに、オンラインプラットフォームがゲーム市場をけん引しています。
さらに、モバイルゲームの普及やeスポーツの盛り上がり、VRやARといった最新技術の導入により、全世界でのゲーム市場規模は毎年拡大しています。
こうした好調な市場環境は、中小企業にもビジネスチャンスを生み出しています。
ゲームをオンラインで販売する環境が整ったことにより、従来型の家庭用ゲームだけでなく、インディーゲームや個人開発者による作品が注目される機会も増えてきました。特定のターゲット層に向けた、小規模ながら高品質なゲームがユーザーの支持を得ています。
ゲーム大手企業との違い
中小企業は、規模やリソースの面で大手企業に及ばない部分もありますが、その分独自のアプローチで市場に新たな価値を提供しています。
本項目では、中小企業の定義から、中小企業で主に行われるプロジェクトについて解説します。
中小企業の特徴
ゲーム会社は、中小企業基本法上「サービス業」に分類されます。
これに基づき、中小企業は「資本金の額または出資の総額が5,000万円以下」「常時使用する従業員の数が100人以下」のいずれかを満たすものと定義されます。
これらの企業は、大手に比べて規模は小さいものの、その分柔軟で独創的なプロジェクトを手掛ける傾向にあります。
参考:中小企業・小規模企業者の定義
https://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/teigi.html
中小企業での主なプロジェクト
中小ゲーム会社のプロジェクトは、大手とは異なるアプローチが多く見られます。以下にその主な特徴を挙げます。
インディーゲームの開発
限られたリソースで作られるインディーゲームは、中小企業が手掛ける代表的なジャンルです。
特に、個性的なビジュアルやストーリー性の高いゲームは、国内外で高い評価を得ることが多くあります。
モバイルゲームや小規模オンラインゲーム
スマートフォン向けのモバイルゲームや、特定のコミュニティに向けたオンラインゲームを開発するケースが増えています。
こうしたプロジェクトは低コストで展開できるため、中小企業でも参入しやすいのが特徴です。
大手の下請け開発
中小企業は、大手企業のプロジェクトに技術協力やコンテンツ制作の形で参加することも多いです。
キャラクターデザインや特定パートのプログラミングなど、専門分野に特化した仕事を求められる場合があります。
注目の中小ゲーム会社4選
ゲーム業界には、大手企業だけでなく、中小企業にも魅力的な会社が数多く存在します。
本項目では、「日本ファルコム」「モブキャストホールディングス」「エディア」「ガーラ」という4社を取り上げ、それぞれの特徴や代表作を解説します。
本記事で紹介する4社は、業界動向サーチの「ゲーム業界 売上高ランキング」から、「資本金または出資の総額が5,000万円以下」「常時使用する従業員数が100人以下」に該当する企業をピックアップしました。
企業情報は、日本経済新聞を参考にしています。
日本ファルコム|ロングセラーRPGでファンを魅了する老舗
1981年に創業した日本ファルコムは、RPGを中心に開発を続けてきた老舗のゲーム会社です。小規模ながらも、高品質なストーリーテリングとゲームデザインで多くのファンを魅了しています。
代表作にはアクションRPGの名作「イース」シリーズがあります。このシリーズは軽快な戦闘と美しい音楽が特徴で、長年にわたり愛されてきました。
また、もう一つの代表作「英雄伝説」シリーズ、特に「軌跡」シリーズは、深いストーリーとキャラクター描写で国内外の熱烈なファンを抱えています。
日本ファルコムの魅力は、ほぼすべてのゲームを自社で開発する内製体制にあり、高品質なゲーム音楽「ファルコムサウンド」もブランドとして評価されています。
モブキャストホールディングス|スポーツゲームのプロフェッショナル
モブキャストホールディングスは、スポーツゲームやソーシャルゲームに特化した開発を行う企業です。特にモバイルゲーム市場で存在感を発揮しています。
代表作の「モバサカ」シリーズは、サッカーファン向けのリアル志向の育成シミュレーションゲームで、ゲーム内イベントやプレイヤー同士の競争が人気です。
また、「モバプロ」シリーズはプロ野球をテーマにしたゲームで、野球ファンを中心に多くのユーザーを抱えています。
モブキャストの特徴は、スポーツファンとのつながりを重視したゲーム設計にあり、イベントやゲーム内のコンテンツでユーザーエンゲージメントを高めています。
エディア|位置情報ゲームで新たな体験を提供
エディアは、モバイルアプリ市場で活躍する企業で、特に位置情報を活用したゲームの開発に強みを持っています。
代表作の「駅メモ!」は、実際の駅をテーマにしたユニークなゲームで、鉄道ファンを中心に幅広い層から支持を集めています。
また、続編の「ステーションメモリーズ!」も、収集要素とストーリー性が融合した作品として人気です。
エディアの魅力は、ゲームジャンルを絞り込み、地域活性化や旅行促進といった社会との連携を意識したゲーム設計です。プレイヤーのリアルな行動とゲームをリンクさせることで、独自の体験を提供しています。
ガーラ|オンラインゲームのグローバル展開を先導
ガーラは、オンラインゲーム市場で活躍し、特に海外展開に強みを持つ企業です。
代表作には、空を飛ぶシステムを特徴としたMMORPG「Flyff(フリフオンライン)」があります。この作品は全世界で5,000万人以上のプレイヤーを獲得しており、特に東南アジアやヨーロッパでの人気が高いです。
また、ファンタジー要素が強いMMORPG「Rappelz(ラペルズ)」も、アジア市場で成功を収めています。
ガーラの特徴は、日本国内にとどまらず、海外のプレイヤーに向けたゲーム開発と運営が得意な点です。
ローカライズや国際市場に適応した運営手法が高く評価されています。
中小企業の魅力
ゲーム業界において、中小企業は規模が小さいながらも、大手企業とは異なる魅力を持っています。
ゲーム業界で働くことを目指している人にとって、中小企業への就職は、スキルを磨き、クリエイティブな環境でチャレンジできる魅力的な選択です。
また、ゲームファンにとっても、中小企業が生み出す作品には大手にはない新鮮な驚きや楽しみが詰まっています。
中小企業の魅力を知ることで、ゲーム業界の多様性や可能性をさらに深く感じることができます。
ゲーム業界に関心のある方はぜひ参考にしてください。
個性的なゲーム作りができる
中小企業は、資源や人員の制約がある分、特定のジャンルやニッチな市場に特化したゲームを開発する傾向があります。
このような特化型の戦略は、大手では実現しにくい「独自性」を強みとして発揮する場面が多いです。
たとえば、日本ファルコムはストーリー性重視のRPGに特化し、ファンから圧倒的な支持を得ています。
一方、エディアのように位置情報を活用したゲームで新しい体験を提供する企業も存在します。
中小企業は、大手では実現しにくい「挑戦的なゲーム」が開発されやすい環境と言えるでしょう。
開発のスピードと柔軟性
中小企業では、開発チームの規模が小さいことが多いため、意思決定を迅速に行えることが大きな利点です。
市場の変化やプレイヤーのニーズに対して柔軟に対応し、時流に乗ったゲームを素早くリリースできます。
たとえば、モブキャストホールディングスは、スポーツゲーム市場のトレンドに素早く対応し、ユーザーが求める新しい要素を取り入れた作品を次々とリリースしています。
プレイヤーとの距離が近く感じられる
中小企業は、大手企業に比べてユーザーとの距離が近いことが特徴です。ユーザーからのフィードバックを取り入れやすく、ゲームの改善や新しいコンテンツの追加が比較的スムーズに行われます。
たとえば、ガーラはオンラインゲームの運営において、プレイヤーの意見を積極的に取り入れることで国際的な支持を得ています。
また、企業自体がコミュニティの一部として機能する場合もあり、プレイヤーにとって身近な存在になることができます。
多様な経験と早期のキャリアアップが可能
中小企業では、社員一人ひとりに求められる役割が多岐にわたることが多いです。そのため、特定の分野に限定されず、幅広い業務を経験できる環境が整っています。
大手では分業化が進んでいるため、一つのプロジェクト内での担当範囲は限られることが一般的です。その一方で、中小企業では企画から開発、運営まで一貫して関わる機会が得られることが多いです。
さらに、中小企業の方が大手に比べて出世しやすい環境にあるのも魅力の一つです。
少数精鋭の組織であるため、個々の成果や貢献が直接評価されやすく、若手でも重要なポジションを任されることがあります。入社数年でプロジェクトリーダーやマネージャーといった役職に就くケースも珍しくありません。
これにより、早い段階でマネジメントや意思決定に携わる経験が得られやすいため、キャリアアップを目指す人にとって中小企業は魅力的な選択肢となります。
挑戦の場が多い中小企業は、成長を求めるクリエイターにとって理想的な環境と言えるでしょう。
中小企業の選び方とおすすめポイント
ゲーム業界の中小企業は、それぞれ独自の特徴や文化を持っています。
そのため、自分のキャリア目標や価値観に合った企業を選ぶことが重要です。
このセクションでは、自分に適した中小企業を見つけるためのポイントを解説します。
中小企業ならではの魅力を活かし、理想の職場を見つけるヒントにしてください。
自分の目指すキャリアとの相性を確認
中小企業を選ぶ際は、自分のキャリアプランと企業の特徴や業務内容が一致しているかを確認することが重要です。
中小企業では、大手に比べて幅広い業務に携わる機会が多く、特定のスキルを深めるよりも、多方面の経験を積みたい人に向いています。
また、ゲームの企画や開発に初期段階から携わりたい、マネジメントを早く経験したいといった希望がある場合、中小企業はそれを実現しやすい環境です。
一方、専門的なスキルを磨きたい場合は、その分野に特化した企業を選ぶとよいでしょう。
企業の事業内容や過去の作品、採用情報を確認し、自分の目指すキャリア像に合った企業を選ぶことが大切です。
企業文化や価値観を確認
企業文化や価値観の相性も、長く楽しく働くために重要なポイントです。
中小企業は社員数が少ないため、企業文化が社員一人ひとりの働き方や社内の雰囲気に大きく影響を与えます。
たとえば、クリエイティブな自由度が高い会社を選びたい場合は、社員が自主的にアイデアを提案できる文化があるかを確認しましょう。
また、チームワークを重視する企業や個人の成果を評価する企業など、価値観はさまざまです。採用ページや企業のSNSをチェックしたり、面接時に社内の雰囲気やリーダーの考え方について質問したりすることで、自分の性格や働き方に合うかを判断しましょう。
学歴や経験に自信がなくても応募できる企業を探す
ゲーム業界で働きたいけれど学歴や経験に自信がない場合、中小企業は大手よりも柔軟な採用基準を持つことが多いため、挑戦しやすい環境です。
中小企業では、学歴や経歴よりも「ゲームに対する情熱」や「自分の強みを活かせるか」を重視する傾向があります。
たとえば、独学で学んだプログラミングスキルや、ゲームプレイの知識を活かしたテスターの経験が評価される場合があります。
また、未経験者を積極的に採用する企業もあり、育成環境が整った会社も増えています。
応募の前に、自分ができることや将来挑戦したいことを明確にし、熱意をしっかりと伝えることが大切です。
まとめ|ゲーム会社への就職は中小企業も選択肢に
ゲーム業界で注目される中小企業には、大手企業にはない魅力が数多く存在します。幅広い業務に挑戦できる環境や、成果が直接評価される社風は、成長を求める人にとって理想的な職場となるでしょう。
また、学歴や経験に自信がなくても、情熱やスキルが評価されやすい点も中小企業ならではの特徴です。これは、ゲーム業界での第一歩を踏み出したい人にとって大きなチャンスと言えます。
ゲーム業界への就職を考えている方は、大手企業だけでなく、中小企業にも目を向けてみてください。
ファミ通.comより引用
https://www.famitsu.com/article/202408/15119