【Web3用語集】ロイヤリティーとは｜意味や解説

頭文字が1文字違うだけの「Royalty」と「Loyalty」ですが、元々は同じ「王権への忠誠心」という意味の言葉から派生した言葉です。税などの実利的な面が「Royalty」に、愛国心などの精神的な面が「Loyalty」に表れています。

現在では使われる文脈や意味することは違ってきますが、Web3.0で使われる際のそれぞれの特徴などを解説していきます。

頭文字が「R」の方の「Royalty」は、権利者が知的財産権の利用時に受け取れる対価です。特許権では実施料、特許料。商標権では使用料。著作権では利用料、印税とも呼ばれています。

Web3.0関連の話題では、特にNFTの販売に対しての使用料を指すときに使われることがあります。作者、つまり権利を持っている人がNFTを販売する時には基本的にロイヤリティーは発生しません。販売額が作者に直接入ってくるためです。しかしNFTを購入した人が、そのNFTを別の人に販売した時にはロイヤリティーが発生します。

ロイヤリティーの扱いは、NFTを販売する際に使用しているサービスによって変わります。ロイヤリティーが発生しないこともあれば、価格に対してのパーセンテージが固定されている場合や、自分でパーセンテージを設定できるサービスもあり様々です。

ロイヤリティーの支払いは、基本的に権利者がNFTを購入・販売した人に対して交渉などをする必要はなく、スマートコントラクトによって自動的に支払いから入金までが行われます。
 

頭文字が「L」の方の「Loyalty」は、購入者が店・販売者に対して持つ信頼性や愛着心です。明確な数値や単位はありませんが、購入数・アンケート結果・リピーターの数などが関係するマーケティングの話題でよく使われます。

ブランドロイヤルティ・顧客ロイヤルティ・ストアロイヤルティと様々な呼称がありますが、総じて販売側が顧客に対して愛着心や信頼性を感じてもらうためにさまざまな取り組みをする時に使われる言葉です。企業は顧客満足度を上げて同じブランドの商品を買い続けてもらえるよう、他にはないサービスや付加価値を高めることでロイヤリティーをあげる努力をしています。

Web3.0によって企業のマーケティングの手法であるロイヤリティプログラムも変化しています。ビッグデータや顧客データの収集により、販売者と購入者が近づきやすくなりました。企業は、リピーターや優良な顧客に対してより良いサービスをすることでロイヤリティーを高めています。ブランドへの信頼や愛着を高めようとする方法として専用アプリによるポイント加算などはそれまでも行われてきましたが、過去の購入履歴から個々の顧客に対してオススメの商品を提示するなどの手法がとられるようになってきました。

NFTという、販売のルートを完全に把握することができるようになるシステムでも試行錯誤がなされています。VRなどの仮想空間のアバターで使える３Dモデルの商品の販売や、ブランド店舗では現実の商品をNFTと同期させることで商品の唯一性を高め、ブランドの価値をあげるような試みなどがされています。