「個人制作ゲームのテストプレイ」どうやって人を集める?|集め方紹介

「個人制作ゲームのテストプレイ」どうやって人を集める?|集め方紹介

「個人制作ゲームのテストプレイ」どうやって人を集める?|集め方紹介

個人や少人数でゲーム制作をしていると、「このゲームは面白いのだろうか」と不安になることはありませんか?
そんな時は、第三者にテストプレイを依頼して客観的な評価を得てみましょう。
本記事では、協力してくれるテスターの探し方を紹介します。

コンテンツ [表示]

  1. 1テストプレイとは
  2. 2客観的な評価が必要な理由
  3. 3テスターの探し方
  4. 3.1身近な人にお願いする
  5. 3.2有償で依頼する
  6. 3.3SNSで募集する
  7. 3.4コミュニティ内で依頼する
  8. 3.5イベントに参加する
  9. 3.6AIやサービスを活用する
  10. 4ボードゲームから学ぶ
  11. 5まとめ

デメリット

  • デスクトップ環境では難しい場合がある
  • 開催地や日程が限られる

イベントの紹介

ここでは、おすすめのイベントをいくつか紹介します。

  • もくもく会
ゲーム制作の作業をしたい、書籍を読んで学習したいなど、一定の目的を持った人が集まって作業する会です。
「黙々と作業をする」という意味から名付けられましたが、雑談や相談を歓迎している場合もあります。詳細を確認して目的にあったところに参加してみましょう。
  • ゲームジャム
複数人がグループとなって短期間でゲームを制作するイベントです。
参加資格は、学生限定や学生と社会人混合などさまざまです。自分にあったイベントに参加することで、ゲーム制作に関心のあう人とつながるきっかけになるかもしれません。

イベントを自分で探す場合は、もくもく会などの学習系であればconnpassというサイトが便利です。
また、ゲームメーカーズではコンテストから展示会、勉強会など幅広くカレンダーとしてまとまっています。

connpass - エンジニアをつなぐIT勉強会支援プラットフォーム
connpassはイベントやIT勉強会の開催、さらに参加者の集客に便利です。コミュニティやグループの運営やイベントの検索、事前決済もできます。
ゲームクリエイター向けイベントカレンダー|ゲームメーカーズ
ゲームづくりに役立つイベント、セミナー、コンテスト、カンファレンス、勉強会などをご紹介します。興味のあるイベントを見つけて参加してみましょう!

AIやサービスを活用する

最後に、今後普及する可能性のある方法を紹介します。
それはAIを用いたテストプレイです。

これには大きく分けて二つの方法があります。

  1. プレイヤーの行動をシミュレートするエージェントを制作する
  2. AIを用いたテストプレイ用のサービスを利用する

AIエージェントを制作する

まず、AIエージェントの制作から説明します。

AIエージェントとは、人間の手を借りずに特定のタスクを自律的に実行するプログラム・システムのことです。
AIエージェントをプレイヤーと見立てて、そのプレイの様子や結果を観察することで制作したゲームの評価をしようという方法です。

この方法では、テスターを探したり、相手の都合に左右されずにテストプレイを行うことができます。
また、試行回数を増やすことが容易なため、ゲームバランスの調整には大きな効果を期待できます。
一方で、自ら制作する必要があるので「人を探す」とは異なるコストが発生します。
さらに、制作者自身がエージェントのプレイの様子や結果から評価を行うため、十分な客観性を持った評価とならない場合があります。
加えて、プレイした感想を得られないという点もデメリットと言えます。
 

AIエージェントについて解説しているAWSのWebサイト

AI エージェントとは何ですか? - 人工知能のエージェントの説明 - AWS
AI エージェントとは何か、企業が AI エージェントを使用する方法と理由、AWS で AI エージェントを使用する方法。

メリット

  • 試行回数を増やせる
  • 人を探さなくてもよい
  • 第三者の都合に左右されない

デメリット

  • エージェントの制作コストがかかる
  • 感想を得られない

サービスを利用する

次に、サービスを利用する場合について見ていきましょう。

AIQVE ONE(アイキューブワン)という会社が「Playable!」というサービスを提供しています。

このサービスはQA作業の効率化を目的としています。

例えば、コリジョンチェックや通しプレイを自動で行ってくれるほか、様々なタスクをこなす汎用エージェントを提供しています。これらの機能は、Unreal EngineやUnityといった各種ゲームエンジンで利用できます。

自力でAIエージェントを制作するよりも、手間をかけずにテストプレイを行えるため、クオリティアップに充てる時間をより多く確保できます。一方で、サービスの利用には金銭的なコストが発生するので、予算と相談が必要です。

「Playable!」公式サイト

Playable! | 次世代ゲームテスティングソリューション
Playable!はゲームのQAをAI/コンピューティングパワーで自動化する、新たな世代のゲームQAソリューションです。超速のQA自動化で、クリエイターの挑戦を支えます!

YouTubeにおいて、「Playable!」について発表している動画

人海戦術からAI戦術に!テスティングソリューション「Playable!」が目指す次世代QAスタイル - GTMF 2023 - YouTube
AIQVE ONEでは「QAテックカンパニー」を旗印にさまざまなソリューションを提供しています。近年、ゲーム業界に限らず、IT業界全体で人材の確保が加速的に難しくなっていくなか、AIQVE ONEが打ち出す規格外の方向性とは?今回のセッションでは、その旗艦ソリューション「Playable!」が目指す新たなゲームQ...

メリット

  • 良質なチェックを行える
  • 自力でAIエージェントを作らなくてよい

デメリット

  • 費用がかかる
  • 感想は得られない
  • 利用法を学ぶ必要がある

ボードゲームから学ぶ

主にデジタルゲームでのテストプレイについて触れてきましたが、同じゲームであるボードゲームでもテストプレイは重要です。

デジタルゲームを制作していて、テストプレイに困っている人からすると、ボードゲームはその性質上対面で人を集めて遊ぶので、テスターを探すことに苦労しているのでは?と思うかもしれません。

ところが、テストプレイ会と称してテストプレイを目的としたイベントが、様々な場所で定期的に開催されています。

ボードゲームの制作者が集まって主催するイベントから、ボードゲームショップやボードゲームカフェなどが主催するものまであり、テストプレイの機会が豊富となっています。
また、多くのテストプレイ会ではプレイのみの参加も歓迎されており、気軽に参加することができます。

デジタルゲームとボードゲームは、ゲームという本質的な部分は共通していると言えます。
そのため、ボードゲームのテストプレイを通じて、どのような質問をしているのか、プレイしている人のどこを観察しているのかといった、テストプレイを行う際の方法について学ぶことができるのではないでしょうか。

まとめ

テストプレイに協力してくれる人を探す方法と、そのメリットとデメリットについて紹介しました。

探し方によって見つかる相手や得られる意見の傾向も異なっているため、一つの方法のみでは得られない視点も多いです。
そのため、コミュニティでテストプレイをしてもらった後に友人に遊んでもらうなど、いろいろな探し方を組み合わせると良いでしょう。

異なった背景を持った人の意見が集まれば、反省点や改善点を考えやすくなりゲームのクオリティアップにつながるはずです。

本記事では、テストプレイの方法論については詳しく触れませんでしたが、ボードゲームのテストプレイ会に参加して学ぶのも良い方法です。
また、コツなどテストプレイに関する内容を書いているWebサイトや記事もあるので参考にしてみてください。

皆さんのゲーム制作の助けになれば幸いです。

個人ゲーム開発のテストプレイどうする問題|みやこ出版|個人ゲーム開発
本校は「ゲームにかかわる人が自由な記事を作る Advent Calendar 2023」12月5日の記事です adventar.org 個人ゲーム開発者の皆さんこんにちは!テストプレイ後よく胃腸炎になって寝込んだりしがちな開発者こと私です! 自作ゲームをよりよくしようとちからを入れるのも結構ですが、開発や進捗、まして生活や健康にまで支障があっては本末転倒です。 テストプレイは問題洗い出しなんだけど、言われまくったインディーゲーム開発者の心が折れてしまった例もあったりして、開発者とテストプレイヤーの適切な距離設定が必要。基本的に開発者が主
アークライト 野澤 邦仁のボードゲームを作るには Vol.03「モックアップ制作、クローズドテスト編」|ゲームメーカーズ
本連載は、『ito』『ボルカルス』などを手がけた株式会社アークライトの野澤 邦仁(のざわ くにひと)氏に、ボードゲーム(※)の企画から制作・出展方法まで指南していただきます。 ※ ドイツ・ユーロ流の近代ボードゲーム・カードゲーム 具体的には、「予算50,000円で、創作ボードゲームを20〜50個制作&ゲームマーケットに出展し、販売すること」を目標に据え、その条件をクリアする手法を解説していきます。 連載3回目の本記事では、ゲームの面白さをチェックする「テストプレイ」と、テストプレイに必要な「モックアップ」の制作について紹介していただきます(連載1回目の記事はこちら)。
Shane
ライター

Shane

Shane(シェーン)と読みます。 インターンとして執筆を行っている情報系の大学院生です。 ゲーム業界への就職を目指す当事者として、業界に興味を持つ皆様のお役に立つ記事を お届けしていきたいと思います。 大学院ではカラーユニバーサルデザインやUIについて研究を行っています。

おすすめの記事

Recommended Articles
  • ゲーム企画の伝え方 〜より良い企画を作成するために抑えるべきポイント〜

    2024.02.13

  • 【完全版】ChatGPTを使いこなすための汎用プロンプト16選

    2024.03.22

  • ChatGPTを使ったゲーム企画書の書き方|すぐに使えるプロンプトと実例

    2024.03.22