韓国で格闘ゲームスタイルの演出でテコンドー大会開催 - ガメモ
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韓国テコンドー協会が、格闘ゲームの『鉄拳』のように体力バーを表示して、試合を行い、攻撃によって体力バーを0にした選手が勝利するというルールでデモンストレーション大会を行いました。
大会の演出も格闘ゲームのように有効な打撃には効果音が入り、センサーを設置した防具で攻撃箇所と威力を判定して減少する体力バーも変わるというものでした。
体力バーに効果音!テコンドーに格闘ゲームの演出をプラス
格闘技や武道大会の観戦は初心者には難しいとよく言われています。採点方式は分かりづらいし、反則もよくわかりません。そこで韓国テコンドー協会は初めて観戦する人にもわかりやすいように格闘ゲームを取り入れた競技システムの提案をしました。
このシステムでは、すべての攻撃の打撃力を測定し格闘ゲームのように競技者の体力バーから引いていく、新しいウェアラブルセンサーを身に着けます。
どちらの競技者も体力100で試合を開始し、対戦相手の体力を最初に0にした方が勝者です。すべての試合に攻撃があたった際に効果音があり、大型ビジョンには体力バーと反則が表示されています。
その結果、テコンドーというオリンピックスポーツが、『鉄拳』や『ストリートファイター』などの格闘ゲームのようになっています。
ルールか伝統か!? テコンドーにも競技化の弊害が
この演出を取り入れたことで観客がわかりやすくなった以外にも、もうひとつの利点が生まれました。それは選手が強い打撃でポイントを狙うようになったことです。
テコンドーはオリンピック競技になったことでルールが整備され、防具にセンサーが取り付けられ、攻撃が当たると反応するようになりました。
これは競技として公正な結果を導くためには必要な措置でしたが、そのためにテコンドーが武道から競技へと変わっていくきっかけともなりました。
どんな攻撃でも公正にポイントが入る。そうなると選手は高レベルの大会では、競技として勝つことを優先して、防具に付けたセンサーが反応するギリギリのところに軽く当てるだけの攻撃をしてポイントを獲得するようになりました。
そして攻撃を当てさえすればポイントになるため、選手たちは防御よりも攻撃に比重を置き始めます。しかし一部の指導者からは、このスタイルは伝統的なテコンドーのスタイルとは違うという批判もありました。
今回のルールは打撃の威力も反映されるため防御が重要となる上に、当てるだけの攻撃では体力バーがなかなか減りません。また反則ポイントが一定数溜まると相手の攻撃力が2倍になるルールなども導入されました。
そのために選手たちはしっかり防御をして強い打撃をするようになり、結果的に昔ながらの相手に強い打撃を当ててしっかり防御するテコンドーの試合になりました。
観客にとってもわかりやすい演出の上に、伝統的なテコンドーも取り戻す結果になり「温故知新」ではなく「温新知故」という趣ですね。
この競技システムは果たして採用されるのか?
このデモンストレーション大会は好評だったものの、多くの問題点も浮上しました。
その問題点とはテコンドーのルールに加えて新しいシステムのルールも覚えなければならないことや、威力センサーが及ぼす審判の判定への影響が大きいこと、攻撃の体力バーへの反映が遅延することなどです。
今回あがった反省点を生かして2020年の6月に第2回大会を開くとのことですので、さらに洗練された大会になると思われます。いつか正式な大会となりさらにエンタメ性を増した演出が加わるとさらに面白くなりそうです。
ゆくゆくは格闘ゲームの大会と同時開催などしてくれれば最高ですね。