ゲームの企画・開発における「コンセプト」の考え方|テーマや概要との違い
プロジェクトを進行するには、企画の段階からしっかりとしたコンセプトを作成することが重要です。
コンセプトを作成することで、開発面と販促面の双方にメリットが生まれます。
本記事では、コンセプトの意味と、コンセプトを作成する目的とメリットについて、詳細を掘り下げながら解説します。
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- 1コンセプトとは
- 2テーマとの違い
- 3ゲーム制作でコンセプトが担う重要な役割
- 3.1ゲームを企画する上で
- 3.2ゲームを作る上で
- 3.3ゲームをリリースした後の観点
- 3.4総合的に見て
- 4コンセプトの役割と設定のメリット|コンセプトが必要な4つの理由
- 4.1開発者同士での意思疎通を円滑にする
- 4.2開発の方向性を明確にできる
- 4.3プロジェクトの成功率を高められる
- 4.4製品のブランディング確立や販促につなげることができる
- 5コンセプト作成時のポイント
- 5.1ターゲットを明確にする
- 5.2市場と競合製品を分析する
- 5.3言語化した具体性のある内容にする
- 5.4ビジネスとしてのコンセプト策定を意識する
- 6コンセプト策定に行き詰まったときの対処法
- 6.1考え方を見直す
- 6.2視点を変える
- 7まとめ
コンセプトを作成していると、行き詰まってしまうことがあるでしょう。
そんな時にどのように解決方法を見出すのかをご紹介します。
考え方を見直す
考え方を見直すことも、行き詰まった時に有効な手段の一つです。
それまで考えていた思考プロセスから視点を変えることで、固定観念や固執していた部分を取り払うことができます。その結果、柔軟に新しい要素を見つけ出すことができ、開発の可能性が広がります。
例えば、RPGゲームを開発している場合、ストーリーやキャラクターの成長に重きを置いていたとしても、ユーザーは実際にはバトルシステムや操作感に強い関心を持っているかもしれません。ユーザーテストやフィードバックを基に再評価し、ユーザーが本当に求めている要素に注目することで、コンセプトを調整できます。
このように、一つの選択肢に固執する事なく、多面的、そして多角的に思考を進めることはゲーム開発に関わらず、実用的に広く使える手法なので、積極的に意識すると良いでしょう。
視点を変える
それまでに考えていた視点とは別の角度からアプローチすることも有用です。
固執した視点は偏りを生みやすいです。多面的な問題を解決できるような柔軟な視点を持つことで、よりはっきりと目の前の課題に立ち向かうことができます。
コンセプトの策定は三次元の幾何学的な問題解決に類似しています。
一つの手法として、チーム内での役割を一時的に入れ替えることで、新しい視点を得ることができます。例えば、プログラマーが一時的にデザインの考察を行い、デザイナーがプログラミングの基本を理解することで、互いの視点を共有し、新しいアイデアや改善点が見つかることがあります。
このように数学的に考察することで、新たな可能性とアイデアを見出すことが可能となります。
「ゴールへの道筋と選択肢は1つだけではない」ことを念頭に、取り組んでみてください。
まとめ
コンセプトは、製品開発やマーケティングにおいて欠かすことのできない、「指針」としての役割を果たします。
製品開発は、市場のニーズを獲得できる期待があるからこそ行われるものです。製品がユーザーにもたらす体験と価値を思い描くことができなければ、開発に支障が出るだけでなくモチベーションの低下にもつながります。
また、しっかりとしたコンセプトを作成することは、関係者間での意思疎通の手助けとなる他、製品のリリース後もユーザーに満足してもらえるサービスを提供することができます。
生活を送る中で、「こんな製品があったら」や「こうすれば便利なのに」と感じる場面こそが、新しい製品を生み出すビジネスチャンスです。
迷った時は、実際にヒットした製品のコンセプトをもとに、作成のコツや着眼点の学びを得ることも方法の一つです。
コンセプトはいわば、製品開発にとっての骨組みです。骨組みがしっかりとしていないと組織自体が崩れてしまう他、必要な機能をつけることも難しいです。
本記事が、魅力的な企画を成功に導くための手助けとなれば幸いです。
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