World Of Warcraftファンサーバーで新型コロナウイルス対策啓蒙のための仮想疫病イベントが開催される - ガメモ
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老舗MMORPG「World Of Warcraft(WoW)」のファンサーバーにて新型コロナウイルス対策を啓蒙するために仮想疫病イベントが開催されました。
これは新型コロナウイルスに対抗する正しい手段を知らない人たちが多いことを知った主催者が、みんなに正しい防疫手段を理解してほしいということで行われたイベントです。
イベント開始24時間で罹患率84%に
イベントはサーバーの管理者が何の前触れもなくウイルスを投下したことで始まりました。ウイルスは15時間以内に2,276人のプレイヤーが感染しました。その数は24時間以内に7,000人にまで跳ね上がりました。ピーク時には、アクティブなプレイヤーの88%がこの仮想伝染病に感染していました。
ウィルスが有機的に拡散した後、管理者は何が起こっているのかを皆に知らせました。ウィルスがゲーム内のオブジェクトの上に置かれていたのです。「患者ゼロ」と呼ばれるプレイヤーがそのオブジェクトに触れ、他のプレイヤーやNPCと交流した結果、誰もがウイルスに感染する可能性があったのです。
このウイルスは物体にも感染する可能性がありました。細菌が付着した物体に接触したプレイヤーやキャラクターが、急いで街に行って特別な「ハンドソープ」アイテムを使って手を洗わなかった場合、そのキャラクターは病気に感染してしまい、スタッツが5パーセント減少し、移動速度が10パーセント低下します。
もちろん感染したプレイヤーは、他のプレイヤーにとっても危険な存在になってしまいます。
仮想伝染病からの守り方は新型コロナウイルスと同じ
このウィルスの恐るべき可能性を示した後、管理者は感染状態をリセットしました。
そして彼はプレイヤーにこのクエストを完了させるように指示をしました。クエストのクリア方法は社会的な距離を置くこと、フェイスマスクのアイテムを身につけること、抗菌クレンザーのアイテムを使って物やベンダーをこすることなどが含まれていました。
また、世界保健機関(WHO)のウェブサイトに掲載されている症状チェッカーをベースにした症状チェッカーロボットを使って、感染症の兆候をチェックすることもできます。
このイベントの主催者は、新型コロナウイルスが多くの人の命を奪っているため、ゲームでパンデミックのイベントを開催することに慎重でした。イベントではプレイヤーにインパクトを与えるものの与えすぎないように、症状はキャラクターが死なないように調整されていました。
正しい防御法で罹患率が劇的に低下
イベントはプレイヤーがウイルスに対する正しい対応を学んだため、感染率は88%から42%へと大幅に低下しました。主催者は、うまくいけば現実世界でも応用できるようになるだろうということを示していると彼は考えています。
かつてWoWでは「汚れた血」事件というバグによるオンラインゲーム史に残るような大規模なパンデミックを引き起こしました。そんなゲームの世界で現実世界で起きているパンデミックから守る方法を学ぶというのがとても興味深いです。
※「汚れた血」事件
ダンジョンのボスが持っていたスキル「汚れた血」。このスキルは「かけられた相手に毎秒大ダメージを与え、隣の相手にもこの効果を与える。解除不能」というものでした。このスキルを解除する方法はダンジョンから出ることです。
このスキルが出し入れ可能な召喚獣にかけられたことで事件は起きました。このスキルがかかっている状態でしまわれた召喚獣は呼び出されるたびに周囲のキャラにこのスキルを伝染させました。やがてこのスキルは多くの人に伝染し、大都市にいるプレイヤーキャラクターすべてを死滅させるパンデミックを引き起こしました。
この事件は、運営会社がゲームを停止してバグ修正をするまで続きました。
この事件は始まりの感染がはっきりと分かるパンデミックの資料となり、防疫学の研究資料として研究論文が発表されています。