スマホゲーム『戦国RENKAズーム!』プロデューサー花澤雄太氏インタビュー これからのエンタテインメント業界で目指していく場所とは?

スマホゲーム『戦国RENKAズーム!』プロデューサー花澤雄太氏インタビュー これからのエンタテインメント業界で目指していく場所とは?

スマホゲーム『戦国RENKAズーム!』プロデューサー花澤雄太氏インタビュー これからのエンタテインメント業界で目指していく場所とは?

2020年9月からサービスが開始された『戦国RENKAズーム!』。台湾のゲーム会社Outstanding Cayenne社が制作したこちらのゲームの日本でのプロデューサーを務めている花澤雄太氏。『刀剣乱舞 -ONLINE-』のプロデューサーを始め、人気作品を数々手掛けている花澤氏にプロデューサーとして影響を受けたエピソードや、「プロデューサー」という仕事についてお話をうかがいました。

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  1. 1「刀剣乱舞 -ONLINE-」で「エンタテインメントは言葉も国境も越える」ということを体感する
  2. 2コロナ禍で変わっていく世界でエンタテインメントの可能性を探る
  3. 3『戦国RENKAズーム!』のプロデューサーとして
  4. 4しっかりした原案からゲームをはじめいろいろな方向に発展させたい
  5. 5花澤雄太氏プロデュース最新作『戦国RENKAズーム!』
花澤雄太

合同会社フラワーゲート
CEO 花澤雄太


代表作の「刀剣乱舞 -ONLINE-」を筆頭に、「Lord of Walkure」「FLOWER KNIGHT GIRL」の立上げ等、DMM GAMESの人気タイトルを数多く手がけたプロデューサー。
現在はDMM GAMESを離れ、スマートフォンゲーム『戦国RENKAズーム!』のプロデュースの他、多方面に活躍の場を広げている。

竹下和広

株式会社コンフィデンス
取締役 竹下和広


ゲーム業界黎明期のSNKに入社し、同社欧州事務所代表に就任。その後、サミー、アクレイム、イグニッション・エンターテイメント・リミテッドで海外での実績を重ね、2011年、スタジオマネージャーとして関わった『エルシャダイ』を発表。現在は、株式会社コンフィデンスでゲームのトータル・ソリューション事業に携わっている。

「刀剣乱舞 -ONLINE-」で「エンタテインメントは言葉も国境も越える」ということを体感する

竹下和広氏(以下、竹下):花澤さんは「刀剣乱舞 -ONLINE-」のプロデューサーとして皆さんから知られていらっしゃいますが、最初からゲームの開発をなさっていたんでしょうか。

花澤雄太氏(以下、花澤):元々、家庭用機のゲーム開発をやっていて、その後にDMM GAMESでソーシャルゲームを本格的にプロデュースするようになりました。DMM GAMES というプラットフォームで「Lord of Walkure」「FLOWER KNIGHT GIRL」等、20本以上のゲームを立ち上げて、それと同時期に「刀剣乱舞 -ONLINE-」をプロデュースさせていただいて、皆さんも知っているタイトルを作ることができたんじゃないかなと思っています。
 
竹下:「刀剣乱舞 -ONLINE-」の人気はサービス開始当初からすごかったと思いますが、何か実際に手ごたえを感じたエピソードはありますか。
 
花澤:「刀剣乱舞 -ONLINE-」の世界の広がりっていうのがすごく強烈に映っていて「エンターテインメントは国境を超える」っていうところを感じました。

「刀剣乱舞 -ONLINE-」のプロデューサーだったころ、リリースしていないシンガポールのイベントに呼んでもらったんです。中国語版もまだ出ていない時です。

その時はDMM GAMESの告知がメインでついでに「刀剣乱舞 -ONLINE-」の紹介も……という予定だったんですけど、会場にいる女性のほとんどが「刀剣乱舞 -ONLINE-」のファンだったんです。

噂には聞いていたんですけど、日本語版しか遊べない中でどのくらいの人気なのかなと思っていたら、ステージに出た瞬間「ウワーッ!!」って迎えてくれました。
 
竹下:海外ファンの人たちに声をかけられたりはしなかったんですか? 
 
花澤:イベントが終わった後にも日本語で話しかけてくれました。「『刀剣乱舞 -ONLINE-』の大ファンで加州清光が大好きです」って言ってくれたので「この間のイベントとかどうでしたか?」って聞いたら、全然、言葉が通じなくて。私に「加州清光が大好き」だって伝えたいために、その日本語だけを覚えてきてくれたんですよ。

それに感動して「エンターテインメントは言葉も国境も越える」って実感して、これを実感できる人は少ないぞと思いました。
 
竹下:それは素敵な体験ですね。スマホとかのソーシャルゲームですと誰が作っているとかあまり出てこないですもんね。 

花澤雄太

花澤:見知らぬ国の見知らぬ人たちがすごい遊んでくれて好きになってくれるっていうことが嬉しかったですね。ゲーム市場もだんだん厳しくなってきて、ゲーム以外にも遊ぶことがたくさん増えています。

そういう状況の中で「鬼滅の刃」とかは驚きのヒットとなっていて、エンターテインメントの世界ではあんな事が起きるんですね。

コロナ禍で変わっていく世界でエンタテインメントの可能性を探る

竹下:そういう意味ではまだゲームというエンターテインメントでも夢がありますよね。
 
花澤:そうですね。コロナの影響でインフラを始め、環境が変わってきている状況だからこそ、何か違った仕掛けでヒットが生まれていく可能性が充分にあると思います。

ゲームはとても優秀なエンターテインメントコンテンツであり、数少ないインタラクティブ性がありますし、せっかく自分が今までやってきたものなので、そこは強みとして活かしつつ、ゲームだけでなく漫画だったりアニメだったり何か違った形で広がりがあるコンテンツを生み出していければと思っています。
 
竹下:「刀剣乱舞 -ONLINE-」で海外のファンにも知られるようになって、ご本人にも他にやりたいことがあってその通過点として『刀剣乱舞-ONLINE-』が自身に与えた影響はありますか? そして『刀剣乱舞-ONLINE-』から離れた現在から未来のお話を聞かせてください。

竹下和広

花澤:凄まじい通過点ですね(笑)。自分自身の中で「刀剣乱舞 -ONLINE-」はすごく大きくて感謝してもしきれないです。今、AIが発達して人間の作業がどんどん減っていくはずなんです。

そして余った時間で何を楽しむかってことです。そんな環境の変化の中でエンターテインメントというジャンルが主となっていくという思いはますます強くなっています。

「刀剣乱舞 -ONLINE-」の経験でいうと、そのコンテンツで励まされている人がいっぱいいて、コンテンツの力の凄さを知りました。個人の思いはちょっと青臭いんですけど、地球上にいかにプラスの幸せを増やせるかを目指して頑張っていければと思っています。

『戦国RENKAズーム!』のプロデューサーとして

戦国RENKAズーム!

『戦国RENKAズーム!』より。戦国武将が生まれ変わった戦国"美″将による成長要素のあるアクションゲーム

竹下:現在、関わられている『戦国RENKAズーム!』についてうかがいたいのですが、『刀剣乱舞-ONLINE-』は女性向けですが『戦国RENKAズーム!』は男性がターゲットになっています。これはゲームをリリースした会社からの意向ですか?

花澤:はい。DMM GAMESでは男性向けのゲームのプロデュースも多かったので慣れています。プロデューサーとして男性の好む演出とかは日本の感性として盛り込んで、日本のゲームとして全然、変えています。3Dキャラクタも日本のユーザーにウケるように調整しました。

竹下:今回は海外のゲーム会社さんから一緒にやってほしいということで呼ばれたと思うのですが、このゲーム会社さんとはどういった経緯で知り合ったんでしょうか。

花澤:DMM GAMESの時に海外に行って海外の開発会社さんと一緒に開発したタイトルもありました。今回の開発を担当した会社とはその時は一緒に仕事はしなかったんですが、何社かお会いした中の1社で、お声がけいただきました。

竹下:リリースは9月でしたね。満足のいく準備ができてのスタートはできましたか?

花澤:プロデュースの条件の、予算とか時間とか開発チームの人数とかある中で、MAXに高められたとは思っています。何かしらの条件の中でMAXのポイントを見極めて到達するのがプロデューサーだと思います。

それともう一つの持論なんですが「プロデューサーはビジネスとアートやコンテンツを繋ぐ役」だと思っています。

気持ちがクリエイターに寄っちゃうと「もっといいものを」って思いが強くなっちゃいます。それはいいことなんですが、ビジネス担当として「なんでここにこんなにお金がかかるの?」とか「開発期間がそこまで延びると会社的に困る」とか、自社の他のタイトルとの兼ね合いとかも出てきます。プロデューサーはそこを取り持つ役割だと思っています。

なので、もちろんやり足りないことはいっぱいありますけど(笑)。
 

花澤雄太

しっかりした原案からゲームをはじめいろいろな方向に発展させたい

竹下:この作品は日本市場向けですけど、今後、世界に向けてゲームを制作されますか。
 
花澤:そうですね。『戦国RENKAズーム!』を手掛けつつ、世界市場というか少なくてもアジアを見て、ゲームは作って行きたいと思っています。

そのために私は世界で受け入れられるコンテンツを作りたいんです。コンテンツで人気が出て、そしてゲーム化するほうが順番としてはあっている気がします。コンテンツがしっかりしていれば、そのゲームが上手くいかなくても他のゲームを作ればいいと思っています。

スマホゲームで続編が売れたものって聞かないですよね。でも同じIP(知的財産権)で売れたスマホゲームはいくつかあるじゃないですか。いいゲームを作りたいという思いもあるのですが、どちらかというとコンテンツに力を入れて発展性をもたせていきたいなと思っています。
 
竹下:それでは今は『戦国RENKAズーム!』をプロデュースしつつ、次やその次に向けて準備も始めてるという感じですか。
 
花澤:いろんなクリエイターさんとお話をさせていただいております。企画というのはナマモノなので、実現できる時が今か後かはわからないんです。

だから実現できるチャンスがないか?といつもアンテナを張って、前向きにトライしていかないとそんなに企画は立ち上がらないです。

企画を形にして世に出していかないとプロデューサーってあまりいる意味がないと思っています。何かしら動いて失敗するのはしょうがないと思います。エンターテインメントコンテンツで必ず成功する人なんかいないですから。
 
竹下:IPに興味があるとおっしゃっていましたが、それでは今は次回作ではゲームというよりIPの企画を考えているんでしょうか。
 
花澤:そうですね。いきなりゲームじゃなくて、まず原案をしっかり作ろうとしています。原案は色々展開できるので、配信、舞台化、楽曲ライブなどにできる要素とか盛り込んだりと考えています。

ひょっとしたらコンテンツとしてはそんなに人気が出ないかもしれません。だけどそのコンテンツを使って作った仕組自体がうまくいったら今度はその仕組を使って他のコンテンツをお借りして仕掛けてみるとか、また新しいコンテンツを作るとか、全てをハブにしていく感じにしたいんです。
なにかの失敗が何かの成功に繋がればいいと考えています。そうしないと縮小することから守り続けるだけになってしまいます。

竹下:最後に花澤さんが考える市場の人たちにメッセージを送ってもらえますか。
 
花澤:メッセージというより自分は売り込みたいですね。(笑)
私は新しいスキームを作りたいです。

ストーリーやデザインや楽曲を作るクリエイターさんをつないで1つの盛り上がるような。ゲームコンテンツに限らず漫画だったりライブのようなものだったり、その全体的な仕組みを作るような感じです。

特に、オンラインでこういう仕組みを作れれば、そこに参画してくれる人が増えてその人達も発表の場が増えて、私は私であの仕組みを作った花澤なんだって言われて、また新しい人達と知り合えるかもしれない。そういうことをやっていきたいんです。
こういうお話を理解してくれる方たちとゲーム業界に限らずお話をしていきたいと思っています。
 
竹下:お話をうかがって分かったのは、花澤さんはクリエイティブなプロデューサーと言うよりも、クリエイターを売り込むビジネスプロデューサーだったんですね。
 
花澤:広報としてフロントにも立てるビジネスプロデューサーですね(笑)。種(たね)の段階でも結構ですので、お気軽にお声がけください!
 
竹下:本日はどうもありがとうございました。

花澤雄太氏プロデュース最新作『戦国RENKAズーム!』

戦国RENKA ズーム!

『戦国RENKA ズーム!』とは歴史上に名を馳せた戦国武将たちが「戦国”美”将」として生まれ変わり、軍師であるプレイヤーと共に、戦国の世を美しく闘い乱れ舞う、カ・イ・カ・ン胸熱バトルアクションゲーム! 

戦国”美”将には内田真礼、山崎はるか、阿澄佳奈を始めとした豪華声優陣を起用。図鑑モードでは彼女たちのあらゆる場所をズームして美しさを堪能できます。

彼女たちをアクション・声・ズームという3つの要素で楽しみましょう。
 
・タイトル 『戦国RENKA ズーム!』
・ジャンル 戦国胸熱アクション
・対応OS iOS、Android
・価格 基本プレイ無料/アイテム課金制
・配信元 Outstanding Cayenne Co., Ltd.
・開発元 So-Cayenne Co., Ltd.
・配信日 2020年9月15日(火)
・公式Twitter https://twitter.com/renka_zoom
・公式サイト http://renka.outstanding-cayenne.co.jp/
・コピーライト表記 (C)Outstanding Cayenne all rights reserved.
Licensed by funplex, Inc.
 
iOS版:https://apps.apple.com/jp/app/id1514051775
 
Android版:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ocgames.senasuka

ガメモ編集部
ライター

ガメモ編集部

ガメモの編集部が持ち回りで取材して記事書いています。

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