Photoshopいらず?Nano Banana PROが叶える「修正0秒」のWebデザイン革命

「Nano Banana PRO(ナノバナナ・プロ)」。 皆さんはこのワードを聞いたことはありますか?Googleの生成AIであるGeminiのアップデートに伴ってリリースされた画像生成AI。私もそんな印象でした。
画像生成AIは既にいくつかあるし、精度などは全然OpenAIのChatGPTの方が上だったかな!
と私は感じていたため、今更画像生成AIをアップデートしたところで、、、
と思っておりました。
しかし、実際に使ってみるとその中身は「ガチ」です。これまでの画像生成AIではエフェクトなどの編集には高い効果を発揮していたものの、「日本語の文字がうまくいかない」「修正指示を出すと別人の顔になる」「結局画像編集ツールでの加工が必須」といった悩みあり、バナーやアイキャッチといった実際のビジネスシーンでの活用は難しいものとされておりました。
本記事では、Googleから登場したWebデザイナーにとっての本命とも言える最新AI「Nano Banana PRO」について、その実力と活用法を徹底解説します。※今回のアイキャッチもNano Banana PROで作成しました。
お問合せの反響が多ければスクリプトなどの制作過程も公開したいと思います。
Geminiとは?
Nano Banana PROを理解する上で欠かせないのが、その頭脳である「Gemini(ジェミニ)」の存在です。
GeminiはGoogleが開発した最新のAIモデルです。Nano Banana PROは、このGemini(具体的には最新モデルの「Gemini 3 Pro」)をベースとした画像生成AIとして開発されました。
これまでもGemini単体でチャットや簡易的な画像生成は可能でしたが、従来のモデルは加工や編集がメインで、素材の作成のような役割がメインでしたでした。対して今回紹介するNano Banana PROは、「今までできなかったことが、そもそもできるようになった」という次元の異なる進化を遂げている点が特徴です。Googleの検索世界の知識とつながっており、単に画像を作るだけでなく、その背景や文脈まで理解して生成する能力を持っています。
Nano Banana PROとは?
Nano Banana PROは、2025年11月20日に登場したばかりの最新画像生成AIです(Nano Bananaは同年8月に登場)。
最大の特徴は、これまでの生成AIとは決定的に異なる「日本語の文字入れ精度」と「デザインの一貫性」です。
例えば、MidjourneyやStable Diffusionなどの既存ツールでは、英語のタイポグラフィは美しくても、日本語となると文字化けして使い物にならないことが多々ありました。しかし、Nano Banana PROは画像の一部として、違和感のない完璧な日本語テキストを一発で生成します。
また、単なる画像生成にとどまらず、手書きのラフ画からWebデザインのモックアップを起こしたり、特定のキャラクターの顔立ちを維持したままポーズだけを変えたりといった、実務レベルの制御が可能になっています。まさに、デザイナーの「手」となり「目」となるツールなのです。
実際に使ってみた感想
ここからは、実際にNano Banana PROをアイキャッチの制作で使ってみて感じた衝撃を、具体的なシーンを交えてご紹介します。
1. 日本語テキストの描画能力が「実用レベル」
まず驚かされたのが、日本語の再現性です。
これまでの画像生成は自動的に英語に翻訳されていたり、字体が少し異なっていたりと最初の段階ではキャッチコピーなどのテキストがうまくいかないケースが多々ありました。
今回、Googleから発表されたプロンプト要素を参考に、タイトルを予め、活用場面やターゲットを明確にプロンプトに掲載したところ、1回目の生成で大きなエラーもなく、今回のアイキャッチ画像の制作ができました。
これまでであれば、AIで背景画像を作り、Illustratorに持って行ってフォントを探し、文字を乗せる……という工程となっておりましたが、Nano Banana PROならフォントのニュアンス(明朝体なら繊細に、ゴシック体なら力強く)まで理解し、文字込みの完成イメージを一発でクライアントに見せることができます。文字化けが激しかった従来AIとは比較にならない進化です。
2. 「修正」に強い:顔や商品を保持したまま変更可能
Web制作の現場で最も困るのが「差分作り」です。「このモデルさんの雰囲気は最高だけど、困っている表情のバージョンも欲しい」といった時、ストックを探し回る必要はありません。
Nano Banana PROは、同じキャラクターの特徴(服装、髪型、顔のパーツ)を維持したまま、ポーズやシチュエーションだけを変えることもできます。
また、ECサイトの商品画像作成でも威力を発揮します。自社商品の写真をアップロードし「背景を森にして」と指示すれば、パッケージやロゴを改変することなく、自然な光の反射や影をつけて合成してくれます。商品のロゴが勝手に変わったり、人物の顔が別人のようになったりする現象が劇的に改善されています。
今回、アイキャッチ生成後にメインとなっていた画家のイラストを女性に変更したプロンプトにて画像を生成したところ、下記のような画像が生成されました。
3. プロンプトは「呪文」ではなく「指示書」
実際に使ってみて痛感したのは、AIはこちらの指示(プロンプト)が曖昧だと、これまでの画像生成AIと大きくは変わらないということです。 「かっこいいアイキャッチ」と入力しても、AIが思うかっこよさとこちら側の要望はズレます。
具体的にはモデルのイメージや背景の場所、モデルがしている動作、キャッチコピーであれば具体的なカラーコード、余白の取り方、文字のフォントなどを言語化して的確に指示する能力が求められます。
これは、「プロンプト力」というよりも、自分が何を作りたいかを明確にする「言語化能力」や「ディレクション能力」に近いものです。
まとめ
Nano Banana PROは、単なるお絵描きツールではなく、デザイナーの面倒な作業を劇的に効率化してくれる強力なパートナーになると感じました。
AIに細かい作業(オペレーション)を任せることで、デザイナーはより上流の「企画」「設計」「クライアントとの対話」といったクリエイティブな部分に時間を使えるようになります。
言うなれば、私たちは「オペレーター」から、優秀なAIスタッフに指示を出し、無数の案から正解を選ぶ「アートディレクター」へと昇格するようなイメージとなります。
その上でAIで作ったベースをブラッシュアップしたり、最終的なクオリティを担保したりするデザイナーの仕事は、今後ますます重要になっていくでしょう。
まずは無料版でも日本語生成の凄さは体感できます。まだ触っていない皆さんは、ぜひ一度、この「Nano Banana PRO」を試してみてください。




