ネタバレなし!『8番出口』が人気な理由とは?その魅力を徹底解説
『8番出口』は、KOTAKE CREATE(コタケクリエイト)が手がけたインディーゲームで、2024年の流行語大賞にノミネートされるほど話題になりました。販売本数100万本を突破し、独自のゲーム空間で多くのプレイヤーを魅了しています。
本記事では、その魅力や人気の理由、おすすめポイントまで、ネタバレなしで解説します!
『8番出口』とは
「8番出口」は、KOTAKE CREATEが開発したインディーゲームで、2023年11月29日にSteamにて配信されました。
発売初日から販売本数は3万本を超え、リリースから瞬く間に話題を集めました。
予定より1日早いですが、
— コタケ / KOTAKE CREATE (@NOTOKEKE) November 29, 2023
「#8番出口」リリースしました。
異変を見逃さないこと
異変を見つけたら、すぐに引き返すこと
異変が見つからなかったら、引き返さないこと
8番出口から外に出ること
Steamページhttps://t.co/i4JCgGggsr#gamedev #indiedev #ue5 pic.twitter.com/0758jOoVsL
2024年4月にWindows版が50万本の売上を達成。同年8月8日には、Steam版とNintendo Switch版を合わせた売上が100万本を突破し、ミリオンセラータイトルとなりました。
『8番出口』の人気はゲーム業界でも高く評価され、日本ゲーム大賞2024では「ブレイクスルー賞」を受賞。さらに、CEDEC AWARDSではゲームデザイン部門とビジュアルアーツ部門で優秀賞を獲得しています。
リリース当初はSteamにてWindows版のみの展開でしたが、現在はNintendo Switch、VR(Meta Quest)、PlayStation 4、PlayStation 5でプレイが可能です。
日本語や英語に加えて、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、韓国語、ポルトガル語、中国語にも対応しています。
ゲームプレイの特徴|シンプルなウォーキングシミュレーション
『8番出口』は、シンプルな操作で進めるウォーキングシミュレーションゲームです。ゲームを進めるのに必要な操作は、歩く、走る、視線を動かす、この3つのみです。
ルールは以下の4つ。
- 異変を見逃さないこと
- 異変を見つけたら、すぐに引き返すこと
- 異変が見つからなかったら、引き返さないこと
- 8番出口から外に出ること
プレイヤーは、地下通路内で起きる「異変」を探しながら、「0番出口」から「8番出口」を目指します。異変が起きれば引き返し、異変がなければ進みます。
途中で異変を見落としてしまうと「0番」に戻ってしまいます。
視点移動により画面酔いをしてしまう場合は、カメラやグラフィックの設定を変更してみましょう。
ホラー要素も含まれていますが、驚きや異変による恐怖感が中心で、グロテスクな描写はありません。そのため、幅広いプレイヤーが楽しめる作りになっています。
流行のきっかけ!配信での面白さ
『8番出口』は、リリース前から開発者KOTAKEさんの告知により注目を集めており、リリース後は多くのプレイヤーに楽しまれる作品となりました。
開発者のKOTAKEさんは、ゲームのリリース前から動画配信について許可をしています。
8番出口の動画配信に関して、
— コタケ / KOTAKE CREATE (@NOTOKEKE) November 8, 2023
いくつか問い合わせがあったのでストアページの「動画配信について」の記載を変更しました。
常識的な範囲の動画であれば、自由に配信も収益化もしていただいて問題ありません。
ご確認よろしくお願いいたします。#8番出口https://t.co/oT5wgmp528
自由な配信環境があることから、初心者から有名な配信者まで幅広い層にプレイされました。
流行のきっかけとして、配信や実況があったと考えられます。
その後も、続々とX(旧Twitter)やTikTokなどのSNSで話題が広まり、リリースから1ヶ月で、世間の関心は急速に伸びました。
また、Googleトレンドを確認すると、検索ボリュームの絶対数は減ったものの、リリースから1年以上経った現在でも、定期的に検索され続けていることがわかります。
参考
『8番出口』という社会現象。ユーザーとクリエイターの「魔改造」の影響力
https://note.com/game_technology/n/n421661bc7ed3
本項目では、配信文化の中で「8番出口」が流行した理由について詳しく解説します。
さまざまなテーマでプレイできる
『8番出口』は、プレイヤーが自由にテーマを設定して遊べる柔軟なゲームデザインが特徴です。
例えば、「最速クリアを目指すリアルタイムアタック(RTA)」「異変を全て見つける探求プレイ」「クリアまでのミス回数を競うチャレンジ」といった多様なプレイスタイルが可能です。
さらに、キャラクターとして登場する「おじさん」や「壁人間(タイルマン)」などを活用したユニークな遊び方や、視聴者と協力して異変を探すなど、リスナーとのコミュニケーションを取り入れた配信も人気です。
また、リアクションが特徴的な配信者は、視聴者も見ているだけで楽しめます。
このような多様性が、配信者の個性を活かしたコンテンツ作りを可能にし、多くの視聴者を引きつけました。
配信・投稿がしやすいゲーム設計
『8番出口』の操作性やゲーム性も、配信に適しています。
ゲームのルールがシンプルで操作も簡単なため、ゲーム配信に不慣れな人でもストレスなく始められます。
また、雑談や、リスナーとのやり取りをしながらプレイしやすい点が、配信者と視聴者の双方にとって大きな魅力となりました。
ゲーム中に訪れる「異変との遭遇」や「ループする場面」は、リアクションが自然と盛り上がるポイントであり、視聴者も一緒に楽しめます。
複雑な操作や準備が不要で、配信中も会話や演出に困りにくいことが、『8番出口』の配信のしやすさの理由の一つです。
加えて、『8番出口』は、動画投稿に関して開発者が設けたガイドラインがシンプルで分かりやすく、実況や配信のハードルが低い点も配信のしやすさにつながっていると考えられます。
『8番出口』が人気の理由5選
『8番出口』は、リリース後から多くのプレイヤーを魅了し、ミリオンセラーを達成するまでに至りました。
その人気を支える理由を5つの視点から掘り下げて解説します。
ゲームのシンプルさ
『8番出口』のゲームデザインは非常にシンプルです。
操作方法やゲームのルール、目指すべきゴールは直感的で分かりやすく、誰でも簡単に遊べます。ゲームの進行も、進むか引き返すか、これだけです。チュートリアルもなく、すぐに始まります。
しかし、その奥には深い中毒性が隠されています。
プレイヤーは地下空間で「異変」を探しながら進みますが、間違った選択をすると同じ場面を何度も繰り返す「ループ」に陥ります。
このトライアンドエラーの仕組みによって、徐々に脱出への手がかりを掴み、『8番出口』に辿り着いたときの達成感は格別です。
さらに、何度も挑戦したくなるゲーム性がプレイヤーをゲームへ引き戻します。
一度8番出口まで辿り着いた後は、全ての異変を探す仕様に移ります。全31個の異変に遭遇するとコンプリートです。
シンプルな設計ながら、奥深い挑戦要素を含む点が、幅広い層に受け入れられる理由の一つだと考えられます。
「ホラー×間違い探し」の新鮮さ
『8番出口』が注目を集めた最大の理由の一つが、その斬新なゲームジャンルです。
「ホラー」と「間違い探し」を融合させた独自のコンセプトは、他のホラーゲームとは一線を画しています。
従来のホラーゲームでは、敵に追いかけられたり、恐ろしい演出で驚かされたりする要素が中心でしたが、『8番出口』は異変を見つけ出す「間違い探し」の要素を導入することで、知的な楽しさを加えました。
さらに、不安感が増幅する地下通路を注視しなければならないことや、異変が見つけられずに自身暗鬼になりながら進むことは、プレイヤーにとって新鮮な体験となりました。
ホラーが苦手な人でも楽しめる要素があるため、幅広い層のプレイヤーが注目した結果、人気が加速しました。
映像の美しさと臨場感
『8番出口』の世界観を支える大きな要因の一つが、Unreal Engine 5による圧倒的な映像美です。
現実感を追求したグラフィックは、多くの人が見慣れた地下通路をリアルに再現しています。
また、細部にまでこだわったオブジェクトや環境音が、緊張感や孤独感を際立たせる要素として機能しています。
この美しくも不気味な映像表現は、ゲームの魅力を最大限に引き出しています。
SNSでの盛り上がり
『8番出口』はSNSでの拡散力が人気を後押ししました。
特に、プレイヤーが日常生活の中で感じる「8番出口っぽい」空間を共有する動きがSNS上でトレンド化しました。
SNS上では、現実世界で「この場所、8番出口に似ている」「異変がありそう」という共感が生まれやすく、多くの人に認知されていきました。
1年以上経っても『8番出口』の話題は途絶えず、多くの人の共通認識として『8番出口』を楽しむ様子が伺えます。
『8番出口』の特典ポスター、貼るだけで異質な空間に思えてくるので狂おしいほどおすすめです pic.twitter.com/OExBxnFfzo
— ごだか@12/27(金)奇ゲーオブザイヤー発表 (@Godaka53) November 29, 2024
『8番出口』の不気味さ|リミナルスペースの活用
『8番出口』の不気味さを際立たせる要素の一つが、ゲーム内で取り入れられたリミナルスペースの活用です。
リミナルスペースとは、通過点や境界となる場所が静まり返った状態を指し、どこか現実から切り離されたような不気味さや不安感を与える空間のことです。例えば、人のいない深夜の地下鉄や、無人の学校の廊下などが典型例です。
この日常の中の非日常的な感覚が、新鮮かつ不安な体験を作り出すため、多くのプレイヤーがゲームの虜になりました。
リミナルスペースの巧みな活用が、『8番出口』の不気味で独特な世界観を作り出しています。
海外では2019年頃から「リミナルスペースの美学」としてネットミームとして広く知られていました。
そのため、『8番出口』の世界観も馴染み深いものとして受け入れられやすく、日本国内だけでなく海外からも人気を集める要因となりました。
開発者KOTAKE CREATEについて
開発者のKOTAKEさんは、主にX(旧Twitter)にて、次々と出てくる開発者の意図を超えた遊び方や二次創作に、寛容な姿勢を示しています。
「8番出口」は、リリース後から、ただプレイするだけでなくさまざまな遊び方がされていましたが、その様子も楽しそうに受け止められています。
引用https://store.steampowered.com/app/2653790/8/