【UEチャレンジ企画】書籍を読んで学ぶ!モデリング機能で物体を作る
初学者がUnreal Engineによるゲーム制作に100日取り組んで、どこまでプロの開発者に近づけるのかを試す本企画。今回は第四弾となります。
前回、Epic Games公式のチュートリアルを見て学習を進めた筆者。今回は『Unreal Engine 5で極めるゲーム開発』という書籍を読み、Unreal Engineについての知識を深めました。
Unreal Engine企画第四弾!
Unreal Engine100日チャレンジに挑戦している、Neruです。
この企画は、Unreal Engineの初学者である自分が、100日でどれだけのものを作れるのかというチャレンジ企画です。
初回の記事で、この企画の詳細と、筆者の経験値がどの程度なのかを説明しています。
前回の記事では、Epic Games公式が提供しているチュートリアルを参考にしながら、Unreal Engineの基本的な操作方法や、ビジュアルスクリプティングシステムであるブループリントについて学習を進めました。
今回は、Unreal Engineの学習書としては有名な、『Unreal Engine 5で極めるゲーム開発』を読み進めることで、学習を進めました。
『Unreal Engine 5で極めるゲーム開発』はどんな本?
『Unreal Engine 5で極めるゲーム開発』、通称「極め本」は、Unreal Engine 5を通してゲーム開発について理解することができる入門書です。ページ数は800ほどもあり、ボリュームたっぷりの内容で、基礎から発展まで網羅的にUnreal Engineの使い方を学ぶことができます。
実際に読んでみて、本書はとても勉強になる書籍で、Unreal Engineについて学習したい人にはぜひおすすめしたい内容であると感じました。
本書の利点は、Unreal Engine以外でゲーム開発に必要な知識を紹介してくれている点、内容の網羅性が高い点、そして、ゲーム制作の現場を踏まえた解説をしてくれている点です。「極め本」のおすすめポイント
- ゲーム開発で必要な周辺知識をカバー
- 充実の網羅性
- 製作現場の実感がこもったアドバイス
内容の網羅性に関しては、800ページという大著なだけあり、基礎から発展まで、ゲーム制作やUnreal Engine 5に必要な内容を幅広くカバーしています。巻末には索引もついているため、入門用としてだけではなく辞書としても使える書籍になっています。
Unreal Engineの知識以外でも、ゲーム制作に必要な知識をまとめてくれていることもありがたいポイントです。
例えば、簡単な数学の知識や、コンピューターの知識についてわかりやすくまとめてあります。
Unreal Engineの使い方や仕組みなどを知ることは大事ですが、パソコンのファイルがどのように管理されているか、グラフはどのように表現されるかなど基本的なことを知らなければ、Unreal Engineのスキルもあやふやになってしまいます。
本書では、Unreal Engineの使い方を理解するために必要な背景知識を解説するコーナーがあります。
また、著者の湊和久先生は、Epic Games Japanのエンジニア職として勤務されており、それ以前もゲーム業界で勤務されていた経験があるので、制作の現場をよく知っておられます。
本書にも、湊先生が経験した実際のエピソードが度々紹介されていて、実感がこもった教訓を得ることができます。以上の特徴から、本書はUnreal Engine 5を使って本格的にゲーム制作を学ぼうとする方にはとても有益な本だと感じました。これから勉強する方にはぜひおすすめいたします。
モデリング機能で様々な物体を制作!
本書で学習を進めることで初めて触れた機能が、3Dの物体を成形できる「モデリング機能」です。この機能はUnreal Engine 5上で使用できるもので、外部のソフトに頼らずUnreal Engine上で操作ができます。
モデリングと聞くと3Dの専門的な知識が必要なように思えますが、簡単な物体なら、それほど複雑な操作や知識は必要ありません。実際、Unreal Engineに触れたばかりの初心者である筆者でも、簡単ではありますが、新しい物体を成形できました。
上に掲載した斧は、円柱と石を組み合わせて筆者が作ったものです。縦に細長く伸ばした円柱の素材と、薄く伸ばした石の素材を組み合わせることで作りました。このようにモデリング機能では、複数の素材を変形させて組み合わせることで、新しいオブジェクトを作ることができます。
モデリング機能を使えば様々な物体を作ることができます。他にも、様々な形状を組み合わせてクレーンを作ったり……
円錐状のものを複製して、とげの床を作ったりしました。なお、この床はのちにダメージ床として設定する予定です。
今回製作したオブジェクトはいずれも単純な形のものではありますが、Unreal Engineを触り始めて一か月未満の筆者でも、簡単なモデリングができたことには感動しました。
今回製作したものはいずれも書籍の記述通りに作ったものです。しかし、Unreal Engineにデフォルトで搭載されている形状や、追加購入した物体を組み合わせることで、いろいろな形状を生み出せる可能性があり、わくわくしています。
当たり判定の調節
次に取り掛かったのが、コリジョン(当たり判定)の調節です。
コリジョンとは直訳すると「衝突」を指す英単語ですが、Unreal Engineの場合は物体と物体が接触しているかどうかが判定されるエリアを指します。
コリジョンの設定を間違えると様々な問題が生じます。
例えば、床や壁のコリジョンを間違って設定してしまうと、プレイヤーが床や壁を抜けていってしまうなど、不自然な動作を引き起こすことが考えられます。
また物体のコリジョンを間違えてしまうと、視覚上は物に当たっているのにゲーム上では当たっていない判定になってしまうといった不具合が起きてしまうのです。また、コリジョンは複雑にすればするほどゲームが重くなってしまうとのことです。複雑に作りこむ部分と単純に作る部分のバランスをうまくとらなければなりません。この調整には経験が必要だと感じました。
コリジョンを設定するのは一見難しそうですが、Unreal Engineには物体の形状に合わせて自動的にコリジョンを作る機能があります。また、コリジョンの複雑度を指示することもできるので、大変便利だと感じました。
以下、歯車状の物体に合わせて自動生成されたコリジョンの画像です。
その後は、インポートしたキャラクターにもコリジョンを設定しました。キャラクターの当たり判定は、プレイ感覚に影響を与えるので、重要です。
コリジョンが極端に広いと、見た目では接触していないのに接触した判定になり、フラストレーションがたまってしまいます。
形状も重要で、キャラクターの形に合わせ、かつ複雑すぎないコリジョンを設定しなければいけません。以下の画像は設定したコリジョンです。大まかに、キャラクターの形に合わせてコリジョンが作られていることがわかると思います。
こちらも、自動的にコリジョンが作られるので、筆者のような初心者でも設定することができました。
ワールドを作成!
ある程度モデリングが終わったら、今度はゲームの舞台となるマップを作っていきます。
物体を設置しながら舞台を作っていくのですが、ここで苦戦したのが、光源の扱いです。
ただ、ここで注意しておかなければならないことがあります。光源をマップ上に設置しなければ、当然物体に光が当たることもなく、プレイヤーは何も認識することができなくなってしまいます。
つまり、光源を設置しなければ、画面が真っ暗になってしまうのです。
筆者はなぜ画面が真っ暗なのか気づかず、エラーかと思ってあさっての方向で試行錯誤することになりました……。3Dゲーム作成時は光源の設置が必要だということを実感しました。
光源の問題をクリアして、書籍通りに作ったマップを以下に掲載します。
今回のチャレンジで、アクションゲームを作るための舞台が整いました!
まだギミックは搭載していないので面白味はありませんが、これから動きをつけてゲームとしてプレイできるものを作っていく予定です。今後の目標 : 書籍をさらに読み進め、プレイできるゲームを作る
今回から「Unreal Engine 5で極める ゲーム開発」を読み始め、主にモデリングやモノの成形について学びました。結果、ステージの原型を作ることができました!
次回ではさらに、ゲーム内でモノが動く仕組みについて学習を進め、さらにゲームとして面白味があるものを作っていきます。
Unreal Engine 100日チャレンジは今後も継続します。引き続きどうぞよろしくお願いします!
Born Digital公式サイト(https://www.borndigital.co.jp/book/30360/)より引用