【GA4連携必須】BigQueryで実現するデータ分析の課題解決と長期戦略:特徴・活用事例を解説

【GA4連携必須】BigQueryで実現するデータ分析の課題解決と長期戦略:特徴・活用事例を解説

【GA4連携必須】BigQueryで実現するデータ分析の課題解決と長期戦略:特徴・活用事例を解説

BigQuery(ビッグクエリー)は、Googleが提供するフルマネージドでサーバーレスなデータウェアハウス(分析基盤)である。エンタープライズの規模にも対応できる強力な分析基盤であり、ペタバイト規模のデータにも対応可能であるため、実質的にデータ量の上限を気にする必要がない。他社のサービスとしては、AWSのRedshiftやAzureのAzure Synapse Analyticsなどが挙げられる。BigQueryは、大規模データを安価に保存し、SQLを使った超高速な分析を可能にするデータウェアハウスであり、面倒なセットアップも不要で、すぐに使い始めることができる。

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  1. 1BigQueryとは?
  2. 2BigQueryの特徴
  3. 3GA4×BigQueryでできること
  4. 3.1具体的な活用事例:逆ゴールデンパス分析
  5. 4編集長の所感
  6. 5まとめ

BigQueryとは?

BigQueryは、Google Cloudが提供するフルマネージドかつサーバーレスなデータウェアハウス、すなわちデータ分析基盤である。このサービスの大きな特徴は、GoogleアナリティクスやサーチコンソールといったGoogle製品との連携や接続が容易である点だ。これらのローデータ(生のデータ)を簡単にBigQueryに取り込むことが可能である。
また、BigQueryにはAI機能も搭載されており、取り込んだデータに対して機械学習を適用することもできる。

BigQueryの特徴

BigQueryが分析基盤として優れている点は、主に以下の3点に集約される。

  1. フルマネージドでサーバーレスである BigQueryはフルマネージドであるため、ユーザーがサーバーを調達したり管理したりする必要がない。サーバーのセキュリティを心配したり、パフォーマンスを調整したりする手間も不要だ。面倒なセットアップは必要なく、すぐに使える状態になっている。 さらに、サーバーレスであるため、処理の容量に応じて自動的にスケールしてくれる。これにより、ユーザーはサーバーの運用ではなく、分析そのものに注力することが可能となる。
  2. 専門知識が不要である 画面を開いてデータをセットした後、SQLでクエリを実行するだけで分析結果を得ることができる。SQLさえ知っていれば、誰でも簡単に利用を開始できる。
  3. 超高速な処理と高いコストパフォーマンス BigQueryは、数万台のサーバーを使って並列に処理を実行する。そのため、ペタバイト規模の巨大なクエリであっても、結果を数秒で返すことが可能だ。実際に、2億5,000万行を超えるデータに対するクエリ実行も、わずか4.8秒で行えたデモ事例がある。 この高速性を支えるには、1テラバイトのデータを1秒間でフルスキャンするために、本来1万台のディスクと5,000個のプロセッサーの並列処理が必要とされているが、BigQueryはその複雑なサーバー調達・管理の労力を不要にする。 コスト面においても、処理したクエリの容量に応じて課金される仕組みであるため、サーバーを確保しておく固定費がかからない。クエリの料金は1テラバイトあたり600円から700円程度と安価であり、1テラバイトまでは無料で利用できる。また、データ保存料金も1ギガバイトあたり2円から3円程度と手軽な料金設定となっている。

GA4×BigQueryでできること

GA4(Googleアナリティクス4)とBigQueryを連携させることで、GA4単体での分析よりも高度かつ詳細なサイト分析が可能になる。Web担当者がサイト分析を行う際に、BigQueryを使用するメリットは以下の3点である。

  1. データ保存期間の無期限化 GA4の探索レポートでは最大14ヶ月までのデータしか保存されないという制約がある。この期間制限により、2年や3年前のデータとの比較分析はGA4上では実行できないため、分析の幅が狭まってしまう。BigQueryと連携しデータを蓄積することで、データの保存期間を無制限にできるため、長期的な視点での分析が可能となる。
  2. ローデータへのアクセス BigQueryを使うことで、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールのローデータにアクセスできるようになる。ローデータとはいわゆる生の精緻なデータであり、これを利用することで、GA4のレポートだけでは見えなかったより詳細なユーザー行動の把握が可能となる。 例えば、サーチコンソールでは画面上でのエクスポートが1,000行までであったり、期別のデータ抽出ができないといった制限があるが、ローデータを取り込むことで、これらの制限がなくなり、データを自由に扱えるようになる。
  3. 様々なデータの統合と複雑な集計 BigQueryでは、様々なデータソースを取り込み、計算や集計を行うことができる。 例として、CRMツール(例:HubSpot)の精緻なコンタクトデータと、GAのトラフィックデータを統合し、一括で分析することが可能である。 これにより、BtoB企業などでGAでは区別が難しい「問い合わせの質(有効相談か無効相談か)」といったコンバージョンの種類を、CRMデータと統合することで分析可能となる。 さらに、BigQueryにデータを集約することで、データ集計結果をルッカスタジオ(Looker Studio)に接続し、あらゆるデータをダッシュボードで一元管理することも可能になる。HubSpotのように直接ルッカスタジオに接続できないデータも、BigQueryを介することで統合閲覧が可能となる。

具体的な活用事例:逆ゴールデンパス分析

GA4のローデータを活用した分析の一つに、「逆ゴールデンパス分析」がある。これは、コンバージョン(CV)導線上の特定のページを訪問したにもかかわらず、CVしなかったユーザーが、その後どのようなページ遷移をしたかを分析する方法である。
BtoBサイトでお問い合わせがCVである場合、お問い合わせページへ遷移したのにCVしなかったユーザーが、前後にどのページを訪問したかを把握できる。
この分析により、ユーザーがCTAボタンを押した後、期待していたページと実際に訪問したページが異なっていたために、元のページに戻ってしまった、といった行動を特定できる。このような期待と現実の乖離が多い場合、該当ページをユーザーの気持ちで訪問し、遷移を試すことで、サイト改善の具体的な課題が明らかになる。

編集長の所感

BigQueryは単なるデータウェアハウスではなく、データ駆動型マーケティングを次世代に進化させるための戦略的な基盤であると断言できる。GA4のデータ保存期間が14ヶ月に限定されるという制約 は、長期的なマーケティング戦略や季節変動分析を行う上で致命的な課題となりうるが、BigQueryとの連携によってこの課題は完全に解消される。データ保存期間の無期限化は、企業が過去の貴重な資産を永続的に活用できることを意味する。また、社内の担当者間における情報引継ぎも安易になるであろう。

さらに、GA4のローデータにアクセスし、CRMデータなど外部データを統合できる点 は、「トラフィック」と「顧客の質」を結びつけるマーケティング分析において不可欠である。特にB2Bマーケティングにおける有効商談の特定 や、逆ゴールデンパス分析 によるユーザーの「期待と現実のギャップ」の特定 は、コンバージョン率改善に直結する示唆をもたらす。BigQueryの高速性、専門知識不要な手軽さ、そして高いコストパフォーマンス を考慮すれば、データ分析を高度化したいと考えるすべてのWeb担当者にとって、BigQuery連携はもはや「必須」の施策であると言えるだろう。

また、BigQueryとLookerStudioを連携することも可能なので、全体的なレポーティングもできるため包括的なデータマネジメントもできるようになる。

まとめ

BigQueryは、Googleが提供するフルマネージドでサーバーレスなデータウェアハウスであり、ペタバイト規模のデータにも対応する分析基盤である。

その最大の利点は、サーバー管理が不要なこと、SQLさえあれば専門知識なしに分析が可能であること、そしてペタバイト級のデータを数秒で処理できる超高速性と高いコストパフォーマンスにある。

特にGA4との連携は戦略的なメリットが大きく、データの保存期間を無制限にできる点、GAやSearch Consoleのローデータに基づく精緻な分析が可能になる点、そしてCRMデータなど様々な外部データとの統合・集計により分析の幅が大きく広がる点 が、サイト改善や長期的なデータ活用を強力に後押しする。面倒なセットアップは不要なため、ぜひ早期に導入し、データ活用を深化させるべきである。

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