Web3転職|セキュリティエンジニアとしてWeb3転職できる?

Web3業界は急速に発展しており、Web3サービスの開発に携わるセキュリティエンジニアの需要も高まっています。本記事では、Web3業界へセキュリティエンジニアとして転職することに興味のある方に向け、その魅力や転職方法について詳しく解説しています。
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- 1Web3業界のセキュリティエンジニアとは?
- 1.1Web3のセキュリティエンジニアの役割
- 1.2Web3のセキュリティエンジニアの魅力
- 1.3Web3のセキュリティエンジニアの年収
- 2Web3業界のセキュリティエンジニアの将来性
- 2.1Web3のセキュリティエンジニアの需要
- 2.2Web3のセキュリティエンジニアのキャリアパス
- 3セキュリティエンジニアとしてWeb3転職するために必要なもの
- 3.1Web3のセキュリティエンジニアに必須のスキル・資格
- 3.2Web3のセキュリティエンジニアにあると便利なスキル・資格
- 3.3Web3のセキュリティエンジニアに求められる人物像
- 4Web3業界未経験でも転職できる?
- 5Web3業界への転職活動とは?
- 5.1Web3のセキュリティエンジニアの求人の探し方
- 5.2Web3のセキュリティエンジニアの志望動機のポイント
- 6まとめ|セキュリティエンジニアとしてWeb3転職しよう!
Web3業界のセキュリティエンジニアとは?
近年、Web3(Web3.0)というワードを耳にすることが多くなりました。
明確な定義はありませんが、経済産業省はWeb3.0により実現できる世界について以下のように説明しています。
【Web 3.0】:ブロックチェーンによる相互認証、データの唯一性・真正性、改ざんに対する堅牢性に支えられて、 個人がデータを所有・管理し、中央集権不在で個人同士が自由につながり交流・取引する世界。
簡単に言えばWeb3は、ブロックチェーン技術を活用した非中央集権型の新しいインターネットの概念と言えるでしょう。
ブロックチェーンとは、ネットワーク上の端末同士をダイレクトに接続し、取引データを暗号技術を用いて処理・記録する分散型台帳のことです。
Web3のサービスが増えたり大手企業が続々と参入したりしている中で、セキュリティエンジニアとしてWeb3業界への転職を検討している方も多いのではないでしょうか。
まずはWeb3業界においてのセキュリティエンジニアがどのような仕事なのか、役割・魅力・年収について解説します。
Web3やブロックチェーンについてわかりやすく知りたい方は、こちらの記事も是非ご覧ください。
Web3のセキュリティエンジニアの役割
Web3のセキュリティエンジニアは、ブロックチェーン技術を活用したサービスにおいて、サーバーに関連する業務や情報セキュリティを担当するエンジニアのことを指します。
具体的には、
- 仮想通貨取引所
- DeFi(分散型金融)
- DAO(分散型自律組織)
- NFTマーケットプレイスやミントサイト
- GameFi(ブロックチェーンゲーム/NFTゲーム)プラットフォームやGameFiタイトル
- NFTを活用したメタバース
などのサービスやそれらに関連するWebサイト・アプリケーションにおいて、セキュリティに配慮したシステムの企画・提案、設計、実装、テスト、運用・保守を行います。
一般的なセキュアコーディング観点の脆弱性への対策に加え、スマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み)独自の脆弱性が潜んでいないかについても検証する必要があります。
Web3のセキュリティエンジニアの魅力
Web3のセキュリティエンジニアの最大の魅力は、何よりも新しい分野に触れられる点です。
次世代のサービスの開発に携わった実績が得られ、最先端のサイバーセキュリティの事例を経験することができます。
新規プロジェクトの立ち上げから関われるチャンスや、自分が開発に携わったサービスが社会全体に大きな影響を及ぼす可能性もあるでしょう。
Web3は新しい領域ゆえに、常にアンテナを高く張り最新の情報や幅広い知識を把握することは大変とも言えますが、その分大きなやりがいにも繋がります。
Web3のセキュリティエンジニアの年収
求人サイトに掲載されているWeb3のセキュリティエンジニアの求人を見てみると、年収は概ね500〜1000万円の範囲が多いです。
シニアレベルの求人になると、1000万円以上などのさらに高い額が提示されていることもあります。
これまでのセキュリティエンジニアとしての経験やスキルが豊富であれば、その点が考慮され、比較的高い水準の年収を目指せる可能性が高いでしょう。
Web3業界のセキュリティエンジニアの将来性
結論として、Web3業界及びWeb3のセキュリティエンジニアの将来性は非常に高いと言えます。
以下では、セキュリティエンジニアの需要とキャリアパスについてご紹介します。
Web3のセキュリティエンジニアの需要
Web3におけるセキュリティエンジニアの需要と必要性の高さを物語る、Web3の市場規模とスマートコントラクトの脆弱性について説明していきます。
Web3の市場規模
市場調査会社のグランドビューリサーチによると、世界のWeb3.0ブロックチェーン市場は、2030年までに335億3,000万ドルに達すると予想されています。2023年〜2030年の年平均成長率は47.1%になる見込みだそうです。
国内市場についても、世界と比較すると規模は劣りますが、確実に成長を遂げています。
株式会社ミック経済研究所によると、国内のブロックチェーン市場は年平均成長率66.4%増で成長を続け、2024年度には1,000億円を超えると予想されています。
出典元:
Web 3.0 Blockchain Market Size & Share Report, 2030|Grand View Research, Inc.
大きく活用用途広がるブロックチェーン市場の現状と展望 2019年度版|ミック経済研究所
ブロックチェーン市場の盛り上がりに比例し、そのサービスの開発に関わる人材もさらに必要となります。
スマートコントラクトの脆弱性
ブロックチェーン技術を活用したシステムにおいてはスマートコントラクトを活用するのが一般的です。
スマートコントラクトの脆弱性を突かれて不正なデータが書き込まれた場合、「高い改ざん耐性」というブロックチェーンの特徴により、後から修正できない被害へと繋がります。
これにより、スマートコントラクト内に保持された暗号資産が抜かれてしまうといった重大な損失が生まれる危険性もあります。
実際に起きた事件として有名なのが「The DAO事件」です。イーサリアム上の分散型投資ファンド「The DAO」のシステムが狙われたもので、約360万ETH(当時の価格で約52億円相当)が盗まれました。
最終的にはハードフォーク(ブロックチェーンの仕様変更、分岐)を行って事態を収束させましたが、事件後はイーサリアムの価格が一時暴落するなど、非常に大きな影響を及ぼしています。
このように大きなリスクを孕むブロックチェーン関連サービスのセキュリティ対策は必須であり、リリース前に如何に脆弱性を潰し込めるかが重要となります。
ブロックチェーンの根幹を担うセキュリティエンジニアはなくてはならない存在であり、今後もますます需要が高まるでしょう。
Web3のセキュリティエンジニアのキャリアパス
Web3のセキュリティエンジニアのキャリアパスは、企業や個人の志向により多岐に渡ります。
セキュリティエンジニア分野を追求しスペシャリストを目指すほか、マネージャーやセキュリティコンサルタントなどにキャリアアップするという道があります。
実績を積んだのちに独立・起業するという選択肢もあります。
Web3業界はまだ発展途上であるため、先見性を持って仕事をすることで、将来的に重要なポジションを開拓し活躍するチャンスも期待できるでしょう。
セキュリティエンジニアとしてWeb3転職するために必要なもの
実際にセキュリティエンジニアとしてWeb3業界に転職するには何が必要なのでしょうか。
もちろん、求人によって必須要件・歓迎要件・求める人物像は異なります。
以下ではそれぞれを網羅的にご紹介しますが、応募したい求人に対して自分がマッチしているかどうかは求人ページの要件をよく確認しましょう。
Web3のセキュリティエンジニアに必須のスキル・資格
Web3のセキュリティエンジニアになるために、必ず取得しなければならない資格はありません。
特定の資格よりも、セキュリティエンジニアとしての経験・スキルが求められます。主に求人応募の必須条件として挙げられている項目は以下の通りです。
求人応募の主な必須条件
- セキュリティに関する基礎知識
- セキュアプログラミングに関する知識・経験
- セキュリティソリューションの導入・構築経験
- OSに関する知識
- ITインフラに関する知識(TCP/IPなど)
Web2のセキュリティエンジニアとしての実務経験がある方であれば、Web3でもそのスキルを発揮し活躍できるでしょう。
Web3のセキュリティエンジニアにあると便利なスキル・資格
多くの場合に必須ではないものの、Web3のセキュリティエンジニアの業務に役立つ資格は存在します。
あると便利な資格
- WEB3.0検定
- 暗号通貨技能検定
- 情報処理安全確保支援士
- シスコ技術者認定
- (ISC)²認定資格CISSP
- CompTIA Security+
- 公認情報セキュリティマネージャー(CISM)
- 情報セキュリティマネジメント試験
WEB3.0検定や暗号通貨技能検定は、ブロックチェーンについての知識を学習できる民間の資格検定ですので、こちらにチャレンジしてみるのもおすすめです。
その他、サイバーセキュリティ関連資格を転職を機に取得するのも良いでしょう。多くの種類があるため、難易度やスケジュール、費用等によって検討することをおすすめします。
その他、あると便利なスキルは以下の通りです。
あると便利なスキル
- Web3及びブロックチェーンに関する知識
- 法律の知識
ブロックチェーンそのものの開発を担当するわけではなくとも、Web3及びブロックチェーンについての知識は備えておくことをおすすめします。
また、セキュリティエンジニアには関連する法律の知識も求められますが、特にWeb3は法整備が不十分な点もあるため、そこに関しても理解していると尚良いでしょう。