〈ゲーム業界リレーインタビュー〉第1回 竹下和広(株式会社コンフィデンス 取締役) - ガメモ

〈ゲーム業界リレーインタビュー〉第1回 竹下和広(株式会社コンフィデンス 取締役) - ガメモ

約30年にわたり、ゲーム業界でビジネスプロデュースをしてきた竹下和広。長年培ってきたネットワークを活かし、人材事業にとどまらず、ビジネス・マッチング、コミュニティサービスに乗り出した竹下が目指すゲーム業界の未来とは。

ゲーム開発の最前線で共に未来を描くワンストップソリューションを提供したい

株式会社コンフィデンス 取締役
竹下和広

 

ゲーム業界黎明期のSNKに入社し、同社欧州事務所代表に就任。その後、サミー、アクレイム、イグニッション・エンターテイメント・リミテッドで海外での実績を重ね、2011年、スタジオマネージャーとして関わった『エルシャダイ』を発表。現在は、コンフィデンスでゲームのトータル・ソリューション事業に携わっている

 欧州でひたすら国産アーケードゲーム機の基板を販売したSNK時代

 ──竹下さんは黎明期からゲーム業界に関わり、『エルシャダイ』をはじめ、数々のゲームのマネジメントを行ってきました。そもそも竹下さんがゲームに興味を持ったきっかけは?

 竹下実は、そこまでゲームに興味があったわけではないです(笑)。最初に入ったのはファッション業界。服が好きでしたし必死に勉強した甲斐もあり英語に自信もあったので、海外で服飾関係の仕事をしたいと思っていました。
しかし自身の描く業界像ではなかった為、会社を辞めて仕事を探していたところ、たまたま目に留まったのがSNKの海外求人。ファッション同様クリエイティブな世界かも?と思い、SNKに入社することになりました。

──SNKではどんな仕事をしていたのでしょう。

竹下クリエイティブな世界を目指したものの、私が配属されたのは海外部でアーケードゲーム機の基板を欧州に輸出する貿易会社のような部署でした。
その仕事が軌道に乗ってきたため、1994年から98年までイギリスに赴任しSNK欧州事務所代表を務めました。ここでは、現地のゲームセンターでロケテスト(開発中のゲームを一般ユーザーにプレイしてもらい、反応をフィードバックする市場調査)を行うなど、ただ基板を日本から輸入するだけではないマーケティング的な仕事も担うようになりました。
めぼしいプレイヤーを集めて、ゲーム大会を数々開催し、世界を代表するプロゲーマーとなったライアン・ハートさんをはじめ、現在トッププレイヤーとして活躍する方々も参加していました。
その後、フランスで携帯ゲーム機の販売とマーケティングを任されたのですが、2000年にSNKが経営難に陥り、当時のアルゼ(現ユニバーサルエンターテインメント)に買収されることになりまして、それを機にSNKを離れ2001年からサミーに転職、サミー欧州事務所を立ち上げました。

──ゲーム業界に入ってからは、ほぼ欧州で仕事をしてきたのですね。

 竹下そうです。その後もアメリカの企業アクレイムの子会社、イギリスに本社を置くイグニッション・エンターテイメント・リミテッドの日本法人など外資系企業で仕事をしてきました。ベタですが迷ったら常に刺激のあるほうへ進むという選択を取ってきました。

国産ゲーム販売から無国籍オリジナルゲーム「エルシャダイ」誕生へ

──イグニッションでは、2011年に大きな話題を呼んだ『エルシャダイ』も手掛けていますね。どんな経緯で関わられたのでしょうか。

竹下イグニッションでは、国産ゲームタイトルのライセンス許諾を受け、ローカライズして欧米で販売する仕事をしていました。でも、一定期間を過ぎると販売ランセンスが切れるため元には何も残りません。
自分たちでオリジナルゲームを作るべきではないかと考え、その結果『エルシャダイ』が誕生しました。

 ──東京ゲームショウでティザームービーを公開し、大きな話題を呼びましたね。「何だろう、これは」という驚きがありました。

竹下その「何だろうこれ」感を出すことが一番の目的でした。みんながびっくりするようなビジュアル、絵、ストーリーを打ち出し、徹底的に嫌悪感がない表現にこだわりました。そのため、映像制作スタジオ白組に3分間のトレーラーを作っていただきました。色んな意味で 内容に圧倒された方も多いと思います。

──世界にアピールできる作品ができたのも、竹下さんが海外で経験を積んできたからでしょうか。

竹下多少はあると思います。目指したのは、世界で戦える無国籍感のゲーム。とはいえ、私は開発にはノータッチでした。SNK時代から「開発は聖域。素人は口を出すな」とたたき込まれていたので、そういうものだと思っていましたから。
そのため、出資をしてくれるインドやアメリカ、英国企業と日々話をしつつ、資金などの管理をしていました。
クリエイティブには口を出さず、開発チームには「とにかく良いものを作ってください」とだけ言っていました。

──開発チームを信頼しながら資金面を管理するとなると気苦労も多そうな感じですが、竹下さんが一番意識してきたことはなんでしょうか。

竹下

:私はこれまで開発現場の方々と話しながら「面白いゲームってこうなんだ」と肌で感じつつ、ビジネスプロデュースに徹してきました。開発者の気持ち、彼らをマネジメントする側の心理どちらも私なりにわかります。

ただ結局のところ、限られた予算と納期の中で、どこまでクオリティを勝ち取るかという攻防なのです。

こうした中で、「巨額の資金をかけられないならアイデアで勝負しよう」とインディーズが盛り上がるのは自然な流れです。ファッションにも、高級ブランドとファストファッションがあるように、ターゲットに合わせて細分化した企画を考える必要があると思います。

──こういった経験を経て、竹下さんはゲーム業界で人材事業やコンサル業務を行うコンフィデンスにジョインしました。竹下さんから見たコンフィデンスの事業とは?

竹下2014年の設立以来、コンフィデンスはゲーム業界に特化した人材派遣事業を中心に事業を展開し、有料職業紹介、アウトソーシングに事業の幅を広げています。
ゲーム開発の最前線で活躍する社員のスキル、業界内のネットワークは非常に魅力的で、ビジネス・マッチングやコミュニティサービスなど、さらなる事業シナジーの創出にも可能性を感じます。トータル・ソリューション企業として、ゲーム業界のさらなる発展に貢献できるのではないでしょうか。

──同社にジョインするにあたり、どのような思いがあったのでしょう。

竹下創業2年目に、経営層の方々と会う機会があり、短期間ですがコンサル業務をした時期がありました。
もともとゲーム業界で人と人をつないできましたし、長年築いてきたネットワークを事業に活かせるはずです。そこで、事業開発担当としてメンバーに加わることにしました。

──ゲーム業界に特化した人材派遣会社というのも、珍しく感じます。

竹下ゲーム業界においては、重要なのは「人」です。私の考えるビジネスプロデュースは「人、案件、企業」に足りないものを補完すること。その機能を果たすことで適切なソリューションを提供してきました。
とはいえ、この業界では知り合いのつてをたどって人材を紹介するケースが大多数でした。私自身もそういった相談を受ける機会があり、なんとか組織化できないかと思っていたんです。

──ゲーム会社が内部に人材を抱えず、アウトソーシングする動きも高まっているのでしょうか。

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