「社会貢献」がテーマのWeb3ゲーム Play to Earnは日常の『見方』を変える|Growth Rings Project

「社会貢献」がテーマのWeb3ゲーム Play to Earnは日常の『見方』を変える|Growth Rings Project

「社会貢献」がテーマのWeb3ゲーム Play to Earnは日常の『見方』を変える|Growth Rings Project

2023年3月にMOUを締結しているDEA社とGGG社は、今回新たに東京電力パワーグリッド株式会社をパートナーに迎え、「電力アセット」を活用した参加型社会貢献ゲームの開発に着手しました。このゲームは2024年初頭に日本国内での試験運用開始を目指しています。本記事では、7月末に行われたDEA社とGGG社の共同記者会見の内容を踏まえ、取り組みの背景や開発を行う社会貢献ゲームの内容などについて執筆してまいります。

コンテンツ [表示]

  1. 1DEA 山田耕三 様 (Founder & Co-CEO)
  2. 2GGG 鬼頭和希 様(Innovation Manager)
  3. 3新プロジェクト「Growth Rings Project」とは?
  4. 4「気づいたら社会貢献している」ゲームの仕組み
  5. 5Web3がゲーム自体の行動変容の力を倍増させる
  6. 6なぜ社会課題解決にWeb3ソリューションを活用するのか
  7. 7ゲームが世界の見方を変える

DEA 山田耕三 様 (Founder & Co-CEO)

東京大学法学部卒業後、2002年にテレビ東京入社。

2018年に独立し、エンターテインメント全般のプロデュースを手がける。

同年、シンガポールにてDigital Entertainment Asset Pte.Ltd.創業。

GameFiプラットフォーム「PlayMining」を運営。2022年1月には、「DEAPcoin(DEP)」を日本初上場へと導く。

GGG 鬼頭和希 様(Innovation Manager)

2009年 TEPCO PG入社。主に東南アジアにおける海外コンサルティング、MA等を担当する。

その後、国際協力機構(JICA)にてODA案件開発に従事した後、Greenway Grid Global Pte.Ltd.のInnovation Managerを務める。

日本のインフラをWeb3でdemocratizationし、社会課題を解決し続ける未来を目指す。

新プロジェクト「Growth Rings Project」とは?

※記者会見の写真

鬼頭様(以下、鬼頭と表記)「まずは、私から今回のプロジェクトの大枠について説明させていただきます。今回のプロジェクトは『Growth Rings Project』と名前をつけさせていただきました。」

鬼頭「Growth Ringsとは木の年輪のことで、いたずらに早い成長を追い求めるのでは決してなくて、継続するように、年輪を一輪一輪刻むように、そんなプロジェクトにしたいと思いこのプロジェクト名を付けさせていただきました。」

鬼頭「皆様ご存知の通り、このWeb3業界は移り変わりが非常に激しい。様々なプレイヤーがこの業界に参入しては、売り抜けて出ていってしまう。そのような事例がまだまだあるのが、このWeb3業界の実情であると感じてます。」

鬼頭「我々が目指すところは、決してそこではありません。このプロジェクトに関わる全ての方、その地域の方々全てが幸せになれるようなプロジェクトにいたします。」

鬼頭「そしてその結果、社会環境にも貢献できる。そのようなことを成長として私は定義して、このプロジェクトを進めていくという決意で、本日語らせていただいております。」

「気づいたら社会貢献している」ゲームの仕組み

鬼頭「東京電力PGの管内には、約600万本の電柱と、4万5000基の鉄塔が立っています。」

鬼頭「その電柱というのは、広告を貼ったりという活用は多少あったりもするのですが、基本的には電気を送るためのものでしかありません。皆様が生活する上で邪魔なものですら、今まではあったのだなと思っております。」

鬼頭「今回我々が目指すゲームというのは、この電力アセット、電柱なり鉄塔なりにもう1個新たな価値を付け加えて、そしてWeb3という新しい技術を掛け合わせた社会貢献ゲームです。」

鬼頭「今回はそれをフックにして、さらに日本のインフラの仕組みを変えていくようなことを目指していきたいと思っております。」

※記者会見投影資料より抜粋

鬼頭「プレイヤーの皆様は、ゲームで楽しみながらも、報酬を得ることができます。ですが、ゲームをプレイしていると、結果として気づいたら社会貢献をしている。そういう動線作りを進めていきたいと思っています。」

鬼頭「検討中ではありますが、例えば電柱などの電力アセットの不備をゲーム内で報告できるようにすることも考えております。設備の老朽化や電線へ異物が絡まっていたりなどの『異常』は、本来、電力会社の担当者が多くの労力をかけて一つ一つ点検をしています。」

鬼頭「このプロセスに何か問題があると、停電などの電力の異常が発生してしまいます。地域の電力供給を維持するためには、非常に重要なプロセスです。」

鬼頭「逆に言えば、こういった『老朽化を報告する』というプロセスをゲームに組み込むことで、プレイヤーは間接的に健全な地域の電力供給に貢献できる。こういった、地域貢献、社会貢献が達成できるようなタイトルを目指しています。」

鬼頭「来年(2024年)の頭には、PlayMiningのプラットフォームでそれがリリースできるように、今まさに検討を進めているところです。ぜひ皆様、ご期待いただければと思っております。」

※記者会見投影資料より

Web3がゲーム自体の行動変容の力を倍増させる

※記者会見投影資料より

山田様(以下、山田と表記)「私からは、本取り組みにWeb3や『Play to Earn』を使うメリットについてお伝えしていきます。そもそも、Web3が登場する以前からゲーミフィケーションというものは研究され、その効果というのは非常に(すごいものだと)言われております。」

山田「では、具体的に、ゲームの中では何が起きているのか?まず、ゲームには目的ないしはクリアするべき課題が明確にあることが多いです。バトルゲームならバトルに勝つこと、パズルゲームならパズルをクリアすることが、当然ながら目的としてあります。」

山田「そして、ゲームをプレイしていく中で、『ゲームの勝敗』という非常に明確なフィードバックと、それに対するインセンティブが与えられます。RPGで敵のモンスターを倒したら、ゲーム内の通貨が手に入るようなイメージです。」

山田「目標・フィードバック・インセンティブ。ありとあらゆるゲームというのは、こういった形で人々の行動を変容させるための素晴らしい仕組みです。そこに、我々はWeb3的なトークンインセンティブの仕組みとして『Play to Earn』を活用していきます。」

山田エンターテイメントの世界では、実は『食わず嫌い』ということが問題になっています。つまり、『自分の好きなエンタメしか摂取しない』ということです。インターネットの発達によって人々は急速にリターゲットされて、自分の好みのものだけを消費する世界になっています。」

山田「そういった世界に対して『お金』というのは、まさに全人類に通用する共通言語として訴求することができるという形です。このPlay to Earnというのは、自分の好み以外のコンテンツに触れるために非常に有効です。」

山田「もう一つ、普通のゲームにはない体験価値というものが実は得られることが、3年間このサービスをやってきてよくわかってきました。ゲームを通じて、実際の社会課題が解決するんだという手応えです。」

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山田「今回のゲームを通して見ると、ひびが入っていた電柱を自分が見つけたことにより、それが修復されて直る。自分の行動が、ちょっとだけ地域の役に立つ。」

山田「そういった達成感のような、普通のゲームからは得られないものが得られるということがあります。」

山田「やはり人の行動変容というキーワードは非常に大事なことであり、そこに対してソリューションを出すということは本当にWeb3の仕事だろうなと思いました。」

なぜ社会課題解決にWeb3ソリューションを活用するのか

※記者会見投影資料より

山田「皆様も疑問に思われると思うのですが、Web3ソリューション、つまり仮想通貨やNFTというものがなぜ必要なのかというところです。」

山田「このゲームやインセンティブというキーワード自体は、実はWeb3ソリューションを使用しなくても実現は可能です。お金をそのまま配ればいいし、エネルギーを使わず、データベースのようなシステムで同じようなことができます。」

山田「しかし、我々が解決しないといけない課題というのは、基本的には世界で繋がっているのです。」

山田「一気に世界を変えたい・解決したいという思いももちろんありますし、実はそれぞれの課題を解決するときに、キーワードとして『クロスボーダー』、それから『マイクロである』ということが非常に重要になってきます。」

山田「ご存知のように、仮想通貨の世界では基本的にあまり国境の概念がありません。我々が既にローンチしているPlay to Earnゲームでも、多くの日本の方がフィリピンの方をゲーム内で雇用して給料を払っていたり、そういうことをもう実現しています。」

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Web3時代のゲーム「ブロックチェーンゲーム」は、強固なコミュニティを形成するのが特徴の一つであると言えます。 Discordサーバーに集うゲームプレイヤーたちは、ゲームの情報を交換し合い、時には同じゲームを楽しむ仲間として雑談し、時にはNFTの貸し借りをする関係も生まれます。 「ゲームギルド」と呼ばれるゲームのNFTの貸し借りを仲介するような団体も誕生するほど、ブロックチェーンゲームとコミュニティは重要な関係性があります。 一方で「Web2時代のゲーム、ソーシャルゲームも、ゲームの中にコミュニティ機能があるし、ゲームの外でもDiscord等を通じて熱烈なファンがいる。Web2時代から、変わらずコミュニティはあった」という考えもあります。 しかしながら、Web3ゲームはWeb2ゲームには無かった「実生活に関わるお金が手に入る」という要素を持っており、これがWeb2ゲームのコミュニティとの大きな差別化ポイントとなります。 今回は『エンジョイ勢の生存戦略』という、初心者向けのオープンコミュニティを運営する『JobTribes』のプレイヤーの皆様にお話を伺い、そこに見いだされたモチベーションについて執筆させていただきました。

山田「そういった形で課題をグローバルにし、最初からクロスボーダーにしていく。そして、マイクロに(少額だが高頻度の)報酬体系を作ることで、滑らかに人々の行動というものを評価してモチベートしていく。」

山田「そのためには、Web3ソリューションというものが必ず必要になってきます。グローバルな課題の解決には、ブロックチェーンは非常に相性が良いのです。」

山田「今回の取り組みは、まずは日本の電力をターゲットに行います。ですが、いずれはそういったことも視野に入れていきたいと考えております。」

ゲームが世界の見方を変える

※記者会見投影資料より

――既存のものの見方を変えるという考え方は、まさに開発中のゲームに顕著に表れていますね。

山田「Web3というと、非常に珍奇で新しいものが生み出されるようなイメージを皆様お持ちだと思うのです。」

山田「ですが、実はそうではなく、皆が見ている世界をそのまま、手を入れずに見方を変える、そのようなことをするのがWeb3の仕組みだと思います。」

山田「このゲームが始動することによって、今までは何気ない風景の一部であった電柱が、途端に価値を帯びてくる。ユーザーの皆様はおそらく街中で電柱を見つけると嬉しくなるし、まるで宝物を見つけたような気持ちになると思います。」

山田「今回のゲームは『電柱を愛でる』というのが一つキーワードです。自分が愛でている電柱にひびが入っていたら、東京電力さんに連絡したくなりますし、広告枠が空いてたら、それを活用したらいいのではないかと自分の電柱に関しては思うのではないでしょうか。」

山田「そんな、新しい取り組みを日本で進めてまいりますので、引き続きご注視いただけましたら幸いです。」

――今回はありがとうございました。『行動変容』と『社会貢献』にフォーカスした新しいWeb3ゲームのリリースが楽しみです。

紺アヤメ
ライター

紺アヤメ

2017年頃の仮想通貨バブル期より、ブロックチェーンや仮想通貨に関わってきました。 2021年頃からNFT・Web3に興味を持ち、情報収集を続けています。 私自身、新しいトレンドに興味津々なので、より多くの方にも新しい発見と喜びをお届けできるよう頑張ります。 好きなものはパンダと映画、得意なことはデザインやイラストです。爬虫類とハムスターと暮らしています。

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