グリーグループが挑むVTuber事業 長期的視野でチャレンジを続けるREALITY Studiosの魅力
REALITY Studios株式会社は、グリーグループのVTuber事業会社です。これまでREALITY株式会社が運営してきたVTuberプロダクションの事業を分社して2023年3月に誕生しました。
多くの事務所立ち上げやタレント輩出を予定している同社は、タレントマネージャー職と運営ディレクター職を中心に採用を行っております。
そんな同社の代表取締役社長である杉山様に、大手グループ企業だからこそ取り組めるVTuber事業でのチャレンジの仕方と、その魅力についてお伺いしました。
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この記事でわかること
- 新設VTuber事務所を成長させるグリーグループの戦略
- VTuberタレントマネージャーは『人と向き合う力』が求められる職種
- ディレクション経験と企画力を重視する運営ディレクター職の魅力
『ファン属性・グローバル・長期性』で勝負する
――本日はよろしくおねがいいたします。
――VTuber市場が誕生して5年。REALITY Studios様がVTuberの領域にチャレンジしていくにあたって、どのような方向性でチャレンジしていくのでしょうか?
ファン属性に合わせた事務所展開
杉山様(以下、杉山と表記)「前提として、VTuberの市場はどんどん成長しているし、他の事務所様もどんどん大きくなっています。客観的に見たら、グリーグループに所属しているとはいえ、VTuber市場全体で見ると後発の企業だと思います。」
杉山「そういったポジションを前提としたときに、グリーグループの経営基盤やアセットを活かして大規模にチャレンジしていくことが必要だと思います。」
――グリーグループの一員だからこその戦い方をしていくということですね。
杉山「はい。具体的にどういった方針でチャレンジしていくのかというと、『事務所のカラーを明確に出す』ことと『早期の海外展開』の二軸で考えています。」
杉山「まず『事務所のカラーを出す』点についてですが、ファン属性が異なることを鑑みて、ジャンルごとに事務所のカラーを変えて並列展開していきます。」
――各ジャンルに特化した事務所を並列で作っていきたいということですね。
――『FIRST STAGE PRODUCTION』は総合エンタメの事務所である一方で、女性ゲーム配信者主体の『すぺしゃりて』の設立を先日発表されておりました。
――このように、ファン属性に合わせて事務所のカラーを持たせていくということだと理解しました。
海外マーケットへの早期展開
杉山「次に海外ですが、ここにマーケットがあるのは、ほぼ確実かと思います。(公開されている)他社様の具体的な決算情報を分析していても、海外のマーケットの比率は大きいですし、非常に成長しています。」
杉山「また、人口が伸び続けているのは国内よりも海外なので、海外市場に早く飛び込むのは非常に大事なことだと思っております。ここに早くチャレンジしていきたいと考えています。」
――ファン属性ごとに事務所を立ち上げる戦略と、グローバル戦略。この2本の柱で成長していくということだと理解しました。
長期的視野でVTuber事業にチャレンジする
杉山「また、グリーグループのしっかりした経営基盤が背景にある中で、私たちは、10年20年の長期的スパンでこの事業に取り組んでいきたいと考えています。私たちのVTuber事業は、長期的視野と、事業の継続性を大事にしています。」
――御社のみではなく、グリーグループ全体としてそういった考え方をお持ちなのですね。
杉山「はい。私たちは数年のスパンで物事を考えず『10年後、20年後に私たちがどうなりたいか』というところから議論しています。そこから逆算して事業や投資配分を考えているのは、後発の事務所としては珍しい方向性なのかなと思います。」
――確かに『一期生を出してみたけれど、上手くいかなかった』という理由でVTuber事業から早々に撤退する会社様も多い印象です。
――そんな中で、グリーグループの経営基盤があることは大きな強みのように感じます。
グループとしてのノウハウが強み
杉山「補足すると、そもそもVTuber事業自体はREALITY株式会社の中で5年ほど前から取り組んでおりました。なので、新しい会社とはいえ、既にチームや体制があります。他にも、3D配信を行う際に使うモーションキャプチャースタジオ等、一通りのアセットがあります。」
杉山「また、ゲーム・アニメ・漫画など、幅広いエンターテイメントのノウハウがあることも強みになってくると思います。例えば私たちの事務所でいいタレントが出てきて、IP展開のフェーズに話が進んだ時、そういった水平展開は実現しやすいと思います。」
――VTuber事業を柱としながらも、そこにとどまらない展開ができるというのは、貴社の強みだと感じました。
REALITY Studiosの魅力
- 長期的にVTuber事業に取り組むスタンス
- グリーグループの総合力を活かし、多くのチャレンジを仕掛ける
- ファン属性特化とグローバル展開を意識した成長戦略
『職場』としてのVTuber事業
――現在、タレントマネージャー職と運営ディレクター職を中心に採用を行っているとお伺いしております。
――そのような中で、どのような方と一緒に働きたいとお考えでしょうか?
「好き」であることが長期性を生む
杉山「先ほど申し上げた通り、私たちは長期的にこの事業に取り組んでいくので、やはり長くチャレンジし続けられる人をすごく大事にしています。」
――事業が長期的視野のもとで運営されている以上、長期的に取り組める人材が重要だということですね。
――抽象的な質問で恐縮ですが「長期的にチャレンジし続けることができる人」の条件は何だとお考えですか?
杉山「やはりその領域が『好き』な人であることが一番大事だと思います。『VTuberの事業に挑戦したい』という想いや、『VTuberが好きだから、長くその領域で働きたい』という人を大事にしていきたいです。」
杉山「それが(長期的にチャレンジし続けられる組織を生み)長い目で見たときに結果として成功するっていうパターンになると、私たちは思っています。」
新しいチャレンジのできる環境
――REALITY Studios様を『職場』と捉えたときに、他社様との違いについてお伺いしたいです。
杉山「新しいことへチャレンジできるというところが、一つ大きなポイントかなと思っております。既に大きな事務所を作り上げている企業様は、既存の仕組みを強みにしてどんどん伸ばしていく戦い方だと思います。」
杉山「一方、今の我々はこれから事務所をどんどん立ち上げていくフェーズになるので、この事業をゼロから作って行く楽しさがあるのかなと思っております。
――『新しいことにチャレンジする』ことと『多くのチャレンジをしてPDCAを回していく』ことを重視しているのは、グリーグループ様全体の社風のように感じます。
――VTuber事業に腰を据えてチャレンジできる点は、業界の中では珍しい環境だと感じました。
杉山「あと補足するとすれば、働き方と労働環境です。上場企業のグリーグループに所属しておりますので、従業員が安心して働く環境はご用意できるかと思います。」
タレントマネージャー|タレントの夢を支え、向き合う仕事
――VTuberタレントマネージャー職で働く魅力とは、どういった所にあるのでしょうか?
杉山「当社の事務所に所属しているタレントには、この事務所に所属しているからこそ実現したい夢や目標があります。タレントマネージャーは、それを全力でサポートしていくことがミッションです。」
杉山「魅力ややりがいとしては、やはり個人の成果がより反映されやすい点だと思います。例えば、自分がサポートしたことでタレントの人気が高まる活動や認知が広がる活動をしたときには、明確に数字の伸びに反映されます。また、ファンの方の反応速度も非常に速いです。」
――それは嬉しいですね。タレントからも感謝されるでしょうし、ファンの皆様の喜んでいる姿もやりがいに繋がりそうです。
――また、PDCAのサイクルも非常に短いのではないかと感じました。
杉山「そうですね。例えば『ゲームを作る』なら、まず企画があって、開発期間が2~3年かかります。また、開発費も1本30億とか40億になってきますし、チーム体制も100人単位になってきます。コンテンツビジネスは非常に長い目で見ていかなくてはなりません。」
杉山「一方、VTuberタレントマネージャーは、タレントと1対1の関係なので、何かをやろうと思ったときに『じゃあ明日やってみよう』という非常に速いスピード感になります。そういった、タレントの夢の実現に向けて自分がやったことへのフィードバックが速いのが特徴的です。」
――タレントの夢の実現に向けて、多くのチャレンジを繰り返していくお仕事なのだと感じました。
タレントと1対1の関係だからこその裁量
――タレントマネージャーは、アドバイザー的立ち位置になることが多いと思います。個人の裁量としてはどのくらいあるのでしょうか?
杉山「タレントの日々の活動に対して『ここをもっと伸ばしていこう』とか『こんな配信をしたら伸びるのではないか』といったアドバイスはタレントマネージャーの仕事です。」
杉山「イメージとしては、編集者に近いです。例えば漫画を出版する時に、原作者と編集者が登場すると思います。実際にクリエイティブを行うのは原作者ですが、編集者は原作者にアドバイスをしたり、トレンドを伝えたり、様々なサポートをします。」
杉山「つまりタレントマネージャーは、タレント自身が気づいていないファンのニーズも踏まえ、一緒にコンテンツを作っていく役割を担います。」
――タレント単位での活動については、かなり広い裁量があるように感じました。
人と向き合う力が最も重要
――今後、REALITY Studios様は多くの事務所を作り、多くのタレントを輩出していく方向性で進められていると思います。
――そういった中で、タレントマネージャーにはどういった方が向いているとお考えでしょうか?
杉山「REALITY Studios全体としては、VTuber好きということが共通項としてあります。その上で、タレントマネージャーには『向き合い力』といいますか、タレントの声ややりたいことをちゃんと聞き、タレントの立場に立って物事を考えられることが大事だと考えています。」
――タレントマネージャーは、タレントとの接点が一番ある職種ですからね。
杉山「そうですね。もちろん事務所の方針はあるのですが、タレントはクリエイターであり、エンタメコンテンツの作り手でもあります。ただ事務所の方針を押し付けるだけでは、いいコンテンツは生まれないです。」
――伝え方が大事なのですね。
杉山「そして、タレントのメンタル面を考えたときにも、必要だと思います。一般論ですが、自分の活動がうまくいっていない時、人はメンタルが不安定になりがちです。」
杉山「タレントでも同じことが起きる可能性はあります。タレントとの距離が一番近いタレントマネージャーは、そういった事にも気を配ることが大事だと思います。」
運営ディレクター|俯瞰的な視点と企画力・実行力
――一方、運営ディレクターとして働く魅力をまずお伺いしたいのですがいかがでしょうか?
杉山「運営ディレクターは、担当タレントに関する方針を決め、事務所運営のディレクションをしていく、いわば事務所運営責任者の『右腕』となるポジションです。」
杉山「例えば『1期生』や『2期生』といった単位でタレントをまとめて見たり、事務所主導の企画を考え、実行する役割を担います。事務所の方針に沿って、この運営を上手くディレクションしていく役割です。」
杉山「そのため、魅力としてはタレントマネージャー以上に任せられる幅が非常に大きい所だと思います。(他の二次元コンテンツの業界で例えるなら、)プロデューサーに近いような範囲です。」
――タレントマネージャーよりもより広い範囲をディレクションしていく役割だと感じました。
杉山「そうですね。タレントマネージャーを率いたり、タレントマネージャーを通じてタレントをマネジメントしていくような役割があるので、幅広く裁量を持っていただけます。」
杉山「タレントマネージャーはとことん人に向き合うことが役割である一方で、運営ディレクターは色々な数字を任される側面もあります。(逆に言うと予算を動かせるので、)事務所単位での企画をいろいろ作っていきたい人にはすごく魅力的なポジションだと思います。」
――そういったポジションである一方で、どのような人が向いているとお考えでしょうか?
杉山「タレントマネージャーとの共通項としては『VTuberが好き』だったり、『タレントビジネスが好き』であることです。一方で、運営ディレクターは先ほど申し上げたように『VTuber事業を作っていく』ことに近いポジションでもあります。」
杉山「なので、仮説構築力といいますか、例えば『1期生をこういう打ち出し方にしたらうまくいくのではないか』というような、仮説を作れること。あとは、それをしっかりと実行すること。絵空事の企画ではなくて、ちゃんと実行する人が向いていると思います。」
――今後、多くのタレントや事務所を生み出していく方向性だと思います。
――タレントマネージャーと比較しても、より広い範囲、より大きい企画を動かせるのは魅力だと感じました。
これからできる市場だからこその魅力
杉山「VTuber業界は、誕生して5年経ったと言われています。黎明期からVTuberの文化に触れていた人からすると『5年も経った』という見方をされる方も多いと思います。」
杉山「ですが一方で、世の中の多くの業界は誕生して10年以上経っています。ゲーム業界でも20年以上、芸能の業界はもっと長いと思います。そういった業界と比べると、まだまだ新しい、これからの業界です。」
杉山「だからこそしがらみが少ないですし、やりたいことをスピード感高くやれる環境が業界としても、弊社としても揃っています。VTuberに興味があって、本当に好きだと言える人にとっては、やりたいことが(腰を据えてじっくり)やれる環境はあると思います。」
杉山「本当にこのVTuberという領域が好きで、この領域で働きたいという人と、一緒に働けることを楽しみにしております」
――本日はお時間いただき、ありがとうございました。
写真:インタビューにお答えいただいた杉山様