【Web3用語集】オープンメタバース・クローズドメタバースとは

Web3.0とよばれるITの話題の中で、意味がわからない専門用語はありませんか。この記事ではNFTやVRなどの言葉と共によく使われる「オープンメタバース」「クローズドメタバース」という2つの単語について、意味や定義を解説していきます。
オープンメタバース・クローズドメタバースとは|定義
「オープンメタバース」と「クローズドメタバース」という言葉は、他社と業務提携を行いコラボレーションをしているか否かでオープンとクローズにメタバースを2種類に分類した言葉ではありません。メタバースの将来性について語られるときに使われる未来予想図的な言葉です。運営している企業の方針のようにも使われます。
従来の、一つの会社が主導となって運営・管理している仮想空間サービスを「クローズドメタバース」と呼びます。
それとは逆に、インターネットのようにオープンソースで開発され、誰もが自由にコンテンツを作れる仮想空間サービスを「オープンメタバース」と言います。
オープンメタバース・クローズドメタバースとは|意味や解説
メタバースの未来図について
「オープンメタバース」と「クローズドメタバース」という言葉はメタバースが将来的にどのようになっていくのかについて語るときに使われます。
現在のメタバースは、VR技術の発展とVRゴーグルの一般販売という、人間のもつ五感のうち最も情報を取得できる視覚を通したデバイスが広く流通することによって急速に利用者を増やしています。将来的にメタバースは、視覚だけでなく触覚などを通したより感覚的に使えるデバイスが発明され、より生活に身近になっていくとされています。
操作はより直感的になり、専門知識がなくとも使いやすくなるであろうメタバースは、現在のインターネットのように、どこからでもアクセスできて誰もが手軽に利用するようになる身近な技術になるという予測がたてられています。
そして、その時代のメタバースは、利便性が高まりきった結果として、現在のように会社ごとにサービスが乱立して運営されているのではなく、1つの巨大なサービスとして統合されて存在していると想定されます。
オープンメタバースの目的
いつでも端末一つで仮想世界と接続できる。現在のインターネットのように、メタバースがそういった生活に必要不可欠な社会のインフラになった時、その仮想空間サービスの運営を1つの会社が独占しているべきではないと考えるのが「オープンメタバース」の考え方です。
インターネットは、知識さえあれば誰もがホームページを作成できます。しかし、「クローズドメタバース」しかない未来になってしまった場合。運営している企業の管理の元でしかメタバース内での創作活動はできなくなってしまう可能性を危惧しています。
どういった試みが「オープンメタバース」につながるのか具体的には、メタバースにおける仕様の統一や制作コードの公表をすることです。知識さえあれば、誰もがメタバース内で創作や発表をすることができるようになるのが理想となります。
クローズドメタバースの目的
第2の現実としてメタバースが利用されるようになった時に、その場所をどこかの企業が管理していることは許されるべきではないという考えが「オープンメタバース」です。「クローズドメタバース」はそうした「オープンメタバース」の対義語として作られた言葉になります。
簡単に言ってしまうと、メタバースを使用する際にどこかの会社でID登録が強要されてしまう場合は「クローズドメタバース」と呼べます。
「クローズドメタバース」を推進している有名企業としてAppleやGoogle、Facebookなどがあげられています。現在でも既にその兆しが見えており、スマートフォンのアプリを出すには、AppleのIOSかGoogleのAndroidの審査が必要で、購入手続きには専用のクレジットを購入し数割の使用料金などが取られている状況です。そういった寡占に対して、現在の法整備は追いついていません。
特にスマートフォンで多大なシェアを持っているAppleは、クロスプラットフォームにさえ否定的で、ハードの面からもそうした規制をかけている側面があるため、「クローズドメタバース」を推し進めている企業としてよく問題視されています。
こういった自社の利益のみを追求する「クローズドメタバース」の推進ですが、企業として利益を最優先するのは当然のことなので簡単に否定することはできません。しかし、社会に深く結びついた生活インフラとなったときに、そのサービスの提供を1社が支配するようになることに警鐘を鳴らすのが、「オープンメタバース」と「クローズドメタバース」という考え方です。