【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】 ゲームセンターだから提供できる価値 小山順一朗#11

【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】 ゲームセンターだから提供できる価値 小山順一朗#11

【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】 ゲームセンターだから提供できる価値 小山順一朗#11

前回のまとめ

小山さんが日本工学院で学生相手に教えるなかで感じたことをお聞きしました。
これからのゲーム業界について、まずはアーケードゲームのことから質問してみます。
アーケードゲームと向き合ってきた人は、ゲームセンターがこれからどうなっていくと考えているのでしょう。

コンテンツ [表示]

  1. 1ゲームセンターの現状とあるべき姿
  2. 2ゲームセンターはどんな価値を提供できる?
  3. 3体感ゲームは家ではできない遊びなのでは?
  4. 4まとめ

ゲームセンターの現状とあるべき姿

小山様(以下、小山と表記)「ゲームセンターのゲームは、今ほとんどクレーンゲームになってます。」

小山「クレーンゲームとガチャガチャになっていて、いわゆるビデオゲームと言われているものは定番タイトルを除いてほとんどなくなってます。」

小山「例えば、太鼓の達人とかマリオカートとかボールプール的なもの。音ゲーやプリクラという昔ながらの物以外はもうほとんどないっす。」

─── この状態は私が中学・高校生となったころから強烈に感じていました。デパートや商業施設の中にあったゲームコーナーは減り、小山さんがおっしゃったゲームの他はメダルコーナーばかりになっていった記憶があります。

小山「でもそれは悪いことなのかどうなのかっていうと、そっちがあるべき姿なんじゃないでしょうか元々。」

小山「外に遊びに行く人たちにとって、不良にやられたりして元々のゲームセンターにあるゲームができないので、家庭用ゲームが出たときに凄い流行ったわけですね。」

小山「家庭用ゲームに縛られていた人が電車内で気軽にぽちぽち遊べるよってなったら、スマホゲームに行って、ゲームがいつでもどこでも手軽に楽しめますって。それがあるべき姿じゃないでしょうか」

ゲームセンターはどんな価値を提供できる?

福山「時代によって変化していくのが仕方のないところだとすれば、ゲームセンターが提供できる価値にはどういうものがありますか?」

小山ニーズに全部従うしかなくて、わがままニーズなんですよね。」

小山「ゲームセンターでしかできない提供価値以外のものは必要ないわけです。」

小山「例えば格闘ゲームがゲームセンターに置いてあっても、あんまり意味ないです。もう家でスト6(ストリートファイター6)をすれば、世界中のプレイヤーと戦うことが出来んだもん。」

小山「昔あったから無いのは寂しいなって思う人がいるのかもしれないけど、スト2はゲームセンターでしか出会えなくて、そこでしか戦えなかったから。その制約は世界中で手軽にできるようになった今ではもう無くなったんです。」

昔はゲームセンターが対戦相手のマッチングの役割を果たしていた。ゲームセンターは今もその役割を担えるのだろうが、インターネット対戦が可能になったことで、「ゲームセンターでしかできない提供価値」ではなくなったのだ。

─── 個人的には寂しいなと思う人たちの感覚も理解出来るのですが、その人たちが求めているのはゲーム機ではなくコミュニティや対面でのコミュニケーションなのかなとも感じています。であれば、それはゲームセンターでしか提供できない価値なのか?と言われると違うようにも思えてきますね。

小山「ゲームセンターはそこでしか提供できない価値のものしかないと思いませんか?」

小山「クレーンゲームは家でオンクレできるけど、ゲームセンターのクレーンゲームは、友達同士でワイワイしながら、あれを取りにいこ、これを取りに行こうっていう新しい100均みたいな遊び場として使ってないですか?」

福山「半ばウィンドウショッピングみたいな感じはありますね。」

小山「それって家では絶対できない遊びなので、家ではできない遊びしか今残ってないと思います。」
 

体感ゲームは家ではできない遊びなのでは?

福山「VRZONE*でやられてたような体感ゲームなども家ではできない遊びに思えて、そういった方向性に進むのかなとも思うんですが......」
*小山さんが企画したVRアクティビティが体験できる施設

─── VRゲームではなくアクティビティと呼んでいる理由については、下記リンク記事の下部で小山さんが答えています。
 

エンタメ異人伝 Vol.9 小山順一朗(a.k.aコヤ所長)|ゲーム考古学
小山さんがVRアクティビティと呼んでいる理由について答えている記事。該当部はページ下部にあります。

小山「その体感ゲームみたいなゲームが、あのバブルの頃はすごく流行ったんですよ。なぜあれが流行ったかっていうと、ゲームマニアのもんじゃなかったんですね。」

小山カップルのために作ってたんです。カップルとか友達同士でみんなでワイワイ遊ぶためのものだったので、デートコースに組み込まれてるようなデート情報として、最新ゲーム機の情報が載ってるぐらいだったんです。」

福山「今でいう大きなショッピングモールにある観覧車とか、そういったノリのものということですか。」

小山「そうですね。やっぱり全ては人数問題の解決力繰り返しの大きさでビジネスは成立します。なので、今ビデオゲームで体感型のものを出しても、それを目当てに多くの人たちが本当に来るのかなと思います。」

まとめ

1990年代のようなゲームセンターが大きく盛り上がっていた時代を経験していない自分でさえ、クレーンゲームの割合が上昇していき、ビデオゲームの減少に物寂しさを感じていました。

ただ、小山さんの話にあった通り、ビデオゲームが好きでアーケードゲームを遊んでいた層はニーズに正直になって家庭用ゲームやスマホゲームに移っていくことが自然なのだと思います。

その変化に市場が対応しただけで、当然の変化であって、我々が寂しがっていることがある意味でのわがままなのかもしれません。わがまま......

小山さんのインタビュー記事での最終テーマは小山さんの就職観とゲーム業界の今後についてです。
まず、#12ではゲーム業界の今後について小山さんの考えをお届けします!

初回記事はこちらのイメージ
初回記事はこちら
プロデューサーやディレクターとしてゲーム業界で働いてこられた方の経験や考え、メッセージを、ゲーム業界を目指す学生たちに向けて発信するためのインタビュー企画。 ゲーム業界を目指している学生をインタビュアーとし、先達からのメッセージを学生目線を通じてお届けします。 その第一弾として、元バンダイナムコのプロデューサー、小山順一朗氏にインタビューさせていただきました。
福山
ライター

福山

インターンとして執筆を行っている情報系の大学院生です。ゲーム業界への就職を目指す当事者として、業界に興味を持つ皆様のお役に立つ記事をお届けしていきたいと思います。 大学院ではカラーユニバーサルデザインやデザイン工程でのコミュニケーションについて研究しています。

おすすめの記事

Recommended Articles
  • ゲーム企画の伝え方 〜より良い企画を作成するために抑えるべきポイント〜

    2024.02.13

  • 【完全版】ChatGPTを使いこなすための汎用プロンプト16選

    2024.03.22

  • ChatGPTを使ったゲーム企画書の書き方|すぐに使えるプロンプトと実例

    2024.03.22