ゲーム開発で使われる言語とは|プログラミング言語の一覧と解説
ゲーム開発にはプログラミング言語という、コンピューターに命令を出す機械言語が必要不可欠です。ゲームを開発したい、ゲームプログラマーになりたい人へ、プログラミング言語にはどのような種類があり、学習する際には具体的にどのように学べば良いのかをご紹介します。
ゲーム開発に使われているプログラミング言語とは
ゲーム開発で使われる「言語」とは、日本語や英語という人が使う言語ではなく、コンピューターに指示をだす「プログラミング言語」の事です。
「プログラミング」は、コンピューターを動かすための指示「プログラム」を書くことです。「プログラミング言語」は、そのために使われる専用の文法のことを指します。
コンピューターは、日本語で「〇〇をしろ」などの命令を理解できません。「0」と「1」によってオン・オフを切り替え、その組み合わせによって入力された「機械語」により処理をおこなっています。
プログラミング言語は、コンピューターへ命令する「機械語」を、英語で人間にも分かりやすいように翻訳したものです。
現在のプログラミング言語のルーツは1972年に発売された「UNIX」と、それに対応した「C言語」です。
「C言語」では「機械語」を手動で入力することなく、比較的簡単にコンピューターに指示を出すことができます。
現在では、プログラミング言語は「C言語」からさらに発展し、様々な種類が作られています。
いずれも、基本的には「英語」を使用していますが、日本語の方言の違いのように、細かな違いや扱い方に差が存在しています。
コンピューターに何をさせたいのかによって、その目的と合致したプログラミング言語を習得する必要があります。
ゲームプログラマー
プログラミングを仕事にしている人を「プログラマー」と呼び、その中でもデジタルでのゲームのプログラミングをしている職業を「ゲームプログラマー」と呼びます。
ゲーム開発に使用するパソコンもゲーム機もコンピューターなので、全てがプログラミングによって稼働しています。そのため、ゲームの開発にプログラマーは必須です。
企画書・指示書に従い、ゲームシステムをプログラミングで構築し、アイデアを形にしていきます。
複雑なゲームのルールを処理する他にも、「コントローラ―のスティックを右に倒すと、キャラクターも画面上を右に移動する」といった初歩的な部分まで設定するのがゲームプログラマーの仕事です。
ゲーム開発のためのプログラミング言語の選び方
プログラミング言語には種類があり、ゲーム開発に適しているプログラミング言語と、適していないプログラミング言語が存在しています。
一般的な企業で使われるプログラミング言語は、幅広い使用方法がある柔軟性や、セキュリティやメンテナンスがやりやすい保守性が重用視されます。
一方、ゲーム開発の場合は、使用する機器が専用のゲーム機やパソコンに限られているため、機器の性能をフル活用できるような処理速度や、映像をスムーズに表現できる映像処理の性能が重用です。
また、専用のゲーム開発ツールの有無も、プログラミングの作成効率に関わります。
作りたいゲームのプラットフォームから選ぶ
「プラットフォーム」は、プレイヤーがゲームを遊ぶときに使う機器のことです。
家庭用ゲーム機やパソコンなどのプラットフォームによって、それぞれ適性のあるプログラミング言語も異なります。ゲーム開発を行う前に、どの媒体でゲームを販売するのかを決め、そこから使用するプログラミング言語を選ぶのが一般的です。
プラットフォーム別のゲームの種類として、主に以下のものがあります。
- 「Nintendo Switch」「PlayStation5」などの家庭用ゲーム機は「コンシューマーゲーム」
- PCにゲームをインストールして遊ぶ「Steam」などは「PCゲーム」
- スマートフォンのアプリは「スマホゲーム」
- インストールの必要がなくインターネットブラウザでページを開けば直接遊べる「ブラウザゲーム」
これら以外にもゲームセンターの筐体で遊ぶ「アーケードゲーム」は、コンシューマーゲームに近く、最近話題になっているVR機器などから遊べる「VRゲーム」はコンシューマー・PC・スマホゲームの特徴を複合しています。
また、同じタイトルのゲームであっても、別のプラットフォームで販売するためには、プログラミング言語を設定し直さなければいけません。
コンシューマーゲーム
コンシューマーゲームは、家庭用ゲーム機や携帯型ゲーム機など専用の機器に、別売りのゲームソフトを使用してプレイするゲームの総称です。「コンソールゲーム」とも呼ばれます。
使われているプログラミング言語は限定的で、現行機種の「PlayStation5」「Nintendo Switch」などのゲームは「C++」で構成されています。
ゲーム専用に作られた機器の性能により、安定した処理や高画質を追求できるのが特徴です。追加のダウンロードコンテンツやアップロードなどもありますが、基本的にはゲームクリアまで遊べる、完成された状態で販売されています。
コンシューマーゲーム業界は非常に競争が激しく、ゲーム自体の面白さに加えて最新技術への理解も求められます。製作費や開発規模が大掛かりになりやすく、販売に必要なライセンスにも費用がかかるため個人での開発は難しく、大きな企業でのプロジェクトとなることが多いです。
昨今では、PCで人気を博したインディーズゲームが、家庭用ゲーム機でも販売を開始することがあります。その際、パッケージ版として販売はせず、ダウンロード専用で配信する形式が多いです。
PCゲーム
PCゲームは、PCにデータをインストールしてプレイするゲームです。かつてはCDやDVDなどの媒体で販売されることが一般的な形式でしたが、昨今では電子決済で購入し、データもWeb上でダウンロードする形式が主流になっています。
多くのプログラミング言語がPCゲーム開発に対応しており、PCとプログラミングの知識さえあれば開発が可能なので、コンシューマーゲームに比べて参入のハードルが低く、個人や小規模チーム作成のインディーズゲーム(同人ゲームとも呼ぶ)も多くあります。
販売後のアップデートも行いやすいため、まず販売を行ってからアップデートを繰り返す方式を取ることもあります。バランス調整のために、オンライン要素のあるゲームの多くがこの形式になります。
使用するPCのOSにより適応するプログラミング言語が変わるため、WindowsとMacの両方に対応させるのか、どちらかを諦めるのかなどの選択も必要になります。
スマホゲーム
スマートフォンで遊ぶ「スマホゲーム」は、iOSではAppl Store、AndroidではGoogle Play ストアからアプリをインストールする形式です。基本プレイが無料である代わりに、ゲーム内アイテムなどで利益をあげるP2P形式が一般的となっています。
「ソシャゲ(ソーシャルゲーム)」や「アプリゲーム」と呼ばれることもあり、正式な名称は定まっていませんが、ここでは「スマホゲーム(スマホゲー)」と呼称します。
iOSとAndroidでは、使用するプログラミング言語が違っており、iOSでは「Objective-C」「Swift」、Androidでは「Java」を使用します。
新しくスマホゲームを配信する場合、iOSとAndroidの両方で同時にサービスを開始することが多いので、開発段階から双方での構築を見据えておかなければいけません。
また、オンライン環境が前提となるため、ゲーム開発とは別にサーバーのプログラミングも必要になることが多いです。
ブラウザゲーム
ブラウザゲームは、「Google Chrome」「Edge」「FireFox」などのインターネットブラウザでWebページを開いて遊べるゲームです。ネット接続環境が必要になりますが、インストールが不要であることが特徴です。
ブラウザで動かすため、プログラミング言語は「Java Script」もしくは、「Java Scriptに変換できるプログラミング言語」となります。
派手なアクションやエフェクトに凝った演出など、極端に処理が重いものは作れないため、必然的に、2Dのミニゲームのような、小規模な作品になります。販売を行うと手間がかかるため、無料のフリーゲームであることがほとんどです。
テストプレイが簡単にできることもあり、初心者が初めてゲーム開発をするプラットフォームとして適しています。
ゲーム開発に適したツールの関連用語
プログラミングを行うためには、専用のアプリケーションやツールを使用します。ゲーム開発に必要なツールに関連する用語を簡単に解説します。
エディター
「エディター」は、プログラミング言語を記述するために必要な白紙のようなものです。エディター・コンパイラ・リンカ・デバッガをまとめた「統合開発環境(IDE)」に含まれていることもあります。
ゲームエンジン
「ゲームエンジン」は、ゲーム開発のためにつくられた専用のツールです。「Unity」や「Unreal Engine」が汎用的で有名です。使いやすいゲームエンジンが存在しないプログラミング言語もあるため、注意しましょう。
ライブラリ
「ライブラリ」は、プログラミング言語を使いやすいように小文節でまとめたものです。コードを一から十まで全て書かなくても、引用して使用することができます。ライブラリの多くはユーザーが自主的に作り配布しているもので、充実しているものとそうでない言語に差があるため、注意が必要です。
フレームワーク
「フレームワーク」は、ある程度の形が最初から整えられており、必要な部分に自由に入力してプログラミング構築を行うツールです。穴あき問題や数学の公式のようなものと考えてください。
ゲーム開発に使われるプログラミング言語の一覧
ゲーム開発に使われているプログラミング言語は、プラットフォームごとに特化した専門性の高いプログラミング言語や、ゲーム開発ではなくサーバーサイドの構築などで使われるプログラミング言語など、様々な種類があります。
以下の一覧表に、ゲーム開発で使われている代表的なプログラミング言語をまとめ、それぞれの詳細を個別に解説します。
ゲーム開発に使われるプログラミング言語の一覧表
名前 | 適正 | 特徴 | 難易度 | 主に使われる開発ツール |
C++ | コンシューマーゲームで主流 | 何でも出来る万能型 実行速度が格段に速い |
難しい | Unreal Engine |
C# | スマホゲームで主流 | Microsoft社製 | 少し難しい | Unity |
Java | スマホゲーム(Android)の標準 | Androidの標準 全OS対応サポート |
難しい | Swing |
Kotlin | スマホゲーム(Android)の標準 | Javaの後継 |
簡単 | libGDX |
JavaScript | ブラウザゲームに必須 | ウェブサイト表示に必須 インストールが不要 |
簡単 | phina.js |
Objective-C | スマホゲーム(iOS)で必須 | Apple社製品専用 |
少し難しい | Xcode |
Swift | スマホゲーム(iOS)で必須 | Objective-Cの後継 Apple社製品専用 |
簡単 | Xcode |
PHP | サーバー向き | フリーのオープンソースとして需要が高い | 簡単 | Simple DirectMedia Layer (SDL) |
Python | サーバー向き | インディーズで人気 | 難しい | PyGame |
Ruby | サーバー向き | 日本製 | 簡単 | Ruby on Rails |
Lua | コンシューマーゲーム | C++などへの組み込みが前提 | 少し難しい | Defold |
Go | スマホゲーム | Google社製 コンパイル言語では高速 |
簡単 | Ebitengine |
C++
適正 | コンシューマーゲームで主流 スマホゲーム/PCゲーム/ブラウザゲーム サーバー・ツール類 |
特徴 | 汎用性・自由度が高い 実行速度が速い(コンパイラ言語) 3Dへの適正 ハードウェア制御 |
難易度 | 難しい(C言語の知識が必要) |
開発ツール | Unreal Engine Cocos2d-x |
プログラミング言語の基礎を築いた「C言語」の発展形として作られたのが「C++(シープラプラ)」です。基礎的なプログラミング言語で、ゲーム業界に限らず様々な業界で幅広く扱われています。
非常に細かいところまで設定することが可能な汎用性の高いプログラミング言語ですが、逆を言えば、全てを自力で設定する必要があります。前提知識として「C言語」の知識が必要なため、習得は難しい部類です。
コンパイラという機械語への翻訳を一括で行うため、処理の実行速度は非常に速いのが特徴です。その処理速度の速さから3D映像を滑らかに動かすことができます。2Dのゲームであっても、エフェクトなどで3D処理が使われることは多く、ゲームへの適正が非常に高いプログラミング言語です。
3Dへの適正と万能性、またハードウェア操作性能の高さから「PlayStation2」での採用以降、現行機にいたるまでのほぼ全ての家庭用ゲーム機が「C++」を採用しています。そのため、コンシューマーゲームでのゲーム開発には「C++」の知識が欠かせません。
「Unreal Engine」をはじめとした多くのゲームエンジンでも、ベースとなるプログラミング言語としてに採用されています。ゲーム開発用のプログラミング言語にとして真っ先に話題に上がる言語が「C++」です。
C#
適正 | スマホゲームで主流 コンシューマーゲーム(移植が容易) PCゲーム(Windows) |
特徴 | 実行速度が速い(コンパイラ言語) 3Dへの適正 文法の扱いやすさ C++への変換 ライブラリの豊富さ メモリの管理機能(ガベージコレクション) |
難易度 | 少し難しい |
開発ツール | Unity |
「C#(シーシャープ)」は、「C++」の次世代言語を目指してMicrosoft社が開発したプログラミング言語です。「C言語」から発展した「C++」を、さらに発展させたものであることから、名前には「C++++」といった意味合いがあります。
「C++」譲りの実行速度の速さに加え、文法がわかりやすく扱いやすい言語となっています。また、「C++」に比べると習得が簡単なため、ゲーム業界で広く普及しているプログラミング言語です。
特にスマホゲームを作る際によく使われているゲームエンジン「Unity」で、メインのプログラミング言語として扱われています。また、Microsoft社製のため、WindowsのOSと相性が良く、PCゲーム開発にも適性が高いです。「C++」への変換も行えるため、コンシューマーゲームへの移植にも向いています。
プログラミングのフレームワーク・ライブラリや、メモリを管理する「ガベージコレクション」など、ゲーム開発をサポートするための機能が多いことも「C#」の特徴です。
Java
適正 | スマホゲーム(Android)で必須 PCゲーム(クロスプラットフォーム適正) ブラウザゲーム サーバー環境 |
特徴 | Androidでの標準形式 ネットワーク適正 安定性・セキュリティが高性能 実行速度が速い(コンパイラ言語) 全てのOSへのサポート ライブラリの豊富さ |
難易度 | 難しい |
開発ツール | Swing LWJGL |
Androidのスマートフォンでは、アプリケーションを動かす際には「APK」というファイル形式である必要があります。APK形式で出力する「Java(ジャバ)」は、Androidでの標準的なプログラミング言語として扱われています。そのため、スマホゲームを作成する際に必須となるプログラミング言語です。
「Java」は、安定性とセキュリティが高性能で、直接的なゲーム開発よりもネットワーク構築に適性があるプログラミング言語です。オンライン要素のあるゲームで、サーバーの環境を構築することに広く使われています。また、ネットワーク構築以外にもグラフィックや音声処理、家電製品などでも使われています。
また、全てのOSをサポートしているため、複数のプラットフォームで動作できるのも特徴です。ネットワーク適正が高いことからも、クロスプラットフォーム対応のゲームでよく使われています。
文法ルールは細かいため、習得の難易度は難しい部類です。しかし、多くの分野で活用されているため日本語の学習情報は多く、学習環境は整っています。
Kotlin
適正 | スマホゲーム(Android) PCゲーム/ブラウザゲーム |
特徴 | Javaの改良型 Javaとの互換性 汎用性の高さ 安全性の高さ シンプル 直感的な操作(オブジェクト指向型言語) |
難易度 | 簡単 |
開発ツール | libGDX Korge |
「Kotlin(コトリン)」は、2011年に「Java」を改良して開発されたプログラミング言語です。汎用性を保ちつつ、安全性を高め、扱いやすく学びやすい言語になっています。
Javaを仮想マシンで動作させることを前提としているため、Javaとの完全な互換性があります。そのため、Javaからコードを移行したり、簡単に変換することができます。
Javaの知識が必須というわけでもなく、オブジェクト指向型であることから、学習難易度は非常に簡潔で易しく、初心者向きの言語です。
※「オブジェクト指向型」とは、プログラムのコードを「オブジェクト(物体)」(マウスでドラッグして移動させることができる状態)として扱えるプログラミング言語の形式。
スマホゲームのAndroidで必須となるJavaの改良型であり、Googleでも正式にアプリ開発のスタンダードの言語にするという発表がありました。今後のAndroidのアプリ開発で重要になプログラミング言語です。
JavaScript
適正 | ブラウザゲームに必須 スマホゲーム |
特徴 | ゲーム外の周辺サービス作成 ライブラリの豊富さ |
難易度 | 簡単 (HTML/CSSと一緒に学ぶ、プログラミングの入門的な言語) |
開発ツール | phina.js enchant.js PlayCanvas |
「Java Script(ジャバスクリプト)」は、「Java」と名前が似ていますが、異なるプログラミング言語です。
現在のインターネットの根幹的に関わる言語で、ブラウザでWebサイトを閲覧する際には、ほぼ必ずと言っていいほど「Java Script」が使われています。プログラミングを学ぶ際、「HTML/CSS」と一緒に最初に学ぶことの多い入門的な言語です。
ブラウザゲームにも非常に高い適正を持っていますが、ゲームエンジニアというより、ウェブエンジニア向けの言語です。
ゲームの公式ホームページや、スマホゲームでのお知らせ機能など、周辺サービスに「Java Script」がよく使われています。
ブラウザゲームは、データのインストールが不要なため非常に手軽に始めることができます。
作成時にテストプレイをする際にも、ブラウザで簡単に起動することができるので、ゲーム開発初心者が最初に触れるプログラミング言語として「Java Script」よく扱われています。
「Java Script」には「Cocos2d-JS」というゲームエンジンがあり、スマホゲーム作成にも対応しています。
文法はシンプルで、習得難易度は易しい部類です。ゲーム分野に限らず広く扱われているため、ライブラリや、フレームワークが豊富で、学習のための情報には事欠きません。
Objective-C
適正 | PCゲーム(Mac) スマホゲーム(iOS)必須 |
特徴 | Apple専用 直感的な操作(オブジェクト指向型言語) |
難易度 | 少し難しい (「Xcode」の知識が必須) |
開発ツール | Xcode |
「Objective-C(オブジェクティブシー)」は、iPhoneやマッキントッシュPCなど、Apple社製の機器で使用されているプログラミング言語です。AppStoreでゲームの配信を考えている場合は必須の言語となります。
「C言語」をベースに、文法のフレームワーク化(オブジェクト指向型)を活用しているため、操作が直感的で扱いやすいです。
「Objective-C」を使用するには、基本的に「Xcode」というApple社の公式アプリケーションを使用する必要があります。MacやiOSそのものが独自の構築のため、学習難易度は少し難しい部類です。
Swift
適正 | PCゲーム(Mac) スマホゲーム(iOS) |
特徴 | Apple専用 速度が速い メモリ制御 リアルタイム動作確認 シンプル |
難易度 | 簡単 |
開発ツール | Xcode SceneKit SpriteKit |
「Swift(スウィフト)」は、「Objective-C」の後継の言語で、同じくApple社製品専用のプログラミング言語です。
高速のメモリ制御や、リアルタイムのエラー検出など、高い機能を持ちながらも、非常にシンプルで書きやすく読みやすいことが特徴です。そのため、プログラミング初心者にも扱いやすい言語となっています。
Apple社が公式で開発ツールを提供しており、3Dには「SceneKit」、2Dには「SpriteKit」が用意されています。
PHP
適正 | ブラウザゲーム/スマホゲーム サーバー向き |
特徴 | 汎用性が高い シンプル ブラウザで実行可能 ライブラリの豊富さ |
難易度 | 簡単 (需要が高く、情報が多い) |
開発ツール | Simple DirectMedia Layer (SDL) |
「PHP」は、スマホゲームやブラウザゲームのサーバーでよく使われています。無料オープンソースのため、非常に広範囲で扱われているプログラミング言語です。
特に、「LAMP」というオープンソースソフトウェアの一つとして知られています。「LAMP」とは、「Linux」(OS)、「Apache」(サーバー)、「MySQL」(データベース)、「PHP」(プログラミング言語)の頭文字から取られた名称です。
データーベース連動型のコンテンツに適した構築が可能であり、オープンソースで低コストのため相性も良いことから、開発環境として「LAMP」でひとまとめにされて運用されることが多いです。
「PHP」は、ブラウザを介した使用が可能なため、ブラウザゲームおよびWebサイトの開発に適性があります。
幅広く使われていることからライブラリや、フレームワークも多く作られており、さまざまな状況に対応できます。
ゲーム開発に限らず非常に需要の高いプログラミング言語のため、学習のための情報も多くWebに存在しています。シンプルで扱いやすいこともあり、学習難易度は易しい言語です。
Python
適正 | PCゲーム/スマホゲーム/ブラウザゲーム サーバー向き |
特徴 | ビッグデータの活用 汎用性が高い 個人の癖が出にくい ライブラリの豊富さ |
難易度 | 簡単 |
開発ツール | PyGame tkinter |
「Python(パイソン)」も、「PHP」と同じくサーバー構築のために活用されることが多く、世界的に人気のあるオープンソースのプログラミング言語です。
ビッグデータの活用に向いており、最近ではAI分野での活躍がよく取り沙汰されています。
ゲーム開発の分野でもテストプレイなどでAIを活用し始めているため、これからも需要が増えそうな言語です。
コードを書く際の文法ルールが規定されているため、個人の癖が出にくく、引継ぎかやりやすい言語です。
「Pygame」「Cocos2d」といったゲーム制作用のライブラリや、フレームワークが豊富にあるため、先人の知恵を活用しやすく、インディーズでの人気が高まっています。
ルールの規定によるコードの読みやすさ、書きやすさ、シンプルさ、オープンソースの汎用性、動作確認の簡単さなどから、習得難易度が易しい初心者向けの言語です。
Ruby
適正 | PCゲーム/スマホゲーム/ブラウザゲーム サーバー向き |
特徴 | 日本製 変数の型が不要なスクリプト言語 汎用性が高い ライブラリが豊富 |
難易度 | 簡単 |
開発ツール | Ruby on Rails RubyMotion |
「Ruby(ルビー)」は、日本製のプログラミング言語として有名な言語で、松本行弘氏によって作成されました。
2DのPCゲームで良く使用されており、「PHP」「Python」と同じく、サーバー構築のために使われることが多い言語です。
動的型付け言語(スクリプト言語)という、変数の型が不要という特徴があり、他のプログラミング言語とは違った自由な構築が可能となっています。
※「変数の型」とは、「数字」を入力する型に「文字」を入力するとエラーになってしまう、といったような入力ルールのことです。「Ruby」ではこの型そのものが不要となります。
※「スクリプト言語」は、簡易的なプログラミング言語の総称で、「Ruby」の動的型付け言語の他にも、コンパイラを必要としないものなどがあります。ただし、処理速度としてはコンパイラ言語に劣ります。
ゲーム開発用のライブラリやフレームワークが豊富で、「Ruby on Rails」という有名な応用力の高いフレームワークの他にも、「Ruby Motion」といったスマホゲーム向けのものがあります。
可読性を重視していて、非常に読みやすい文法をしています。日本語の学習情報が非常に多いため、初心者に学びやすく、扱いやすい言語です。
Lua
適正 | コンシューマーゲーム/PCゲーム/スマホゲーム 他のプログラミング言語に組み込む適性が高い |
特徴 | 汎用性が高い 移植性が高い 拡張性が高い 更新がしやすい シンプル 処理速度が速い(スクリプト言語の中では最速) メモリ管理機能(ガベージコレクション) |
難易度 | 少し難しい (日本製のため、日本語情報は多い) |
開発ツール | Defold |
「Lua(ルア)」は、汎用性の高い無料のプログラミング言語です。
移植性が高く、他のアプリケーションの途中にも組み込みやすいという特徴を持っています。この特徴はゲーム開発においても有用で、イベントの差し込みなどによく使用されています。コンシューマーゲームでも、メインを「C++」でコードを書きつつ、局所的に「Lua」を使用している場合があります。
簡素で効率的なプログラミング言語を目指して作られており、スクリプト言語の中では最高速の処理速度を持っています。シンプルな構造であるため拡張性も高く、メモリを自動で管理してくれるガベージコレクションなどの機能もあります。
C言語などの途中に組み込むことを前提とするため、上級者向けの言語です。
Go
適正 | スマホゲーム/PCゲーム/ブラウザゲーム サーバー向き |
特徴 | Google社製 シンプル 処理速度の速さ(コンパイラ言語) メモリ管理機能(ガベージコレクション) 複数の平行処理(Goルーチン) OSに左右されないクロスプラットフォーム適正 |
難易度 | 簡単 |
ゲーム開発ツール | Ebitengine |
「Go(ゴー)」、もしくは「GO言語」は、Google社が開発したオープンソースのプログラミング言語です。
プログラミングの環境を改善すべく、シンプルで高速なことを追及して開発されています。
速度に割り切った設計だからこそ、大量のデータ処理に優れており、実用的で使いやすい言語です。
ゲーム開発以外にも、サーバーや動画配信サイト、昨今ではブロックチェーンの分散処理システムなどにも使用されています。
シンプルで最低限の機能ではありますが、メモリ管理のガベージコレクションの他にも、「Goルーチン」という簡単な処理を並行して同時に行うことができる機能が搭載されています。
機能を最小限に抑えているため簡素であり、習得もかなり易しい部類です。
プログラミング言語の勉強方法
プログラミング言語の学習方法は、「独学」か「専門の学校で学ぶ」の2つに分けられます。
どちらにしてもプログラミング言語の習得には数か月から数年がかかるため、根気が必要となることに違いはありません。自分にあった方法を選択しましょう。
独学
独学でプログラミング言語を習得する際には、主に書籍による学習か、Webサイトから学習を行います。
独学での勉強は、学校やプログラミングスクールに比べると低コストです。また、自分のペースで進めることができるというメリットがあります。
しかし、モチベーションを自分で維持し続けるかという点で難しく、プログラミングの難しさと、ゲーム制作に必要なコードの量の膨大さから、途中で挫折してしまう人も少なくありません。
特に、自力で解決できそうにない問題に当たった時は、それを解決するための情報収集や、酸人へ質問を行うことが必要となります。
そのためには、学習している言語の情報が豊富であるかどうか、コミュニティの有無や、質問に回答が返ってくるかどうかが重要である点には注意が必要です。
専門学校
専門学校やプログラミングスクール、大学での学習は、独学に比べると費用が非常に高くかかります。
その分、専門知識のある教諭や担任へ直接質問が出来ることがメリットとなります。
また、学習の道筋や課題の提供、定期試験などがあるため、モチベーションの維持がしやすいことが特徴です。
学校にもよりますが、卒業後に就職活動への助力をしてもらえることがあることや、学校に在籍したことが経歴として評価されやすいこともメリットの一つです。
まとめ
ゲーム業界で需要があるプログラミング言語は数多くあり、新しく開発されたものや、習得難易度が難しいものになるほど扱える人は少なくなります。
しかし、それが需要に直接比例するわけではありません。プログラミング言語もゲーム業界も非常に流動的な業界なので、実際にゲーム開発の現場で何が求められているのかを知るために、常に最新の情報を追う必要があります。
新しいプログラミング言語を学ぶ必要ができた時には、すぐに学習を始めて適応して使いこなせるようになることが大切です。