【Apple Search Ads】アプリ広告未経験のマーケターがiPhoneでアプリの広告配信をする方法について学んでみた

iPhoneユーザーをターゲットにしたアプリの広告配信に興味があるものの、何から手をつければいいか分からない、というアプリ広告未経験のマーケターの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、YouTube動画を参考に、Apple Search Ads(以下、Search Ads)を使ったiPhoneアプリの広告配信方法についてまとめてみました。
Apple Search Ads(Search Ads)とは?その重要性
Search Adsとは、App Storeに表示されるアプリ広告のことを指します。ユーザーがApp Storeでアプリを検索した際に、検索結果の一番上に表示されたり、おすすめのアプリとして表示されたりする広告がこれにあたります。イメージとしては、検索キーワードに関連して広告が表示されるリスティング広告に非常に似た形です。
Search Adsは2018年に日本のApp Storeでローンチされたサービスですが、日本におけるモバイル端末のiOSの割合は約7割(68.71%)と非常に高く、今後も利用者が増加傾向にあります。このため、iOSユーザー向けのアプリ広告を検討しているマーケターにとって、Search Adsは必見の出稿媒体と言えるでしょう。
アプリ広告未経験者でも始めやすいSearch Adsの特長
Search Adsには、アプリ広告の運用経験がないマーケターでも始めやすい、いくつかの特長があります。
- クリエイティブが不要:広告用のバナー画像などのクリエイティブを別途作成する必要がありません。App Storeに登録されているアプリの情報(アイコンやスクリーンショットなど)が自動的に広告として表示されます。
- タグ(SDK)の設置が不要:通常、広告の成果を測定するためにはウェブサイトやアプリ内に特定のタグを埋め込む必要がありますが、Search Adsの場合はその必要がありません。App Storeにアプリが登録されていれば、すぐに広告出稿が可能です。これは、アプリ広告に必須とされるSDKの実装といった作業が不要なため、非常に手軽に始められる大きなメリットです。
- 審査が手軽:広告自体の審査は、すでにApp Storeに登録されているアプリの審査が終わっていれば特に必要ありません。
- インストール率が高い傾向:ユーザーが検索したキーワードに連動して広告が表示されるため、そのキーワードでアプリを探している意欲の高いユーザーにリーチでき、高いインストール率が期待できます。
- インストール後のユーザー行動率も高い:インストール後のアプリ内でのユーザー行動(例:登録、ポイント獲得など)についても、他の広告と比べて高い傾向にあると述べられています。
Apple Search Adsの配信までの基本的な流れ
Search Adsで広告を配信するまでの大まかなステップは以下の通りです。
- Apple IDの取得:まず、広告主側でApple IDを取得する必要があります。
- App Storeへのアプリ登録:取得したApple IDを基に、App Storeへアプリを登録します。
- Search Ads専用アカウントの作成:Apple IDとアプリ登録が完了したら、Search Ads専用のアカウントを作成します。
- キャンペーン・広告グループの作成:アカウント作成後、広告キャンペーンと広告グループを設定します。
- キーワード選定:プロモーションしたいアプリを表示させるためのキーワードを選定します。
- オーディエンス設定:年齢(50歳以上は1歳刻み、65歳以上は65歳以上と設定可能)や性別など、ターゲットとなるユーザー層を細かく設定できます。
2つのプラン:ベーシックとアドバンス
Search Adsには、運用目的に応じて「ベーシック」と「アドバンス」の2つのプランがあります。
ベーシックプラン
- 設定項目:地域、予算、インストール単価を設定するだけで、その他の運用は自動で行われます。
- 支払い方法:インストールされた分だけ費用が発生します。
- 広告の開始・停止:随時自由に設定可能です。
- おすすめのケース:
- 広告運用に関する知識がまだ少ない方。
- 初期コストをかけずに広告を始めたい方。
- デメリット:ターゲティングがかなりざっくりとした設定になるため、細かなターゲット設定や運用調整ができません。
アドバンスプラン
- 細かな運用調整:キーワードやオーディエンス設定など、より詳細な調整が可能です。
- 掲載場所の選択:
- Search Results(検索結果画面):ユーザーが指定したキーワードで検索した際、検索結果画面の一番上に広告が表示される枠です。
- Search Tab(検索タブ):ユーザーがApp Storeの検索タブを開いた際に、「あなたにおすすめ」として表示される枠の一番上に広告が表示されます。
- おすすめのケース:
- 特定のキーワードでの検索結果にのみ表示させたい。
- より多くのユーザーに広く見てもらいたい(検索タブでの表示も活用)。
- より細かいニーズに合わせて広告を運用したい。
Search Adsの注意点
非常に多くのメリットがあるSearch Adsですが、いくつか注意すべき点もあります。
- 広告枠の制限:一つのキーワード検索に対して表示される広告枠は基本的に一つしかありません。このため、競合が多いキーワードでは掲載の機会が限られたり、そもそもキーワードが検索されなければ広告が表示されないということも起こり得ます。
- インプレッションの上限:検索連動型広告(Search Results)には、インプレッションに上限があるため、もっと多くのインストールを促したい場合には限界があります。
このため、Search Adsだけで全ての目標を達成しようとするのではなく、他の媒体での広告配信も併用し、最大限のインプレッション機会を得ることで、効率的な認知拡大を目指すことが推奨されています。
まとめ
Apple Search Adsは、クリエイティブやSDKの準備が不要で、かつ高いインストール率とインストール後のユーザー行動率が期待できる、アプリ広告未経験のマーケターにとって非常に始めやすい媒体です。特に日本のモバイル市場におけるiOSのシェアの高さも考慮すると、iPhoneユーザー向けのアプリをプロモーションする上で非常に有効な手段と言えるでしょう。
まずは「ベーシック」プランから手軽に始めてみて、慣れてきたらより詳細な設定が可能な「アドバンス」プランに移行したり、他の広告媒体と組み合わせて活用したりすることで、効果的なアプリマーケティングを展開していくのがおすすめです。