初めてでもできる!ゲームアプリ開発について解説
最近では、プログラミングの知識がなくても、視覚的にゲームを作れるツールがたくさんあります。
「ゲームアプリを作りたいけど、プログラミングの知識がない…」そのような方でも大丈夫!今回は、初心者でも扱いやすいゲームエンジンと、アプリ開発の流れについて解説します。
ゲームアプリとは
ゲームアプリは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で楽しめるゲームのことです。従来の据え置き型ゲーム機と比べて手軽に始められるため、多くの人々に親しまれています。パソコンやスマートフォンが広く普及した近年では、今後もますます発展していくことが期待されています。
ゲームアプリは、特徴や遊び方によって様々な種類に分類されます。代表的なゲームアプリの種類と例を挙げます。
- パズルゲーム:ぷよぷよ、テトリス、ブロックパズルなど
- アクションゲーム:モンスターストライク、パズル&ドラゴンズなど
- ノベルゲーム:7Days!、脱出アドベンチャーノベル 誰ソ彼ホテルなど
- レースゲーム:マリオカート、アスファルト9など
- RPG:原神、エバーテイル、放置少女〜百花繚乱の萌姫たち〜など
この中でも、ゲーム開発の初心者におすすめするゲームのジャンルは以下です。比較的開発難易度が低く、短い時間で作ることができます。
- パズルゲーム
複雑なゲームシステムよりも、シンプルなルールで完結するパズルゲームは開発の難易度が低いです。 高度な3Dグラフィックではなく2Dグラフィックで表現できるため、初心者でも作りやすいことが特徴です。
- ノベルゲーム
ストーリーが中心となるため、複雑なプログラミング知識はあまり必要ありません。グラフィックよりもテキストに重点を置くため、デザインスキルがなくても始めやすいジャンルです。
ゲームアプリの開発に必要なもの
ゲームアプリの開発に必要なものは、大きく分けて以下の要素があります。
1つずつ解説していきます。
パソコン・スマートフォン
Windows、MacOSどちらでも開発可能です。最近ではスマートフォンでも開発ができる環境もありますが、細かな作業を行うため、画面の大きいパソコンの方が開発しやすいでしょう。
また、開発したゲームアプリをテストするためには、スマートフォンが必要です。
開発するゲームのサイズやデータの量によって必要なスペックは変わります。
例として、アプリゲーム開発で高いシェア率を誇る「Unity」のマニュアルから、最低要件を以下に紹介します。
ゲームエンジン
ゲームエンジンは、ゲーム開発の基礎となるフレームワークを提供するソフトウェアです。
ゲームのロジック、グラフィックスレンダリング、物理演算、サウンド再生など、ゲーム制作に必要な機能の多くを備えています。ゲームエンジンを使うことで、プログラミングの基礎部分から開発する手間を省くことができます。
現代のゲーム開発において主流のゲームエンジンは、ゲームアプリの開発において必須のものです。
インターネット環境
使用するゲームエンジンのダウンロードやインストールには、インターネット環境が必要です。また、これらのエンジンは定期的にアップデートが行われ、新しい機能やバグ修正が提供されます。常に最新の状態に保つためには、安定したインターネット接続が必須です。
他にも、素材のダウンロードや情報収集、ゲームのリリースなどに使います。
スキル
ゲームを設計するために、プログラミングスキルが必要です。しかし、最近ではプログラミングの知識がなくても、視覚的にゲームのロジックを構築できるツール(ビジュアルスクリプティング)が実装されているゲームエンジンも多くあります。
本記事で紹介するゲームエンジンは全てビジュアルスクリプティング機能が備わっています。
他にも、知識やスキルがなくても簡単にゲーム開発ができるよう、さまざまな機能が備わっているゲームエンジンが登場しています。それでも、より複雑なゲームを制作したいと感じたときには、ゲームエンジンを使いこなすスキルやプログラミングの学習が必要になるでしょう。
アイデアと情熱
どのようなゲームを作りたいのか、具体的なアイデアを出します。ゲームコンセプトを明確にすることで、開発の方向性が定まります。
ゲーム開発は根気と努力が必要です。途中で挫折しないように、モチベーションを維持することも大切です。
ゲームアプリの制作手順
ゲームアプリの開発は、アイデアを形にするクリエイティブな作業でありながら、同時に緻密な計画と実行を要します。
ゲームアプリ制作の一般的な流れを5つのステップに分けて解説します。
企画
どのようなゲームを作りたいのか、まずは明確なイメージを持ちましょう。どのジャンルのゲームなのか、ターゲット層は誰なのか、どのような体験を提供したいのかなど、具体的なアイデアをまとめます。この段階では、既存のゲームを参考にしたり、自分の好きなゲームからインスピレーションを得たりすることも有効です。
次に、世の中にどんなゲームがあるのか、競合となるゲームを調べてみましょう。自分のゲームが他のゲームとどう違うのか、どのような点が面白いのかを明確にすることで、オリジナリティのあるゲームを作ることができます。
設計
企画で定めたアイデアを基に、ゲームの具体的な内容を設計します。
- ゲームシステムの設計
ゲームのルール、操作方法、進行システムなどを詳細に設計します。例えば、RPGであれば、レベルアップシステムや戦闘システムなど、パズルゲームであれば、クリア条件や盤面の構成などを考えます。
- 画面設計
各画面のレイアウト、デザイン、UI/UX※設計を行います。ユーザーが直感的に操作できるような画面設計が重要です。
- レベルデザイン
ゲーム内のステージやレベルの構成を設計します。プレイヤーが飽きずに楽しめるようなレベルデザインが求められます。 - ストーリー設計
ストーリーがある場合は、世界観、キャラクター、ストーリー展開などを設計します。
- UI(User Interface):ゲーム内のボタンのデザイン、メニューの配置など、ゲームをプレイする人が直接触れる部分のこと。
- UX(User Experience):ゲームをプレイした時の楽しさ、没入感、達成感、ストレスレベルなどの、すべての体験のこと。
UI/UXについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
開発
設計に基づいて、実際にゲームを制作していきます。
- 開発環境の構築
ゲームエンジンをインストールし、開発に必要なツールを準備します。
- プログラミング
ゲームエンジンを使用して、プログラミングを行います。最初は難しく感じるかもしれませんが、チュートリアルなどを参考にしながら少しずつ学んでいきましょう。現在はプログラミング言語を扱えなくても、視覚的な操作でゲームが作成できるゲームエンジンも増えています。
- アート・サウンド制作
アート分野ではキャラクター、背景、UIなどのグラフィックを作成します。サウンド分野では効果音、BGMなどを制作します。ゲームエンジン内にあるものを使用するか、自分で用意する場合はフリー素材を活用すると良いでしょう。
テスト
バグの修正やゲームバランスの調整を行います。
- 機能テスト
各機能が正常に動作するかを確認します。
- バグテスト
バグを発見し、修正します。
- バランス調整
ゲームの難易度や報酬などが適切か調整します。
- プレイテスト
実際にプレイして、ユーザー視点での意見を集めます。
リリース
完成したゲームをストアに公開します。
ストアでの公開以外にも、各ゲームエンジン内で制作したゲームを公開できるプラットフォームもあります。
- ストア申請
Apple StoreやGoogle Playなどのストアにアプリを申請します。どちらも登録料がかかるため、リリースしたいストアを事前に調べておきましょう。
- プロモーション
SNSや広告などを通じて、ゲームを宣伝します。
- アップデート
リリース後も、ユーザーからのフィードバックに基づいて、ゲームを改善していきます。
おすすめゲームエンジン4選
どのゲームエンジンを選ぶかは、作りたいゲームの種類、プログラミング経験、コミュニティの規模などから選びましょう。迷った場合は、無料版を活用しながら複数のゲームエンジンを試し、自分に合ったものを探すことをおすすめします。
Unity(ユニティ)
Unityは、ゲーム開発を中心に、VR/ARコンテンツや自動車シミュレーションなど、様々な分野で利用されているゲームエンジンです。2D、3Dゲームの両方に対応しており、グラフィック、物理演算、サウンドなど、ゲーム開発に必要な機能が多数搭載されています。
C#というプログラミング言語を使用しますが、ビジュアルスクリプティング機能も備えており、初心者でも学びやすい環境が整っています。
Unity公式学習プラットフォームの「Unity Learn」では、初心者から上級者まで幅広いレベルのユーザーがUnityを学べるように、さまざまなチュートリアルや学習コンテンツが用意されています。初心者の方は、チュートリアルを順番にこなしていくことで、Unityの基礎を学ぶことができます。
大部分が無料で利用でき、実際に手を動かしながらUnityを学ぶことができます。
Unity Learn https://learn.unity.com/
Unity User Manual 2022.1 より https://docs.unity3d.com/ja/2022.1/Manual/system-requirements.html