<ゲーム業界リレーインタビュー>第5回 500本のミニゲームで仕掛ける、小売業(飲食、アパレル等)オウンドメディア活性化の取り組み - ガメモ

<ゲーム業界リレーインタビュー>第5回 500本のミニゲームで仕掛ける、小売業(飲食、アパレル等)オウンドメディア活性化の取り組み - ガメモ

<ゲーム業界リレーインタビュー>第5回 500本のミニゲームで仕掛ける、小売業(飲食、アパレル等)オウンドメディア活性化の取り組み - ガメモ

飲食やアパレルなどの小売業で顧客の獲得のために運営されているオウンドメディア。毎日のように発信されるの自社の情報を顧客に見てもらうため、割引クーポンやポイントサービスなど様々なサービスが試みられています。 こ顧客獲得のサービスに新しいアプローチとして500本のミニゲームを提供している合同会社ダイスコネクティングあべき正博代表にお話を伺いました。

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  1. 110年間で制作した500本のミニゲームを従えて他業種への展開
  2. 2飲食業界とゲーム業界、今まで遠すぎた業界同士の橋渡しで突破口をつくる
  3. 3オウンドメディアは苦労せずともお客様との接点をつくり続けること
  4. 3.1〈ゲーム業界リレーインタビュー〉バックナンバー

合同会社ダイスコネクティング 
代表 あべき正博


神奈川県横浜市出身、多摩美術大学プロダクト専攻を卒業、株式会社ダイスにグラフィッカーとして入社。2014年に販促用ミニゲームを活用したビジネスモデル事業のため、合同会社ダイスコネクティングを設立、現在では500本のミニゲームを保有。販促用ゲームコミュニティサービス「GamePark」を運営。

株式会社コンフィデンス 取締役
竹下和広

 

ゲーム業界黎明期のSNKに入社し、同社欧州事務所代表に就任。その後、サミー、アクレイム、イグニッション・エンターテイメント・リミテッドで海外での実績を重ね、2011年、スタジオマネージャーとして関わった『エルシャダイ』を発表。現在は、コンフィデンスでゲームのトータル・ソリューション事業に携わっている

 竹下初めまして、本日はよろしくお願いいたします。あべきさんは大学卒業からずっとゲーム業界の方だったのですね。キャリアのスタートが著名な方々とのプロジェクトですが、当時の制作秘話など話せる範囲でお聞かせ下さい。

 あべき氏 はい。大学卒業後入社した株式会社ダイスでスーパーファミコン向けソフト「糸井重里のバス釣りNO.1」が最初のプロジェクトです。

ディレクターは糸井重里氏、プロデューサーは当時HAL研究所の社長で後に任天堂の社長を務める岩田聡氏、当時はバス釣りゲームの中で日本一を目指す!そのためには何がゲームとして一番大事か、迷った時にこのゲームって何をキーポイントとするかを糸井重里さんがプロジェクト開始当初に決められて、それはズバリ!「ルアーの動き(疑似餌)」だと。このゲームはいかにそれをリアルに再現出来るかがキーだと。

そんな感じで糸井重里さんの釣りへの思いを、糸井重里さん以外で釣りに詳しかった僕がかみ砕いて岩田聡さんにお伝えしたりと自分の趣味が生きたプロジェクトでしたね。開発途中でもプロジェクトが思わぬ方向に行きかけると、「ルアーの動き(疑似餌)をリアルに!」を合言葉にそこに立ち戻り、何度も再スタートしました。

最初に核になるコンセプトを明確にすることがいかに大事かを学ばせて頂いたプロジェクトでした。このことは今でも意識してお仕事しています。

その後、ポケモンスタジアム、大乱闘スマッシュブラザーズDXの開発に関わった後、2002年 からはキャリア公式サイトのディレクション、2012年からはスマホアプリやソフトウェアの受託開発等を経て、2013年ミニゲームを活用した「GamePark」サービスの企画、プロデュースを開始して独立しました。

 竹下ゲーム伝説時代のユニークな話で今の若い世代の方が聞いても面白い話ですね。ところで独立して今の事業を始められたきっかけを教えて下さい。

 あべき氏25年くらいゲーム業界でお仕事させて頂いている中で感じたことがありまして、ゲームの受託開発はゲーム業界の景気に大きく左右され、私の感覚では大体8年周期でビジネスモデルの転換的な時期が来ると思っています。

新しいゲーム機やプラットフォームが出ると始めは凝ったゲームでなくてもビジネスになり、多くのゲーム開発会社さんが参画していきますが、あっという間にハイエンドなコンテンツクオリティを求められるようになり、開発費が高騰し資本力のある事業者しか対応できないようなハイリスクハイリターン型のモデルになり、収益を安定的に確保することが非常に困難になってきます。

その結果、受託事業者においては開発案件が減少し価格競争が激化、収益の確保や組織の維持が困難な状況となり、泣く泣く社内の人員を縮小せざるを得ないような、そんな負のループを繰り返して淘汰されていく会社が多くなっているのが現在のゲーム業界ではないかと考察しています。そんな状況下で弊社のような小規模事業者が限られたリソースで自身の強みを活かせるビジネスモデルってなんだろうか?
といつも考えていました。

そんななか、弊社が約10年かけて開発してきたミニゲームが約500本ほどになり、販促用として貸出し可能なゲーム保有数が業界トップクラスとなっていることに気が付きました。定番のミニゲームを500本という業界トップクラスの数量で持っている事はとても強みではないかと、これを武器に他業種の方々の役に立つようなオンリーワンのコンテンツサービスを提供できる存在になれるかもしれない!
と思ったのが独立のきっかけです。

10年間で制作した500本のミニゲームを従えて他業種への展開

竹下その時、あべきさんは従来のゲーム業界市場と異なる土俵での“戦い方”を考えられた訳ですが、具体的にはどの様に取り組まれたのでしょうか?

あべき氏 100%の受託開発会社ではなく、資産である500本のミニゲームを活用したサブスクリプション(月額方式)モデルのビジネススキームを作れないか? と考えていました。

サブスクモデルで一定水準の収益を上げることができれば、小規模でももっと弊社のオリジナルコンテンツ開発を楽しくチャレンジできる!スタッフが作りたいゲームやサービスに挑戦するそんな環境を作ることができる!

安定基盤を構築するに際して、定番も含めたミニゲームが500本近くもあるって凄いかも!? どの時代にもリバーシはあるしもぐらたたき、ソリティアも愛され続ける、定番ゲームシリーズは持続可能なコンテンツとして10年後も生き残れる!? そう思ったらとてもワクワクしたのを覚えています。

導入されている企業様の実績を見ても、我々が思う以上にミニゲームは多くの方に長く安定して愛していただけているので、様々な導入方法でご提供できれば多くのクライアント企業様やその先のユーザー様にも支持されるのではないかと感じました。

 竹下なるほど。それが今のダイスコネクティングさんの事業コンセプトの基礎になったわけですね?それでは、具体的にどの様にその事業コンセプトを展開されているのか教えて頂けますか?

あべき氏2019年4月にローンチしたミニゲーム事業の新サービス「GamePark」はこれから需要が高まるのはないかと考えています。「GamePark」はスマホとPCに対応したダウンロード不要なゲームコミュニティサービスでメディア運営者や飲食店、アパレル等の小売店ユーザーの活性化、囲い込みを図りたい方であれば誰でも始められる販促ツールです。

運営しているメディアや店舗に「ソリティア」や「リバーシ」など誰でも一度はみたことのあるミニゲームを導入していただくことで、自社のお客さま集客と定着を図ることができます。自社広告設定機能も搭載しているので常にゲームを楽しんで下さっている自店舗のお客様に訴求した広告を展開出来ます。

飲食業界とゲーム業界、今まで遠すぎた業界同士の橋渡しで突破口をつくる

 竹下その事業コンセプトはどの様に市場で展開されているのでしょうか? 具体的な導入実績とかをご紹介いただけるとイメージがしやすいのですが。

あべき氏 例として全国に直営店を135店舗展開している大手ステーキチェーンのブロンコビリー様から「席に通されるまでの待ち時間に楽しんでいただけるようなコンテンツが欲しい」とのことで「GamePark」を導入していただきました。 

 店舗でお食事をして帰宅されても継続的サイトを訪れゲームを楽しんでいただきます、ゲームを楽しんでいただいた後の広告表示で自社広告が表示されるので再訪を促すきっかけにもなります。クーポンやe-Commerceでのお買い得情報の告知も良いかもしれません、「GamePark」は使い方次第でさまざまなニーズにお応えすることができますし、意外(?)なお客様の行動パターンなどの発見もあるようです。

他には、全国に直営店を600店舗展開している大手焼肉チェーンの牛角さんのアプリのゲームコーナとして導入頂きアプリのリテンションアップ(編集部注:お客様との接点の向上)のお手伝いをさせて貰っていたり(左画像は牛角アプリ)、複数の大手食品チェーン等でご活用いただいております。

 竹下コンフィデンスも女性向けメディア「Lovely|のメディア運営の経験を元にオウンドメディア支援事業を展開しています。是非、ミニゲームの知見を活かしたゲーミフィケーションモデルを一緒に展開していきたいと思います。

あべき氏ダイスコネクティングは今まで、主に大手飲食チェーン店向けにサービス展開していきましたが、昨今の新型コロナウイルスで飲食業界、アパレル業界などの小売店でも自社で集客、定着する手段として手間のかからないオウンドメディアが求められています。そこをコンフィデンスさんのオウンドメディア運用サービスと共同で展開していけると面白いのではないかな? と我々も期待しています。

オウンドメディアは苦労せずともお客様との接点をつくり続けること

 竹下小売店のオウンドメディア運営は今まで小売店の店長が持つ個性とInstagramやTwitterなどに投稿するコンテンツの作成能力に依存されてきました。さらに定着するようなコンテンツとなれば、美しい写真、気を引く文章を継続して投稿するなど苦悩する時間も求められてきましたが、それをミニゲームで補いながら、継続したお客様とのコミュニケーションから集客できますからね。

あべき氏 そうですね。お客様とのコミュニケーションといえば、ウェブ広告領域へのゲーミフィケーション導入を模索中です。ウェブ広告といえばバナーや動画広告ですが、ゲーム的なインタラクティブ要素を加え新しい広告クリエィティブを作れると思っています。映像会社、特殊QRコード会社、編集会社、印刷会社達とコラボを開始しはじめました。こちらの取り組みも飲食、アパレル業界などの小売店向けに展開できないか業界の皆さまと一緒に考えていきたいと思っています。

竹下本日は大変興味深いお話を伺えました。ミニゲームを活用したオウンドメディア活性化にはいろいろな可能性がありそうですね、御社の更なるご発展を応援しておりますので一緒に頑張っていきましょう。
それでは最後に一言お願いいたします。

あべき氏 コロナの影響で世界が大きく変わるなか、弊社も自ら変わる時期だと感じていてゲーム業界の経験を他業種で展開するといったゲーム業界他社が手掛けないこと、どうすれば飲食、アパレルなどの小売業の皆さまのオウンドメディアのお役に立てるかをコンフィデンスさんと一緒に手掛けていきたいと考えています。本日はありがとうございました。

「GamePark」公式サイト

飲食店、小売店向けゲーミフィケーションメディアのお問い合わせはこちら

「合同会社ダイスコネクティング」公式サイト

ブロンコビリー導入事例 http://d-connecting.com/game/765/

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〈ゲーム業界リレーインタビュー〉バックナンバー

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