ゲーム規制条例案に賛成が49.75%? ネット・ゲーム規制条例で香川県議会が炎上 - ガメモ
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ライフプラン相談、保険相談サービス「ほけんROOM(https://hoken-room.jp/)」を運営する株式会社Wizleapは子供のゲームのプレイ時間を規制する条例案についての意識調査を実施し、小学生以下の子どもを持つ親の49.75%「良いと思う」、「どちらかといえば良いと思う」という回答を選んだと発表しました。
ネットとゲームは平日60分、休日90分にします!
ことの発端は2020年1月10日の香川県議会で議論を進めている子どものゲームやネット依存症対策を目的とした条例案に「ゲームは平日1日60分まで」「午後10時以降はゲーム禁止」などの具体的な制限が追加されたことから、議論が始まりました。
条例の対象は高校生以下の子ども。1日のゲームやネットの使用時間を平日は60分、休日は90分に制限する他、夜間の使用についても高校生は午後10時以降、中学生以下は午後9時以降はゲームをさせないよう保護者に求めていて、そのために学校や自治体、事業主も協力することが義務付けられています。
香川県議会が方針転換ゲームだけを規制対象に
「ゲームは1日1時間」とはファミコン全盛時代の古い価値観の押しつけや、この条例に対するパブリックコメントを募集していますが、その対象が香川県民とゲーム事業者のみということでネットで炎上しています。
ちなみに「ゲームは1日1時間」を提唱した高橋名人は「ゲームが上手になるためには、自分が集中できる時間で一生懸命練習しよう」という練習時間の目安として「1時間」と言っていただけで、依存症への対策でもなんでもないわけです。
その後、香川県議会は今の社会にインターネットが不可欠ということで、ゲームのみの規制に方向転換。しかし、それでも炎上が収まらない状態となり現在は「ゲーム依存症防止のためにガチャ禁止」と再度方向転換しています。
そもそも、当初の素案ではスマホもゲームもまとめて規制しようとしていたし、子供の利用時間制限、何が依存症かわからない点も批判が上がった。
— 大田区議会議員_おぎの稔 議員系vtuber・メタバース大田区議 (@ogino_otaku) January 26, 2020
射幸性も、ガチャでなくオンラインゲーム全般を指していた。
なぜ今になって「ガチャは悪い文明!」と、ガチャに問題をすり替えておいたのさ!とするのか
最初からガチャ規制なら議論になっても炎上はしなかったのでは?
今回の調査結果でも条例にポジティブな印象を持っている親は49.75%ですが、「プレイ時間は制限すべき」、「どちらかといえばしたほうが良い」と答えている親は83.45%と33.7%もアップしています。
ソーシャルゲームのガチャに関しては、ゲーム運営会社が課金額の上限を設定したりと射幸心の抑制に努めてはいるものの現状では、生活に軽く支障が出るくらい課金をしている人もいるわけです。
世界でも「ゲームアイテムのガチャはギャンブル」として規制しようとしている国や自治体もあり「ゲームのプレイ時間は家庭でルールを決めるように、ガチャ課金は規制を設ける」とすれば、批判はあったでしょうが、賛同も得られたかもしれません。
このように規制する範囲が徐々にズレていく様子を見ていると、「青少年のインターネット利用とゲームに制限を掛けたい」という思惑しか感じません。そして条例案を提出してしまったからには「とにかく規制しないと終われない」という雰囲気です。
そしてこの規制にはもうひとつ問題があって、ゲーム事業者にも強力を義務付けていることです。しかしゲームの仕様で「香川県在住の高校生以下だけプレイ時間1時間でゲーム強制終了」などできるわけもなく、ましてや「Aというゲームを50分プレイした後にBというゲームをプレイし始めたら10分で強制終了」などは不可能です。
そうなりますと、インストール前に「あなたは香川県民ですか?」と訪ねて「YES」と答えたらインストールさせないという方法でしか事業主としては規制ができません。
「香川県民にはお手玉でもさせておけ!」と映画『翔んで埼玉』で描かれた埼玉差別のような事態が起こると思われます。
また香川県はポケモンによる地域の魅力を伝える「ポケモンActs」の活動を行っており、ヤドンとのコラボでヤドンデザインのマンホールの設置や観光地スタンプラリーなどを行っています。
それとはこれとは別とはいいますが、一般の人から見れば「子どもにとっての悪」としているゲームで観光客を誘致しようとしている香川県は、悪の手先の自治体と見られてもしょうがありません。
家庭でのネットやゲームの利用の仕方を話し合うきっかけになれば
おそらく今回の条例は、インターネットやゲーム業界をしらない高齢の議員が有権者への「活動がんばってます」のアピールのために考えたのだと思われます。
インターネットを利用しない高齢者の票と子どもの両親の票を獲得できて、規制の対象は選挙権のない高校生以下という思惑があったのかもしれません。
どんな思惑があったにせよ、この条例案がそのまま採用されると思えません。
これをきっかけに、子どものいる家庭でゲームの適正なプレイ時間やインターネットの利用状況などの話し合いが持たれたことのほうが重要だと思われます。