個人でゲーム開発をはじめたい方へ|企画〜リリースまでのステップを解説
本記事では、個人でゲーム開発を行う方に向けて、「UnityやUnreal Engineなどのゲームエンジンの選び方」から、「企画〜完成・リリース」までの流れを徹底的に解説します。
インディーゲームを作りたい初心者から、本格的な実績を作りたい中級者まで、簡単かつ再現度の高い情報をお届けします。
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- 1個人で行うゲーム開発|「完成・リリース」させるためのコツとは?
- 2個人でゲーム開発を始めるために必要なスキルとツール
- 2.1ゲーム開発に必要な基本スキルとその理由
- 2.2使用するゲームエンジンの選び方
- 3個人でゲーム開発を行う流れ
- 3.1ゲーム開発の具体的なプロセス①|アイデアを企画書として作成する
- 3.2ゲーム開発の具体的なプロセス②|プロトタイプ作成〜リリースまで
- 4ポートフォリオとして個人でゲーム開発を行う際のポイント
- 4.1成功するポートフォリオの作り方
- 5個人でゲーム開発を行う際の課題と解決策|モチベーションを保つ方法
- 5.1小さな目標を設定する
- 5.2進捗を可視化する
- 5.3開発者コミュニティに参加する
- 6プロからのアドバイス|個人でのゲーム開発を成功させるために必要なこと
- 6.1簡単なゲーム開発を繰り返す
- 6.2プロの開発者へのインタビューで見えたゲーム開発の成功要因|「技術は手段であり、目的ではない」
- 7個人でゲーム開発を成功させるためのポイントまとめ
個人で行うゲーム開発|「完成・リリース」させるためのコツとは?
「個人でゲーム開発を始めたいけれど、何から始めれば良いのかわからない…」と悩んでいませんか?
ゲーム開発はアイデアを企画として形にし、多くのプレイヤーに楽しんでもらうことを目指す素晴らしいチャレンジです。しかし、それを個人で行うとなると、つまずく方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「UnityやUnreal Engineなどのツールの選び方」から、「アイデアの企画立案」、「テストプレイ」などの開発方法を詳しく解説し、個人でもゲームを完成させられるようにサポートします。
全ての方が『リリース』まで行えるように、「ゲーム制作自体が初心者でも再現できる方法」をメインに紹介しますので、ぜひ、自分のペースで開発を行なってみましょう。
個人でゲーム開発を始めるために必要なスキルとツール
ゲーム開発に必要な基本スキルとその理由
ゲーム開発では、いくつかの専門スキルが求められます。
個人でゲームを開発するために最低限押さえておくべき3つのスキルを紹介します。
プログラミング
ゲームのロジックや挙動を決定するために、プログラミングスキルは欠かせません。
特にC#(Unityで使用)やC++(Unreal Engineで使用)などの言語は、ゲーム開発でよく使用されます。
プログラミング言語を習得することで、自分のアイデアを形にし、自由自在にゲーム開発を行うことができます。
3Dモデリング
ゲームのグラフィックやキャラクターデザインには、3Dモデリングの技術が必要です。BlenderやMayaといったツールを使いこなすことで、リアルで魅力的なビジュアルを作り出すことができます。
インディーゲームでは、独自のビジュアルが作品の魅力を高めるため、デザイン力が特に重要になります。
ゲームデザイン
『プレイヤーにどんな体験を提供するのか』を決定するのがゲームデザインです。
面白いゲームを作るには、ゲームのルールやバランスなどを緻密に設計するスキルが必要です。プレイヤーが飽きずに遊び続けられるゲーム作りを目指しましょう。
使用するゲームエンジンの選び方
個人でゲーム開発を始める際、重要な選択肢の一つとなるのが「ゲームエンジンの選定」です。ゲームエンジンは、開発の効率やクオリティに大きな影響を与えるため、「開発したいゲームのタイプ」と「自身の技術スキル」によって決めると良いでしょう。
例えば、2Dゲームやインディーゲームの開発であれば「Unity」や「Godot」、3Dグラフィックを用いた大規模なプロジェクトに挑戦したい場合は、「Unreal Engine」が適しています。
Unity | 多機能で汎用性が高い
Unityは、2D・3Dゲームの開発に対応しており、多機能でカスタマイズ性が高いエンジンです。豊富なアセットやプラグインがストアを通して提供されており、初心者から中級者まで幅広く使用されています。
特に、モバイルゲームやインディーゲームの開発に強いです。
Unreal Engine|リアルなグラフィックを実現
Unreal Engineは、リアルタイムレンダリング性能が優れており、高品質な3Dグラフィックスを作成することが可能です。
大規模タイトルやコンソールゲームなど、よりプロフェッショナルな作品を開発することに適しています。
Godot |オープンソースの新鋭エンジン
Godotは、オープンソースでありながらも高度な機能を持つエンジンです。
2Dゲームの開発に特化しており、シンプルで使いやすいインターフェースが魅力です。
コストを抑えつつも、自由度の高い開発をしたい方に適しています。
個人でゲーム開発を行う流れ
ゲーム開発の具体的なプロセス①|アイデアを企画書として作成する
個人でのゲーム開発を成功させるには、まずはしっかりとした企画書を作成する必要があります。ゲームのコンセプトを明確にし、開発の進行をスムーズにするためにも、アイデアを企画書としてまとめることは避けて通れません。
ここでは、企画書作成の流れと重要ポイントについて説明します。
企画書に含めるべき要素
企画書には、以下の内容を盛り込むと効果的です。
- ゲーム概要:ゲームのジャンルや簡単な説明。
- ターゲット設定:どのユーザー層をターゲットにしているか。
- コアコンセプト:ゲームの中心となる魅力やユニークな要素。
- 主要なゲームメカニクス:ゲームの基本的な操作やルールの説明。
- 競合分析:競合するゲームとどのように差別化を図るか。
- ターゲットユーザーとゲームジャンルを明確にする
ターゲットユーザーの年齢層や趣味嗜好、プレイスタイルを考慮し、どのジャンルのゲームが響くのかを調査しましょう。
例えば、若年層向けであれば、短時間で楽しめるカジュアルなゲームが適しているかもしれません。
- ゲームのコンセプトを定義する
ゲーム開発の具体的なプロセス②|プロトタイプ作成〜リリースまで
企画書の作成が完了したら、「ゲームデザイン構築」、「プロトタイプの作成」、「テストプレイ」、「リリース」までを段階的に進める必要があります。
ゲームデザインの構築
企画書に基づいて、ゲームデザインの構築とプロトタイプの作成を行います。
キャラクターデザイン、背景、サウンドエフェクトなど、ゲーム全体のビジュアルやサウンドを具体化します。
UI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)のデザインにも配慮し、プレイヤーが快適にゲームを進行できるように配慮します。
プロトタイプの作成
プロトタイプは、ゲームの基本的なメカニクスや操作感を試す「初期バージョン」のため、細部にはあまり拘らず、ゲームプレイの核となる部分に集中して開発を行います。
プレイヤーが直感的に楽しめるプレイアビリティであるかどうかを確かめましょう。
テストプレイとフィードバックの反映
次に、テストプレイを行います。
ゲームのバグや不具合を解消し、プレイアビリティをより良くします。
その後、アルファテストやベータテスト(※)を実施し、プレイヤーのフィードバックを取り入れた最終調整を行います。ゲームバランスや操作感を確認し、リリース前の最適化を図りましょう。
アルファテスト
- ゲーム開発の初期段階で行われる、重大なバグや機能の問題を発見・修正するための内部テスト
ベータテスト
- ゲーム開発の最終段階で外部ユーザーが参加し、バグ修正やゲームバランスの確認を行うテスト
リリースに向けた準備とマーケティング
ゲームをいかに効果的に市場に送り出せるかも重要です。
マーケティング戦略はしっかりと練りましょう。
SNSやYouTubeなどのプラットフォームを活用し、プレイヤーの興味を引くティーザー動画やトレーラーを公開することが効果的です。また、ゲーム専門のコミュニティやフォーラムに投稿して、口コミを広げていくことも手段の一つです。
次に、βテストやソフトローンチを行います。
これは、選ばれたプレイヤーや地域で限定的にゲームを公開し、プレイヤーの反応やバグ、技術的な問題を最終チェックすることです。
この段階で得たフィードバックをもとに、リリース前の最終的な改善を行います。
リリース後のユーザーの反響を予測することも重要です。
どのようなプレイヤー層がゲームに興味を持つかを予測し、必要に応じて宣伝方法を調整します。また、ゲームリリース後のサポート体制やアップデートのスケジュールを準備することで、リリース後の成功を持続させることが可能です。
ポートフォリオとして個人でゲーム開発を行う際のポイント
ゲーム開発のポートフォリオ提出は、業界における自己アピールの最も重要な手段です。
インディーゲームや個人でのゲーム開発は、自身のスキルや作品を視覚的かつ具体的に示せる有効な手段となります。
企業は、あなたのポートフォリオを通じて、プログラミングやデザインの専門技術だけではなく、「ゲームをどのように構築したのか」「どのような問題を解決したのか」「ユーザーのフィードバックにどのように対応したのか」などを確認します。
ゲーム開発のプロセス全体を、人材価値を見極める指標としているのです。
成功するポートフォリオの作り方
ポートフォリオを作成する際には、以下のポイントを押さえることが重要です。
完成度の高い作品を載せる
できるだけ完成度が高いものをポートフォリオに含めましょう。
未完成のプロジェクトではなく、実際にリリースできたゲームや、それに近い形の作品が望ましいです。
視覚的に魅力的にする
インタラクティブなデモやトレーラー動画を追加することで、採用担当者にゲームの雰囲気やクオリティを伝えることができます。
シンプルなデモでも、強いインパクトを残せる可能性があります。
プロジェクトの詳細を載せる
プロジェクトごとに役割、使用したツール、開発のプロセス、直面した課題などを具体的に説明します。これにより、問題解決能力やチームワークのスキルがアピールできます。
個人でゲーム開発を行う際の課題と解決策|モチベーションを保つ方法
個人でゲーム開発を行う際は、モチベーション維持が大きな課題の一つとなります。
特に、長期間にわたるプロジェクトでは、進捗が見えにくい状況や、開発の複雑さが増すにつれて、開発者の気力が減退することがあります。
モチベーションを維持するためには、以下のような方法が有効です。
小さな目標を設定する
大きな目標を一気に達成することは難しいため、開発の段階ごとに小さな目標を設定することが重要です。
例えば、「1週間でゲームのプロトタイプを作る」といった短期的な目標を定めることで、モチベーションを保ちやすくなります。
進捗を可視化する
プロジェクトの進捗状況を視覚的に確認できるようにすることで、達成感が生まれ、モチベーションを高めることができます。
タスク管理ツールなどを使用し、毎日の進捗を記録したり、達成した項目にチェックを入れたりすると効果的です。
開発者コミュニティに参加する
開発者向けのオンラインコミュニティやフォーラムに参加することで、他の開発者と情報交換をしたり、アドバイスを得たりできます。
孤独感を和らげ、やる気を引き起こすことができるでしょう。
プロからのアドバイス|個人でのゲーム開発を成功させるために必要なこと
ゲーム開発に携わるプロフェッショナルたちが口を揃えて強調するのは、「継続的な努力と柔軟な発想の重要性」です。
多くのインディーゲーム開発者が直面する課題は、技術や資金の不足だけではなく、自己管理やアイデアを形にするプロセスでの失敗です。
プロのアドバイスに基づき、成功するための心得を以下に挙げます。
簡単なゲーム開発を繰り返す
最初から壮大なプロジェクトに取り組むのではなく、小さなインディーゲームの開発を繰り返すことが、開発スキルを磨く上で効果的です。
小規模なプロジェクトであれば、数週間〜数ヶ月で完成させることが可能です。この経験が次のプロジェクトへの自信につながります。
また、多様なジャンルのゲーム開発を行うことも効果的です。様々なジャンルやゲームシステムを構築することで、開発スキルが磨かれます。
プロの開発者へのインタビューで見えたゲーム開発の成功要因|「技術は手段であり、目的ではない」
個人でゲームを開発する際には、単に技術力を磨くだけでなく、ゲームの企画やユーザー体験を重視することが重要です。
当社がプロの開発者に直接インタビューを行った以下の記事で強調されているのは、「技術は手段であり、目的ではない」という考え方です。
記事内で語られている、「ゲーム開発の成功要因」を以下に抜粋します。
プロの開発者が語るゲーム開発の成功要因
- 技術トレンドに積極的にチャレンジすることによって、『コミュニティからの情報を得ること』と『情報発信すること』を両立できる。
- 『何がユーザーに響くのか』『ユーザーにどのような体験をもたらしたいのか』といったゲームに対する想いを、最初から考えて形にすることを大切に。
- ゲーム会社は技術力を磨こうとする傾向がある。
- 良いゲームを作るには必ず試行錯誤を繰り返す必要がある。
- 駄目なところは修正する、仕様変更せずそのまま進めるならば、なぜそのまま進めるのか理由を言えるようにする。
- 技術はあくまでもゲーム制作における『手段』であり、『目的』ではない。
ゲーム開発は、試行錯誤が不可欠です。
失敗を恐れず、駄目なところを修正する一方で、仕様変更が不要な場合は、なぜそのまま進めるのかを明確に説明できることが大切です。
開発プロセス全体を通して、コミュニティとの連携や情報発信を活用しながら、成長していくことが成功の鍵となります。
個人でゲーム開発を成功させるためのポイントまとめ
個人でゲーム開発を成功させるには、計画性と柔軟な思考が不可欠です。
まずは小規模プロジェクトで経験を積み、技術力と企画力を磨くことが重要です。
プロジェクトをポートフォリオとして活用したい場合は、完成度の高い作品を選定し、開発プロセスや問題解決能力を具体的にしましょう。
開発中のモチベーションを保つためには、進捗を可視化し、小さな目標を設定することが効果的です。また、コミュニティでの活動を通じて他の開発者と交流し、成長の糧にしましょう。
開発に必要な専門技術はあくまで手段に過ぎません。
ユーザー体験を重視する姿勢を忘れずに、試行錯誤を恐れずに開発を進めていくことが成功への鍵です。