『みんなで空気読み。』シリーズや『G-MODEアーカイブス』などユニークなSwitchタイトルを多数手がける、ジー・モード取締役竹下功一氏の次の一手とは?

『みんなで空気読み。』シリーズや『G-MODEアーカイブス』などユニークなSwitchタイトルを多数手がける、ジー・モード取締役竹下功一氏の次の一手とは?

『みんなで空気読み。』シリーズや『G-MODEアーカイブス』などユニークなSwitchタイトルを多数手がける、ジー・モード取締役竹下功一氏の次の一手とは?

ハドソン時代よりいち早くモバイルゲーム市場に参入、現在はジー・モード取締役として『空気読み。』シリーズのコンシューマーや海外展開を手がけたのち、『G-MODE アーカイブス』を立ち上げたジー・モード竹下功一取締役に、長年のゲーム業界での経験や、ジー・モードでのこれからのチャレンジなどについて語っていただきました。(聞き手:コンフィデンス取締役 竹下和広)

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  1. 1ファミコン少年から映画青年を経て、ハドソンに入社!
  2. 2スマートフォンゲーム事業の立ち上げに参加! 札幌から東京へ
  3. 3女性向けゲームのプロジェクトマネージャーになって知ったこと…
  4. 4Nintendo Switch『みんなで空気読み。』が生まれたきっかけ
  5. 5iモード終了の発表が追い風に! G-MODEアーカイブスに込められた思い
  6. 5.1■竹下&バカタールのアフタートーク
竹下 功一氏

株式会社ジー・モード
取締役 竹下 功一


ハドソンで『北へ。』などの開発に携わったのち、新規事業としてモバイルゲームの世界へ。その後クルーズ、ギークスなどを経て、ジー・モードに入社。現在は取締役兼事業統括本部長を務める。『ぐんまのやぼう あなたもわたしもぐんまけん』、『鳥魂~みんなでチキン度診断~』、『みんなで空気読み。』、『G-MODE アーカイブス』シリーズなどを手がける。

竹下和広氏

株式会社コンフィデンス
取締役 竹下 和広


ゲーム業界黎明期のSNKに入社し、同社欧州事務所代表に就任。その後、サミー、アクレイム、イグニッション・エンターテイメント・リミテッドで海外での実績を重ね、2011年、スタジオマネージャーとして関わった『エルシャダイ』を発表。現在は、株式会社コンフィデンスでゲームのトータル・ソリューション事業に携わっている。

ファミコン少年から映画青年を経て、ハドソンに入社!

ジー・モード竹下(以下ジー・竹下)竹下・竹下ですね。(笑)

コンフィデンス竹下(以下コンフ竹下):今日はややこしいですね。

ジー・竹下:同姓の方はいますが、仕事で直接ご一緒するのは初めてですね。

コンフ竹下:竹下さんはジー・モードに入られる前もゲーム業界でお仕事をされていたと思うのですが、そのあたりから伺って、最終的にはジー・モードは今後どちらの方向に、どういうふうに向かっていくのか、というお話を伺えればと思っています。まずはジー・モードに入られる前、この業界に入られたきっかけを教えていただけますか? 

ジー・竹下きっかけは、大学を出た後、新卒でハドソンという会社に入ったことからです。私はまさにファミコン世代で、小学生とかの一番好奇心旺盛な頃にファミコンが発売されました。テレビに繋いだらすごくキレイな絵が出て、それが自分の操作で動く。衝撃的で「未来が来た!」って思いました。

ゲームに夢中になって、その後いろいろ興味も変わって、大学はいわゆる芸術系といいますか、映像とか映画の脚本とかやっていたのですが、就職だねって時期になって、ちょうどハドソンの会社の方が説明会にいらしたんですよ。ハドソンといえば高橋名人、コロコロコミック。シューティングを夢中でやっていた世代なので、プランナー枠をダメもとで受けてみたら、ありがたいことに入れていただけて。

最初は勤務地が札幌なので「遠いな… 大丈夫かな…」とためらいもありました。でも、せっかく子供の頃憧れだったハドソンに入れるんだから頑張ってみるか! と思い行くことにしました。

ジー・モード竹下氏対談

コンフ竹下:それは何年頃のお話ですか?

ジー・竹下1997年だと思います。ちょうど大変な年だったと思います。バブル崩壊、メインバンクだった北海道拓殖銀行が破綻、みたいな。

コンフ竹下:ああ、あの頃ですか…。

ジー・竹下内定もらった時はそんなことなかったのですが、4月札幌へ行ったら「キミたち大変な時に来ちゃったね」と言われました。(笑)

コンフ竹下:大変なタイミングに入って、その後はどうなりました?

ジー・竹下当時のハドソンは、コンシューマーの開発は札幌だったんです。最初は札幌で暮らしていけるかも不安でしたけど、せっかく憧れだったハドソンに入れたんだから3年は頑張ろう! …と思っていたら怒涛の日々で、気がつけばあっという間に10年経ってました。

コンフ竹下:大変な時も乗り越えて…。

ジー・竹下そうですね、怒涛の日々でした。当時はドリームキャストが出る前で、私が配属になったチームは広井王子さんと一緒に『天外魔境』とかを作ってきたチームでした。広井さんにもよくしていただいて。ドリームキャストの第一弾タイトル『北へ。』というタイトルが、自分が一番最初に携わったプロジェクトでした。

コンフ竹下:その当時はどのようなお仕事で参加されたのですか? 役職的には?

ジー・竹下最初はプランナーとして入社しましたので。プロジェクトにも、もう何もわからないペーペーでド新人のプランナーで入って。先輩に付いてゲームのプランニングとか仕様を覚えながらやっていました。ただ元々は大学で映画脚本の勉強とかもしていたので、いつかはシナリオをやりたいと。その後はシナリオでも何作か担当しました。ドリームキャストやPS2、ゲームボーイアドバンスの時代にコンシューマーの開発をずっとやっていました。

開発現場で10年くらいして「自分がつくりたいものをつくるには、プロデユーサーを目指したほうがいい」といったアドバイスをもらったり、もっと広い視点を持った方がいいと、当時の専務だった方からお声がけをいただき、新設の事業戦略室をやることになり、札幌から東京に転勤しました。

スマートフォンゲーム事業の立ち上げに参加! 札幌から東京へ

ジー・竹下その後、iPod Touchが出て、iPhoneが出て、ハドソンで新規参入することになって…。ちょっとそっち一緒にやってよと呼ばれてハドソンのスマートフォン事業の立ち上げに関わりました。当時は多くの人が「こんな物日本では絶対流行らない」とか言ってたと思います。でも当時私の上司だった、iモード事業を立上げからやられていた方がいて「これは絶対に来る!」と言って、多分ゲームメーカーで参入したのはハドソンが一番最初くらいだったんじゃないかな…。そのスマートフォン事業部で何本もリリースして。

面白いのが、その事業部の最後のほうにリリースしたiPhone向けゲームが『桃太郎電鉄JAPAN+』なんですけど、多くのアプリがOSのバージョンアップでストアから消えていく中、そのアプリだけはいまでもストアにあるんですよ。10年前ですよ、10年前のアプリがちゃんと動く。しかもそれが、いまでもランキング上位に上がってきたりするんです。最近はSwitchで桃鉄が出た影響かな?  TOP10に入ってきてますね。 

コンフ竹下:ちょっとすごいですね!ある意味、誇らしいですね。『エルシャダイ』も当時凄かったんですよ!

ジー・竹下『エルシャダイ』はついこの前トレンド入ってましたよね。すごいなあ、と。

コンフ竹下:入ってましたね! IPの力を心底感じますね。あ、そうそう思い起こせば来年の4月28日で10周年だ!

ジー・モード竹下氏対談

コンフ竹下:けっこう、いろいろと重要なポイントでハドソンさんでもお仕事をしているのですね。

ジー・竹下そうですね、ありがたいことに今思えば。スマートフォン事業の立ち上げもやったし、そのときに手掛けたもので、今も残っているものもあるのは嬉しいですね。

コンフ竹下:1997年から10年いらっしゃって、2007~8年?

ジー・竹下その時が札幌時代ですね。その後、東京に出て4~5年になって…。

コンフ竹下:元々が北海道の人ですか?

ジー・竹下いえ、出身は関西です。

コンフ竹下:僕と一緒ですね。

ジー・竹下そうなんですね! 私は兵庫県です。

コンフ竹下:オシャレなとこですね。僕は大阪の堺という南のほうです。

ジー・竹下いえ、オシャレかどうかは。(笑) 兵庫でも三田市ってとこで。東京で三田市っていっても通じないから、だいたい神戸のあたり、って言うようにしてます。(笑)「さんだ」って読むんですが、「みた、ですよね?」とか言われるという…。

それで東京勤務になってから4~5年して、コナミとの合併がありました。私もコナミに転籍して1年ちょっといました。

コンフ竹下:通算15年くらいですね。それはロングキャリアですね。僕のSNKみたいなものですね。

ジー・竹下そうですね。でも、入って最初の10年は、ほんとに記憶がないくらい、あっという間、いつの間にか経ってた感じですね…。

コンフ竹下:あー、同じですね。目の前の仕事をこなすのに大変で、毎月欧州出張に出てると1年があっという間に過ぎてるってやつですね…。

ジー・竹下そうだったんですね。コンシューマーでは開発期間も長ったので、ひとつプロジェクトが終わると燃え尽きて、しばらくは脱け殻みたいになって…。

コンフ竹下:ゲーム開発あるあるですね。で、その後はどうなったんですか?

ジー・竹下転籍後1年くらいしてから辞めて、どこか別の会社に行こうかなと。いまは移転してると思うんですが、当時六本木ヒルズにあったクルーズという会社に誘われて入って。そこで海外向けソーシャルゲームのディレクターをやっていました。またしても怒涛の日々でしたね。スマートフォン、ソーシャルゲームが非常に盛り上がっていた時代だったので。クルーズにいたのは2013年か2014年あたりだったでしょうか。

コンフ竹下:震災の時は…?

ジー・竹下2011年なのでまだハドソンでした。ミッドタウンタワーに入っていて、32階で、すごく揺れたんですね。免震構造だったこともあるのでしょうが、ビルがぐわんぐわん揺れました。

コンフ竹下:免震なのに揺れるんですか?

ジー・竹下免震の方が揺れるらしいんですよ。ビルが壊れないように。

コンフ竹下:僕らはあの時4階のビルだったのですが、ヤバかったですよ。

ジー・竹下32階は、立ってられないというのはこういうことなんだなと。会議室にいたんですが、凄かったです。揺れが収まったあとは警報は鳴るし、エレベーターは止まるし。「あっ、俺、ここで死ぬのかな」って思いましたね。

コンフ竹下:32階だと非常階段で降りることもできないでしょうね。

ジー・竹下でも、降りました。ミッドタウンは新しいビルだから、設備がしっかりしているのか、思いの外すんなりと降りられました。

ジー・モード竹下氏対談

コンフ竹下:ところで、クルーズさんには何年くらい在籍されたんですか? 

ジー・竹下1年弱くらいですかね? 

コンフ竹下:ハドソンにくらべると、短い期間だったんですね。

ジー・竹下私も、もうちょっとやりたかったんですけどね。当時担当してたチームのメンバーは、皆いい人たちで仲良くなってきたばかりだったし、けっこう頑張って売上も右肩上がりに回復できたりして。でも、独立して一緒にやろうよというお誘いがあって、そっちをやってみたいなと。

コンフ竹下:そちらというのは、どちらだったのですか?

ジー・竹下ハドソン時代の上司だった方が立ち上げられた会社です。そこに私も取締役として参加して、一緒に頑張ろうと。スマートフォン向けのアプリとか、3DSのダウンロードとか、そういうのを精力的にやっていました。たとえば、日本の個人クリエイターの方とかの作品を3DSのダウンロードに持って行ったりとか。その時の縁がいまもジー・モードで続いているんですけど。残念ながらその会社は4年くらいで閉じることになってしまいました。

女性向けゲームのプロジェクトマネージャーになって知ったこと…

コンフ竹下:で、その次にジー・モードへ?

ジー・竹下その次ではなく、もう一社行きました。こちらもお誘いをいただいて、渋谷にある「ギークス」という会社へ入りました。そこでは女性向けゲームのプロジェクトマネージャーをやりました。

コンフ竹下:今までやって来た事とは、全然方向性が違う感じがしますね。

ジー・竹下そうですね、女性向けゲームは始めてで。色々本当にわからなくて苦労しましたし、ご迷惑もおかけしました。けど、それまでにはなかった良い勉強をさせてもらいました。このお陰でちょっとは女性向けゲームのことにも詳しくなれたと思います。

コンフ竹下:そこで女性ものをいろいろやられて、新しい感覚とか、次に繋がる「何か」を得られたわけですか?

ジー・竹下まったく知らなかった世界とか、知らなかった言葉とか覚えました。例えば「祭壇」は推しのグッズを祭壇みたいにずらっと並べてるとか。「イタバ」は痛いバッグの略らしいんですが、推しの缶バッジをズラッと付けてるバッグのことだったり。そういった世界に触れたこともなかったので新鮮な経験でした。

コンフ竹下:ギークスさんにはどのくらいいらっしゃったのですか?

ジー・竹下2年弱だったと思います。

コンフ竹下:そして、その後がジー・モードさんですか?

ジー・竹下はい。そうなんですけど、先程話した独立した会社で4年間やって、最後閉じる時はいろいろあって大変で…。けっこう心身ともに疲れ切った状態のままだったので、ちょっと休みたいなと思ってました。それで少しの間休みをとってて。そんな中でお誘いをいただいたのがジー・モードでした。当時ジー・モード社長を兼務されていた、マーベラス副社長の青木さんにお声がけをいただいて。

コンフ竹下:青木さんとはどういう接点なんですか?

ジー・竹下マーベラスには元ハドソンの人が何人かいたんですが、その人たちからの紹介です。ありがたいことに「竹下さん、お久しぶりです!」「今度、ご飯行きましょうよ!」と言う話から青木さんをご紹介いただいて。

コンフ竹下:ずいぶん今の状況に近づいて来ましたね

ジー・竹下そうですね。で、青木さんにお会いしたら、ちょうどジー・モードの社長をやられることになったタイミングで「ジー・モードへどうか?」と。お話を聞いていると、ジー・モードはマーベラスのグループ会社なのですが、その中でもカジュアルゲームをメインにやっているということで、自分がやりたかったこととも重なったので、入社を決めました。

コンフ竹下:その時から取締役としてご活躍されていたのですよね?

ジー・竹下いえ、最初は社員として入りました。入社が2018年3月で、その後しばらくして、たしか2018年8月取締役に就任しました。入る時から、せっかくやらせてもらうなら、全面的に責任ある立場でやらせて欲しいともお願いしていましたので。

Nintendo Switch『みんなで空気読み。』が生まれたきっかけ

ジー・竹下私が入社した時は、それまでやっていた新規事業があまりうまくいってなかったそうで、「何か新しい事をはじめて欲しい」と言われていました。しかし結果が出るまであまり時間もかけられないし、大きな予算もかけられないと。そんな前提条件の中で何をやるか、やれるか? と考えたうちの一つが、Nintendo Switchのダウンロードゲームでした。

前職で3DSダウンロードで任天堂さんのプラットフォームでやってた経験があり、ある程度感覚やお作法なども分かっていたので、そっちで挑戦してみようと。

そしてジー・モードのタイトルの中からSwitchに持っていったらよさそうなタイトルは何だろうと、リストを見たり、人に聞いたりして。そこから最初の3つ選んだのが『空気読み。』と『鳥魂(とりだま)』と『バーガータイム』でした。まずはこの3本をSwitchに持って行ってみようと。私が3月に入ってから2ヶ月後の5月には『空気読み。』のSwitch化プロジェクトを始めました。

みんなで空気読み。

みんなで空気読み。

鳥魂 ~みんなでチキン度診断~
 

鳥魂 ~みんなでチキン度診断~

バーガータイムパーティー

バーガータイムパーティー

コンフ竹下:『空気読み。』って、そこからはじまったんですか?

ジー・竹下Switchはそうですが、『空気読み。』自体はかなり前からあり、ジー・モードでも人気のコンテンツでした。

コンフ竹下:あっ、Switch版なんですね。その前に『空気読み。』というのは存在していたと。

ジー・竹下はい、そうです。フィーチャーフォンでも人気でした。一番最初のものは10年くらい前にリリースされたはずです。

コンフ竹下:どなたが作られたのですか? 

ジー・竹下オリジナルの『空気読み。』を作られた方は、今はもうジー・モードにはいらっしゃらない方です。素晴らしい財産を残してくださったと大変感謝しています。Switch版の『みんなで空気読み。』はスマートフォンでunityのバージョンがあったので、それをベースにしつつ、2人であそぶモード追加や問題をアレンジして、Switchに移植してもらったんですね。

8月末にリリースしたので、実質3ヵ月くらいが開発期間でした。優秀なエンジニア陣がいたおかげでこのスピードでリリースができました。で、リリースしてみて「どうだろう… どのくらい行くのかな…」と不安に思いながらダウンロード状況を見ていたら、「あれ、けっこう出てるな?」「ランキングに入ってきちゃったぞ!?」と。

コンフ竹下:素晴らしい!!

ジー・竹下ありがとうございます。タイミングや運もよかったと思います。担当のディレクターと、「ほんとにやってよかったね」と話しています。もしこれもダメだったらどうしよう… 次なにやればいいんだと思ってましたので。

『空気読み。』って、認知の下地があったんですね。いまの30代とかの人たちが、昔のフィーチャーフォン時代にやってたり、広告でみていたり。だから今YouTubeでゲーム実況やってる人たちも「昔、やってたやつだ!」「知ってる!」という感じで、実況とかで取り上げてくれて、広がっていったんだと思います。

▼みんなの「みんなで空気読み。」プレイ動画

みんなの「みんなで空気読み。」プレイ動画



ジー・竹下Switch『みんなで空気読み。』のおかげで、なんとか1年目で小規模ですがひとつ成功といえるもの出すことができて。さあ次2年目何をやるかと…。2年目に『みんなで空気読み。2~令和~』というシリーズ続編もリリースしたのですが、同時に1作目を、試しに海外にも出してみようと考え、リリースしました。

みんなで空気読み。2 ~令和~

みんなで空気読み。2 ~令和~

コンフ竹下:もしかしてローカライズ版もあるとか?

ジー・竹下はい、あります。最初は試しに出してみようという感じで、果たして海外で通じるのかな? 売れるのかな? と思ったのですが…。

コンフ竹下:で、海外での反応はどうでした?

ジー・竹下それが意外なほど売れて。「ちゃんとわかってやってくれてるのかな?」とも思ったのですが、外国の人も実況動画をあげてて「あ、ちゃんと通じてるんだ!」と。

コンフ竹下:すみません、勉強不足で…。逆に、この現象日本人にとっても新鮮ですね!

ジー・竹下はい、私達も驚きました。売れてくれてありがたいのと、海外にも通じるんだとわかり、シリーズ2作目も翻訳をしてリリースしました。さらにSwitchだけではなく、PS4/Steamと横展開もしました。日本だけでリリースしていた時より、海外も出したことでさらにダウンロード数・売上も積み上げになり、本当に助かりました。

みんなで空気読み。 - G-MODE 
(※Steam、PS4版)
みんなで空気読み。2 ~令和~ - G-MODE
(※Steam、PS4版)

ジー・竹下そんな感じで『みんなで空気読み。』のシリーズ2作、海外、マルチプラットフォーム展開はうまくいったものの…と、またこの繰り返しですが。(笑)

「さあこの次は何をやる?」と。 新作1本をつくるには、どうしても時間もかかり、出せて年1~2本。とはいえ次の1年、それだけにかけて外れたらどうするか? 『空気読み。』の『3』だけでいいのか… と悩んで。「もっと早く大量に、ジー・モードの、コンシューマダウンロードの商品を増やすことはできないだろうか?」と考えていた中で、過去のフィーチャーフォンタイトルをそのまま復刻してリリースする『G-MODEアーカイブス』シリーズのことを思いつきました。

G-MODEアーカイブス - G-MODE
 

G-MODEアーカイブス - G-MODE

コンフ竹下:アーカイブスという言い回しは、その時に決めたのですか? ナイスですね!

ジー・竹下『G-MODEアーカイブス』という名前は、逆にそういったものであることに意義を持たせようということで、ある程度実現の目処が立ってから決めました。

じつは私が入社してからずっと、ユーザーさんから「過去のジー・モード作品の復活希望」のメールをよくみていて…何とかしたい、応えたいと思っていました。

とはいえリメイクや、一本一本移植していてはコストもあわなく実現は難しい…と。しかしある時に基盤となる移植のエンジンをつくって、「早く大量に」リリースできないだろうか?「あえて何も変えていない」ことがむしろコンセプトである「アーカイブス」という一連のプロジェクトにしたらどうだろう?  と考えました。

iモード終了の発表が追い風に! G-MODEアーカイブスに込められた思い

ジー・竹下また、ちょうどこのタイミングにも意義がありました。ドコモさんから「iモードが終了する」という発表があったんです。iモード、フィーチャーフォンが消えてしまう前に、ジー・モードだからこそ、こういうことに取り組むべきなんじゃないかと…。

ジー・モードは、フィーチャーフォン、iモードと共に生まれ育った会社です。フィーチャーフォン、iモードはジー・モードのDNAの原点だと思っています。なので我々がフィーチャーフォンゲームを後世に残すための旗振り役になる、ジー・モードがやるべき理由、むしろ使命があるんじゃないかと。このプロジェクトをスタートして、これまでは自社の、ジー・モードが過去配信していたものを復刻させてきましたが、今後は自社以外のタイトルも復刻させていきたいと考えています。

コンフ竹下:他社さんがやってたやつ?

ジー・竹下はい。iモードではいろんな会社さんが、さまざまなタイトルをリリースしていたと思います。今では記録も残っていない、失われていっていますが…。そこも自社他社問わず、ユーザーさんからのリクエストなどを参考に、当たっていこうとしています。

コンフ竹下:いま何本くらいでているのですか?

ジー・竹下25本ですね。 (※注:12/11時点)

コンフ竹下:今後のご予定は?

ジー・竹下最終的には…そうですね、2年後には、200本くらい出していたいと思っています。

コンフ竹下:けっこう出てくるんですね〜。楽しみです!

ジー・竹下ありがとうございます。このスピードでリリース可能なのも、当社エンジニアのお陰です。Javaのことを知り尽くしたエンジニアがいて、このスピードで移植を可能にする基盤をつくってくれました。それがなければ開発コストもまったく見合わなかったと思います。

ジー・モード竹下氏対談

コンフ竹下:ビジネス的に想定通りですか?

ジー・竹下正直言うと期待値にはまだ届いていません。しかしこれをやっていなかったら、『みんなで空気読み。』のダウンロード数だけでは足りていなかったです。ダウンロードタイトルは細く長く売れてくれるので、今後のリピートで貢献してくれるものと考えています。

コンフ竹下:こちらはワールドワイド対応ですか?

ジー・竹下残念ながら、当時のiモードなので日本向けなんです。ただ、ゲームの中には日本語がほとんどないやつとかもあるので、そういったタイトルは海外にも出そうとしています。

コンフ竹下:なるほど、今後の見通しはいかがですか?

ジー・竹下ジー・モード自社作品以外のタイトルも、リリースしていこうとしていますが、他社さんのタイトルでリクエストが多かったものをすでにいくつか相談させてもらってて、おそらく近々発表もできると思います。より効率化した開発体制とセットでこの取組を継続できればと考えています。

コンフ竹下:1本って500円くらいですか?

ジー・竹下はい。すべてのタイトルを一律500円にしています。

コンフ竹下:お手頃ですね。10本買ってコンシューマーのソフト1本分ですね。遊びやすくていいですね。

ジー・竹下ありがとうございます!これを読んでいただいている方も、ぜひ「買って応援」してもらえるとうれしいです。継続していければ、ちょっと驚かれるようなものも、リクエストに応えてリリースしていけるんじゃないかと思っていますので。

コンフ竹下:楽しみですね! その他には何か仕込んでいる案件とかあるのですか?

ジー・竹下はい。これまでNintendo Switchへの参入、『みんなで空気読み。』シリーズ、そして『G-MODEアーカイブス』プロジェクトと手掛けてきましたが、次の新しいことも仕込みはじめています。

コンフ竹下:お、いいですね! プラットフォームは何ですか? 

ジー・竹下まだ、おおやけに話せる段階ではないのですが、次は完全に新規のモノもやろうとしています。自分としては、いよいよ、ようやく… といった気持ちもあります。

ジー・モードへ入った際に言われた「何か新しいことをはじめて欲しい」という私のミッションですが、たしかにSwitchへの参入や、『空気読み。』のコンシューマ化、G-MODEアーカイブス、といった、「事業」として、「取組み」としては新しいことをはじめましたが、まだ「新しいもの」は生み出せていないんです。そこにちょっと引け目もあったのですが、この2年かけてようやく、新しいチャレンジもできる下地ができた、スタートラインに立てたと思っています。これも早く発表できる日を楽しみにしています。

コンフ竹下:コロナ禍でライフスタイルも仕事のやり方も遊びも含めて大きく変わろうとして来ている中で、今までとは違うやり方で商機を見つけていくことは重要ですが、チャンスと捉えてもよいですよね?

ジー・竹下はい。今は世界的に大変な状況ですが、そんな中でも、ゲームやエンターテインメントが、我々ジー・モードが役に立てることもきっとあると思っています。私がジー・モードに入ってから、今後のジー・モードはどうあるべきか?  と言うことも沢山議論しました。そんな中で我々ジー・モードの軸は「カジュアル・ユニーク」であること。そしてミッションは「カジュアル・エンターテインメントで世界中に笑顔を届ける」ことと考えております。当社のロゴマークのスマイルのような。『みんなで空気読み。』をはじめとした当社のコンテンツで、少しでも多くの人が笑顔になってくれたらと考えております。

コンフ竹下:ジー・モードに入る前からずっと、今に至るまでを伺いましたけど、竹下さんの軌跡が私の中でストーリーとして完結しました!

ジー・竹下ありがとうございます! 

コンフ竹下:本日はいろいろ興味深いお話を伺えました。最後に、2021年に向けての抱負をいただければ幸いです。

ジー・竹下2021年も、ジー・モードは皆さんに楽しんでもらえる、笑顔になってもらえるコンテンツを送り出していきます! 『みんなで空気読み。』シリーズ、『G-MODEアーカイブス』をはじめ、ぜひ応援してもらえるとうれしいです。当社の最新情報は、公式Twitterで精力的に発信していますので、ぜひフォローもお願いいたします!

G-MODE ジー・モード【公式】 (@GmodePR) / Twitter

G-MODE ジー・モード【公式】 (@GmodePR)

コンフ竹下:コンフィデンスもジー・モードさんの事業の脇役として寄り添い、お役に立てることを考えていきたいと思います。本日はありがとうございました! 

ジー・モード竹下氏対談

■竹下&バカタールのアフタートーク

加藤:今回は、ダブル竹下だったので、そこをどう表記しようか、っていう問題がありました。
竹下:結局、ジー・竹下とコンフ竹下ってことにしましたが…。
加藤:不思議なことに、お二人ともバンドをやってたり、共通点が多かったですよね。
竹下:自分はドラムですが、ジー・竹下さんはギターをやってらっしゃるんです。
加藤:ゲーム業界は、音楽好き多いですね。バンドやってる人もけっこういますよね。
竹下:やっぱり、エンタメ好きってことですかね!
加藤:そういえば、ミュージシャンにもゲーム好きが多いイメージ、ありますね。
竹下:かつては音楽レーベルがこぞってゲームに参入もしてましたしね。
加藤:っていうか、アフタートークって、こんな話でよかったでしたっけ? 
竹下:たまには息抜きで〜。

竹下&バカタールのアフタートーク
ガメモ編集部
ライター

ガメモ編集部

ガメモの編集部が持ち回りで取材して記事書いています。

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