ChatGPTを使ったゲーム企画書の書き方|すぐに使えるプロンプトと実例
ChatGPTを活用すると、アイデア出しから企画書の下書きまでを簡単に行うことができます。
本記事では、ゲームの企画書作成にフォーカスした活用方法をご紹介します。
すぐに使えるプロンプトを参考に、ぜひ業務の効率化に役立ててみてください。
コンテンツ [表示]
- 1ChatGPTを活用したゲームの企画書作成とは
- 1.1ゲームの企画書に必要な要素
- 2ゲームの企画書作成にChatGPTを活用するメリット
- 2.1企画書の作成時間を短縮できる
- 2.2企画書の内容改善につながる
- 3ゲームの企画書作成に使えるChatGPTのプロンプト
- 3.1プロンプト例①|ゲームのアイディア出し
- 3.2プロンプト例②|ゲームのアイディアをまとめる
- 3.3プロンプト例③|ゲーム企画を企画書にまとめる
- 3.4要約・翻訳も簡単にできる
- 4ChatGPTを企画書作成で使う際の注意点
- 4.1情報が正しくない場合がある
- 4.2学習データによるバイアスに注意
- 4.3機密情報や個人情報は入力しない
- 4.4最新情報に対応していない
- 4.5デザインは自分で行う必要がある
- 5ChatGPTについて
- 6まとめ|ChatGPTを活用してゲームの企画書作成を効率化しよう
ターゲットユーザーのニーズを探りたい時におすすめなのがこちらのプロンプト。
あなたはユーザーインサイトの分析に詳しいプロのマーケターです。 今からゲームの企画書作成のためのマーケティング調査をしていきます。{ターゲット}が{テーマ}に関連して経験する10の不満・悩み、10の欲求・願望をそれぞれできるだけ具体的に提示してください。 #目的 プレイヤーのゲームに対するニーズを理解し、新しいゲームの企画に役立てたい。 #制約条件 ・不満・悩みと欲求・願望はペアで対照的に示してください。 ・可能な限り具体的に記載してください。 #出力形式 表形式: |不満・悩み|欲求・願望 |
ゲーム企画書に市場ニーズやトレンド、競合優位性などの要素を盛り込みたい場合、ターゲットユーザーのニーズを探ることで参考にできるでしょう。
上記のプロンプトを入力すると、ターゲットリサーチが簡単にできます。
▼実際の質問文と回答
使い方ポイント|表形式の項目を指定するには
- 表形式で出力したい場合に項目を指定するには、項目を「|(バーティカルバー)」で区切ります。
とはいえ、ChatGPTが示す内容はあくまで参考程度です。分析の明確な根拠を示すには、自分で深く分析を行う必要があります。
また、ChatGPTの無料版が参照しているデータは2021年9月までの情報なので、最新の市場調査には不向きである点に注意しましょう。
企画をまとめた後、これらのニーズを満たせているかを確かめるチェック項目として活用する程度であれば、十分に有益です。
プロンプト例②|ゲームのアイディアをまとめる
以下では、ゲームのアイディアを整理する段階で使えるChatGPTのプロンプトを紹介します。
ゲームの要素を深掘りするプロンプト
アイディア出しでコンセプトの大まかなイメージはできましたが、さらに詳細を詰めていく必要があります。
「一発でゲームの企画全体を網羅するプロンプト」の回答文の中で興味を持った内容を具体化していくために、例えば以下のように質問します。
○○について考えてください。 |
○○について詳しく説明してください。 |
○○には、回答文に記載してある特定のワードをコピペして使いましょう。
生成結果に対して「もっと詳しく」「□□文字以内で別の案を10個考えて」などと指示を出せば、それに沿って再回答してくれます。必要に応じて軌道修正を行いながら質問と回答を繰り返していくと、内容のブラッシュアップに有効です。
▼実際の質問文と回答の一部
使い方ポイント|ChatGPTのモチベーションを上げる
- ChatGPTが上手に回答できたら、感謝したり褒めたりすると精度が少し向上するようです。丁寧に接すれば丁寧な回答を返してくれます。
他にも、「会話の中から思いついた自分の考え」を交えながら、世界観の詳細やストーリーのエンディング、クリア後の要素、その他ゲームシステムに影響しそうな要素について深掘りしました。
一通り深掘りし終えてから、それらを踏まえてコンセプトを検討し直してもらっています。併せて以下のようにキャッチコピーやタイトルも調整しました。
▼実際の質問文と回答
このように、疑問点や不明点を思いつくままにChatGPTに投げかけて対話を繰り返し、アイディアを詰めていきます。
これまでのアイディアを情報整理してまとめる
深掘りした内容も踏まえ、これまでのアイディアをまとめるために以下のように質問します。
ここまでのスレッド全体の内容を網羅的に盛り込んで、ゲームの企画書を改めて詳しくまとめてください。 |
▼実際の質問文と回答
改めて最初と同じフォーマットで企画をまとめてくれました。
プロンプト例③|ゲーム企画を企画書にまとめる
ゲームの企画書は、PowerPointやGoogleスライドなどにまとめることが多いでしょう。ChatGPTを利用すれば、スライド資料のたたき台を簡単に生成することができます。
以下のように簡単に質問するだけでも、最低限の回答が得られます。
このゲームの企画書を◯枚のプレゼンテーション資料にまとめる際の、構成を考えてください。 |
▼実際の質問文と回答
以下のプロンプトのように、条件を詳しく指定して構成案からChatGPTに考えてもらうこともできます。
条件は必要に応じて追加・修正しても良いでしょう。
あなたはプレゼン作成のプロフェッショナルです。 以下の#制約条件 に従って、上記のゲームの企画書のプレゼンテーション用の構成案の作成を行い、#出力形式 に従って出力してください。 #制約条件 ・以下の#プレゼン内容 の条件に忠実に従ってプレゼンテーションの構成案を作成してください。 ・出力については必ず#出力形式 に従って行ってください。 ・ゲームの企画書の項目を網羅的に入れてください。 ・各スライドではゲームの企画内容が伝わるようなビジュアル案も提案してください。 #プレゼン内容 目的:{自由記述} スライド枚数:{数字}枚 時間制限:{自由記述} 主要ポイント:{自由記述。箇条書きでもOK} #出力形式 【構成案】 <1枚目> [具体的な記載内容とビジュアル案を記入。可能な限り分かりやすく説明する] <2枚目> [具体的な記載内容とビジュアル案を記入。可能な限り分かりやすく説明する] <3枚目> [具体的な記載内容とビジュアル案を記入。可能な限り分かりやすく説明する] … [#プレゼン内容 に応じて必要な枚数分だけ構成案を書く。] |
▼実際の質問文と回答
そのまま使用できる程のクオリティの出力は難しいですが、ゼロベースから検討・作成するよりも時間を短縮することは可能です。
ChatGPTの回答をベースに、伝わりやすさを工夫しながら調整・肉付けし、スライドを完成させていくと良いです。適宜スライドの出力形式を調整するか、スライド構成の検討は自分で行った方が良い場合もあるでしょう。
ゲームの企画書においては、多すぎない枚数で必要な要素をわかりやすく訴求するのがベターです。
効果的なゲーム企画書の書き方や伝え方については、以下の記事を参考にしてみてください。
要約・翻訳も簡単にできる
ChatGPTを使えば、文章の要約や翻訳も即座に行うことができます。
ゲーム企画書を作成する中で要約・翻訳の必要がある際は、以下のように文字数や言語を指定して出力しましょう。
この文章を100字以内で要約してください。 |
この文章を英語に翻訳してください。 |
ChatGPTを企画書作成で使う際の注意点
ChatGPTなどの生成AIは非常に便利なツールですが、いくつかの弱点や課題が指摘されます。
AIの全てを信頼し任せるのではなく、人の情熱や発想も組み合わせて納得性を高め、専門的な判断や意思決定も人間が行う必要があります。
以下の注意点をよく理解した上で適切に活用するよう心がけましょう。
情報が正しくない場合がある
ChatGPTは大量のデータを基に学習していますが、その情報の全てが正確とは限りません。ときには誤った情報やもっともらしい嘘(ハルシネーション)を生成してしまうことがあります。
ChatGPTの情報を鵜呑みにせず、自ら信頼のおける第二の情報源を参照するなどしてファクトチェックを必ず行いましょう。
学習データによるバイアスに注意
ChatGPTは、学習データに存在するバイアスや偏見を反映する可能性があります。
倫理的で公平な意思決定を行うためには、ChatGPTが提示する見解や情報が一面的である可能性も踏まえ、多角的な視点から情報を評価する必要があります。
機密情報や個人情報は入力しない
ChatGPTに入力した情報はサーバーに蓄積され、AIの学習データに利用される場合があります。そのため、情報がほかのユーザーへの回答として使われてしまう可能性が否定できないほか、ChatGPTが不正アクセスやハッキングに遭った際に情報が流出するリスクもあります。
よって、第三者への情報漏えいを防ぐため、プロンプトに機密情報や個人情報、顧客情報などは絶対に入力しないようにしましょう。
最新情報に対応していない
ChatGPTが参照する学習データは、無料版が2021年9月まで、有料版でも2023年4月までのものです。そのため、その後の出来事や情報については反映されない可能性が高く、現状の市場分析には向きません。
新鮮な情報や、急速に変化する分野についての情報を求める場合は、最新の情報源を直接確認する必要があります。
デザインは自分で行う必要がある
ChatGPTはテキスト生成には優れていますが、スライド資料のデザインやレイアウトを直接行う機能は提供していません。
良い企画書を作成するには、具体的なデータに基づく図表の挿入や、視覚的理解を得られるようにイラストや画像を用いるなど、デザインの工夫が必要です。
ゲーム企画書の視覚的な魅力を高めるために、スライドのデザインや詳細なコンテンツ作成は自分で行うようにしましょう。
ChatGPT-4(有料版)でできること
- 有料版では画像生成もできるため、ゲームのビジュアルイメージを生成して企画書に使用することが可能です。
- 有料版に搭載されている「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」という機能を使用すれば、スライド内のグラフや図表を提案・作成してもらったり、PowerPoint形式で出力してもらったりすることも可能です。