【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】どんな志をどう考えれば良いの? 河野一聡#ex

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【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】どんな志をどう考えれば良いの? 河野一聡#ex

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  1. 1志Q&Aコーナー
  2. 2どんな志がブレない志になるの?
  3. 3最初からブレない志を持っていないといけないの?
  4. 4どうやって自分の本音にたどり着けば良いの?

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【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー第二弾】 世界中の人に感動を与えたい エースコンバットシリーズブランドディレクター、河野一聡#1のイメージ
【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー第二弾】 世界中の人に感動を与えたい エースコンバットシリーズブランドディレクター、河野一聡#1

志Q&Aコーナー

何となくは理解できたような気がするけど……こんな志を考えてみたけど大丈夫かなぁ……という人に向けてもう少し詳しく志について解説していきます。

河野さんに監修いただいていますが、今回教えていただいた内容を私が解釈して説明してみるとこうなるかな?というものになります。なので、絶対にこういうことだ!と思わずに、考え方の一つと思っていただければ嬉しいです。

どんな志がブレない志になるの?

ブレない志かどうかについては、自分が本気で信じられるかという評価軸の他に、環境に左右されるかという評価軸もあると考えられます。

ここでの環境とは、職種や立場、志の中に対象が含まれるのであれば人や物などの志に関わる全てを指します。環境に左右されてしまう志、左右されない志を比較してみましょう。

【剣と魔法みたいな世界観のゲームが作りたい】
これはどうでしょうか。
現代モノのシナリオが強い企業に就職したとしたら?
そもそもこの世界観が世間に求められていなかったら?
そんな理由で、この志を成し遂げられないという状況になってしまうかもしれない。つまり環境に左右されてしまう志になります。

【人を感動させたい】
河野さんの志ですね。
「人を感動させる」は古くからエンタメが人の生活の一部であったことから普遍的な価値と言っても良いでしょう。それに感動させるための方法はエースコンバットでなくても良い。なんならプロデューサーやディレクターじゃなくたって、ゲームでなくたって良い。

ブレない志とは、自分が本気で信じることができて、環境に左右されない志と言って良いかもしれません。

最初からブレない志を持っていないといけないの?

「俺が一番だ」「最高のゲームを作ってやるぜ」のようなもので良いと思うと#8で河野さんが言っている通りです。

ただし、河野さん曰く、壁にぶつかったとき、長く続けていくとなったときにブレない志があると必要となってくるものであり、そんな志があるとそれを糧に伸びやすくなるとのことです。

昔触れたコンテンツに再び触れたとき、昔とは異なる感想を持った経験はありますか。
このように物事を知ったり経験して視野が広がった結果、見え方が変わることは多々あります。経験値を持った人間から見ると存在していない可能性だが、経験がなければ存在するものとして追いかけてしまう。成長した結果、追いかけていた目標の達成が現実的ではなかった。そんなこともあり得るでしょう。

表層的な部分で志を立てていると、長期的に見たときに難しい局面が訪れるかもしれないということです。

どうやって自分の本音にたどり着けば良いの?

自分の内面に問いかけ続けることが一番だと思います。

そんなこと言ったって難しいし、自分の考えた志が表層的な部分にあるかもしれない。そんな人のために、小山さん、河野さんの両名が教えを受けた梅澤先生の理論を紹介します。

上位ニーズと下位ニーズという概念があります。ニーズは複数の層に重なる形で存在しており、その層の上下で上位ニーズか下位ニーズかが決まっています。

例えば、「手軽に瞳を大きく見せたい」というニーズがあったとして、その上位ニーズと下位ニーズはそれぞれ、

上位ニーズ:「手軽にきれいな人だと見られたい」
下位ニーズ:「手軽にまつげを長く見せるものが欲しい」など

このように考えることができます。また、各層のニーズは目的と手段という関係性になっています。目的が上位で、手段が下位に相当します。

参考ページ
梅澤伸嘉の理論 ー「消費者ニーズ」の「目的」⇔「手段」の関係性サンプル

『どんな志がブレない志なの?』で触れた、環境に左右されるかどうかを考えてみると、上位ニーズになればなるほど環境に左右され難いと思いませんか。きれいという価値観が変動したとしても、きれいに見られたいという欲求自体は比較的普遍的なものだと言えます。一方で瞳を大きく見せたいは、きれいという価値観に影響されますよね。

そして、上位と下位は目的と手段という関係性になっていると説明しました。つまり、手段のように感じられる志だと表層的な部分にある志だと言うこともできますね。加えて、上位のニーズにしていくためには、「なぜそれがやりたいのか」を考えていくことで深めていくことができます。

ここで何点か注意が必要なことがあります。

【1つ目の注意点】
前述の梅澤先生の理論は、消費者のニーズを理解するための理論です。
しかし、河野さんが言う志とは「成し遂げたいこと」です。自分の欲求(ニーズ)の深掘りです。立場や対象が多少異なっていることに注意してください。

個人的には、上位ニーズや下位ニーズをあまり詳しく調べない方が良いと思いました。今回、私は解説にあたって調べましたが、参考になる箇所と志について考えるには不要な箇所の取捨選択が難しいと感じます。梅澤先生の理論への理解は「ふーん、そうなんだぁ」程度に留めたとしても志をしっかりと立てることはできると思います。重ねて言いますが、あくまで個人的意見です。興味深い理論には間違いないので、気になった方は調べてみてください。

【2つ目の注意点】
見た目上の言葉に惑わされないことです。

河野さんのアドバイスは「志を本気で信じられる自分の本音として、具体的に言語化しましょう」でした。しかし、上位ニーズのようにブレない、表層的な部分ではないところの志を考え抜く、という行為は抽象化とも言えます。字面で判断して、「こんなゲームをこういう方法で作って~」と固めていくと表層的な位置にある志になっていく可能性があります。

河野さんの志や上位ニーズを見て、具体的ってなんだ?となるかもしれません。河野さんの言う具体的に言語化とは、自分の中にある曖昧な成し遂げたいこと、これをちゃんとした言葉として具体化しましょうということです。

最初にも触れましたが、志を具体的にすることは、自分の内面に問いかけ続けることになります。自分の志であることを忘れないでください。

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【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】学生へのアドバイス、志のメリットと本音を知るには 河野一聡#8
福山
ライター

福山

インターンとして執筆を行っている情報系の大学院生です。ゲーム業界への就職を目指す当事者として、業界に興味を持つ皆様のお役に立つ記事をお届けしていきたいと思います。 大学院ではカラーユニバーサルデザインやデザイン工程でのコミュニケーションについて研究しています。

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