海外で導入が進むクリエイターエコノミー! ゲーム業界のあり方が変わる?

海外で導入が進むクリエイターエコノミー! ゲーム業界のあり方が変わる?

海外で導入が進むクリエイターエコノミー! ゲーム業界のあり方が変わる?

近年、ゲーム業界の戦略は多様化しています。
その中でも、特にアメリカで導入が進んでいるのが、クリエイターエコノミーです。

一般のクリエイターが収益化できるクリエイターエコノミーは、企業にとっても大きなメリットがあります。
本記事では、クリエイターエコノミ―とは何か、ゲーム業界でどのように導入されているのか、そしてなぜ注目されているのかを解説します。

コンテンツ [表示]

  1. 1ゲームの世界で導入が進むクリエイターエコノミー
  2. 2クリエイターエコノミーとは何?
  3. 3ゲームにおけるクリエイターエコノミー導入の経緯は?
  4. 3.1クリエイターエコノミー以前の流れ
  5. 3.2クリエイターエコノミー導入の具体例
  6. 4なぜクリエイターエコノミーは注目されている?
  7. 4.1ゲーム制作や販売のハードルが下がっている
  8. 4.2ゲーム内コンテンツを増加させ、プレイ時間を増やせる
  9. 5まとめ


ゲーム内のコンテンツを制作するハードルは、以前よりも格段に低くなっています。技術が発展したことはもちろん、一部のゲーム開発企業も、積極的にゲーム制作を助ける姿勢を打ち出していることが要因です。こうした動きは、「ゲーム開発の民主化」と呼ばれ、クリエイターエコノミー活性化の一因となっています。

前述した「Roblox」は、まさにゲーム制作へのハードルを下げる取り組みの一つと言えます。「Roblox」はゲームプログラミングの知識がなくてもゲームが作れることが特徴で、ゲーム制作への入門として教育分野でも使われています。

また、作ったゲームを公開することも容易で、面倒なステップを踏むことなく、ゲームの製作から公開までを一つのプラットフォーム内で完結させることができます。それによって、ゲーム制作の経験がなくても、ゲームを販売するフェーズまでスムーズにいくことができます。
 

unityのイメージ画像

microsoft紹介ページ(https://dotnet.microsoft.com/en-us/apps/games/unity)より引用


「Unity」や「Unreal Engine」といったゲームエンジンの人気が高まっていることも、ゲーム開発への障壁を低くしている要因です。これらのゲームエンジンは以前から使用されていましたが、近年さらに注目が集まっています。

去年、「Unity」と「Unreal Engine」双方が最新版のアップデートを発表すると、どちらも史上もっとも早いペースでダウンロード数が増加しました。近年はそれらのゲームエンジンの取り扱いに関するチュートリアルも充実し、クリエイターがゲーム開発に参入しやすくなっています。

こうしたソフトウェアが基本無償で提供されていることも、クリエイター人口増加の要因の一つと言えます。高品質のゲーム制作用ツールが無償で使用でき、チュートリアルも豊富であることが、コンテンツ制作のハードルを下げています。
 


生成AIの発展も、ゲーム制作を助ける一つの要因です。「Unity」が2023年に発表した、生成AI機能の「Unity Muse」はその一例です。
 


「Unity Muse」はコードや2Dテクスチャなどをプロンプト(テキストによる命令)で生成できる生成AIです。このAIはキャラクターのモーションもプロンプトによって作れることが特徴で、労力や専門的な知識が必要だった分野を、比較的簡単に制作できるポテンシャルがあります。

結論として、いまだにゲームコンテンツの制作には特殊なスキルが必要であることには変わりありませんが、技術の進歩や一部企業の助けによって、コンテンツ制作が格段に簡単になっていることは間違いありません。

多くの人がクリエイターとして経済圏に参加できる状況にあることが、クリエイターエコノミー導入の一因になっています。
 

ゲーム内コンテンツを増加させ、プレイ時間を増やせる

ゲームをする子供たち


企業側にも「クリエイターエコノミー」導入のメリットがあります。「クリエイターエコノミー」を導入し、ゲーム内コンテンツを増やすことで、プレイヤーのゲームプレイ時間を多く確保することができます。

従来は、ゲーム内で楽しめるコンテンツの量は限られており、プレイヤーが一つのゲームに割く時間は限られていました。DLCなどで追加コンテンツを販売することは一つの解決策ですが、制作側のリソースによって、提供できる体験の量が限定されていることには変わりありません。

しかし、一般のクリエイターがゲーム内のコンテンツを制作する仕組みを作れば、ゲーム内のコンテンツが、クリエイターによって日々制作されていきます。こうしたユーザーによって製作されるコンテンツは、UGC(User Generated Contents)と呼ばれ、ゲームへのエンゲージメントを増やす手段として注目されています。
 


Webメディア「Adweek」に掲載された記事は、世界で人気のゲームの大部分が、「プレイヤーベースの創造性によって支えられている」と主張しています。例として、「Fortnite」で提供されているゲームのうち50%が、プレイヤーによって制作されたマップであることを挙げ、次のように述べました。

(UGCの)成長の主な要因は、ゲームがエコシステム全体に利益をもたらすUGCの変曲点に達したことである。ゲーマーはより多くのコンテンツを得ることができ、ゲーム内クリエイターは自分の創作物で生計を立てることができ、広告主はゲーマーと信頼できる誠実な関係を築く新たな機会を得ることができる。
 

筆者翻訳

 

このように、「クリエイターエコノミー」を導入することで、ゲーム内コンテンツを充実させられるメリットがあります。「クリエイターエコノミー」導入は企業、クリエイター、ゲーマーいずれにもメリットがあるのです。
 


 

まとめ

 

「クリエイターエコノミー」は個人のクリエイターが参入でき、プラットフォームを運営する側の企業も利益を得ることができます。

主にIT企業から注目を集める「クリエイターエコノミー」ですが、ゲーム業界にもそのための下地はもともとありました。すでに「クリエイターエコノミー」を導入し、成功している企業もあります。

コンテンツ制作が容易になり、ゲームへのエンゲージメントを高められる「クリエイターエコノミー」は、クリエイターと企業双方にメリットがあり、導入が進んでいます。

ゲーム業界の構造を変革しうる「クリエイターエコノミー」の、今後の展開に注目です。


 

neru
ライター

neru

大学生時代に英文学を専攻していたライターです。学生時代からゲームやVtuberといった領域に興味を持っており、情報収集をしてきました。現在は英語のスキルを活かしつつ、英語×エンタメ最新領域を掛け合わせたリサーチ活動や、記事執筆を行っています。好きなものはラーメン、サッカー観戦、音楽鑑賞。

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