ゲーム制作で押さえておきたい|基本的な開発の流れ
ゲーム業界に関心のある人は、ゲームがどのような流れをたどって開発されているのか気になるのではないでしょうか。
この記事では、ゲーム制作の基礎となる開発の流れを解説します。企画からリリースまで、ゲームがどのようにして誕生するのか、その全貌を分かりやすくご紹介します。
ゲーム開発とは?
ゲーム開発とは、ゲームを企画からリリースまで作り上げる一連の工程のことです。
ゲーム開発には、個人で趣味として行うものから、大企業が数十人規模のチームで数年かけて開発するものまで、さまざまな規模と形態があります。
個人での開発は、アイデアを形にする自由度が高い一方で、全ての工程を一人で担うため、時間や労力が必要です。
企業での開発は、専門のチームで分業することで大規模なゲームを開発できますが、組織のルールやスケジュールに縛られることもあります。さらに、企画段階からリリースまでの期間が長くなる傾向があります。
本記事では、ゲーム開発の基本的な流れを、開発段階ごとに分けて解説していきます。
ゲーム開発の流れ
ゲーム開発には、どんなゲームを作りたいのかを考え出す「企画」、ゲームのルールや世界観を具体化する「設計」、実際にゲームを動かすためのプログラムを作成する「開発」、ゲームが正常に動くかを確認する「テスト」、そして完成したゲームを世に送り出す「リリース」の工程があります。
今回はチームでの開発の流れについて、一つずつ工程を解説します。
企画段階
ゲーム開発の出発点となるのが企画段階です。
どんなゲームを作りたいのか、そのゲームの魅力は何なのか、といったことを具体的に考えていきます。
企画段階では、ゲームの成功を左右する重要な決定が数多く行われます。そのため、チーム全体でアイデアを出し合い、議論を深めることが大切です。
企画段階で行うこと
- アイデアの創出
- ターゲット層の選定
- 市場調査
- 仕様書の作成
- プロトタイプ作成
企画段階でしっかりと準備することで、後の作業工程をスムーズに進めることができます。また、企画段階で作り上げた仕様書は、開発チーム全体で共通認識を持つための重要な資料となります。
設計段階
企画段階で生まれたアイデアを、実際にゲームとして形にするために計画を立てるのが設計段階です。
設計段階では、企画段階で決まった内容を基に、ゲームの具体的な構造を構築して設計書を作成します。設計がしっかり行われていないと、開発中に大きな問題が発生したり、開発期間が長引いたりする可能性があります。
設計段階で行うこと
- ゲームシステムの設計
- 世界観の構築
- 画面設計
- 技術設計
- プロトタイプ作成:アルファ版(α版)
設計段階で作成された設計書に基づいて、プログラマーはプログラムを作成し、グラフィックデザイナーはグラフィックを作成します。設計書が詳細かつ正確であるほど、次の開発段階がスムーズに進み、高品質なゲームを制作することができます。
開発段階
設計段階で作成された設計書に基づいて、実際にゲームを制作する段階です。
開発段階では、設計書の内容を具体的に形にしていきます。プログラマー、グラフィックデザイナー、サウンドクリエイターなど、さまざまな分野の専門家が協力して作業を進めます。
開発段階で行うこと
- プログラミング
- グラフィック制作
- サウンド制作
- デバッグ
- プロトタイプ作成:ベータ版(β版)
開発段階では、設計段階で決まった内容と実際のゲームとの間にズレが生じることがあります。そのため、定期的に設計書と開発状況を比較し、必要に応じて設計書を修正する必要があります。
また、開発中に新しいアイデアが浮かぶことも多く、柔軟に対応していくことも重要です。
テスト段階
開発されたゲームが、設計書通りに動作し、バグがないかを確認する段階です。
テスト段階では、様々な角度からゲームを検証し、品質を高めていきます。
テスト段階で行うこと
- バグの発見と修正
- パフォーマンスの評価
- バランス調整
- 機能テスト
- プロトタイプ作成(マスター版)
テスト段階をしっかりと行うことで、リリース後のバグ発生を最小限に抑えることができます。また、プレイヤーからのフィードバックを参考に、ゲームの完成度をさらに高めることも期待できます。
リリース段階
完成したゲームを世の中に送り出す最終段階です。
リリース段階では、開発したゲームが多くのユーザーにプレイしてもらえるように、さまざまな活動を行います。
リリース段階で行うこと
- 製品版の作成
- プロモーション
- リリース
- アフターサポート
リリース段階は、開発チームにとって重要な段階の一つです。長期間にわたって開発してきたゲームが、ようやくユーザーの手に渡る瞬間です。
リリース後のユーザーからのフィードバックは、今後のゲーム開発に活かしていくための貴重な情報となります。
各工程における役割
各工程において、さまざまな職種が密接に連携しながら作業を進めます。
例えば、ゲームプランナーが設計したゲームシステムを、プログラマーが実装し、グラフィックデザイナーが視覚的に表現します。また、ゲームテスターからのフィードバックを基に、プログラマーやグラフィックデザイナーは修正も行います。
このように、多職種が連携し、それぞれの専門性を活かすことで、魅力的なゲームは誕生します。
本項目では、ゲーム開発に関わる主な職種とその役割について解説します。
ゲームプランナー
ゲームの企画段階から携わり、ゲーム全体のコンセプトや世界観、ゲームシステムなどを設計します。プレイヤーが楽しめるゲーム体験を提供するために、ゲームの面白さや奥深さを追求します。
プログラマー
ゲームプランナーが設計したゲームシステムを、実際のプログラムとして実装します。ゲームの動きやキャラクターのAI、ゲーム画面の表示など、ゲームのあらゆる部分をコードで記述します。
グラフィックデザイナー
ゲームの世界観を視覚的に表現します。キャラクター、背景、オブジェクトなどのデザインを作成し、ゲームの世界にリアリティや魅力を与えます。
サウンドクリエイター
ゲームの音響面を担当します。BGM、効果音、ボイスなどを制作し、ゲームの世界観を盛り上げます。
ゲームテスター・デバッガー
完成したゲームをプレイし、バグや不具合を発見します。ゲームの品質を高めるために、あらゆる視点からゲームを検証します。
個人でゲーム開発を行う場合
個人でのゲーム開発は、自分のペースで開発を進められ、自由な発想でゲームを作れるメリットがあります。
一方で、全ての作業を一人でこなすため、時間がかかることや、専門知識が不足している場合に開発が難しくなるデメリットも挙げられます。
しかし、個人でゲームを開発する場合でも、企画・設計・開発・テスト・リリースの基本的な流れは変わりません。
個人でのゲーム開発の詳しい流れは以下を参考にしてください。
企画段階
企画書は、開発の羅針盤となります。詳細に作り込むことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
- アイデアの明確化
- 目標設定
- 企画書の作成
市場調査
競合作品を分析し、自分のゲームの強みを見つけることで、差別化を図ります。
- プラットフォーム選択
設計段階
設計がしっかりしていれば、開発がスムーズに進みます。開発段階で迷わないよう、入念に設計をしましょう。
- ゲームシステム設計
- 画面構成
- レベルデザイン
- ストーリー設計
開発段階
プログラミング、グラフィック、サウンドなど、さまざまなスキルが必要です。
ゲーム開発に必要な機能を備えたゲームエンジンもあるので、自分に合ったものを選びましょう。
- 開発環境構築
- プログラミング
- グラフィック制作
- サウンド制作
テスト段階
バグを見つけることや、ゲームバランスの調整をします。
外部の意見を取り入れることで、より良いゲームに仕上げることができます。身近な人にプレイしてもらって意見を聞いたり、ゲーム開発のコミュニティを活用したりすると良いでしょう。
- バグ修正
- バランス調整
- プレイテスト
リリース段階
ゲームを公開し、ユーザーにプレイしてもらいます。
プロモーション活動も重要です。SNSやコミュニティを活用して、ゲームをアピールしましょう。
- ストアページ作成
- リリース
まとめ
本記事では、ゲーム開発の基本的な流れを解説しました。
企画からリリースまで、さまざまな段階があり、それぞれの段階で異なる作業が行われます。そして、すべての作業が試行錯誤の連続です。
個人でゲームを作る場合、全ての工程を一人で担当することもあります。チームで開発する場合には、多職種が協力して進めます。どちらの場合でも、計画性と実行力が求められます。
本記事がゲーム開発の参考になれば幸いです。