絵が描けなくてもOK!ゲーム企画書用画像の作り方と最適化ガイド
本記事では、ゲーム企画書に画像を使うことの重要性と、その画像を用意・加工する手段を詳しく解説します。
多くの手段があるため、絵が描けない方でも心配無用です。
それぞれの手段を詳しく理解し、最適な画像を作成することで、企画書の質をレベルアップさせましょう。
コンテンツ [表示]
- 1ゲーム企画書は「画像」が重要
- 2ゲーム企画書に使う画像のポイント
- 2.1企画のイメージに合った画像を使う
- 2.2画像の著作権に留意する
- 2.3適切に加工する
- 3ゲーム企画書に使う画像を用意する手段
- 3.1フリー素材の使用
- 3.2イラスト制作サービス
- 3.33DCG作成ツールを活用する
- 3.4「Canva」を活用する
- 3.5画像生成AIを活用する
- 3.6Google WorkspaceやMicrosoft 365の活用
- 4ゲーム企画書に使う画像の加工に役立つツール
- 4.1Photoshop
- 4.2Figma
- 5ゲーム企画書に使う画像とレイアウトの例
- 5.1タイトル(表紙)
- 5.2ゲーム概要
- 5.3ターゲット設定
- 5.4予算と開発スケジュール
- 5.5成果予測
- 6ゲーム企画書用の画像を作ってみた
- 6.1メインビジュアルとゲームイメージ画像の作成
- 6.2図やグラフの制作
- 7まとめ|「画像」の活用で企画書の質を一段上げる
ゲーム企画書は「画像」が重要
ゲーム企画書は、ゲームのコンセプトやデザインを伝えるための重要ツールです。
企画書をもとにゲームのフレームワークが形成され、開発が行われるため、企画書は読みやすく、理解しやすいものでなければなりません。
そのため、適度に絵やイラスト、図表やグラフなどの画像を用いることが必要です。
下記の「企画書作成方法の解説記事」に登場するサンプルでも、イラストやグラフが使われています。
企画書の書き方も基礎から学べるため、よければご覧ください。
ゲーム企画書に使う画像のポイント
画像を企画書に使用する際にはポイントや注意点があります。
具体的には以下の通りです。
- 「企画のイメージに合った画像を選ぶ」
- 「画像の著作権に注意する」
- 「画像を適切に加工する」
企画のイメージに合った画像を使う
画像は、読者に対して企画の雰囲気やテーマを直感的に伝える力があります。
例えば上記の画像では、日本や中国がモチーフと思われるような甲冑や城に加え、得体の知れない飛行生物が飛び交う描写があります。
これが、『エイリアンが侵略する異世界の戦国時代での戦いをテーマとしたゲーム』の企画書に使われる画像であれば、そのテーマを表現できていると言えます。
しかし、『カジュアルな農業経営ゲーム』のイメージにはそぐわないでしょう。
このように、企画のイメージに合った画像を選ぶことで、企画の魅力をより効果的に読み手に伝えることができます。
画像の著作権に留意する
企画書に使用する画像は、著作権に配慮する必要があります。
特に企画書が外部に公開される場合は、著作権法に違反すると法的なトラブルに巻き込まれる可能性があるため、注意する必要があります。
また、内部使用のみであっても、有名な作品の画像を使用すると、その作品のイメージが企画全体に影響を与え、独自性が失われてしまうこともあります。
そのため、基本的には、企画のイメージに適した「オリジナルの画像」や、「正式に許可を得た画像」を使用するようにしましょう。
適切に加工する
画像を適切に加工することも、企画書の質を高めるために必要なポイントです。
例えば、画像の一部を切り取って拡大したり、色調を調整したりすることで、使用した画像が企画のデザインやテーマをよりよく表現できるようになります。
これは、先述の「企画のイメージに合った画像を使うこと」にもつながります。
企画書での画像使用の目的は、「読み手に正確にイメージを伝えること」なので、それを意識して加工を行いましょう。
ゲーム企画書に使う画像を用意する手段
自分でオリジナルイラストを描く以外にも、企画書に使う画像を用意する方法が多数存在します。
具体的には、以下の通りです。
- 「フリー素材の使用」
- 「イラスト制作サービスの利用」
- 「3DCG作成ツールの活用」
- 「Canvaの活用」
- 「画像生成AIの活用」
- 「Google WorkspaceやMicrosoft 365の活用」
上記の手段にはそれぞれにメリットとデメリットがあります。
企画のニーズに最も適した手段を選択することが重要であるため、各手段の特徴を一つずつ解説します。
フリー素材の使用
フリー素材の使用は、最も簡単な方法の一つです。
フリー素材を提供しているウェブサイトは数多く存在するため、これらのウェブサイトから、企画のテーマやイメージに合った画像を選ぶことができます。
ただし、フリー素材を使用する際は、商用利用の可否や引用表記の有無など、その素材のライセンスをよく確認しておくことが重要です。
商用利用OKなフリー素材配布サイト
- ソコスト
- Loose Drawing
- ちょうどいいイラスト
- イラストAC
- pixabay
メリット
・豊富な種類の画像が利用可能
・予算がかからない
デメリット
・商用利用の可否やライセンスを確認する必要がある
・企画内容と完全にマッチした画像を見つけることが難しい
イラスト制作サービス
イラスト制作サービスを利用することで、企画に合った画像を用意することができます。
ココナラやSKIMAなどで、プロのイラストレーターに依頼をすることで、高品質なオリジナルイラストを作成してもらうことができます。
- ココナラ
- SKIMA
この方法では予算がかかります。
具体的な費用感は下記の通りです。
ココナラの費用感
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SUKIMAの費用感
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依頼内容や、どのイラストレーターに依頼をするかによっても価格は前後するため、上記はあくまで一般的な相場ですが、予算設定の目安にしていただければと思います。
実際の価格は依頼相手に確認しておきましょう。
メリット
・自分の企画イメージに合った画像を用意できる
・プロのイラストレーターが作成した高品質な画像を使用できる
デメリット
・費用がかかる
・制作に時間がかかる場合がある
3DCG作成ツールを活用する
UnityやUnreal Engineなどの3DCG作成ツール(ゲームエンジン)を使いこなすためには、初心者のユーザーにとっては、かなりの時間と学習を要する可能性があります。
しかし、一度これらのツールを理解し、使いこなすことができれば、高品質な3D画像を作成することが可能になり、ゲーム開発の制作プロセスに携われる可能性もあります。
- Unity
- Unreal Engine
メリット
・リアルな3D画像を使用できる
・企画後の制作プロセスにも携われる可能性がある
デメリット
操作が難しく、使いこなすには時間と学習が必要
「Canva」を活用する
「Canva」は、オンラインで使える無料のグラフィックデザインツールです。
豊富なフリー素材を直感的に選択・配置し、組み合わせることができます。
- Canva
有料版の「Canva Pro」を使用すれば、使用できる素材のバリエーションがさらに増え、背景透過機能も利用できます。
- Canva Pro
ただし、「Canva」の使用のみだと、統一感のある素材で全てを揃えることが難しい場合もあります。
メリット
・豊富なフリー素材から選択と配置が可能
・自由度の高い画像作成ができる
デメリット
・統一感のある素材を全て揃えるのは難しい
画像生成AIを活用する
画像生成AIを活用することで、自分の企画に合ったオリジナル画像を生成することが可能です。
下記の生成AIは、簡単かつ無料、もしくは低コストで使用できます。
- Gemini
※人物の画像生成は一時停止中
- Adobe Firefly
- Stable Diffusion
- GPT-4(DALL-E 3)
- Midjourney
先ほど紹介した「Canva」にも生成機能があります。
- Canva
これらのツールを使いこなすことができれば、高品質な画像を短時間かつ低コストで生成することが可能です。
メリット
・オリジナル性の高い、高品質な画像を生成できる
・作成の時間と手間を省ける
デメリット
・プロンプトにはコツが必要
・生成数に上限がある場合がある
Google WorkspaceやMicrosoft 365の活用
イメージ画像の作成だけではなく、「Google Workspace」や「Microsoft 365」による、図表やグラフの作成も企画書では有効です。
- Google Workspace
- Microsoft 365
企画の設定理由や根拠となった情報を視覚的にわかりやすく伝えることができます。
特に、数値情報を視覚的に表現する際に役立ちます。
メリット
・企画の根拠となる数値情報をグラフや図表で可視化できる
・ファイルを簡単に共有し、他の人と同時に作業できる
デメリット
・高度な機能を使用する場合は、一定の学習が必要
・利用料がかかることがある
ゲーム企画書に使う画像の加工に役立つツール
企画書に使う画像を加工するために役立つツールがいくつか存在します。
その中でも代表的な「Photoshop」と「Figma」の使い方と習得方法を紹介します。
Photoshop
「Adobe Photoshop」は、画像編集とグラフィックデザインのための業界標準ツールです。
以下の機能があります。
- 高度な画像編集:レイヤー、マスク、フィルターなどを使った高度な画像編集。
- ベクターグラフィックのサポート:パスやシェイプツールを使ったベクター編集。
- 3Dデザイン制作:3Dオブジェクトの作成や編集。
- 動画編集:簡単な動画編集やアニメーション機能。
- 豊富なプラグインと拡張機能:サードパーティのプラグインやスクリプトを使用して機能を拡張可能。
- カラーマネジメント:精密なカラーマネジメントと色補正機能。
Photoshopはサブスクリプション制となっており、使用するには下記の料金が必要です。
月間プラン | ¥4,980 |
年間プラン/月々払い | ¥3,280 |
年間プラン/一括払い |
¥34,680 |
Photoshop Elements
一般ユーザー向けの廉価版として、「Photoshop Elements」があります。
買い切りのためサブスクリプション契約が必要なく、企画書用画像の加工編集に必要な機能が十分に備わっています。
以下のような機能があります。
- 基本的な画像編集:フィルター、レイヤー、マスクなどの基本的な編集ツール。
- 自動補正ツール:ワンクリックで写真の色調補正や修正が可能。
- ガイド付き編集:初心者でも使いやすいガイド付き編集機能。
- フォトオーガナイザー:画像の整理と管理機能。
- 簡単なエフェクト: 簡単なアニメーションやスライドショーの作成。
料金 | ¥19,580 |
買い切り制のため、上記の価格を一度支払えば、永続的に使用できます。
※アップグレードには別途費用が必要です。詳しくは下記のリンクをご覧ください。
ゲーム企画書に使用する画像加工ツールとして、「Photoshop」と「Photoshop Elements」のどちらが適しているかは、求める機能と予算により異なります。
Photoshopがおすすめな人
- 高度なデザインと編集機能にこだわりたい
- より多彩なデザイン要素を取り入れたい
- 常に最新のツールと機能を使用して制作したい
- 基本的な編集機能のみで良い
- コストパフォーマンスを重視したい(長期的に制作する)
- 操作性の簡易さを重視する
習得方法
上記動画のように、YouTubeやUdemyなどのオンライン学習プラットフォームには、多くのPhotoshopのチュートリアルがあります。
また、Adobeの公式ウェブサイトには、Photoshopの使い方を学ぶためのチュートリアルとガイドがあります。
Figma
Figmaは、主にUI/UXデザインに特化したツールで、以下のような機能を持っています。
- 高度なデザイン機能:ゲームのキャラクターやUI要素を詳細にデザイン可能。
- 共同作業:複数ユーザーによるリアルタイム共同編集。
- バージョン管理:デザインの変更履歴を管理し、以前のバージョンに戻すことが可能。
- コンポーネントとスタイルガイド:再利用可能なコンポーネントやスタイルガイドを作成して、デザインの一貫性を保つ。
利用料金は下記のとおりです。
スターター | 無料 |
プロフェッショナル | ¥1,800/月 |
ビジネス | ¥6,750/月 |
エンタープライズ | ¥11,250/月 |
個人で使用する場合はスターターで十分ですが、より多くのプロジェクトや高度な機能が必要な場合はプロフェッショナルを検討すると良いでしょう。
習得方法
上記のYouTube動画や、書籍などを通して、Figmaを学ぶことができます。
ゲーム企画書に使う画像とレイアウトの例
企画書に入れるべき画像やレイアウトの例を、各セクションごとに解説します。
タイトル(表紙)
タイトル(表紙)は、企画の印象を決定する重要部分です。
ここには、ゲームのタイトルと、企画者名、ゲームの世界観を表す強力なビジュアルを配置します。
これにより、読者は一目でゲームの雰囲気を把握できます。
ゲーム概要
ゲームの主な内容やルールを簡潔に説明します。
ゲームの世界観を表すイメージ画像と共に、企画のゲームジャンルや想定ハードなどの基本情報、ウリやコンセプトを記載します。
ターゲット設定
ゲームのターゲットにする層をわかりやすく定義します。
根拠のあるデータをグラフや図を活用して提示できると、より説得力が高まります。
予算と開発スケジュール
ゲームの開発に必要な予算とスケジュールを詳細に説明します。
必要に応じて、こちらでもグラフや図を活用します。
成果予測
ゲームのリリース後の成果を予測し、その根拠となったデータの提示をグラフで行います。
ゲーム企画書用の画像を作ってみた
筆者が実際に作成した企画書用画像の例を示します。
各所要時間の記載もありますので、ご参照ください。
メインビジュアルとゲームイメージ画像の作成
メインビジュアルとゲームイメージ画像の作成にあたり、企画を下記のように仮設定しました。
企画の仮設定①
- 長期的にプレイしてもらうため、ユーザーが没入できるような「独自性」と「ストーリー」を兼ね備えたゲームにする
- 「独自性」の高さを表現するため、「剣と魔法と宇宙の要素が混じり合った、ダークな世界観のゲーム企画」とする
上記の仮設定に基づき、1〜2時間ほどかけ、大まかなストーリーを考え、キーワードをピックアップしました。
具体的には下記の通りです。
- 「ゲーム企画」
- 「ファンタジー」
- 「ダークな世界観」
- 「魔法」
- 「中世」
- 「宇宙」
- 「城」
- 「主人公は二人」
フリー素材配布サイトの活用
pixabayでは、上記のキーワードを自由に組み合わせて検索するだけで、イメージに近い下記の画像を5分ほどで集めることができました。
大まかなイメージや世界観を伝える目的であれば、フリー素材配布サイトを活用することで、画像を簡単に収集・使用できます。
- 企画の仮設定〜使用画像の用意までの合計時間:1〜2時間程
画像生成AIによる作成
Adobe Fireflyによる画像生成では、プロンプトの微調整による生成のし直しを十数回行いました。
そのため、納得のいく画像生成までの所要時間は2枚で1時間ほどでした。
プロンプトを微調整していくことで、細かなイメージまで簡単に描写できることが確認できました。
実際に下記の画像では、仮設定で練った「主人公は二人」であることを明確に表現してくれています。
上記の画像生成に使用したプロンプトは、入力欄に単語をスペースで区切っていくつか入力したのみで、簡単に行えました。
生成のために使用した最終的なプロンプト(単語)は以下の通りです。
- 「魔法剣士」
- 「剣を持っている」
- 「背中合わせ」
- 「魔法エネルギー」
- 「王城」
- 「企画書用」
また、2枚目に生成した下記の画像は、王道のファンタジー要素に加えて、「宇宙」の要素が含まれた独自性を表現できています。
上記の画像生成のために指定したプロンプトは、下記の通りです。
- 「王城」
- 「戦闘中」
- 「魔法使い」
- 「エイリアン」
- 「幻想的でダークな世界観」
- 「中世ヨーロッパ 」
- 企画の仮設定〜使用画像の用意までの合計時間:2〜3時間程
今回の検証結果をまとめると、下記のようになります。
- 手早く簡易的に画像を設定したい場合は、「フリー素材配布サイト」を活用する
- 所要時間1〜2時間
- 企画の独自性や詳細な世界観を表現したい場合は、「画像生成AI」を活用する
- 所要時間2〜3時間
図やグラフの制作
次に、企画設計の根拠や背景となる数値情報をわかりやすく示すための、図やグラフを作成しました。
下記のリンク先の情報参考に、改めて企画の方向性と数値を仮設定しました。
具体的には、以下の通りです。
企画の仮設定②
- ターゲット層を幅広くするため、「スマートフォンでリリースするゲーム企画」とする
- 基本プレイ無料かつ、課金要素のあるゲームとし、「アクティブユーザー数を長期的に維持し続ける」ことを目指す企画とする
- 仮設定②における具体的な数値情報
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Google Workspace(スプレッドシート)による作成
スプレッドシートに上記の数値情報を入力し、それぞれに適した形式で、グラフを2枚作成しました。
作成時間はそれぞれ5分ほどで、簡単に作成できました。
これらの図を企画書に盛り込むことで、企画の根拠をわかりやすく提示できます。
- 企画の仮設定〜画像用意までの所要時間:30分程度
まとめ|「画像」の活用で企画書の質を一段上げる
企画書に画像を活用することは、企画の魅力を読み手にわかりやすく伝えるための重要な要素です。
しかし、必ずしも自分で絵を描くことが必要なわけではありません。
本記事で紹介したように、様々な手段があります。
それぞれの手段の特徴や、メリット・デメリットを理解し、企画のニーズに適した手段を選択することが大切です。
適切に画像を活用し、1段階レベルアップした魅力的なゲーム企画書を作成するためのガイドとして、本記事を役立てていただけると幸いです。
引用元:https://www.canva.com/ja_jp/learn/easytodesign/