【Web3用語集】トラストレスとは|解説
Web3.0とよばれるITの話題の中で、意味がわからない専門用語はありませんか。この記事ではブロックチェーンの特徴である分散型システムに関わる話題で頻出される「トラストレス」という単語について、意味や定義を解説していきます。
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トラストレスとは|定義
「トラストレス」の「トラスト」は(trust:信用、信頼)といった意味です。接尾辞の「レス」(less:~の無い、~を欠く)がつくことで、否定の意味となります。ただ、「信用が無い」「信用ができない」などといった胡散臭いイメージをさせるようなネガティブな意味ではなく、「信用を必要としない」「信用不要」と言った方が正確です。
Web3.0で使われる「トラストレス」という単語は、ブロックチェーンなど分散型のシステムにおけるオープンソースの推進や、信頼のおける第三者機関を必要としないという理念や概念です。
トラストレスとは|解説
国家による信用の担保がされた法定通貨や信用金庫・信用基金、クレジットカードの審査など、お金を扱う際に信頼・信用という言葉は非常に重要になってきます。お金の価値は信用によって成り立っているので、お金を管理している国家や金融機関への信用が無くなると、お金の価値もなくなってしまいます。信用の保証には常に細心の注意が払われている結果、そうした保証をする機関の権力が強くなっていくのは当然の結果です。
ブロックチェーン、ビットコインの元となったサトシ・ナカモト氏の論文では、8ページの中で13回「信頼」という単語が使われ、そうした中央集権型の金融システムとは違った「信頼」に頼らない「暗号」による電子取引システムについて言及されました。
そのような中で生まれた、ブロックチェーンの「トラストレス」という概念は、信用を必要としません。正確には信用をどこか1つの金融機関や国家に委ねず、利用者同士で分散することで保証しています。ブロックチェーンを利用しているビットコインでは、利用者は相互監視をすることで利益を得ることができるため、悪意を持った改竄者よりも正常な取引を望む声が常に強くなっています。そのためビットコインの過半数を企業が独占するまでは、セキュリティの維持が約束されているようなものなのです。
従来の中央集権型による国家や金融機関への信用や信頼(トラスト)ではなく、利用者である個々の利己的な行動が直接セキュリティ担保する。そうした非中央集権型の分散型システムを作ることで、突然の暴落や仲介による中抜きなどが少なくなると考えられています。