【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】学生へのアドバイス、働くスタイルを確立しよう 齋藤健治#6

【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】学生へのアドバイス、働くスタイルを確立しよう 齋藤健治#6

 【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】学生へのアドバイス、働くスタイルを確立しよう 齋藤健治#6

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  1. 13つのアドバイス
  2. 2齋藤さんのこだわり
  3. 3今だからこその課題
  4. 4今回のインタビューをうけて

3つのアドバイス

福山「最後に学生やゲーム業界を目指している方に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。」

齋藤様(以下、齋藤と表記)「ゲーム業界を目指す方や、これからものづくりに関わろうとしている学生の方に向けて、僕から伝えたいことは大きく3つです。」

  • ひとつめは自分なりの「働き方のスタイル」を確立すること。 
  • ふたつめはものづくりは一発で決まらないという前提を理解すること。 
  • みっつめは 常に「好奇心」や「疑問」を持ち続けること
齋藤「この3つを伝えたいと思ってます。」

齋藤「自分のスタイルを確立することに関しては、どうすれば力を発揮できるか、どんな環境でパフォーマンスが上がるのかを自覚し、自分に合った方法で仕事に取り組めるようになることが重要だと思ってます。」

齋藤「僕が若い頃だとがむしゃらに仕事をすることができたので、自分の限界や満足度がどれくらいかのラインを見つけ、自分の働くスタイルを確立するということはできたのですが、今の時代でそういうのは多分難しいと思うので、自分の自由な時間をどう使うかをしっかりと自分で定めた方が良いのかなと思ってはいます。ゲーム作りに興味があるなら自分自身でも作ってみることが一番手っ取り早いので、自分で考えて動いてみればいいかと。」

齋藤「自分自身の中にこだわりを持つって言えるかもしれないですけど、仕事としてこれはきっちりと守りながら仕事をしようって考えて動くためのものを早く見つけられるようになることが大切だと思っています。僕は仕事の中で見つけていった部分ではあるんですけど、そのこだわりが自分のスタイルになるかと思います。」

齋藤さんのこだわり

齋藤「自分が、プログラマーとして現場で仕事をしていた中で、これは自分のこだわりだと思っていることがいくつかあって、ディレクターから言われたものをそのまま返すのが嫌なんですよね。」

齋藤「『ディレクターやプランナーから言われたもの作りました。これでどうでしょう。』っていう状態じゃなくて、自分がちゃんと面白いと思ったから見せるんだっていう状態にしていました。自分なりのクオリティラインを持つことは、ゲームクリエイターとして必要だと考えているので、仕事をこなすだけではなく、自分の中での品質にこだわってほしいです。」

齋藤「あとは積極的に挑戦する。メタルギアライジングの時とかもそうなんですけど、やったことないことに対しての挑戦に消極的にならないっていうのは思っていて、面白くするアイデアの種っていうのは絶対そういうものだったりします。なので、まずはトライしてみて面白くなかったら即次の案に移すっていうクラッシュ&ビルドをしっかり回すことをしないとゲームは研ぎ澄まされないのかなと思っている部分があるので、そこはすごく大事にしています。」

齋藤「こうしたこだわりを自分のスタイルに組み込んで、ゲーム作りに活かしてたという経験があるので、みんなも仕事の姿勢を妥協せずに作ってもらえるといいのかなと思います。それはやっていくうちに分かることもあるし、自分がもう既に持っているものを大事に育てていくのも良いと思うんで、しっかりとやってもらえればいいかなと思います。」

今だからこその課題

福山「自由な時間の使い方というお話もありましたが、その自由な時間というのは業務時間外、働いた後のことだと思うので、学生であれば学校の後という認識で大丈夫でしょうか。」

齋藤「そういう認識で大丈夫です。先ほども言いましたけど、僕たちが仕事をしている時って全力で仕事に取り組めたんですよね。もう本当に仕事以外やることがないぐらい。だからこそ自分のスタイルや強い精神力や忍耐力が育まれていたのですが、そういう状態になるのは今の環境的には難しいので、どうやって自分を追い込んでいくかを自分で考えて実践していかないとダメだと思っています。」

齋藤「その実践のためにも、最後に言った好奇心と疑問を持つこと、そして好奇心を持ったことをやってみる、自分で思ったことを調べてみるっていうのはすごく大事なこと。

齋藤「僕自身が体験主義者なんです。自分でしっかりと体験して、そこで感じた面白さや感情をどうやってゲームに持ち込むかだったり、この時ってこういう気持ちだよなっていうのを体験して取り入れるとさらに面白いものができるんじゃないかって思っていますし、それで良い方向になってきたとも思っています。」

齋藤「なので、かなりいろんな趣味もありますし、いろんな体験をしてきたつもりです。」

齋藤「例えば、銃を撃つということも体験してきました。銃ってアニメとかではパスパス撃ってるんですけど、実際はものすごく怖いんですよね。これがいかに怖いものなのか、どんな威力を持っているのかを身をもって体験できるっていうのは現場しかないので、自由な時間でいかに自分が好奇心を向けて、自分が仕事にしたいことに持ち込めるようにする。もちろんリラックスしたい時はしてもらってもいいですよ。」

齋藤「僕はどちらかというと仕事に集中してた人生ではあるので、『仕事に活かすためにこれしてぇな、これやったら仕事に活きそう。』とか考えて動いていましたね。」

福山「昔話として、齋藤さんのエピソードのように終電まで働いてるみたいなことをよく聞きますが、今と昔では仕事に費やしている時間の量に差は生まれていると感じているので、今なりの戦い方というか取り組みは試行錯誤する必要がありそうと思っています。」

齋藤「僕は引き出しの幅を増やすみたいなイメージを持っているんですけど、疑問に思ったことを取り入れて、知識の幅を広げていくと、その分だけ仕事の中での選択肢が増えるんですよね。昔はその選択肢を無理やり広げられたんですけど、今は自分でどうやって広げるかが課題になっていると思っています。」

齋藤「その課題をクリアするには、いかに効率よく、作業サイクルをまわすか、ということを意識して仕事を行うことが大事だと考えています。」

齋藤「紹介したいサイトがあって、自分がプログラマーやプランナーとして現場で作業をしていた際に、自分の経験をもとに実践をしていたことが、このサイトで分かりやすく明確に言語化されていて、それを実践すると効率良く仕事が回っていったので、いざ社会に入って仕事をしていく時に役に立つと思います。」

齋藤「今見ても分からない部分はあるかもしれないですけど、学生さんとかだったらレポート書くときだとか、何か大きい課題をするときにも役に立つこともあるかもしれないです。」

福山「インターンとしてですが、働く中で心当たりのあることが多々書いてあったので、改めてちゃんと目を通そうと思います。」

福山「本日はインタビューにお答えいただき、ありがとうございました。」

尊敬する上司に教えてもらった、「仕事を任されたら何をすべきか」8箇条 | Books&Apps
ご紹介いただいたブログ記事です。

今回のインタビューをうけて

今回のインタビュー記事はこちらで最後になります。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます!
最後にインタビュー全体を通しての感想として、これまでのインタビューでもクリエイターの方々から感じてきたバイタリティや精神的な強さみたいなものは、彼らの過去の業務経験からくるものもあるのだろうという感覚がさらに強まりました。

アドバイスの中でもあったように、現在ではその再現は難しい一方で、バイタリティなどは変わらず求められうるものだと思っています。教材や学習機会の整備もあって、技術力に関しては成長しやすい環境になっていると感じていますが、バイタリティは逆だと考えています。ハラスメント防止のためなどに良いことではある一方で、環境ではなく自分でプレッシャーをかける必要があり、かなり個人に依存するものになっていると感じます。

先人の全てをまねることが正しいとは思いませんが、良い所はちゃんと取り入れる必要はあります。そして取り入れる際のやり方も完全にまねられないものもあるので、自分で考えて実践していかなければならないと思いました。

このインタビュー企画も回数を重ねてきて、これまでのお話の中での共通点が少しずつ見えてきたかもと感じるインタビューでした。土台の部分は共通していることが多く、その上で特に大事だと考えていることが何であるかにそれぞれの特徴があるなと感じています。大事にしていることに合わせて手法が生まれていそうだと思うので、手法単体よりも見ている方向性が近い人の考え方を自分なりに落とし込んでいく方が良いのかも?と思い始めました。

そういう意味では、この企画でお届けしている内容の中に読者の方の琴線に触れるもの、自分なりの何かを考えるきっかけになるようなものが少しでもあれば嬉しいです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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