ゲームエフェクト制作はテクスチャ制作がポイント!After Effectsを使いこなそう

皆さんが普段何気なく遊んでいるゲームにはエフェクトが数多く使われています。ゲームエフェクトを作るためには何を学べば良いのか、どんなツールを使うのか。ビジュアルデザインだけではなくエフェクトの本質を学ぶためのヒントをご紹介していきます。
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- 1ゲームエフェクト制作におけるテクスチャとは
- 1.1テクスチャの用途は?
- 2どうやってテクスチャを作るの?
- 2.1After Effectsで作るテクスチャ
- 2.2フォトショップで作る
- 3ゲームエフェクトを詳しく知ろう
- 3.1色々なエフェクトが存在している
- 3.2ヒットエフェクト
- 3.3自然現象を理解しよう
- 3.4小物、オブジェクト
- 3.5必殺技
- 4テクスチャ作成で必要な事前知識
- 4.1自然現象を理解する
- 4.2火、氷、雷を理解しよう
- 5テクスチャを作り始める前に
- 5.1After Effectsの事前準備
- 5.2コンポジション設定
- 5.3作業スペースの設定
- 5.4テンプレートを作っておく
- 6テクスチャ制作でよく使う機能
- 6.1After Effectsでフラクタルノイズを使いこなそう
- 6.2フラクタルノイズは基本中の基本
- 7実際に作ってみよう
- 7.1氷のエフェクト
- 7.2雷のエフェクト
- 8ゲームエフェクト制作はこれから需要が増す職種
ゲームエフェクトのテクスチャ作りを始めるためにエフェクトとは何かを解説してきました。ここからは実際にAfter Effectsでテクスチャを作ってみましょう。でもその前にしっかりと準備をしてスムーズな制作を行うようにしてみてください。ちょっとした準備がテクスチャ作りをやりやすくしてくれます。
After Effectsの事前準備
まずはAfter Effectsの準備をしましょう。ソフトを起動してすぐに作るのではなく、テクスチャ制作に必要な設定をしておきます。複雑なテクスチャを組み上げてから設定を見直すのは手間ですし、場合によっては作り直さなければならない事も出てきます。
コンポジション設定
テクスチャは静止画像として書き出しを行います。After Effectsではアニメーション制作もできるため、映像作品のための設定ができるようになっています。でもテクスチャは1枚できれば良いので基本的には最小時間の設定でOKです。(テクスチャーシートアニメーション向けの制作では3秒ほどの時間設定を行うこともあります)
今回はUnityによる開発をベースにした考え方で進めていきます。ゲームエフェクト用のテクスチャには決まり事があり、画像サイズは「8のべき乗」で作成します。これはゲームエンジンの処理を最適化するためのものなのでおまじないだと思ってください。自由な数字でも一応使えますが、実行時に必要以上の処理がかかって動きがカクついてしまったり、そもそもデータ容量が大きくなりすぎる可能性もあります。そのためサイズは「512×512」のサイズで作っていきます。(倍の1024×1024や4倍の2048×2048で作る場合もあります)
背景色は「黒」で設定します。これはテクスチャを作る際に黒色のほうが都合が良いためです。背景を透過させる際にも黒を利用するので、他の色にする必要はありません。
作業スペースの設定
作業スペースの設定を行っていきます。実際にAfter Effectsを使っていくと自分が使いやすい配置が出てくると思いますので、色々とカスタマイズしてみてください。
おすすめは「ウィンドウ」→「ワークスペース」→「最小構成」で必要最低限のウィンドウを開くことです。
そして、この後によく使う「ウィンドウ」→「プロジェクト」にチェックを入れておきます。
次にエフェクトの調整をするためのウィンドウを出しておきます。
「ウィンドウ」→「エフェクトコントロール」を表示させます。もしエフェクトコントロールウィンドウが他のウィンドウに重なってしまった場合、タブをクリックしたまま移動させることで好きな場所に置き換えられます。今回は右側へ移動させました。
テンプレートを作っておく
After Effectsの基本的な設定が終わりました。次にテクスチャ作成でよく使う「平面テンプレート」を作っておきます。テンプレートを作っておけば同じ作業を何回もせずにすむので便利です。
「レイヤー」→「新規」→「平面」を選択して設定はコンポジションと同じ512×512ピクセル、色は黒にしておきます。コンポジションのサイズを1024×1024にした場合は同じサイズで平面テンプレートを作っておきます。
テクスチャ制作でよく使う機能
After Effectsでテクスチャを作る際、よく使う機能があります。最も基本的なエフェクトでもある「フラクタルノイズ」です。テクスチャ制作の際にはまずフラクタルノイズをかけてから加工する事が多く、フラクタルノイズを使いこなす事がテクスチャ制作の基本かもしれません。もちろんテクスチャの作り方は様々なので使わない場合もあります。
フラクタルノイズはとても便利で使い勝手も良いため是非覚えておいてください。
After Effectsでフラクタルノイズを使いこなそう
ゲームエフェクト制作でテクスチャを作る上でフラクタルノイズはよく使うエフェクトの一つです。まずはフラクタルノイズを使いこなしてテクスチャの質を一段アップさせてみましょう。
実際に作り始める際には先程作った平面テンプレートをタイムラインへ移動させます。いちいち平面を作るよりも断然早く、加工用の平面をどんどん追加できるので便利です。
タイムラインに配置した平面に対してエフェクトをかけていきます。まずはフラクタルノイズを適用していきます。
設定は色々と試してみて、イメージにあうものを探し出してみてください。
フラクタルノイズは基本中の基本
フラクタルノイズは炎の表現や空間の歪み、水面の反射、グラデーションを作る際にも利用できます。ランダムな模様を取り入れるだけでベタ塗り感はなくなり、自然に溶け込むデザインを作ることも可能です。ゲームエフェクトを作ろうと思っている方は是非マスターしてほしいエフェクトの一つです。
実際に作ってみよう
炎のエフェクトを作る際は手描き、またはアニメーションを利用して静止画を切り出す方法などがあります。ポップなエフェクトを作る場合は手書きのほうがマッチしますし、フォトリアルなエフェクトであればアニメーションとして作成し、良い形の部分を静止画として書き出します。
炎感を出すために2秒ほどのアニメーションデータとして作成し、タイムラインを動かしながら良い形になる部分を探します。マスクを一部外した状態の画像を見てみると、作りとしてはシンプルに「見える所」「見えない所」をマスクで調整し、良い形を模索していきます。
エフェクトを整えたらPNGデータとして出力し、そのうちの一枚をテクスチャとして利用しましょう。
氷のエフェクト
氷のエフェクトはメッシュ(3Dモデル)とセットで作られる場合が多いです。細かいディテールを作り込むためにフォトショップでテクスチャを仕上げるのも良いでしょう。氷感を出すためにはエッジの光と透明感の調整です。最終的には氷の形をしたメッシュに貼り付けて完成です。
テクスチャとして使用している画像は、フラクタルノイズとタービュレントディスプレイスで調整して色を付けたものです。標準エフェクトで作っていますが、もっとエッジを際立たせたり、メッシュに合わせて調整することでよりリアルな氷を作ることも可能です。