【ゲーム業界用語集】Tickとは|意味や解説
ゲーム業界用語の中で意味が分からない専門用語はありませんか?
この記事では、ゲームへの没入感やフレームレートと密接な関係にある「Tick」について、詳しく解説します。
ゲーム開発における基本知識として抑えておくことをおすすめします。
Tickとは|定義
「Tick」とは、ゲーム開発において、一定の頻度で処理される更新イベントを表す用語です。
アニメーションやユーザーの入力処理など、ゲーム内で発生するイベントを進行させるために必要な要素で、ゲーム開発では抑えておきたい概念です。
Tickとは|解説
「Tick」の要素を詳しく解説します。
「Tick Rate(ティックレート)」
どの程度の頻度で処理が行われるかを表すものとして「Tick Rate(ティックレート)」があります。
ゲームの滑らかさや没入感に直結する値で、プレイヤー位置、攻撃の当たり判定、ゲーム内時間の進行など、Tickにより管理・更新される要素の指標となっています。
オンラインゲームではネットワーク通信効率にも影響を与えるため、重要な要素と言えます。
フレームレートとの関係
「Tick」と「フレームレート」には密接な関連があります。
フレームレート(Frame Rate)
- 1秒あたりに画面が更新される回数
- 「フレーム・パー・セカンド(fps)」で表す
- 例えば、60fpsの場合、1秒間に60枚のフレームが表示される
一般的に、フレームが描画されると連動してTickが呼び出され、ゲーム内の要素(オブジェクトやシステム)が更新されます。
フレームレートが高い場合、その分Tickも頻繁に呼び出され、ゲーム内イベントや処理が頻繁に更新されます。
反対に、フレームレートが低い場合は、Tickが呼び出される頻度も少なくなり、処理頻度が低下します。
総じて、フレームレートとTickは、ゲームやアプリケーションが実行されるタイムスケールや処理の頻度を制御する重要な要素となっています。これにより、アニメーションや物理エンジン、ゲームロジックなどを滑らかに動作させます。
プラットフォームによる差
異なるプラットフォームでは、Tickによりパフォーマンスの差異が生じることがあります。
処理性能による差
GPU(Graphics Processing Unit)やCPU(Central Processing Unit)の性能が、フレームレートや連動するティックレートのパフォーマンスに直結するため、ゲーム表現に大きな影響を与えます。
特に、高度なグラフィックスや処理を要求するゲームの場合、プラットフォームによる性能差が大きく出ます。
最適化により発生する差
ゲームは開発の際に各プラットフォーム毎に最適化されるため、こちらでもティックレートに影響が出ます。
ネットワーク環境による差
オンラインゲームの場合、ネットワーク通信状況がゲームのフレームレートやティックレート処理に影響を与えます。
ネットワーク通信環境はプラットフォーム性能に依存する側面もあるため、それにより差が出ることがあります。
Unreal Engineとの関係
「Tick」は特に、ゲーム開発エンジン「Unreal Engine(アンリアルエンジン)」で実行される処理を限定的に示す用語として使われる場合もあるため、Unreal Engineとの関係も解説します。
Tickノード
アンリアルエンジンには「Tickノード」というものが存在しています。
ノード(Node)
- アンリアルエンジンには、プログラミング言語を使わずにゲーム挙動の設定ができるBlueprint機能が存在
- Blueprintは、ノードを組み合わせてゲームの挙動を設定する
- 「Tickノード」は一定の間隔で実行される処理を行うノード
「Tickノード」を使うことで、ゲーム内のオブジェクトが一定の間隔でアップデートされ、動作や挙動が定期的に変更されます。
これによって、キャラクターの動きやアニメーション、ゲームの進行が滑らかに行われるようになります。
簡単に言うと、「Tickノード」は時間ごとに何かしらの処理をするための「指示書」のようなもので、これによってゲーム内のオブジェクトに動きが生まれます。